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エデンの東・・・この映画は音楽が物凄く素晴らしい。私のお爺ちゃんによればCDがまだ無い時代、ラジオのリクエスト曲では大体、このエデンの東の音楽か慕情の映画音楽が流されていたといいます。


『エデンの東』 (1955年・米)
エデンの東
スタッフ
監督:エリア・カザン
脚本:ポール・オスボーン
原作:ジョン・スタインベック「エデンの東」
製作:エリア・カザン
音楽:レナード・ローゼンマン
撮影:テッド・マッコード
編集:オーウェン・マークス
配給:ワーナー・ブラザーズ
キャスト
ケイレブ・トラスク“キャル”:ジェームズ・ディーン(野沢那智)
アブラ:ジュリー・ハリス(香野百合子)
アダム・トラスク:レイモンド・マッセイ(鈴木瑞穂)
アロン・トラスク:リチャード・ダヴァロス(富山敬)
ウィル・ハミルトン:アルバート・デッカー(石田太郎)
サム:バール・アイヴス(富田耕生)
アン:ロイス・スミス(小山茉美)
グスタス・オルブレヒト:ハロルド・ゴードン
ジョー:ティモシー・ケイリー(青野武)
ケート:ジョー・ヴァン・フリート(鳳八千代)


 エリア・カザン監督作品「エデンの東」。原題タイトルは「East of Eden

 ジェームズ・ディーンが初主演作品にして彼のスターとしての不動の地位を確立させた作品となりました。彼のスターとしてのキャリアはこれと、「理由なき反抗」(1955)、「ジャイアンツ」(1956)でその幕を閉じました。短いキャリアながらものすごく深いスターとしての人生を送りました。愛車での事故死。ほかの同乗者は生き延びてもディーンだけが即死して死んだ、ということにも何か因果のようなものを感じました。

 何といっても音楽が素晴らしい。まさしく永遠に残る音楽だと思いますよ。

 エリア・カザン監督は結構、名作を残すんですよねえ。波止場、とか欲望という名の電車、とか革命児サパタの映画も残した名監督中の名監督ですからね。

 ヒロイン役のジュリー・ハリスは素晴らしい魅力あるヒロインを演じてくれました。作品でのジュリー・ハリスは本当にかわいげがあっていいですね。

 この映画はどんなに良い人でもどこかに脆さを持っていることも教えてくれているような気がしました。そして、人が人に求める愛とはどんなものだろうか。そして「許すこと」と「許されること」とは?

 ちなみに私は聖人じゃありません。この映画を観た人ならば私の言った意味が分かってくれると思います。

 そして、良い人が決して優しい人だとか聖人のような人だとは限らんのです。それは人それぞれなんですよ。

【あらすじ】

 農家の次男坊、キャルは娼館を営んでいた女性の秘密を探っていた。キャルは兄・父そして亡き母ともに成人のような善人である。この一家で善人とはいえないのはキャルだけだった。キャルは一人だけはみ出し者。しかし彼自身は父に愛されようと努力してもいつも空回りしていた・・・



♪エデンの東     ビクター・ヤング・オーケストラ













【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 カリフォルニア州。農場の地主アダム・トラスク(レイモンド・マッセイ)の次男坊、ケイレブ・トラスク(ジェームズ・ディーン)は通称キャルと呼ばれていた。

 キャルは家から少し離れた地でケート(ジョー・ヴァン・フリート)という酒場経営の女性を追っていた。ケートは尾行されていることに気付き、用心棒のジョー(ティモシー・ケイリー)をキャルの下へ向かわせ、キャルはジョーに「あの女性のケートって本名?」など些細なことを聞いて立ち去っていく。

 列車に無銭乗車してサリナスに帰ってくる。帰って来た直後に双子の兄アロン(リチャード・ダヴァロス)とその兄の恋人アブラ(ジュリー・ハリス)と出くわす。三人は揃って野菜の冷凍事業を企画する父の下へ向かう。

列車に乗るキャル

 アダムは聖人のような男で兄アロンもその良い部分を受け継いだのか、素直で優しい男だった。対してキャルは獣のような目つきでお世辞でも父や兄の良い部分を受け継いでいる、とは言えなかった。

 キャルはアダムに第一次世界大戦にアメリカが参戦すれば大豆は値上がりする。そうすれば、野菜の冷凍技術よりも儲かる、とほんの提案のつもりで言ったがアダムからはトラスク家は儲けを必要としていない、と話しその提案を却下する。

 アダムはキャルに兄アロンと比べ家族としての愛を明らかに不足していたのだ。キャルはそのことに寂しさを感じ愛に飢えていた。キャルは、アブラとアロンが婚約することを盗み聞きし、さらにアブラまでもが自分にいい印象を持っていないことを知り氷の貯蔵庫から氷を流してしまう。

 その夜、氷を流したことでキャルはアダムに説教をされる。キャルは聖書を読まされ、「第二節」とか「第三節」は読まなくていい!と言われているのにそれを無視してキャルは読んだためにアブラに激怒される。

 それからキャルはアロンが去ったのを見計らってアダムに自分の母親のことを訊ねる。兄弟二人には母は天国へ行った、と言い伝えられていたがアダムはキャルに本当のことを明かす。母は家族を捨てて東部へ去ったのだという。その後は音信不通なのだ。また、アダムは自らの妻に去り際に銃撃されたのだ。

 キャルはそのことを聞くと引き止める父を無視してケートの酒場へ向かう。

 ケートの酒場でキャルはそこの従業員アン(ロイス・スミス)からケートの部屋を聞き出す。

母の部屋を聞き出すキャル

 キャルは部屋へ行きケートに話したいことがあるんだ、と必死に伝えるがケートはジョーを呼び追い出してしまう。

 保安官事務所に連れて行かれたキャルはそこでアダムの古い友人と名乗る保安官サム(バール・アイヴス)から父と母の話を聞く。キャルはサムから父と母の写真を見せられてやはりケートこそが自分の本当の母だったことを知る。

 サムの厚意により家までキャルは送られるが、キャルはそこでサムになぜ父が全く釣り合わない母と結婚したのか、をサムに聞く。サムによると「田舎農家で世間知らずのアダムは移民でも美人だったケートに惚れ込んでしまった」とのことだった。

 そしてサムはこうも言った。「アダムは正しい善人だ」


 キャルは父のレタスを冷凍保存して列車で輸送する事業を手伝う。キャルはレタスの積み込み作業を円滑に進めるべく石炭落としを使う。円滑に進む作業のアイデアにアダムはキャルを褒める。気をよくしたキャルは昼休みに初めて兄アロンの恋人アブラと長い時間、会話をする。

 アブラは前に、キャルと同じような状況に立ったことがあるらしい。母が死に再婚した父親が許せなかったがしばらくして父を許し親子の愛を取り戻したのだという。アブラはキャルに根気よく続ければきっとキャルもアダムに愛してもらえる、と励ます。

 やがてアダムは使用したのが石炭落としだと知りキャルを叱る。しかしその効率性はアダムも認め兄アロンに木造で同じようなものを作るよう命じる。

 やがてレタスと氷を積み込んだ列車は出発するが途中で立ち往生しレタスは腐ってしまう。アダムは「思いあがっていたのだ」と反省するが、やはり無駄ではなかったと確信。すぐに立ち直る姿にアロンはやはり父親は偉大な人物だ、と喜ぶ。しかし父の損害は軽いものではなかった。

 第一次世界大戦参戦への参加が国内論で高くなる。ドイツ人の虐殺などの噂が広まり靴屋を営むドイツ人のグスタス・オルブレヒト(ハロルド・ゴードン)は町の人から批難される。

 大豆の需要が高まると確信したキャルはアダムの友人ウィル・ハミルトン(アルバート・デッカー)に大豆事業のことで相談する。しかしキャルが大豆事業を手に出すには農家を買い占めるための5000ドルがまず必要だと話す。

 キャルは5000ドルを借りるあてとしてケートのことを思い出す。キャルは再びケートの下を訪ね、ケートはめげないキャルに折れてついに話を聞いてもらうことになった。

 ケートは自分に似ているキャルのことをついに息子として扱ったのだ。キャルは父の損失を取り戻すために5000ドルが必要だということを話す。

 そして家を出て行ったあと、娼婦として金儲けしたケートは家族のことをキャルに聞かれ話し出す。アダムはケートを妻として農場に束縛しようとしていた。しかしケートは自由が好きで束縛されることを嫌う。出ていく際にあまりにも引き止められたためにアダムを撃ってしまったので殺すつもりはなかった、と話した。

 善人として名高くまるで聖人であろうとするアダムには今でも嫌気が差しておりキャルにも、自分と同じ考えだろう?と聞く。最初はそんなアダムを助けるのなど冗談じゃない、と思っていたケートだったがキャルに睨まれやむなく5000ドル貸すことを承知し小切手を切る。


 そしてアメリカは戦争への参戦を発表する。大豆の値上がりを喜ぶキャル、一方でアロンは平和主義者で戦争は人のすることではない、と反対する。

 キャルは契約した農場の畑に毎日、入りびたりだった。

 ある夜、キャルは遊園地でアロンと待ち合わせていたアブラと出くわす。しばらく時間もあるので遊園地を遊び回る二人。二人で観覧車に乗った時、アブラはキャルにアロンのことで相談する。アロンはなんだか戦争が始まってから人が変わってしまったようだ、と。

 やがてアブラはキャルにキスしてしまいその後にすぐ自分のしたことに困惑する。心のどこかでアロンとは違い奔放で逞しいキャルに惚れてしまっていたのだ。

 直後、ウィル・ハミルトンが町民から一斉に非難されている場面に出くわす。その町民をなんとか押しとどめようとしていたアロンの身が危なかった。

 キャルは止まってしまった観覧車を鉄筋伝いに降りてアロンを助けに向かう。やがてアロンを助けに飛び込んだことで一斉に殴り合いになってしまう。

 そこへ通りかかった保安官サムがそれを鎮める。しかしアロンは恋人のアブラがキャルと過ごしていたことを知りキャルを罵る。キャルは思わずアロンを本気で殴ってしまいすぐにそれを後悔して近くの酒場に転がり込む。

 アブラはそれを追いかけ、キャルを慰める。そこへアロンも入ってきてアロンは「どっちがお父さんの真の息子か、お父さんなら分かるはずだ」と言い捨て去って行った。

キャル、アブラ、アロン

 翌日、キャルは儲かった金を銀行からおろしてアブラの家に行く。そしてアブラに自分が儲かった金をプレゼントすることと父の誕生パーティを開きたいから装飾を手伝ってほしい、と頼み込む。アブラはキャルの嬉しそうな姿に安堵する。

 やがて父アダムが帰宅する。誕生パーティの装飾で父を驚かせたキャルは珍しく父に喜ばれキャルはアダムに自分のプレゼントを渡した。

 キャルを妬ましく思うアロンはアダムに、アブラと結婚することを伝えそれが誕生日プレゼントだと伝える。アダムは喜び、それがなによりのプレゼントだと言った。

 キャルとアブラにせかされキャルのプレゼントを開けるアダム。アダムは中身が金であることに困惑しキャルから大豆で儲けた金だと言われ、受け取ることを拒否する。

 アダムは徴兵者選択委員の立場であり、戦争を嫌っていた。その心遣いは嬉しいが戦争を利用した金は受け取れない、とキャルを叱りつける。

 「アロンのプレゼントを見習え。お前はもっとマシな生き方をすることがなによりのプレゼントだ」と言いキャルはショックのあまり庭へ出ていく。

父アダムに泣きつくキャル

 庭で追い打ちをかけるようにアロンがキャルのことを批判する。「お前は昔から父さんにとっていらない息子だ」と言い、その言葉でついに何かがおかしくなったキャル。キャルはアロンをどこかへ連れて行く。

 アロンは母が真っ当な善人のまま天国へ行った、と信じていた。しかしキャルはアロンを母ケートの下へ連れて行くことでそれをぶち壊してしまおう、と考えたのだ。アロンをケートと再会させ、キャルはアロンに復讐したのだった。アロンはキャルの予想通り、絶望してしまう。

 家に帰宅したキャル。キャルはアダムに「アロンに母が生きていることと、母が娼婦であることを教えましたよ」と言い「今まで父さんに愛されようと努力した。でも全部、無駄だ。愛なんて無駄で必要ない。もうあなたの愛などいらない」と言い捨て、父が受け取らなかった金を拾って家を出ていく準備をする。

 そこへ保安官サムがやってくる。サムは、駅でアロンが酒に酔って暴れ喧嘩をして自分を痛めつけようとしていることと、軍隊志願の電車に乗る準備をしていることを話す。アダム、キャル、アブラは急いで駅へ向かう。

 駅では電車に乗り込んだアロンが父アダムが来たのを見て狂ったように電車の窓を頭突きで割りつける。呆然とするアダムに電車が走り出す。アダムは昏倒してしまう。

 アダムは脳卒中を起こし半身不随となってしまった。サムはキャルとアロンが聖書通り(旧約聖書『創世記』第4章「カインとアベル」を参照)になってしまったな、と寂しそうに言いキャルにこの地を去るように言う。

 アダムの様子を知ったキャルは自分の行いを後悔する。アブラはアダムに何か言ってあげるように押し込み、キャルはアダムに謝罪する。何の反応もないアダムにキャルはいたたまれなくなり部屋を出ていく。

 アブラはアダムにキャルが本当は父の愛に飢え欲していたことを伝え、ぜひ彼に自分の愛をなにかで示してあげてほしい、と懇願する。そしてアブラはキャルを部屋へ入れ込む。

 キャルはアダムに話しかける。そこへ無神経な看護師が入室してきてうるさく話し出したためにキャルは大声を張り上げて追い払う。

 アダムは力を振り絞って「あの看護師は気に食わない。お前が看病してくれ。それでいい・・」

 キャルはアブラに父に言われたことを伝えキスを交わす。そしてアダムのベッドに寄り添う。

キャルとアブラ

 アブラはその姿を見て安堵し部屋を退室するのだった。








 「カインとアベル」に当てはめるとカインがキャル、アベルがアロン、ヤハヴェがアダムですかねえ。

 最後にキャルは父の言葉に救われたんでしょうが、私としては父アダムにとってキャルは最後の瞬間、居なくなった妻ケートの代わりになったように感じました。それは弱ったアダムの最後の発言があるからですかね。

 この映画は人の価値観の違いってのがくっきりと出ていますよね。聖人でもそれがいつでも正しい、とは限らないのですよ。かといってキャルのような生き方も正しいとは言えないでしょう。
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Category: 洋画ア行
さあコナン二作目「名探偵コナン 14番目の標的」を観賞しました。


『名探偵コナン 14番目の標的』 (1998年・日)
名探偵コナン 14番目の標的
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:ZARD「少女の頃に戻ったみたいに」
製作会社:「名探偵コナン」製作委員会
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:塩沢兼人
妃英理:高島雅羅
岡野十和子:一城みゆ希
辻弘樹:谷口節
沢木公平:中尾隆聖
仁科稔:鈴置洋孝
ピーター・フォード:アンディ・ホリィフィールド
村上丈:鈴木英一郎
小山内奈々:岡本麻弥
宍戸永明:内海賢二


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 14番目の標的」

 コナン映画化作品は二作品目となっていますね。結構、声優陣は豪華となっておりますねえ。

 毛利小五郎の奥さん、妃さんが出てきますねえ。私、結構妃さん好きなんですがいつになったら映画に灰原哀が出てくるのでしょうか・・

 今回の映画の舞台になったモデルは海ほたると東京湾アクアラインでしょうね。エンディングで東京湾アクアラインが映されていましたから。


【あらすじ】

 警視庁の目暮十三がボウガンで何者かに命を狙われ幸い、生きていた。しかし小五郎と別居中の妻・妃英理も毒入りチョコレートを食して、倒れこんでしまう。更にその直後にコナンの恩師でもある阿笠博士が何者かにボウガンで撃たれる。コナンの周りの人間が次々と何者かに命を狙われていた。














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 毛利蘭(山崎和佳奈)は、湖のほとりで母・妃英理(高島雅羅)が何者かに撃たれる夢を見る。蘭は不安になり電話で英理にそのことを伝える。英理は蘭に「心配ないわよ」と伝えるがその電話を聞いて不安な表情を浮かべる。

 江戸川コナン(高山みなみ)は少年探偵団の仲間、吉田歩美(岩居由希子)、円谷光彦(大谷育江)、小嶋元太(高木渉)と共に阿笠博士(緒方賢一)と航空博物館に行く。待ち合わせの際に歩美がやった恋の占いゲームでコナンは「A(キス)の予感」だった。

 コナンは毛利蘭、そしてその父・小五郎(神谷明)と別居中の母・妃英理で食事をしていた。小五郎と英理は最初は昔を思い出しながらいい雰囲気になっていたが、小五郎が窓越しに行きつけのクラブのママ・岡野十和子(一城みゆ希)を見つけてしまったので、英理は不機嫌に食事会を去ってしまう。

 それからしばらくして、ジョキング中の目暮十三警部(茶風林)が何者かにボウガンで撃たれる。時を同じくして英理に届けられた差出人不明のチョコを小五郎の物だと思って食べてしまう。そのチョコになんと毒を仕込まれており、英理は倒れた。

 さらに、今度は阿笠博士までもがボウガンで撃たれる。コナンは狙撃犯の乗ったバイクをスケートボードで追跡するが見失ってしまう。

 やがてコナンは現場に残されていた遺留品がトランプの絵札に関係していることに気付く。目暮は小五郎の周りの人間が次々と狙われていることからかつて小五郎が逮捕したトランプ賭博のディーナーで"ジョーカー"の異名を持っていた村上丈(鈴木英一郎)という犯人しかいない、と目星をつける。それは一週間ほど前に仮出所された男だった。

 帰りの車で目暮の部下・白鳥任三郎(塩沢兼人)から蘭とコナンは村上丈と小五郎の事件の話を聞く。小五郎がまだ警察官だった頃、村上丈を逮捕する。しかし警察署で逃げ出そうとした村上がたまたま警察署にやってきた英理と蘭のうち英理を人質にとったのだ。

 それに対し小五郎は拳銃の腕がうまく、村上を撃つ。しかし弾は英理の足に当たり英理はふっとぶ。小五郎は村上を撃ってなんとか村上を逮捕させる。しかしその逮捕劇によって小五郎は責任を問われ警察を辞職せざるを得なくなったのだ。また英理と小五郎が別居したのもそれぐらいの頃だった。それを聞いた蘭は小五郎を信じられなくなる。

 そこへ恋人・工藤新一(山口勝平)の声を真似たコナンから電話がかかる。蘭は新一に「新一なら私のこと撃たないよね?」と聞きコナンは「分からねえが、おっちゃんがおばちゃんを撃ったのは事実でも真実とは限らないぜ」と答える。

 トランプの絵札で、目暮“十三”で13、“妃”英理で妃はクイーンで12、阿笠博“士”で十と一の組み合わせだから11となっており、次は10が関係する人物だろう。ジョーカーは村上丈。つまり村上が犯人で間違いない。小五郎は知り合いのママ・十和子が狙われるのでは、と張り込むがそれよりも知り合いのプロゴルファー・辻弘樹(谷口節)の“辻”は十、10があった。

 辻弘樹は今から趣味のヘリに乗り込もうとしていた。辻は心配ない、と言い念のためにヘリに目暮と小五郎、そしてコナンが乗り込む。

 やがて辻は目に異常を覚え目が明かなくなりヘリの操縦ができなくなる。コナンは辻の目が見えないながらのサポートを受けながらもなんとか帝丹小学校の校庭に不時着させる。

 その後、一命を取り留めた辻だったが目の異常により全米オープンは不可能となる。

 次に狙われるのは9の九が関係する名前の人だろうが、思い当たらない。だが小五郎は八に覚えがある、という。それはワインのソムリエ・沢木公平(中尾隆聖)だった。公平の公には“八”があり8だった。

 沢木はお気に入りのワインは飲んでしまった、と話しながらももうすぐ旭勝義に誘われて建設途中の海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行かなければならない。ということを話す。小五郎は旭に九があり、9がある、ということに気付き一行は沢木の護衛も兼ねてアクアクリスタルへ向かう。

 アクアクリスタルへはモノレールだけが交通手段だった。アクアクリスタルには他にも人気モデルの小山内奈々(岡本麻弥)、カメラマンの宍戸永明(内海賢二)、ニュース・キャスターのピーター・フォード(アンディ・ホリィフィールド)、料理エッセイストの仁科稔(鈴置洋孝)らも旭に誘われていたのだった。

 そのモノレールで仁科は自分がカナヅチで水嫌いのことを明かす。

 アクアクリスタルに来たメンバーはみな数字に関係した名前だった。小山内“奈々”はなな、で七の7、宍戸永明は“宍”で六、ピーター・フォードは“フォー”で4、仁科稔は“仁”で二の2など。更に白鳥任三郎は“三”で3でもあり最後の1はおそらく新一の1だったろう。

 やがてワイン保管室で沢木が仕掛けられたホウガンによって命を狙われる。更に、その直後に旭の遺体も水槽で発見された。

 そしてアクアクリスタルに一行は閉じ込められてしまう。旭が殺され沢木が狙われ、次に狙われるのは小山内奈々だろう。やがて犯人によってアクアクリスタル内を停電させられたすきに奈々は犯人に殺されてしまう。

 コナンは奈々を手にかけた人物、つまり一連の犯人が右利きだと気付く。しかし村上丈は左利きだった。コナンは犯人は村上でないことに気付き、そして犯人は逃走中に缶からこぼれた液体がズボンに付着したことに気付き犯人を特定する。

 やがてアクアクリスタルが突如、爆弾によって爆発。水槽から水が流れ出てくる。一行は爆弾によってあけられた穴から外へ脱出しようとした。

 しかし何と蘭が逃げ遅れてしまう。コナンはまた潜り蘭が車にひっかかって身動きがとれないことに気付く。コナンは蘭を助けようとするが自分も引っかかってしまう。蘭はコナンに人工呼吸をして命拾いさせる。コナンは蘭を助ける。

 その後、一行は海中から脱出しアクアクリスタルの上層階に辿りつく。沢木は仁科を人工呼吸で助けようとするが小五郎の声を使ったコナンによって止められ白鳥がさせられる。

 やがて小五郎を眠らせ彼の声を使った推理をする。犯人は仁科を人工呼吸すると見せかけ彼を殺そうとした沢木こそが犯人であると暴く。沢木に動かぬ証拠を提示したコナンによって沢木はすべてを自白。

 少し前、沢木はバイク事故で味覚障害になってしまった。そのバイク事故を起こしたのは小山内奈々だったのだ。沢木は奈々に復讐を果たすべくたまたま出会った仮釈放された村上丈と出会い彼を殺して彼に罪を着せようとした。

 そのために小五郎の周りを狙い、本命は仁科、小山内、辻の三人だった。仁科は味覚がまったくなっていないくせに料理エッセイストになるのは読者を誤解させる、との理由で辻はパーティで自分を侮辱したからだった。

 沢木は最後の爆弾を起爆させアクアクリスタルの崩壊寸前まで追い込む。そして沢木は狂ったように蘭を人質にとり旭勝義の秘書名義で呼んでおいた逃亡用のヘリに乗り込むためにヘリポートへ上がる。

 そこへコナンたちも到着。白鳥も目黒も拳銃の腕はからっきし、小五郎は自分に任せろ、と言うが白鳥は信用せず沢木の要望によりコナンに拳銃を持っていかせる。今、連れて行かれたら蘭は狂った沢木に道連れに殺される。

 困ったコナンはここで小五郎が妃英理を撃った場面を思い出す。蘭は沢木が持っていたエースのカード、つまり新一用のカードをお守りとして握りしめる。

 そしてコナンは蘭を撃つ。蘭は吹っ飛ばされ沢木は蘭を連れて行こうとするが蘭は足を撃たれて足手まといとなった。その隙に小五郎は沢木を取り押さえるのだった。

 コナンは新一時代にハワイで父親に拳銃の使い方を習っていたのだ。

 やがて蘭は小五郎が英理を助けるために英理を撃ったことに気付く。蘭は新一なら同じようにしてくれるかな?という問いに「俺と同じくらい銃がうまけりゃするだろうな」と答えるのだった。


 英理が自分を撃った理由が分かっていた、と知った蘭。蘭は本当の別居の理由を問い質すと英理は「あの日にせっかく頑張って食事を作ったのに、そんなもの作ってないで寝てろなんて言われたのよ」と答えるのだった。それが本当の理由だった。新一も蘭も思い出す。そういえば英理は料理が苦手だったのだ・・

♪少女の頃に戻ったみたいに    ZARD








 盛り上がりは前作に比べるとそんなでもありませんでしたが、なかなかに良いストーリーだったと思います。小五郎がこの映画では射撃が得意だった、設定がありますがなかなかに警察官時代の小五郎が格好いいですね。
今日はOVA「その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ」を観ました。




そして今回は
18歳未満の方は見ないでください!!






『その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ』 (2010年・日)
その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ
スタッフ
監督:迫井政行
演出:迫井政行
脚本:南風
キャラクター原案:ぺこ
原作:ふぐり屋「その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ」
キャラクターデザイン・原画:坂井久太
作曲・編曲:CycloMusic
製作:ChuChu
キャスト
沢口麻衣:和泉あやか
川村玲緒:杏花


 迫井政行監督作品「その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ」

 これは映画ではなくOVAです。登場人物は女性キャラ二人だけです。そして恋愛もののエロアニメとなっております。つまり、これは百合を題材としているんですよね。

 元々の原作というのがありまして、ふぐり屋さんが作ったんですよね。「その花びらにくちづけを」シリーズのアダルトゲームシリーズを。同人サークルのふぐり屋というのは百合を扱ったアダルトゲーム作品がなかなかに多いんです。

 実は私、麻衣みたいな女の子好きなんですよね。思わず一時、ツイッターの画像に使用してました。


【あらすじ】

 世話焼きの沢口麻衣は転入してきたばかりの少女・川村玲緒に世話を焼きある日、彼女に何故か逃げられる。それに追いついた麻衣はなんと玲緒から告白されてしまう。麻衣はそれを受け入れ、二人で学校の寒い保健室で熱い一時を過ごす。翌日、玲緒は熱を出して寝込んでしまい・・・













※申し訳ありませんが情事の部分を細かく書くつもりはありません。ていうかそういう部分を書くのが苦手なので、ハイ。

【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 沢口麻衣(和泉あやか)は世話焼きの女子。ミカエル女学園に転入してきたばかりの川村玲緒(杏花)をよく世話していた。

 ある日、麻衣は玲緒に逃げられる。追いかけた麻衣は玲緒に自分が迷惑だったのか?と聞く。玲緒は否定し「だって麻衣のことが好きなんだもん!」と本音の告白を打ち明ける。玲緒は麻衣に嫌われもいい、と覚悟しての告白だった。

 麻衣は受け入れ、玲緒と共に女学園の保健室へ駆け込む。そして二人はお互いを感じさせたりと同性愛の情事を重ねるのだった。

 翌日、玲緒は昨日の保健室で寒いにも関わらず情事を行っていたのがたたったのか熱を出して寝込んでしまう。

 そこへ何と学園に行ったはずの麻衣がやってくる。麻衣は「玲緒を看病しにきた」と言っているのだ。麻衣は嬉しさと申し訳なさ半々の複雑な心境だった。

 麻衣は身体を拭いてあげる、と言ってタオルで玲緒の上半身裸体を拭き始める。やがて麻衣は我慢できなくなり玲緒に襲い掛かってしまう。

 玲緒はそれを一旦、はねのける。理由は「麻衣に風邪がうつっちゃう」だ、そうだ。しかし麻衣は「玲緒の風邪ならうつってもいいよ」と情事を続ける。

 やがて麻衣も玲緒も積極的にお互いのことを感じさせようとしながら熱い情事は続いた。

 翌日になって、やはり麻衣は熱を出してしまった。見舞いにきた玲緒に麻衣は無理やり、学園に行かせる。

 しばらく眠って目が覚めたとき、学園に行ったはずの玲緒がそこに居た。玲緒は「風邪が治るまでそばにいてあげるから」。その言葉に麻衣は寂しそうに「風邪が治るまでしかそばにいてくれないの?」と話す。玲緒は訂正し「私のそばから離れさせないんだから!」と宣言。

 二人はキスをするのだった・・・








 百合物の作品を見ていると、なんだか互いが互いに依存する話が多いなあ、という傾向を感じますね。偏見ですかね?

 ちなみに黒髪の女の子の方が麻衣で、外国人っぽい女の子の方が玲緒です。

 ではまず、絵の方ですがなかなかに女の子を可愛く描けていると思いますよ。20分~25分くらいのOVAでしたが内容としては、ストーリーというよりやはり女の子と女の子の百合によるHシーンが多めでしたね。まあ、ジャンルはアダルトアニメですから。
今日は雑誌「映画秘宝」で2001年度全ジャンルのベスト10に今のところ唯一、1位となったことがある映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を観ました。凄いですねえ。アニメーション部門じゃなくて全部門で1位ですからねえ。


『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』 (2001年・日)
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
スタッフ
監督:原恵一
脚本:原恵一
原作:臼井儀人「クレヨンしんちゃん」
製作プロデューサー:山川順市、和田やすし、福吉健
音楽:荒川敏行、浜口史郎
撮影:梅田俊之
編集:岡安肇
製作会社:シンエイ動画、ASATSU、テレビ朝日
配給:東宝
キャスト
野原しんのすけ:矢島晶子
野原みさえ:ならはしみき
野原ひろし:藤原啓治(子供時代:三田ゆう子)
野原ひまわり:こおろぎさとみ
シロ:真柴摩利
風間くん:真柴摩利
ネネちゃん:林玉緒
マサオくん:一龍斎貞友
ボーちゃん:佐藤智恵
よしなが先生:高田由美
まつざか先生:富沢美智恵
上尾先生:三石琴乃
園長先生:納谷六朗
野原つる:北川智繪
野原銀之助:松尾銀三
TVの声:関根勤、小堺一機
チャコ:小林愛
ケン:津嘉山正種


 原恵一監督作品「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

 クレヨンしんちゃん映画作品の中でも1位2位を争う人気な映画ですね。私もこの映画を観てアニメとしてだけでなく映画としても名作だなあ、と感じさせられました。

 さてケンとチャコの“イエスタデイ・ワンスモア”というグループですが、この名前は多分カーペンターズの1973年に発表したシングル「イエスタディ・ワンスモア」からとっているのでは、と思います。

♪イエスタディ・ワンスモア   カーペンターズ


 この映画には結構、オマージュとなってるであろう場面が多いんですよね。ウルトラマンとか赤塚不二夫の「シェー」とか、大人の方には懐かしいであろうネタでしょうね。そしてタイトルもきっと「スター・ウォーズ エピソードV 帝国の逆襲」からとったんでしょうね。

 あと20世紀博の臨時放送の発表の時のロゴがパラマウント映画っぽいですね。


【あらすじ】

 春日部に「20世紀博」というのが誕生した。昔懐かしき20世紀の遊びやグッズがあったりする。大人はその魅力に魅せられていた。また、春日部の町も懐かしき雰囲気に包まれそうになっていた。そんなある日、20世紀博からテレビで発表があった。明日の朝、迎えが来る。その発表を見たとたん、野原家のひろしとみさえは突然人が変わったように眠り始める。各所で大人たちに異常が起き始めていた・・・

※残念ながら予告編は埋め込むことが出来ませんでした。観たい方はこちらからお願いします。


♪ダメダメのうた    LADY Q&野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 春日部に20世紀博が誕生した。それは20世紀の昔懐かしきグッズや遊びを体験できる巨大なテーマパークだった。

 野原家のひろし(藤原啓治)と、みさえ(ならはしみき)はその20世紀博で息子のしんのすけ(矢島晶子)やひまわり(こおろぎさとみ)を託児所に預けて遊び呆けていた。野原家だけでなく春日部の人やまた、日本の各所からやってきた大人たちが子供を放置気味で遊んでいたりしていた。

 自分たちの町に帰って来た野原家。町では懐かしグッズやファッションが流行しており、春日部は昔懐かしい雰囲気に包まれていた。

 一方の20世紀博では“イエスタディ・ワンスモア”のリーダー・ケン(津嘉山正種)とチャコ(小林愛)が新しく到来したばかりの21世紀が蔓延する外の世界に嫌気が差していた。二人は施設内に作った仮想の昔懐かしき町で暮らしており、外の世界もいずれは昔のような匂いが充満する時を待っていた。

ケン

 その日の夜、20世紀博から臨時放送の発表があった。その発表というのは「明日、20世紀博がお迎えにあがります」という発表だった。

 たったそれだけだったがその放送を見た途端、ひろしとみさえは飯も作らず食べもせずに眠り出す。しんのすけは二人に飯を作ってくれとお願いするが二人はそれを無視して寝だすのだった。それは野原家だけでなく春日部のほとんどの大人たちも同様だった。

 翌朝、大人たちは子供のお菓子を食い漁っていた。しんのすけは怒るが両親はそれを無視していた。育児放棄ともいえる。しんのすけはわずかのお菓子をひまわりと分けて食べ、幼稚園に行こうとバスを待つ。

 しかしバスはいつまでたっても来ない。しんのすけは家に帰ってくんな、という両親の手振りを見てひまわりを連れて三輪車で幼稚園へ向かう。道中、大人たちが子供のように縄跳びなどで遊び呆けている異様な光景を目の当たりにする。

 幼稚園についても園長先生(納谷六朗)などは仕事もせず他の先生と遊んでいた。しんのすけはそれらの先生に追い払われる。家に帰る途中、大人たちを迎えに来たトラックの列が到着。それらのトラックに両親も乗っておりしんのすけはトラックを追いかけるがトラックは無情にも去って行った。

 しんのすけは友達の風間くん(真柴摩利)、ネネちゃん(林玉緒)、マサオくん(一龍斎貞友)、ボーちゃん(佐藤智恵)と自分の家で相談する。とりあえず腹が減った一行はひまわりも連れてコンビニに行って食べ物を得ようとするが悪ガキたちが占領していた。何とか忍び込んで、食べ物を持って帰るが逃げる途中で多くを落としてしまい空腹感は満たなかった。

 やがて大人がいないので町から電気も消え、一行はしんのすけの家でラジオを聴く。するとケンのアナウンスで明朝に子供を迎えに来る、このトラックに乗れば親に会えるし良い食事もできるが、この迎えのトラックに乗らなければ親とも会わせないし酷い目にも遭うだろう、ということを聞く。

 翌朝、一行は次々と20世紀博の職員によって乗っけられる子供たちを見ながら、怪しいので乗らないことを決めていた。そして何とか逃げ延びるためにしんのすけの愛犬シロ(真柴摩利)も連れてデパートへ向かう。

 子供たちを20世紀博に連れて行くトラックの職員の一人が運転手にこの子供たちはどうなるんだろうな、ということを聞く。運転手は「親に会えるっていうのは嘘で、本当は徹底的に教育して子供たちから21世紀の臭いを消して20世紀の匂いに染まらせてから、次の世代として育てる」と本当のことを話す。しかし乗らなかった子供がどうなるかは、運転手も知らなかった。

 デパートで腹も満たし、翌朝8時に行われる一斉子供狩りから逃げ延びるべく一行は寝るのだった。

 朝、なんとしんのすけが8時ジャストに目覚ましをセットしたせいでデパートから逃げ遅れ、中に次々と職員やケンに駆り出された大人たちが捕まえに入ってくる。

 しんのすけらはデパートの中でなんとかやり過ごし、幼稚園のバスに乗り込んで最初はボーちゃんが運転しながら走り出す。ケンはそのバスの運転で自分の愛車トヨタ2000・GTを傷つけられただちに職員たちにバスを追いかけさせる。

 何だかんだで追跡されながらも運転役をローテーションしながら捕まるには至らなかった一行のバス。やがて風間くんがこのバスが20世紀博に向かっていることに気付き、一行は逃げてもラチが明かないので、大人たちを取り戻すためにこのまま20世紀博に行こう!ということになる。

 バスが近づいていることを知った20世紀博の職員たちはゲートを閉鎖しようとするが何とシロの運転で何とかバスはそれに間に合って中に入り込む。そしてホールの柱に激突。大人たちは一斉にバスを包囲し風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんは捕まる。ケンは「もう大人は昔懐かしの“匂い”によって今の大人に戻ることはない」と親に会いたい、という子供たちに話す。しんのすけとシロ、ひまわりは隙をついて逃げ出す。

 シロの匂いを頼りに入った部屋に幼い頃の父ひろし(三田ゆう子)が居た。ひろしは父・銀之助(松尾銀三)と母・つる(北川智繪)に月の石を見に行きたい、とねだっていた。しんのすけはひろしを連れ戻そうとするが幼いひろしはしんのすけなんて、知らないと言う。

 しんのすけはひろしに現在の“匂い”を取り戻させようと悪臭がするひろしの靴をかがせる。ひろしはその臭いでこれまでの自分の人生を思い出す。学校を卒業し上京して、会社でいろんな辛いことがあったけど結婚し子供も持った。家族を形成した。



家族

 どんな辛いことがあっても家族の笑顔を見て明日の仕事へのやる気を取り戻した。そんなことを思い出した大人ひろしはしんのすけを涙ながらに抱きしめるのだった。

しんのすけを抱きしめるひろし

 ひろしはみさえにも自分の靴の臭いを嗅がせ正気を取り戻させる。そこへケンと職員たちが到着。ケンは野原一家をある場所へ案内する。

 それは自分たちの暮らす昔懐かしの町を再現したエリアだった。ケンはその町から漂う匂いによって大人たちを洗脳した、と明かした。ひろしもみさえもその匂いに再びつられそうになるが、ひろしの靴の臭いを嗅ぐことによって何とか耐えきった。

 ケンに連れられてきたのはケンが暮らす古風のアパートの自室。しんのすけもひろしもその部屋で待っていたチャコのいい女っぷりを見たりした。やがてケンは21世紀の外の世界には20世紀のような未来に希望を抱いたあの匂いがない。やがては外の世界にもこの匂いを充満させ、再び20世紀に逆戻りさせようという計画を漏らす。

 20世紀博のタワー上部のボタンを押せば今90%くらいの充満率が100%となり、やがてはひろし達も靴の臭いでは耐えられないだろう、と話す。ケンは「おまえ達が本気で21世紀を生きたいなら行動しろ。未来を手に入れて見せろ。早くいけ」と言い捨てる。野原一家はそれを阻止するべく、懐かしの町エリアを脱出し階段でタワーへと向かう。未来を取り戻すために。

 野原一家は懸命に走り出し追っ手を振り切ったりする。やがてケンとチャコの乗ったエレベーターもタワー上部へと向かい始める。ひろしはケンのエレベーターを登らせないようにドアを掴む。ケンはひろしに「昔に戻るつもりはないか?」と問うがひろしは否定。ケンは残念だな、君の人生はつまらないものだったな、と話すとひろしは「オレの人生はつまらなくなんかない!家族のいる幸せを、あんたたちにもわけてやりたいくらいだぜ」と言い捨て、やがてエレベーターは登り出す。

 みさえとひまわり、シロが追っ手を食い止めている間にしんのすけは懸命に登っていった。その映像は懐かしさに魅せられた大人たちも見ていたのだった。

タワーを駆けのぼるしんのすけ

 タワー上部の階にて。先に辿りついたケンとチャコはボタンへ向かう。そのケンの足にしがみついたのはしんのすけだった。しんのすけは懸命にケンの足にしがみつき、蹴り飛ばされながらも諦めない。

 やがてケンはボタンを押しても無駄になってしまうことに気付いた。大人たちは野原一家が未来を取り戻すために戦う姿に再び現在や未来を生きていく希望を抱いたのだった。90%の充満率がほぼ0に近い数字にまでなっていた。

 チャコはしんのすけに泣きながら20世紀の頃に希望を信じ夢を抱いた21世紀なんて辛いだけじゃない!なぜそこまで生きようとするの!と問うとしんのすけは「オラ、父ちゃんと母ちゃんやひまわりやシロと、もっと一緒にいたいから・・・ 喧嘩したり、頭に来たりしても一緒がいいから・・・ あと、オラ、大人になりたいから・・・大人になって、お姉さんみたいな綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!!」と答える。

 チャコはその言葉に言い返せず、ケンに「外の世界でなんて生きたくないわ」と話す。ケンは納得し、しんのすけに「君の家族と未来は返すよ」と言い残しどこかへ去って行った。

 やがてひろし達も合流。ひろしはしんのすけを労ってケンを追いかける。

 ケンとチャコは21世紀に絶望し飛び降り自殺を図ろうとしていた。そして飛び降りようとした瞬間、しんのすけが「ずるいゾ!」と大声をあげる。その言葉と共にすぐ下で巣を作っていた家族持ちの鳥に邪魔され飛び降りることはできなかった。

 やがてチャコは死ぬのは怖い、と本音を打ち明けケンは「また、家族に邪魔されたな」と寂しそうに言う。しんのすけは「二人だけでバンジージャンプするなんてずるい!オラも混ぜて」と言うがケンは「いや、もうしないよ」と言いチャコを抱きしめるのだった。

 やがて大人たちも子供たちも20世紀博から解放される。ケンとチャコもどこかへ車で向かっていった。春日部の住人を乗せたトラックは懐かしの春日部の町へ向かっていく・・・

♪元気でいてね      小林幸子








 この映画は名言のオンパレードでしたね。いやあ、本当に良い映画だ。仮に淀川先生が生きていたら、この映画を観てまあいいことを言ったんじゃないでしょうか。

 実はしんのすけが階段を必死に登るシーンで途中で絵コンテが荒くなるんですよ。それがそういう演出でやったのか故意ではなかったのかは知りませんが私はこれもしんのすけの未来を取り戻す必死さを表していて凄いいい表現だったと思います。

 こちらにやまみちしん様が思ったこの映画の名言集があります。興味のある方は見てみてください。
今日は映画「キッド」を観ました。


『キッド』 (1921・米)
キッド
スタッフ
監督:チャーリー・チャップリン
脚本:チャーリー・チャップリン
製作:チャーリー・チャップリン
音楽:チャーリー・チャップリン(サウンド版のみ)
キャスト
浮浪者の男:チャールズ・チャップリン
少年:ジャッキー・クーガン
少年の実母:エドナ・パーヴァイアンス
少年の実父:カール・ミラー
誘惑する天使:リタ・グレイ
警官:トム・ウィルソン


 チャップリン監督作品「キッド」。原題タイトルは「The Kid

 久しぶりにチャップリン作品を観ましたが、もう明言できます。私が一番好きな映画監督はチャップリンです。やはり彼の作品と演技は素晴らしいものです。これはそのチャップリンが初めて作った長編映画なんですよ。

 助演は少年役のジャッキー・クーガン。彼は元々舞台で父親と踊ったり歌を歌ったりしていたんです。たまたま彼の舞台を見たチャップリンは彼を出演させるために脚本などを考え作った映画なんです。

 実はこの映画の制作直前にチャップリンは一人目の妻ミルドレッド・ハリスとの間に第一子が生まれました。名前はノーマン・スペンサー・チャップリンなんですが彼は重い身体障害を患いながら生まれ5日後に亡くなっています。一部評論家の間ではこの出来事もキッド制作とその中身に影響したのでは、という意見もあります。

 またハリスとの結婚生活も最初は順調だったんですがチャップリンはハリスを「知的興味の乏しい女」つまり、子供っぽい女と思い、ハリスの方は映画製作に没頭し自分を構ってくれないチャップリンに嫌気が差していました。まあ実はほかにもチャップリンの悪口をメディアを通じて話してたり、彼女がサイレント映画の大女優アラ・ナジモヴァとチャップリンが不倫している、と疑っていたっていうのもありますが。チャップリンはこれらの出来事にそうとう参って制作意欲も減退していきます。やがてこの映画を制作中に二人は離婚します。

 ハリスはチャップリンと対立していたこの映画の配給会社ファースト・ナショナルと手を組んで「キッド」の撮影フィルムを差し押さえようとします。

 淀川長治によればこの企みに気付いたのがチャップリンの運転手で後に秘書になった日本人の高野虎市で、チャップリンにそのことを話しチャップリンはホテルに引きこもった、らしいんですが淀川氏の高野虎市に関する話は時々、間違っているんでこれ自体も本当の話かは分かりません。

 まあ裁判はチャップリンが慰謝料と共有財産の一部をハリスに払うことで終結しました。というかそもそもハリスとの結婚だって映画「担へ銃」の制作中にチャップリンがハリスを孕ませちゃってスキャンダルを避けるために結婚したそうですからねえ。まあチャップリンは最初はハリスの子供っぽさに惚れ込んでたのかもしれませんが。

 ドロッドロ裏話はこんなところにして誘惑する天使役のリタ・グレイは後にチャップリンの二人目の妻となります。また、エドナ・パーヴァイアンスはチャップリンとおそらく相思相愛だったんですが結婚はしませんでした。しかし彼女は女優引退後も死ぬまでチャップリンに「チャップリン・スタジオの専属女優」としてお金を払われつづけました。エドナは死ぬまでチャップリンに感謝し続け、淀川氏との対談でもチャップリンと共演できたことに涙を流していました。

 また、愛らしい少年を演じた助演のジャッキー・クーガンはこの映画で世界最高の子役スターとなりました。成人後は脇役に徹しますが「カウボーイGメン」というドラマにレギュラーとして出演しています。ちなみに日本で初めて吹き替えが行われた作品とされ、上田恵司か大平透(どっちかは不明)。再放送では藤岡琢也がクーガンを吹き替えしたそうです。

 チャップリンがガラス屋の仕事をするシーンがありますが、これはチャップリンがまだ幼い頃に同じような手段で生計を立てていた時代を参考にしながら描いたそうです。

 また、題名のキッドはまあ分かると思いますが、「子供」という意味です。


【あらすじ】

 ある日、放浪者は道端で捨て子の赤ん坊を拾います。やむなく放浪者はその子を拾い、5年間育て続る。二人は詐欺まがいのガラス屋をしたりして、貧乏ながらもたくましく生き続ける。一方、子供を失意ながらも捨ててしまった実母は今やオペラ界の有名人となっていた・・・














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 病院から赤ん坊を抱えた母親(エドナ・パーヴァイアンス)が出てくる。実は子供の父親(カール・ミラー)に捨てられたのである。女手一つではとても育てることはできなかった。

 母親は金持ちの車の中に赤ん坊を置く。金持ちに拾ってもらえるように。そうして母親はその場から去り、やがて公園のベンチで涙するのだった。

 一方、二人組の車泥棒は赤ん坊が乗っているとも知らず、金持ちの車を盗み出す。二人は町で車を停め泥棒に成功したことを祝うが赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。

 二人組は焦って赤ん坊を町のゴミ捨て場に置いて去って行ってしまう。

 そこを通りかかったのは浮浪者の男(チャールズ・チャップリン)。男は窓からゴミを捨てる住人に「このとんま野郎!」と罵声を浴びせながらも路地を抜けていく。やがて男はゴミ捨て場に捨てられていた赤ん坊を発見する。

 そして母親の方は通りかかった子供に自分が捨てた赤子を重ね合わせ、自分の行いを後悔し、すぐさま自分が赤子を置いた車の下へ戻るが車は盗まれており、持ち主の家族にも拾われていないことを知り昏倒してしまう。

 浮浪者の男はというと、赤子を何とか自分が拾ったことにしないように人のベビーカーに勝手に乗せようとしてもその母親が戻ってきて罵倒を受けたり、元の場所に戻そうとしたら警官が見ている始末。結局、赤子の懐に入っていた「子供を拾ってください」という置手紙を見て、仕方なく自分で育てることを決める。


5年後


 赤子は可愛らしい少年(ジャッキー・クーガン)となっていた。男は生計を立てるために少年と組んで詐欺まがいのガラス屋をしていた。少年が石を投げて壊した窓を男がたまたま通りかかったふうに装い、家の住人にガラスの張替えを頼まれ金をいただく、ということだった。

少年

男と少年

 たまにそれに気づいた警官(トム・ウィルソン)に見つかって失敗に終わったりもするんだが、二人は食べる事に感謝をしながらひもじい食事を二人で分け合っていた。貧しい生活だが二人は幸せだった。

男と少年と警官

食事

 一方、少年の実母は今やオペラ界の有名女優になっていた。久しぶりに少年の実父と再会しても自分の子供を捨てたことを後悔している、ということを話していた。

 母親は有り余ったお金で街の子供たちに慈善活動を行っていた。そこで実の子供に再会しても流石に5年も経っていたので気付かなかったが。

 ある日、少年は子供同士の喧嘩をしたあとに、母親は男に子供が急病になっている、と伝える。男は町医を呼んで診察してもらうが医者は男から捨て子を拾ったという事情を聞き、赤子の懐にあった置手紙を預かって「この子にまともな教育をさせるべきだ」と言い去って行く。

 やがて孤児院から迎えが到着する。孤児院の職員は嫌がる少年を無理矢理、連れていこうとする。それに怒り狂ったのは男で、男は職員や通りかかった警官に腕を掴まれながらも大暴れする。職員は何とか隙を見て少年をトラックに乗せ去って行った。

連行される少年

 男は警官をまいて屋根伝いにトラックを追いかけ、荷台に乗り込む。そして荷台にいた職員の一人をトラックから抱えおろし、少年と再会の抱擁を交わす。

 一方、母親は先ほど急病になった少年の身を案じ男の家を訪れるが町医が憤慨しながら男の家から出てくる。町医は男が逃亡した、という事情を説明し思わず置手紙まで見せてしまう。それを見た母親はあの少年が自分の子である、ということに気付くのだった。

 そして男はトラックの運転手を追い払い、夜になって少年と仮宿のようなところへ行き一緒のベッドで寝る。しかし新聞を読んでいた仮宿の主人が「少年を探している」という記事を読んでそれが自分のところに泊まっている少年だということに気付く。

 主人はぐっすり寝ている男にバレないように少年を抱えて外へ出ていく。その少し後に少年が居ないことに気付いた男は慌てて探し回るがどこにも少年の姿はなかった。

 主人はというと、近くの警察署へ少年を連れてきた。そして報せを受けた母親は少年の顔を見て涙するのだった。


 翌朝、失意のまま戻ってきた男は自分の家にも入れず玄関の前で夢を見る。それは天国で自分や住人が翼を持ち空を飛べるファンタジーな夢だった。

 しかしその夢の中で天国へ忍び込んだ悪魔がある天使(リタ・グレイ)に男を誘惑するよう洗脳。天使は男を誘惑し、やがて誘惑した天使の本当の旦那がやってきて悪魔によって嫉妬に狂わされ喧嘩になる。

 そこへやってきた警官によって男は連行されそうになるが逃亡。空へ逃げようとするも撃たれて死んでしまう。

 目が覚めたとき。そこには警官が居た。警官は男をパトカーに乗せる。

 ついた場所。そこは警察署ではなく一軒の豪邸だった。男は玄関の前に立ちドアが開くと中から少年が抱き着いてきた。警官は嬉しそうに男と握手し去って行く。母親は男と少年を家の中に通すのだった・・・







 この映画は当時は凄い画期的でした。悲しみのなかに喜劇を混ぜ合わせる、というのが。まさしく一握りの涙と笑い、がこの映画には詰まっていますね。

 この映画をよくチャップリンにしては哲学的イメージが伝わらない、と評価する人いるんですけどそういう哲学とかじゃなくて日々の食事に感謝しましょう、だとか子供を大切にしましょう、だとかそういった基本的なことをチャップリンは言いたかったんじゃありませんか?




フル
Category: 洋画カ行
今日は映画「シャイニング」を観ました。


『シャイニング』(1980年・米)
シャイニング
スタッフ
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック、ダイアン・ジョンソン
製作:スタンリー・キューブリック
原作:スティーヴン・キング「シャイニング」
製作総指揮:ヤン・ハーラン
音楽:バルトーク・ベーラ、クシシュトフ・ペンデレツキ、ジェルジ・リゲティ、ウェンディ・カーロス、アル・ボウリー
撮影:ジョン・オルコット
編集:レイ・ラヴジョイ
キャスト
ジャック・トランス:ジャック・ニコルソン
ウェンディ・トランス:シェリー・デュヴァル
ダニー・トランス:ダニー・ロイド
ディック・ハロラン:スキャットマン・クローザーズ
スチュアート・アルマン:バリー・ネルソン
ロイド:ジョー・ターケル
デルバート・グレーディ:フィリップ・ストーン

 スタンリー・キューブック監督作品「シャイニング」。原題タイトルは「The Shining

 この映画はスティーヴン・キングが原作ですね。彼はミザリーとかグリーン・マイルとかファンタジーとホラーを掛け合わせた作品がよく映画化されていますね。しかしこの映画は原作とはずいぶんとファンタジー要素が薄目でその分、ホラーと狂気が前面に押し出されています。だから内容もそこそこ違うようです。

 それはキューブリック監督が「幽霊を信じない」という考えのもとストーリーをだいぶ改変したところにあるようです。

 しかしこれはホラー映画としては一流。霊的な怖さもあるにはあるんですが、それよりジャック・ニコルソンの演技した人間の狂気がものすごく印象に残りました。斧を振り回すニコルソンの狂気さは例えば「クロック・タワー」のシザーマンが狂気な喋り方をするみたいな感じですかね。

 この映画の舞台は展望ホテル。撮影に使用されたのはフッド山にあるティンバーライン・ロッジだそうです。オレゴン州に行ったらぜひ、行ってみたいですね。

 ところでもしかしたら私がTSUTAYAで借りたやつはところどころカットされているのかもしれません。


【あらすじ】

 小説家を目指すジャック・トランスは冬の間閉鎖されるオーバールック・ホテルというホテルの管理人を任される。このホテルでは前任の管理人が孤独に耐えきれず狂気に染まり妻子を殺したのだという。やがて猛吹雪が起こり貸切状態のホテルでジャックは妻のウェンディ、息子のダニーと3人だけの生活が始まる・・・


♪舞踏会で流れる曲














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 作家志望のジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は山の上にある展望ホテル〝オーバールック・ホテル〟の支配人スチュアート・アルマン(バリー・ネルソン)から仕事を貰う。それは冬の間、猛吹雪で閉鎖されるホテルを管理人として滞在してほしいという仕事だった。

 簡単そうな仕事だがスチュアートはこの仕事は孤独に追いつめられるという。またアルマンは元管理人のデルバート・グレーディが孤独に耐えきれずに狂って妻と娘二人を殺し自分は猟銃で自殺した、という惨い事件が起こったということを話す。しかしジャックは自分は大丈夫だ、と言いひとまずスチュアートを安心させる。

 ジャックは妻ウェンディ(シェリー・デュヴァル)に仕事に採用されたことを報告する。家族でホテルに冬の間、住み込むのだ。しかし二人の息子のダニー(ダニー・ロイド)は超能力により存在しない友達〝トニー〟と会話しトニーが父の新たな仕事を歓迎しないことと未来予知をして不安になる。

ダニー

ウェンディー

 やがて閉鎖の日となりジャックは家族を連れてホテルに到着する。ダニーは謎の二人の娘と出会う。それは予知のときに見かけた少女たちだった。予知の映像にでてくる二人は斧で体をかち割られていた遺体の姿でもあった。

 ウェンディはダニーと一緒に料理長のディック・ハロラン(スキャットマン・クローザーズ)に厨房を案内されていた。そこでダニーはディックが自分と同じ能力を持ってることに気付き心の中で会話したりもする。

 ディックはダニーにアイスクリームをあげる、と言ってひとまずウェンディの下から離し二人で会話する。自分たちは同じ能力〝シャイニング〟を持っている、ということなどを会話しやがて237号室には絶対に入ってはいけない、と忠告する。


 1ヶ月が経ち未だにジャックは新作が書けず苛立っていく。

 火曜日。ダニーは237号室が気になりドアを開けようとするがドアが開かなかったのでひとまず引き払う。一方のジャックは新作が書けないことでついに苛立ってウェンディに八つ当たりをして追い払う。

 木曜日。ジャックは狂気的な目になっていく。

狂気的な目になるジャック

 水曜日。ジャックはダニーとウェンディを自分の手で惨殺した夢を見て不安になる。ウェンディが駆けつけジャックを気遣うがそこへやってきた負傷したダニーの姿を見て「あなたがやったのね!」とヒステリックにジャックを罵り去って行く。

 ジャックはゴールド・ルームのバーに座り込む。むろん、閉鎖されているので酒は無いしバーテンもいないはずなのだが何故かバーテンのロイド(ジョー・ターケル)が出現しジャックに酒を出す。ジャックはロイドに愚痴ったりしていたが、そこへウェンディが現れ237号室に入ったダニーが女に傷つけられた、ということを話す。

バーテンのロイド

 その頃、能力故に恐ろしい夢をディックは見て嫌な予感を感じる。ホテルに電話をかけるが通じなかった。

 237号室に来たジャックはそこで裸の女に誘惑される。しかしみるみる内にその姿が老婆に変貌しこちらへ迫ってくる。動揺したジャックは237号室を退室し鍵をかけて立ち去る。

 ジャックは部屋に戻ってウェンディに何もいなかった、と話す。そうしてダニーが首に傷を負った理由を自分で首を絞めたんじゃないか?とわけのわからない事を言い心配になったウェンディはホテルを離れることを提案する。それにジャックは激昂し「何度も俺の仕事を邪魔しやがって!」と罵って出ていく。

 ジャックはゴールド・ルームに再び行く。そこでは舞踏会が開かれていた。バーテンのロイドに酒をもらい金を払おうとするが酒は無料です、とロイドから話され不審がりながらも酒を飲む。

 そして自分も踊ろうと立ち上がったところで給仕係とぶつかりカクテルをかけられる。給仕係はホテルへ連れて行って濡れた服を拭かれるがそこで給仕係の名前が〝デルバート・グレーディ〟ということを知る。

 デルバート(フィリップ・ストーン)は自分が管理人であることを否定し、むしろジャックが昔からの管理人であると話す。そしてデルバートはダニーが超能力者で黒人の料理長ディックを自分たちの世界に引き寄せようとしている、と語りジャックの仕事を邪魔しようとしている、と話す。

 そしてデルバートはジャックに自分が妻子にしたのと同じようにジャックも自分の妻子を〝しつけ〟なければならない、と語りジャックはそれに賛同するのだった。

 翌朝、デルバートは雪上車でホテルまで向かう。

 一方のウェンディは夫のタイプライターで打った文が狂気的な内容であることに気付く。そこへジャックが現れ動揺するウェンディに迫る。ウェンディはバットでジャックを殴りジャックは階段から転落する。

 ウェンディはジャックを食料保管庫に一時的に閉じ込め、下の町に行こうとするが雪上車に乗ろうとするがすでにジャックが部品を壊していた。

 やがて眠っていたジャックはデルバートと会話し妻子を殺すことを実行することを約束しデルバートに頼み込んで食料保管庫の扉を開けてもらう。

 ウェンディはダニーと部屋に籠っていたがそこへ解放されたジャックが斧で部屋の扉を壊してこじ開けようとしていた。ウェンディは浴室の窓からダニーを逃がすが自分は窓につっかかって出れない。ジャックは浴室の扉も壊そうとする。

浴室の扉を壊すジャック

浴室をのぞくジャック

 その時、ハロランの雪上車が到着しその音を聞いたジャックはホールへ向かう。そして救出に来たハロランを斧で惨殺しダニーの叫び声を聞いて彼を追う。

 ダニーは外に逃げホテル庭の迷路に逃げ込む。ウェンディは浴室を出てホテル内で何度も幽霊のようなものを発見していく。

 ダニーは迷路で雪によってつく自分の足跡を偽造して追いかけるジャックを騙してまくことに成功する。そして迷路を脱し、ダニーはウェンディと再会。二人はハロランの乗ってきた雪上車に乗ってホテルを去って行った。

 一方のジャックは極寒で発狂し迷路の出口も見つけられず、ついには凍死した。

 ホテルのゴールデン・ルームに飾られた1921年の舞踏会の写真。そこに笑顔のジャック・トランスが写っていた。







 最後のシーンは未だに疑問です。ちょっとよく分からないですね。やっぱり原作小説を読んでから映画を観るべきでしたかね。

 ちなみにちょくちょく出てくる二人娘は元管理人デルバートが惨殺した自身の娘だそうです。

 この映画、監督が原作からストーリーを改変したせいかちょくちょく分からない部分があるんですよね。あとタイトルでもある「シャイニング」があまりにも影薄すぎる。確かにホラー映画としては一級品で、製作スタッフも俳優の狂気の演技も素晴らしいとは思うんですが、キューブリック監督の改変に関してはちょっと納得がいきませんね。
Category: 洋画サ行
今日は映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」を観ました。


『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(1997年・日)
名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:杏子 「Happy Birthday」
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:塩沢兼人
中沢真那美:藤井佳代子
森谷帝二:石田太郎


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」。

 名探偵コナンは見たこと無くても名前は知っている、という方も多いのではないでしょうか。この映画はコナンの初映画作品ですね。

 アニメ作品でやっぱりこの頃と今は作画が違いますねえ。

 森谷帝二のアテレコが石田太郎!彼は二代目コロンボであり、ジーン・ハックマンでありSAWのジグゾーであり・・・吹き替えに定評のある方ですね。


【あらすじ】

 黒づくめの組織に毒を盛られ身体が小さくなってしまった名探偵・工藤新一。またの名を江戸川コナン。コナンは黒川邸での殺人事件で名探偵・毛利小五郎を眠らせ変声機を使ってさも小五郎の推理のように見せかけた。ある日、新一の元に森谷帝二という建築家からパーティの招待状が届く。そのパーティの後、火薬庫から火薬が盗まれさらに放火事件が多発する。それは黒川邸でも起こった。やがてその犯人と名乗る人物から新一の元に電話がかかる。














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 高校生探偵・工藤新一(山口勝平)はある日、幼馴染の毛利蘭(山崎和佳奈)と遊園地でデートしている際に黒づくめの組織の取引現場を見かける。しかし見張っている内に組織のもう一人のメンバーに毒を盛られる。目を覚ましたころには少年の姿になっていた。

 小さくなった新一は知り合いの阿笠博士(緒方賢一)の下を頼り、新一は黒づくめの組織から生きていることを悟られないために〝江戸川コナン〟(高山みなみ)を名乗るのだった。

 コナンは毛利蘭とその父親で探偵の毛利小五郎(神谷明)に引き取られる。しかしコナンは小五郎と行動を共にすることで自然と難事件に巻き込まれる。コナンは催眠銃と変声機を使って小五郎を眠らせ、変声機でさも小五郎の推理によって解決した、ということにしていた。


 コナンは同じ手段で黒川邸の殺人事件を解決させてみせた。黒川大造を殺した犯人は家政婦の中沢真那美(藤井佳代子)だったのだ。

 数日後、工藤新一宛てに手紙が届く。それは一級建築家の森谷帝二(石田太郎)からで、パーティに招待されたのだ。新一はコナンとして参加するべく新一の声で蘭に「コナンを連れてってパーティに代理として参加しておいてくれ」と頼み込む。蘭は条件として5月3日、新一の誕生日に映画「赤い糸の伝説」を帝都ビルで一緒に観ることを約束させるのだった。

 パーティ当日、森谷は簡単なトリック遊びを参加者に問う。その答えを解いたのは江戸川コナンただ一人だった。その後、蘭は森谷に新一の誕生日に森谷の自信作「帝都ビル」で公開される映画を観ることを打ち明けるのだった。森谷は嬉しそうだった。

 翌日、特殊火薬が盗難されるという事件が発生。更に黒川邸が焼き払われるという事件が発生した。

 そのニュースを観た直後、新一に犯人と名乗る人物から電話がかかる。なんと爆弾を仕掛けたというのだ。

 コナンはすぐに仕掛けられた公園に行き、そこでラジコン遊びをしていた同級生でよくつるみ、少年探偵団を結成したメンバー吉田歩美(岩居由希子)、円谷光彦(大谷育江)、小嶋元太(高木渉)が甘い臭いがする謎の男から戦闘機のラジコンを貰ったと聞きそのラジコンに爆弾が仕掛けられていることに気付きなんとか空中で爆発させ被害を最小限に食い止める。

 更に犯人から電話がかかってきて今度は広場の木の下に爆弾を仕掛けたという。コナンはネコの入っていたカバンに仕掛けられていたということに気付いて間一髪で人気の離れたところで爆発させるがコナンが爆風に巻き込まれ負傷する。

 病院に運ばれたコナンに警視庁から目暮警部(茶風林)と白鳥刑事(塩沢兼人)が聞き込みにくる。新一に恨みを持っている人物の犯行だ、と新一が解決した一番大きい事件を思い当たる。それは西多摩のニュータウン計画を遂行していた岡本市長(平尾仁)が轢き逃げを起こして新一の推理によって逮捕された、という事件だった。

 そのタイミングに犯人から電話がかかってくる。犯人は環状線の電車に爆弾を仕掛けた、と話し日没に爆破する、そして時速60キロ未満になると爆破するという予告だった。

 コナンは自分が持っているスケートボードがソーラーパネルなので夕方には使えない、という話を阿笠から聞き一つの可能性を思いつく。それは実は線路に爆弾が仕掛けられていて電車がその地点を通過すると爆破する、という可能性だった。

 コナンは新一の声を使って目暮にそのことを報告し環状線の爆破を防ぐのだった。

 やがてコナンは環状線の線路の爆弾は森谷の30代のころに設計した(本人は未熟な作品と恥ずかしがっていた)橋であると気付き、黒川邸の放火といい、一連の事件は森谷と関係していることに気付く。

 森谷邸を訪ねた一行。そこでコナンは森谷から甘い臭いを感じ彼が犯人では、と気づく。そして屋敷を探索し実は森谷が西多摩ニュータウンの計画を担当していた、という事を知りコナンは新一への復讐とカモフラージュも兼ね森谷が完全主義の自分が妥協せざるを得なかった30代の作品を恥じて爆破しようとしたと気付く。

 コナンは新一の声を使って森谷が犯人であると暴露した。森谷は屋敷を爆破させようとするがコナンがすでに起爆装置の乾電池を抜いたのだ。

 森谷は逮捕されるが森谷が帝都ビルを爆破させたことが明かされる。やがて森谷邸にも轟音が轟き、最初は入り口と裏口が爆破される。森谷は新一に伝言を頼む。「お前のために3分用意した」

 蘭のいたロビーは入口がガレキで塞がれコナンは入り口の前までたどり着く。爆弾は蘭の手によって発見され0時3分に爆発することが分かる。コナンは3分の意味を不思議に感じながらも蘭がソーイングセットのハサミを持っていることを知り、蘭に爆弾の解除を頼む。

 森谷は小五郎に「たとえ最後まで解体できても最後の一本が運命を分ける」「建築に哀れな娘を思う父としての愛は必要ない。人生にもな」と不気味に笑うのだった。

 蘭はコナンの言う順番にコードを切っていきやがて最後の黒のコードを切るがタイマーは止まらない。最後に残ったのはのコード2本だった。

 やがて0時になる。蘭は新一に誕生日おめでとう、と話す。コナンは新一の声で「好きな方を切ればいい。死ぬときは一緒だ」と言う。やがて天井が崩落しコナンは携帯電話を壊す。

 コナンは森谷との会話を思い出す。蘭は森谷に「新一はラッキーカラーの赤が好き」ということを話していた。コナンは赤い糸を切ってはいけない、と大声を張り上げるが聞こえなかった。

 やがて蘭はのコードを切る。





 蘭が切ったのはのコードだった。

 蘭が救出されたあとコナンは新一がを切ると思ったのにを切ったことを不思議がっていた。


「だって赤い糸は切りたくなかったのよ。もしかしたら新一と繋がっているかもしれないじゃない」











 ハリウッド的要素があるようなコナン映画でしたね。環状線が60キロオーバーすると爆破するところとかハリウッドじゃないですか。ていうか「新幹線大爆破」じゃないですか。

 コナンアニメは観てないんですがこの頃はTVアニメでも名作が多かったとよく聞きますね。試しにこの映画観てみたんですがいやあ、なかなか良いですね。コードを切るときの緊張感とかたまりませんね。結末はわかっててもすごくドキドキさせられちゃいました。

 エンディングでマンションが出てきますがあれは月島のマンションですねえ。
今日は映画「ナバロンの要塞」を観ました。


『ナバロンの要塞』 (1961年・米)
ナバロンの要塞
スタッフ
監督:J・リー・トンプソン
脚本:カール・フォアマン
原作:アリステア・マクリーン「ナバロンの要塞」
製作:カール・フォアマン
音楽:ディミトリ・ティオムキン
撮影:オズワルド・モリス
編集:アラン・オスビストン
キャスト
キース・マロリー大尉:グレゴリー・ペック
ミラー伍長:デヴィッド・ニーブン
アンドレア・スタブロス大佐:アンソニー・クイン
ロイ・フランクリン少佐:アンソニー・クエイル
スピロ・パパディモス一等兵:ジェームズ・ダーレン
ブラウン一等兵:スタンリー・ベイカー
マリア・パパディモス:イレーネ・パパス
アンナ:ジア・スカラ
ジェンセン准将:ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス


 J・リー・トンプソン監督作品「ナバロンの要塞」。原題タイトルは「The Guns of Navarone

 この作品はアリステア・マクリーンが書いた「ナバロンの要塞」の映画化ですね。後に続編の「ナバロンの嵐」がマクリーンによって書かれました。また、サム・ルウェリンによる続編「ナバロンの風雲」と「ナバロンの雷鳴」もあります。実は「ナバロンの嵐」は映画化してるんですよね。まあキャスティングは結構、異なっています。

 主演はグレゴリー・ペック、アンソニー・クイン、デヴィッド・ニーヴンの三人ともいえます。すごい豪華な主演陣ですよ。ペックと言えば「ローマの休日」、アンソニー・クインと言えば「道」、デヴィッド・ニーヴンと言えば「ピンクの豹」や「八十日間世界一周」などが私はパッと浮かびますね。

 この作品はぜひ、吹き替えで観たかったですね。ペックは城達也、ニーヴンは中村正という素晴らしいキャスティングがあるんです。ただしそのバージョンだとアンソニー・クインは小林清志なんですよね。でもクインは小松方正か妥協で北村和夫が良かったですね・・

 この映画製作にギリシャ政府とギリシャ陸・海・空軍、イギリス軍の全面協力があったんですよ。だから凄い映画に仕上がっていました。もうワンダフルですよ。


【あらすじ】

 第二次世界大戦中。イギリス軍の兵士2000名ほどがギリシャ・ケロス島で孤立してしまう。ナチス・ドイツはケロス島近くのトルコを味方に引き入れるべくケロス島を攻撃し権威を示そうとしていた。連合軍は部隊を撤退させようと救出作戦を立てるがナバロン島にある2台の砲門がその行く手を阻んでいた。マロリー大尉はナバロン島に潜入し、砲門の要塞を破壊せよという任務を受けるのだった。



♪主題歌を3パターンご紹介します


合唱風      ミッチ・ミラー合唱団










※文を作るにあたってWEB映画館様を参考させていただきました

【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 1942年。第二次世界大戦の最中の出来事である。

 ケロス島にイギリス兵2000人ほどが孤立させられていた。ナチス・ドイツはケロス島近くのトルコを味方に引き入れるにはケロス島の兵を壊滅させ、その力を示そうとしていた。

 その情報を前もって聞いた連合軍は救出作戦を立てるが、道中近くのナバロン島にある2台の砲門がそのイギリス艦隊の行く手を阻み救出作戦は難航していた。

 一週間後、ドイツ軍はケロス島へ攻め入る。その6日間の間にナバロン島の砲門を破壊しなければならなかった。

 
 イギリス海軍ジェンセン准将(ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス)。彼はナバロン島に空から上陸させようと一度は試みたが敵の攻撃が強すぎて失敗に終わる。もはや警備の手薄なナバロン島南部の絶壁からよじ登って島に上陸するしかない、という作戦に落ち着くがそれは無謀ともいえる作戦だった。

 キース・マロリー大尉(グレゴリー・ペック)は登山家としても名高い軍人で敵に懸賞金もかけられていた。もうすぐ休暇を控えていたマロリー大尉は知人であるロイ・フランクリン少佐(アンソニー・クエイル)に呼び出されジェンセン准将のもとを訪れる。

マロリー大尉

 ジェンセン准将はナバロン島の上陸作戦を説明。しかしマロリー大尉はここ5年間は山を登っていない、と最初は拒否する。しかしケロス島の英兵を救出できるのはマロリー大尉しかいない、と説得され承知する。

 フランクリンは上陸作戦のメンバーを紹介する。マロリー大尉のほかには指揮官にフランクリン少佐、爆破担当の科学者で教授の肩書を持っているジョン・アンソニー・ミラー伍長(デヴィッド・ニーヴン)、機械をいじるのが得意でナイフ使いでもあり〝バルセロナのブッチャー〟と呼ばれるブラウン一等兵(スタンリー・ベイカー)、若き殺し屋スピロス・パパディモス一等兵(ジェームズ・ダーレン)らが居た。

ミラー伍長

スタブロス大佐

 マロリー大尉はスタブロスを呼んでくれ、と頼み込むとすでにフランクリン少佐はホテルに彼を呼んでいた。マロリーはホテルの部屋で相棒アンドレア・スタブロス(アンソニー・クイン)と再会。スタブロスはその任務を受けるのだった。

 かくしてナバロン島上陸と砲門の破壊任務にこの5人がつく事が決定した。

1日目

 出発地点の港に到着した5人。現地の少佐に疎まれながらも一室で作戦会議をおこなう。しかし途中でスタブロスは聞き耳を立てる人物の気配を察知する。その男をひっ捕らえ現地の少佐に報告し監禁するように命令するが、少佐は解放しようとしていた。

 そこでフランクリンやマロリーは男を牢獄に入れなければこの場で射殺するぞ、と脅しやっと少佐を〝説得〟することに成功する。

 そのころ、ジェンセン准将はこの作戦は不可能だろうと感じており戦争だから仕方ないと割り切りつつも部下を死地に追いやる上司だ、と自嘲的に笑う。

2日目

 5人は時間も無いのであえて目立たないオンボロ漁船に乗ることに決める。ミラーはマロリーに「自分は泳げないことを配慮してください」と不安そうに言うのだった。

 やがてオンボロ漁船はナバロン島に向けて出港。太陽がさんさんに照り、順調に進んでいた。

 しかし定期的に入ってくる連絡で、ドイツ軍の船がそちらへ向かっている、という連絡が入る。その連絡通り、ドイツ軍の船が見えた。5人は仕事をしているふりをしてごまかそうとしていた。

 ドイツ軍の船は漁船を停止させ兵士たちが乗り込んでくる。最初はとぼけていた5人だったが隙をついてドイツ兵を出し抜いて皆殺しと軍船の破壊に成功する。だが生き残りの兵士がいてブラウンの背後をとろうとする。ブラウンはそれに気づくが躊躇ってナイフを投げれなかった。なんとかスピロに助けられその場は事なきを得た。



 島に近づいてきたころ、時化に遭遇する。マロリーはフランクリンにブラウンとの相棒としての長い付き合いを打ち明ける。マロリーはある戦いで騎士道精神のようなものを感じて負傷した敵兵の治療を町ですることを許可したのだがその敵兵たちが実は罠で味方に攻撃し、ブラウンの妻子はその敵兵たちに殺されたのだ。

 ブラウンは葬儀の際にマロリーに「この責任はとってもらう」と呟いた。それ以来、ブラウンは復讐するようにドイツ兵を駆逐してきた。マロリーは戦争が終わったら自分もブラウンに復讐されるだろう、としみじみと感じていたのだった。

 漁船は揺れに揺れフランクリンが負傷して額に傷を負う。船は結局、座礁し5人は爆弾や登山用具などを運び出そうとする。そこに津波が襲ってきて5人は岸にしがみつき流されずに済んだものの食糧を積んだ船は海に沈んでしまう。

 ついに絶壁に到着。マロリーは間隔を取り戻しつつ崖を登り始める。そして次にスタブロスも登り始めマロリーと合流するがマロリーは足を滑らして転落しかける。

 スタブロスは間一髪でマロリーの手を掴みマロリーはロープを掴んで登山を再開。絶壁を登り切り、見張りの歩哨を暗殺する。

 他の3人も崖を登り始め、最後にフランクリンが登り出すが額の傷から出る血が目に入ったのが原因で足を滑らして転落し足を負傷してしまう。

3日目

 そして肝心のフランクリンだったが足を負傷して動けなくなり薬剤もなく正直を言えばお荷物だった。せめて敵に捕らわれれば敵に治療されるだろう、と置いておくことも考えるがスコポラミンという一種の自白剤をフランクリンに使われれば爆破計画を漏らされる、としてそれは却下される。

 もう一つの方法。スタブロスの提案はフランクリンを殺すことだった。しかしマロリーはそれは最後の手段だとして却下し担架で運びつつマンドラコス村に向かうことにする。フランクリンが死に、マロリーが代役の指揮官となる。

 マロリーは船でドイツ兵を殺すのを躊躇ったブラウンになぜ躊躇ったかを問い詰める。ブラウンはもうナイフで人殺しは出来なくなった、と本音を明かしマロリーはそれはただのワガママだと一蹴する。

 丁度その時、崖を登ったあとに殺した歩哨の無線連絡が鳴る。マロリーは無線に出て誤魔化そうとするが失敗しドイツ軍が出動する。

 マロリーら5人に攻撃作戦が一日、繰り上がるという連絡が入る。すぐそこまで迫っているドイツ軍の捜索隊を山岳地帯で撒こうと考えていた。

 フランクリンは目を覚まし、拳銃で自らの命を絶とうとする。マロリーはそれを阻止し、フランクリンに「計画が変更されて砲門の爆破任務は中止。もうすぐ海岸から味方が一斉にゲリラ上陸してくる」という嘘の情報でフランクリンを安心させる。

 スタブロスはしんがりとして迫りくるドイツ兵の気を引いていた。その隙に一行は出発する。

 セント・アレキシス。ドイツに対する抵抗組織レジスタンスと合流の予定だった。すでにスタブロスが到着しており、見張りにまわったスタブロスとスピロは人影を発見し敵兵だと思って気絶させる。しかしそれは女で、すぐ後に到着したレジスタンスの女性によって正体が明かされる。

 気絶させられたのはドイツ軍の拷問で背骨が出るほど鞭で打たれやがて口がきけなくなってしまった元女教師のアンナ(ジア・スカラ)、そしてもう一人はマリア・パパディモス(イレーネ・パパス)だった。

 マリアが自己紹介したとき、マリアにはアメリカへ行った弟がいると聞いてマロリーは「弟はすぐそこに居るよ」と教える。なんとスピロの姉がマリアだったのだ。マリアはスピロをビンタしそして再会を喜び合う。微笑ましい出来事に一行は微笑するのだった。

4日目

 ドイツ軍の捜索をくぐり抜けたものの巡回していたドイツ戦闘機に発見され攻撃を受ける。なんとかマンドラコス村の裏山に繋がる洞窟に避難しそこからマンドラコス村へ向かう。

 村に侵入した一行。ひとまずフランクリン少佐を病院に連れて行こうとするスタブロスらだったがすでにドイツ兵がそこに待ち構えていた。

 家を囲っているのに気付いたマロリーらは裏口から抜け出す。そして村人の結婚パーティにうまく紛れ込む。しかしそこにもドイツ兵がやってきて、やむなくマロリーらは投降する。



 一行は集められ、ドイツ軍ムーセル大尉(ウォルター・ゴテル)に尋問される。ムーセル大尉は冷酷にフランクリンの傷口に拳銃を置いたりして痛めつけ情報を吐かせようとするが、スタブロスが機転を利かせて一芝居打ち、油断した隙をついて形勢を逆転させる。

捕らわれる一行

 マロリーらはムーセル大尉らを取り押さえ軍服を奪って脱出に成功する。治療させるためにもフランクリンは置いていくことにする。マロリーは自分が教えた嘘の情報をフランクリンが信じているか確認しその場を後にする。ミラーはフランクリンに「再会して君のおごりで飯を食おう」と別れを告げる。

 夜、レジスタンスに協力する教会に一行は宿泊する。作戦会議でマロリーが「敵がフランクリンにスコポラミンを打ってフランクリンから情報を聞き出したときのためにフランクリンに嘘の情報を教え込ませた」と明かしミラーは「もしフランクリンがいつまでもスコポラミンを打たれなければフランクリンは拷問されて死ぬだろう!」と激怒する。

 ミラーはマロリーを非道徳的だ、と罵り砲門爆破なんて不可能な作戦よりフランクリンを救出したい、と主張する。マロリーは指揮官として任務遂行のためには仕方がないのだ、と話し一行に寝るように命令する。

 深夜、一行が寝静まったころアンナがひっそりと起きてマロリーに寄り添う。マロリーは自分がどんなに野蛮な敵兵を殺したとしてもその行為は非人徳的なのだろうか、と悩みを打ち明けアンナは慰めるようにマロリーとキスをする。

最終日

 翌朝、敵のトラックを奪った一行は自分たちに協力したせいでドイツ軍に焼き討ちを受けるマンドラコス村を目撃する。トラックの中でマリアはスタブロスに「あなたもドイツ兵の妻子を殺してきたんじゃないの?」と核心をつく発言をする。それに頷くスタブロスに「だそうよ。良かったわね」とマロリーに言うのだった。そしてスタブロスに対しては「あなたの事は好きよ」とフォローもする。

 一行は要塞の麓の村に到着する。ここは要塞の砲台の音があまりにも騒音でみんな出て行ったのだという。しかしレジスタンスの格好のアジトでもあった。

 ある廃墟の家に忍び込んだ一行。しかしミラーが爆弾の導線が抜かれ時限爆弾も使い物にならなくなったことを明かし敵のスパイがいることを明かす。これまでにも何度かこちらの情報が筒抜けだった場面がある。そしてそのスパイはアンナだというのだ。

 アンナは喋れないながらも必死に首を横に振るがミラーはアンナがスパイだと疑わない。手っ取り早いのはアンナの拷問の痕を確認するだけだ、と言いスタブロスが抑えつけてアンナの背中を見せる。そこには拷問の痕など無かったのだ。

 アンナは「スパイにならなければ本当に拷問されてしまうのよ。だから仕方なかった」と言い訳をする。ミラーはマロリーにアンナを生かしておくことはできない、と提言しマロリー自身の手での射殺を求める。マロリーは苦心しながらも目に涙を溜めるアンナに銃を向け引き金を引こうとする。

 さすがに本気でやるとは思わなかったのかミラーはマロリーを止めようとするが、アンナは撃たれて死亡する。撃ったのはスパイを同行させた責任を感じたマリアだった。マロリーは出発の号令を出す。

 呆然と立ちつくすミラーにマロリーは「将校は射殺できないほど甘ったれではないんだ。分かったら爆弾を仕掛けるときに最善を尽くせ」と命じミラーはそれに黙って応じるのだった。

 一方のフランクリン少佐はスコポラミンを打たれ偽の上陸作戦を自白する。それを聞いたドイツ軍はただちに海岸に警戒線を張ろうと要塞から多くの兵が出動する。

 スタブロスとスピロは町で次々と兵士を射殺し敵の目を引きつける。その隙にミラーとマロリーは要塞へ侵入する。敵兵が入ってこないようドアを閉めるがそれが災いして警報が鳴ってしまう。

 ミラーは囮の爆弾を砲台に、そして本命の爆弾を砲弾を装着するときに使用されるエレベーターの鉄骨に仕掛ける。エレベーターと爆弾が接触すると同時に大爆発を起こして要塞が吹っ飛ぶことになっているのだ。マロリーとミラーはそれらを仕掛け終えて崖をロープで降りて海に飛び込む。

 一方、街で暴れまわっていたスタブロスとスピロ。スピロは無鉄砲に突っ込み、やがて同じような銃を持っている敵兵と相打ちになって死亡する。スタブロスはスピロの下に駆けつけようとするが敵兵がやってきてすぐさま逃亡を図る。

突撃するスピロ

 脱出用のボートを確保する任務にあたっていたマリアとブラウン。ブラウンはここでも船に乗っていた水兵を殺すのを躊躇ってしまい、何とか水兵を刺し殺すことに成功するが水兵も最後の抵抗でナイフをブラウンに刺し返して相打ちの結果に終わる。

 マリアは泳いで逃げるミラーとマロリーをボートに拾い、また敵兵の銃弾を受け肩を負傷したスタブロスも拾おうとする。しかしスタブロスは負傷して腕を動かせなかった。マロリーはスタブロスを何とか引き上げることに成功する。

 やがてケロス島救出任務が下された英軍艦隊がナバロン島を通過しようとする。要塞では艦隊を撃破するべく砲門が唸りを上げ始める。二発ほどギリギリ戦艦を外し三発目が装填されかけたところでエレベーターに仕掛けた爆弾がエレベーターと接触し大爆発を起こす。

 ナバロンの要塞は大爆発を引き起こし砲門の残骸は海へと落ちて行った。敵の治療を受けていたフランクリンは爆発音を聞いて安堵する。

 英軍艦隊はケロス島救出作戦のための進軍を再開する。

 スタブロスはマリアに故郷で一緒に暮らさないか、と誘うがマリアはマンドラコス村が焼かれ次は自分たちの村が焼かれる。見捨ててはおけない、と断る。スタブロスはマリアを助けるためにも再びナバロン島へ戻ることを決意。マロリーとスタブロスは過去の因縁と決別したかのごとく笑顔で握手し別れを告げるのだった。

 ミラーはマロリーに今までの自分のしてきた無礼を詫び作戦の成功を祝福する。

 不可能と思われた作戦が行われ、それに挑んだ仲間の顔が浮かぶ。炎上するナバロンの要塞と共に・・・









 いいですねえ。アンソニー・クインとかグレゴリー・ペック、デヴィッド・ニーヴンの演技が素晴らしい。アンソニー・クインってこの映画で滅多に笑わなかったんで最後、ペックと別れるときの笑顔がこれまた良いんですよねえ。ギャップ萌えの一種でしょう。

 はたまた戦争シーンが素晴らしい。さすが軍部が協力しているだけはありますね。相変わらずドイツは悪者ですけど、第二次世界大戦の時代設定なら仕方ないでしょうねえ。

 参考にさせていただいたサイトの方もおっしゃっていましたがラストはやっぱりあの壮大な主題歌で締めてほしかったですねえ。でもそれならやっぱりあの萎むようなラストシーンは変えなきゃいけないか・・・私的にはラストシーンは好きなんですけどラストシーンの音楽だけ変えてほしいなあと思ったんですが、やっぱり音楽変えてあのラストシーンは合わないかなあ。

 一番、印象に残ったのはやはりアンナが射殺されるシーンですかね。拷問に怯えて敵に屈しちゃうのが意志が弱いなんて思うより一般人なら当然かなあ、なんて思ったりもしました。
Category: 洋画ナ行
さてさて色々と今やったら問題ありそうな映画「フリークス」を観ました。


『フリークス』 (1932年・米)
フリークス
スタッフ
監督:トッド・ブラウニング
脚本:ウィリス・ゴールドベック、レオン・ゴードン、エドガー・アラン・ウールフ、アル・ボースバーグ
製作:トッド・ブラウニング
撮影:メリット・B・ガースタッド
編集:バシル・ランゲル
キャスト
フロソ:ウォーレス・フォード
ヴィーナス:リーラ・ハイアムス
ハンス(小人症):ハリー・アールス
フリーダ(小人症):デイジー・アールス
シュリツ(小頭症):シュリツ
ハーフボーイ(下半身欠損):ジョニー・エック
生けるトルソー(手足欠損):プリンス・ランディアン
シャム双生児姉妹:デイジー&ヴァイオレット・ヒルトン
ロスコー(吃音症):ロスコー・エイツ
マダム・テラトリニ:ローズ・ディオン
ヘラクレス:ヘンリー・ヴィクター
クレオパトラ:オルガ・バクラノヴァ


 トッド・ブラウニング監督作品「フリークス」。原題タイトルは「Freaks」

 日本で公開当初のころのタイトルは「怪物團」だったそうです。まるでホラー映画のようなタイトルですけど私としてはホラー色より哲学色が強かったように思えますね。

 この当時、まだ明確な人権保護団体というのは無かったのかもしれません。だから奇形や障害者の方は自分を見世物にすることでお金を稼いでいた時代なんです。

 ブラウニング監督というのは実はこの映画の舞台であるサーカス・・見世物小屋出身なんですよ。だから彼、同じ見世物小屋で活躍していた障害者の方や奇形の方を映画に出すことに何の疑問も感じていなかったんですが、この映画を作ったあと、不憫なことに彼は落ちぶれていくんですよ。誰も認めないんですね・・

 そしてもう一人・・いや二人か。語るべきはデイジー&ヴァイオレット・ヒルトン姉妹ですね。この姉妹は美人姉妹で、お尻のあたりで繋がってるんですよ。で、姉妹は人気だったんですけど途中で人気が落ちてやがてプロデューサーというかブローカーに「お前らはもう売れないから町でレジ打ちでもしてなさい」ってスーパーに預けちゃうんです。それからしばらくして、ある日、姉妹は香港かぜの死体で発見されるんです。デイジーが先に死んでヴァイオレットが後を追って死にました。でも、これって二人一緒だけど孤独死も同じじゃありませんか?

 この映画は監督の訴えさえうまく伝わっていれば素晴らしい映画になるんですけどね。残念な結果になりましたね。

フリークスの集合

生けるトルソー

ハーフボーイ

デイジー&ヴァイオレット・ヒルトン姉妹



【あらすじ】

 見世物小屋の小人・ハンスは同じく小人のフリーダと婚約していた。しかしハンスは同じ見世物小屋のマドンナ的存在の空中ブランコ乗り・クレオパトラに色目を使われてやがて気持ちが傾いてしまう。しかしクレオパトラはハンスの金目当てで結婚しようとしていたのだ・・















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 フランスの曲馬団。団長はマダム・テラトリニ(ローズ・ディオン)。

 このサーカス団に所属する小人症のハンス(ハリー・アールス)は同じく小人症のフリーダ(デイジー・アールス)と婚約関係にあった。

ハンスとフリーダ

 しかし近頃、サーカス団の空中ブランコ乗りのマドンナであるクレオパトラ(オルガ・バクラノヴァ)に色目を使われて彼女についつい心が傾いてしまう。それをフリーダは快く思っていなかった。

 一方、ヴィーナス(リーラ・ハイアムス)という女性は筋肉質な男・ヘラクレス(ヘンリー・ヴィクター)に別れを告げる。そんな時、たまたま立っていたピエロのフロソ(ウォーレス・フォード)にキツく当たって去って行くがピエロのメイクを取ったフロソはすぐさまつっかかる。やがてヴィーナスは「なぜあんな男に恋したの」と泣き出してしまいフロソは慰める羽目に。そうしてヴィーナスは優しいフロソに惚れ込んでしまう。

 一方、クレオパトラはハンスに対しては金目当てでの接触だったのだ。クレオパトラはヘラクレスとすぐ恋に落ち、ハンスから金を巻き上げようと画策する。

 やがてハンスはクレオパトラと結婚することになった。フリーダはハンスを説得するがハンスは聞かない。フリーダは酷く悲しみフロソとヴィーナスはそれを慰める。やがて女心の分からないフロソはなんとかヴィーナスと恋心で結ばれることになった。

 フリーダはクレオパトラが金目当てで結婚することに気付いており、クレオパトラに問い詰める。「私は彼の幸せを願っているの。彼の遺産目当てなら結婚を止めて」と。クレオパトラはハンスに莫大な遺産がかかっていると知り、ヘラクレスと毒殺を計画する。

 やがて結婚式。クレオパトラはハンスのワインに遅効性の毒を盛った。やがてアルコールの入ったクレオパトラはつい本性を暴露しヘラクレスも一緒になって障害者や奇形者の仲間を罵る。そしてついハンスにも本音をぶちまけるのだった。

 酔いが醒めたヘラクレスとクレオパトラはハンスに謝罪するがハンスはもう二人の魂胆にさすがに気付いていた。やがて毒が回ったハンスは気絶する。

 医師の診断を受けたハンスは食中毒だと診断される。しかしサーカス団の仲間はクレオパトラが毒を盛ったのだとすでに気付いていた。ヴィーナスはヘラクレスに自首するよう勧める。

 その後、クレオパトラの薬だと偽って盛った毒をうまく飲まないようにしたハンスは仲間と相談し二人に罰を与えることを決定する。

 まずヘラクレスは自分のことに気付いたヴィーナスを馬車で移動中に殺そうとしていた。それをフリーダは聞いており、フロソに言う。フロソはヴィーナスを襲われる間一髪のところでヘラクレスに掴みかかり殴り合いになる。

 そこへ駆けつけたのはサーカス団の仲間たち。下半身欠損の仲間や小人症の仲間も投げナイフで応戦しヘラクレスは殺される。

 一方のクレオパトラは毒をハンスに取り上げられる。そしてクレオパトラは逃亡し追いかけてくるフリークスの仲間たち。心がフリークスのクレオパトラはやがて追いつめられ悲鳴をあげる。

 時が経ち、クレオパトラは身体もフリークスそのものにされ、美女が復讐されて醜い姿になった、と見世物にされていた。それが何による、誰による、どうしてそうなったかは分からない。

クレオパトラのなれの果て

 サーカス団をやめ資産家になっていたハンス。そこへフロソとヴィーナスに連れられてフリーダがやってくる。ハンスは罪の意識からフリーダに会うことができなかったのだ。泣く泣く謝罪するハンスにフリーダは広い心で許すのだった。しかしハンスはまだ後悔しつづけるだろう・・・






 私は身体がフリークスな人でも心がフリークスな人の方が醜い、という考えも納得できますが「心がフリークスな人が身体がフリークスな人を差別の対象に扱うのは間違っている」という見解を持っていますね。

 ある私の友人は「健常な人は自分が五体満足だから何が幸せか分からないで欲望のまま動くけど、何かが欠けている人はいろんなものを大切にする純粋な心を持っている」という名言をこの映画の感想で残してくれました。いやあ、感動しちゃいますよね。この意見。
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哀愁

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今日は映画「哀愁」を観ました。


『哀愁』 (1940年・米)
哀愁
スタッフ
監督:マーヴィン・ルロイ
脚本:ロバート・E・シャーウッド(原作)、S・N・バーマン、ハンス・ラモー、ジョージ・フローシェル
製作:シドニー・フランクリン
音楽:ハーバート・ストサート
編集:ジョージ・ベームラー
キャスト
ロイ・クローニン:ロバート・テイラー
マイラ・レスター:ヴィヴィアン・リー
キティ:ヴァージニア・フィールド
マーガレット婦人:ルシル・ワトソン
クローニンの叔父:C・オーブリー・スミス
オルガ・キローワ女史:マリア・オースペンスカヤ


 マーヴィン・ルロイ監督作品「哀愁」。原題タイトルは「WATERLOO BRIDGE」

 原題を直訳するとウォータールー橋ですね。確かにイギリスのロンドンにウォータールー橋があるんですよ。つまりこの映画の舞台もロンドンにあります。

 「風と共に去りぬ」の主演女優ヴィヴィアン・リーが見事にスカーレット・オハラとは対照的のお淑やかで未来に怯えるか弱い女性を演じています。まったく対照的な二人のキャラクターなのに二人とも素晴らしいリーの演技です。感服しますよ。

 一方のロバート・テイラーですが彼は当時の大女優にモテモテの美男子でした。MGMドル箱スターで「グランド・ホテル」で共演しながら共演シーンが一秒もないグレタ・カルボとジョン・クロフォードの二人からは映画の相手役になってほしいと希望されたほどです。後に同じく相手役を希望した女優のバーバラ・スタンウィックと結婚しますが1951年に離婚してます。

 そしてこの映画で強いて悪役をつけるなら、マリア・オースペンスカヤ演じるマダム・キローワでしょうね。しかしアメリカのサイトで「邂逅(めぐりあい)」(1939)の写真を見てたらマリア・オースペンスカヤが凄い笑顔っていうか、この映画の冷徹な女性のイメージを崩すような写真がありましたよ。この映画だとこのお婆さん、江角マキ子の演じる冷徹キャラっぽいキャラクターなんですよ。

 さてさて、この映画一応ラブストーリーなんですが皆さん、タイトルから察してくださいね。


【あらすじ】

 第一次世界大戦中。明日に出兵を控えていたロイ・クローニン大尉はマイラ・レスターという踊り子と出会う。二人は惹かれあっていき、やがて婚約をする。しかしクローニンは戦争へ行き、レスターは踊り子を友人のキティと辞める。それ以来、レスターとキティは金に困った生活を送らざるを得なくなる。















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ロンドンのウォータールー橋。ロイ・クローニン(ロバート・テイラー)大佐は橋で一つのお守りを眺めながら懐かしき女性を思い出していた。

─ ─ ─ ─ ─

 橋でクローニン大尉は避難中のマイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)と出会う。彼女は踊り子でロイはマイラと避難所で空襲から避難しつつも会話できた楽しい一時を過ごした。やがてマイラが夕方、踊りを披露すると言うがロイは大佐と食事だからいけない、と残念がる。

ロイとマイラ

 しかし夕方、なんとマイラらオルガ・キローワ女史(マリア・オースペンスカヤ)の指揮するダンス団のダンスをロイは見に来てしまったのだ。ロイは大佐との食事を断ってしまったらしい。夕食を共にしよう、という誘いの手紙をロイは渡そうとするがそれをキローワ女史に見つかってしまい、断りの手紙を書かされてしまう。

手紙を没収するキローワ女史とマイラ、キティ

 断りの手紙を受け取り、ロイは残念に思いながら帰ろうとするがそれをマイラの親友キティ(ヴァージニア・フィールド)が引き止め、無理やり断りの手紙を書かされたことと、どこで待ち合わせるかを問い質す。キティはロイからそれらを聞くとマイラは純粋な子だから、と一応の釘を刺しておいたのだった。

 夕食のダンスクラブ。ロイはマイラと楽しい一時のことを話したり、十分に盛り上がる。しかしロイはマイラがどこか未来に期待していない影を持つ女性だ、ということに気付き未来を考えるだけで楽しい、と説く。そしてクラブで演奏される最後の蛍の光をバックにダンスを踊る二人。ロウソクが消えていき、暗闇のなかロイとマイラは情熱的なキスをするのだった。 

ダンスクラブにて

♪Auld Lung Syne(蛍の光)


 ロイは明日、出兵により戦地に赴かなければならない。マイラはロイはもう帰ってこない、と予感し彼女がずっと持ち続けていた猫型の幸運のお守りをロイに渡す。そして、さよならの別れの言葉を話すのだ。

 翌朝、キローワ女史に会うことを禁じたのにロイと会ったマイラを叱り「次、同じことがあれば即刻クビだ」と警告する。しかしふと窓を観るとなんと、戦地へ行ったはずのロイが立っていた。マイラは急いでロイの下に駆け寄り二人は再会を喜び合う。

マイラに会いに来たロイ

 ロイは出兵を2日間、延期されたのだ。ロイはマイラになんと求婚してしまう。最初は戸惑うマイラだったがロイは時間がないんだ、とお互いの思いを手早く確かめ合い、やがてマイラも結婚を受け入れる。

マイラとロイ

 ロイはタクシーを拾って結婚を大佐に許可してもらおうとする。しかし大佐はロイの叔父(C・オーブリー・スミス)である人物が結婚の許可をとれば自分も許可しよう、と話す。ロイはすぐに叔父に会いに生き叔父から結婚する相手が踊り子、なんて気にするなと激励されつつ結婚を許可してもらう。

 若い二人はすぐさま結婚式をあげに教会へ行くが神父からは午後3時以降の結婚式は法律で禁止であるということを話され明日の朝11時まで延期されることとなった。

 マイラは寮に帰宅し嬉しそうにキティや他のメンバーに結婚を報告する。しかしロイから電話がかかってきて明日に出兵することとなってしまった、ということを話してマイラは明日、公演があるにも関わらずウォータールー駅で見送りをすることを決意した。

 朝、急いでマイラは駅へ向かおうとするがタクシーがなかなか捕まらなかった。やっと駅についた頃にはロイの乗った電車は出発し、お互い一目しか会えなかった。

 マイラは公演会場にすぐさま行くが楽屋に入ったころにはダンスは終わってしまっていた。マイラはキローワ女史に「よく顔を出せたな」と言われクビを宣告される。あまりにも一方的な物言いにキティもキローワ女史を罵倒。キティとマイラはクビにされたのだった。

 やがて時は流れ、キティとマイラは貧乏な生活を余儀なく送らされた。キティはロイに自分たちの状況を伝えたらどうだ、とマイラに提案するがマイラは自尊心とロイを心配させたくない、という理由でそれを拒む。やがてロイの母マーガレット婦人(ルシル・ワトソン)がマイラに会いに来る、ということを伝えられる。

 マイラは喫茶店でマーガレット婦人と待ち合わせする。なかなか来ないマーガレット婦人にマイラはふと夕刊が気になり読みはじめる。自然と戦死者一覧名簿に興味を持ち、そこにロイ・クローニンの名前を発見。マイラは気絶してしまう。

 目が覚めたころ、マーガレット婦人が到着した。しかしマイラはロイの死に動揺からおかしな言動を発してしまう。マーガレット婦人はマイラに失望し店を後にするのだった。

マーガレット婦人

 また少し時は流れて少し病弱になりはじめたマイラ。近頃、キティが舞台に復活して生活が少し楽になりはじめていた。しかしマイラはキティが舞台などしていないことに気付き、彼女を問い詰める。そして知ってしまう。キティが自分の薬と二人の生活費のために、娼婦となってしまったのだ。

 「娼婦は簡単に稼げるなんて言ったのは女じゃないわね。結婚はできないし、自分が会う男は数時間の付き合いだけ」と辛さを打ち明けるキティ。マイラはキティを抱きしめかなりの躊躇いを感じながらもキティの辛さを分かち合うために、自分もキティと同じ道を辿ることに決めたのだった。

 また時は流れ、駅で帰還兵を誘惑するマイラがそこには居た。しかしマイラはそこで奇跡的に見つけてしまった。死亡したはずのロイ・クローニンが帰還してきた姿を。二人は奇跡の再会に心から喜び合うのだった。

 ロイはマイラとすぐに結婚しよう、とウキウキしている。しかしマイラは複雑な気持ちだった。そしてロイに結婚を断ろうとするが、ロイは必死にマイラを説得しなんとか結婚に進むことになる。しかしロイはまだ、マイラが娼婦として駅にいたことを知らなかった。

 マイラはキティにロイが帰って来たことと結婚することを伝える。マイラは自分だけ幸せを掴んでしまうことを許してほしい、と言いキティはマイラの幸福を激励するのだった。

 汽車に乗り、クローニン邸にて。ロイは自宅の庭を案内し、マイラと二人での未来の幸せを喜び合う。やがて屋敷に到着しマイラとロイは久しぶりにマーガレット婦人と再会する。マーガレット婦人は二人の到着を喜ぶのだった。

 夕方、屋敷でダンスが行われる。しかし参加者たちの中には今回の結婚に家柄的な問題で密かに反対している者もいた。マイラはロイに不安を感じる、と正直な気持ちを伝えるがロイはこれからあるのは幸せだけだ、と強く説く。やがてロイの叔父が到着する。叔父はマイラをダンスに誘い、二人は踊りあうのだった。

 やがて二人は別の部屋に入る。マイラは叔父が何のために自分と踊ったのかを察していた。叔父はとぼけているが、マイラのことを悪く言う意見を伯爵である叔父自らがマイラと踊ることで払拭させようとしたのだ。そして叔父はマイラの人柄を認め、「汚れなき我が家の妻にふさわしい人物だ」と話すのだ。その言葉にマイラはハッとなる。

 夜、マイラは部屋を訪ねたマーガレット婦人と話す。喫茶店のあと、マーガレット婦人は死亡記事を読んで喫茶店のときにマイラが取り乱していたのは死亡記事を読んだためか、と気付き急いで彼女を探したが結局、見つからなかったのだという。そのことをマーガレット婦人は謝罪し自分の部屋へ戻る。

 マイラはすぐにマーガレット婦人の部屋に駆け込み、自分が貧乏な生活を強いられ娼婦に身を落としたから結婚できないことと明日の朝に密かに発つことを明かす。婦人は大きなショックを受け、明日まで待ってほしいと頼むがマイラはこのことはロイに内密にしてほしいと頼み込むだけで考えは変わらなかった。

 部屋に戻ろうとしたマイラに声をかけたのはロイだった。マイラはロイとの結婚を喜ぶ風を装い、最後にロイから幸運のお守りを返される。「これからはどっちが持っていても一緒だ」と。マイラは最後の挨拶に言うのだった。「さよなら」と。マイラはロイに「このさよならは寝る時間だけでも別れるのが長い別れのように感じるからだ」と説明するが本当の意味は別のところにあった。

 そして翌朝、密かにマイラは屋敷を発つ。別れの置手紙を見たロイはすぐさまロンドンまで追いかける。ロンドンでまずキティと会い、目星がつくところを二人でくまなく探す。そして駅にもいないマイラ。ロイはマイラに何があったのか問い詰め、キティはぼかした答えを返す。しかしそれでロイが察するには十分だった。

 ロイは気付く。自分たちはマイラを探し続けるが、マイラはもう自分たちの下へ帰ってくることは無い、と。

 マイラはウォータールー橋に居た。橋で水面を眺めていた。そしてマイラは歩き出し、やがて軍トラックの一団に出くわす。マイラは道路に飛び込みトラックに轢かれる。無事だったのは幸運のお守りだけだった。

─ ─ ─ ─ ─

 時は戻り回想が終わる。ロイは自分が持っている幸運のお守りを握りしめ迎えの車に乗り込んでいった・・・

終









 この映画を観てしまうと何が憎いかと言われれば戦争ですかねえ。ロイの戦死の誤報こそ、のちのちにマイラを殺したようなものですからねえ。近頃は戦争物で反戦映画ばっかり観ているからそういう気が起きるのかな?マイラが軍のトラックに轢かれたのだってなんて皮肉でしょうかねえ。

 そしてどうも考えを改めなきゃいけません。私は今まで娼婦の女性に対して偏見を持っていました。しかし貧乏ゆえに体を売るしか金を稼ぐことが出来ない、なんて事情がある人もいるのかもしれません。今後は、簡単に娼婦をバカにするなんて失礼なことはできないでしょう。

 さてさてマイラは心が弱い、と受け取られがちですが私はどうもそうは思えませんね。自殺を実行できる勇気のある女性が勇気がなくて心が弱い、なんて私にはどうも思うことはできないんですよ。

 そしてこの映画ではキティが本当にマイラの支えになった女性ですよね。普通ならマイラだけが幸せを掴むなんて、と罵詈雑言の一つは言いそうなものですがそれも言わずに友を祝福する。彼女にはぜひ幸せになってもらいたいものです。

 この映画の主題で最後の舞台、ウォータールー橋。ロンドンに行ったらぜひ行ってみたいものです。
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今日は反戦映画の傑作、「禁じられた遊び」を観ました。


『禁じられた遊び』 (1952年・仏)
禁じられた遊び
スタッフ
監督:ルネ・クレマン
脚本:ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト、ルネ・クレマン
製作:ポール・ジョリ
音楽:ナルシソ・イエペス
撮影:ロベール・ジュイヤール
編集:ロジャー・ドワイア
キャスト
ポレット:ブリジット・フォッセー
ミシェル・ドレ:ジョルジュ・プージュリー
ミシェルの父:リュシアン・ユベール
ミシェルの母:ジュザンヌ・クールタル
ジョルジュ・ドレ:ジャック・マラン
ベルテ・ドレ:ロランス・バディー
フランシス・グアーレ:アメデー


 ルネ・クレマン監督作品「禁じられた遊び」。原題タイトルは「Jeux interdits

 ルネ・クレマン監督作品は「太陽がいっぱい」とこれしか観てないですが、おそらく私が他にどのクレマン作品を観たとしてもこれを超える作品は無いと思います。心温まるヒューマニズムと戦争への怒り・・・ポスター通りですよ。

 それにしてもこの映画は子役の演技がとても素晴らしい。少女ポレットを演じたこの映画の主演女優ブリジット・フォッセーですがまあ子役としての地位を不動のものにしました。私的には実はこの人、「ニュー・シネマ・パラダイス」のディレクターズ・カット版に出たことが凄い驚きです。

 この映画、撮影に金を使いすぎてサウンドトラックというか音楽に金をかけられなくなってしまったんです。そんな時、ギター一本で主題歌を演奏しました。それが今なお名曲として語られる「愛のロマンス」の誕生です。マイナスがものすごいプラスに働いたんですよね。


【あらすじ】

 爆撃を受けたパリを避難する市民たち。その中に少女ポレットとその家族が居た。しかしポレットの両親は戦闘機の機銃掃射を受け命を落とす。ポレットは川に流された飼い犬の死体を追う内に森へ迷い込む。その森で出会った少年ミシェルと仲良くなり、ポレットはミシェルの家に一時的に引き取られることとなる・・・



♪愛のロマンス    ナルシソ・イエペス













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 1940年。フランス郊外にて。

 パリはドイツ軍の爆撃を受け市民は郊外に避難していた。ポレット(ブリジット・フォッセー)は両親と共に車で避難していたが道中で車が故障してあげく、車を捨てることになる。

逃げ惑うパリ市民

ポレット

 やがてドイツ軍の戦闘機が空から機銃掃射。その音に愛犬ジョッグが逃げ出してポレットはその後を必死に橋まで追った。それを両親はまた追い、やがて再び戦闘機が機銃掃射。両親とポレットは伏せるが機銃を受けてポレットの両親は死んでしまう。

 一人悲しみに暮れるポレットはジョッグの死体を抱え逃げ惑う人々に立ちすくむ。ある老人がポレットを心配し自分の引く荷車に乗せるが、その車に乗っていた老婦人が「犬の死体なんて捨てなさい」と言ってジョッグの死体を川に放り投げた。ポレットは流される愛犬を見て追いかかる。

 やがて岸辺に引っかかった死体を持って、ポレットは近くを通りかかった無人の馬車についていった。

 一方、近くの貧しい農園でドレ一家は暮らしていた。少年ミシェル・ドレ(ジョルジュ・プージュリー)は父(リュシアン・ユベール)と母(ジュザンヌ・クールタル)、兄ジョルジュ(ジャック・マラン)の手伝いをしていた。さらにもう一人の兄と二人の姉がミシェルには居た。

 そこにあの無人馬車が。ジョルジュは様子を見るために馬車に近づくと、馬に蹴られて重傷を負う。ミシェルはその拍子に逃げ出した牛を追いかけて森へ入り込む。

 森ではポレットが一人で泣いていた。ミシェルはそれを見つけ、「どこから来たの」とか「名前は?」なんてことをポレットから聞く。ミシェルは逃げ出した牛を捕まえるためにミシェルを誘って牛を捕まえようとするのだった。

 やがて帰宅したミシェルに一緒に家に来たポレットのことを父は問いただす。ミシェルは父にポレットを家に置いてほしい、と頼み込む。最初は断る父だったが「だったら隣のグアーレ家に置いてもらう」と言う。ドレ家とグアーレ家は隣人同士で仲が物凄く悪く、それを聞いた父は話だけでも聞くと家に入れてあげるのだった。

 家ではドレ家の面々が温かくポレットを迎えてあげた。ポレットはまだ緊張しており、とりあえず質問攻めを交わして二階の部屋に寝かせてあげることにするのだった。ポレットはミシェルによく懐いていた。

ミシェルとポレット

 ポレットは橋で死んだ人はみんな棺が足りなくて土に埋められるんだ、という話を聞く。また棺に入れても最後は土に埋める。死者はみんな土に埋められる。その話を聞いたポレットはミシェルに「祈り」の仕方について教えられる。

 ポレットは愛犬ジョッグを土に埋めてあげるべく水車小屋に墓を立てる。ミシェルの「墓地にぴったりな場所だ」というセリフにポレットは「墓地ってなあに?」「お墓が集まっているところだよ」「なんで集まってるの?」「ひとりで寂しくないようにさ」「じゃあジョッグは一人でさびしいのね」ポレットは寂しそうに言う。

 そこでミシェルは上の階にいたフクロウがとってきたモグラの死体を持ってきて近くに埋めてあげよう、ということになる。モグラの死体を埋めて、ポレットはねだるのだった「もっといろんな動物を一緒に埋めてジョッグが悲しくないようにしよう。トラとかライオンとか人間も。だからたくさん十字架が欲しい」

 隣のグアーレ家に息子のフランシス(アメデー)が軍役から逃げ帰ってきた。実はミシェルの姉ベルテ(ロランス・バディー)とフランシスは両家の親に内緒で好き合っていたのだ。しかし両人とも家間の仲の悪さを知っていてそのことを切り出せないでいた。

 やがて、兄ジョルジュの容体が急変し死亡してしまう。

兄ジョルジュの死

 ミシェルは十字架を手に入れるために父が作ったジョルジュの霊柩車から十字架を盗む。そしてジョルジュの葬儀で父に十字架がなくなっている事を問い質されると、ミシェルは隣のグアーレ家が盗んだのでは?と嘘をつく。父は血相をかえてグアーレ家への怒りをますます募らせるのだった。

 葬儀中、教会に合った十字架の美しさに魅せられたポレット。ミシェルはそれを聞いて教会に懺悔をしにきたフリをして十字架を盗もうとするが、それは失敗し神父に追い出されてしまう。

 やがてポレットは十字架をもっとほしいとねだり、ついに墓地の十字架を持って来よう、とミシェルとたくらむ。夜、姉ベルテとフランシスが逢引している納屋から手押し車を引っ張りだし戦闘機による爆撃で夜空が光るなか、墓地へと向かう。

 そして墓地で大量に十字架をあつめたミシェルとポレット。二人は無邪気に喜び合う。なんと15個もの十字架を持ってきてしまったのだった。

十字架を持っていくミシェルとポレット

 翌日、兄ジョルジュの墓参りが行われる。しかし墓地についてもジョルジュの墓は無かった。グアーレ家の仕業だ、と激昂した父はグアーレ家の妻の十字架を折る。その場面を見ていたグアーレ家の面々は激怒しグアーレ家の父とドレ家の父で殴り合いが始まるのだった。

 その音を聞きつけた神父がやってくる。神父は十字架を持っていたのはミシェルだ、と打ち明けてミシェルはすぐさま逃亡した。

 3日の間、ミシェルは家に帰ってこなかった。父はミシェルが帰ってきたら何としてでも十字架のありかを聞き出そうとしていた。

 ベルテはポレットを説得して十字架のある場所を聞き出そうとする。そこへ密かにミシェルが帰ってきて「やめないと納屋でフランシスと会ってたことを言っちゃうよ」と脅しひとまず事なきを得る。そしてミシェルは二階でポレットに「明日、墓地を見に来て。うんと豪華にしたから」とポレットを誘うのだった。

 翌朝、ミシェルとポレットは密かに納屋から出ようとした。その時、警察官二名がドレ家にやってくる。父はグアーレに訴えられたのでは、と焦って納屋に入って来てミシェルを見つける。そしてミシェルに乱暴に墓のありかを聞こうとするが、警察官は十字架盗みの件で来たわけではなかった。

 警察官はみなしごのポレットを引き取って施設に預けよう、とやってきたのだ。ミシェルと一緒にいたい、と泣くポレット。父はポレットを警察官に引き渡そうとするが、ミシェルがウチで引き取って、と父を説得しようとする。そして父に十字架の場所を教える代わりにポレットを引き取って、と交渉し父はそれに応じる。

 ミシェルは風車小屋に十字架がある、と教えるが父は約束を破って引き渡し書に署名をしてしまった。ミシェルは父に怒るが父は聞く耳を持たず。怒ったミシェルは風車小屋に行き、十字架を川へ流してしまった。やがて風車小屋に聞こえてくる車のエンジン音。ポレットを引き取った車だった。

引き取られるミシェル

 ポレットは駅で名札をつけられて、ベンチに座らされ少し待っているように言われる。施設の人が引き取りにくるからだった。

 やがて雑沓する駅にこだます「ミシェル!」の声。ポレットは泣きながら声の方向に向かうが人違いのようだった。ポレットは「ミシェル!ママ!ママ!」と泣きながら呼び続け雑沓を走り抜けていくのだった・・・








 禁じられた遊びは墓遊び。でもそれは確かに禁ずるべきですが、決して人を死にはさせません。もっと重大で禁じられるべきなのに禁じられていない遊び・・それは戦争です。この作品から戦争は何を奪ったと思いますか?ポレットにとって最も大事なものです。

 墓遊びをすれば怒られるのは子供、怒るのは大人です。でも戦争といういけない遊びをする大人を怒ってくれる大人がどこにいるのでしょうか・・・
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今日は劇場公開時に観たんですが、もう一回観ちゃいました。そらのおとしものの劇場版。


『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』 (2011年・日)
劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神
スタッフ
監督:斎藤久(総監督)、柳沢テツヤ(監督)
脚本:柿原優子
製作:新大陸発見部(製作委員会方式)、角川書店、クロックワークス、NTTドコモ、グロービジョン、AIC
音楽:岩崎元是
主題歌:blue drops(早見沙織&吉田仁美)『SECOND』
撮影:平林奈々恵、今泉秀樹
編集:櫻井崇
キャスト
桜井智樹:保志総一朗
イカロス:早見沙織
見月そはら:美名
守形英四郎:鈴木達央
五月田根美香子:高垣彩陽
ニンフ:野水伊織
アストレア:福原香織
ダイダロス:大亀あすか
風音日和:日笠陽子
空のマスター:三木眞一郎


 斎藤久、柳沢テツヤ監督作品「劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神〝エンジェロイド〟」

 私、これのアニメが深夜アニメにどっぷりと浸かった原因なんですよ。これのアニメをDVDで全制覇してしまったが為にそれ以来、深夜アニメをよく観るようになりました。今のところ、私のなかでこれを超えたアニメは無いですねえ。

 だから私、アニメ映画で唯一、これはわざわざ幕張の映画館まで見に行ったんです。私の家から意外と電車で遠いんですよ。もし他の映画だったら観るとしてもせいぜいDVDスルーだと思われますね。

 それだけこのアニメと映画、すごい好きなんです。アニメ映画の中で一番のオススメですね。


【あらすじ】

 ある田舎町・空美町。ここに笑顔がまぶしい少女・風音日和という少女が暮らしていた。日和はある日を境に桜井智樹という同級生のことが気になりだし、やがて魅かれていく。そして日和はいつも智樹が楽しそうにしている新大陸発見部という部活に入部する。しかし日和はまだ知らない。夢から覚める時が近いのを・・・















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 空が美しく澄み切った町・空美町。ここには風音日和(日笠陽子)という少女が暮らしていた。彼女は両親を2年前に亡くし、農園を手伝ってから空美中学校に登校していた。彼女には一人、気になる同級生が居た。桜井智樹(保志総一朗)だった。

 桜井智樹を意識しだしたのは家庭科の調理実習で自分の作った野菜を褒められた時からだった。それ以来、智樹を見つけると目で追ったり意識してしかたがない。

 桜井智樹には幼馴染の見月そはら(美名)という女の子がいた。彼は部長が変人で有名な守形英四郎(鈴木達央)の新大陸発見部に英四郎の幼馴染の怖い女子生徒会長・五月田根美香子(高垣彩陽)によって強制的に入部させられたのだ。

 やがて智樹はイカロス(早見沙織)という名前のエンジェロイドと出会い同居するようになる。そのうちにニンフ(野水伊織)というエンジェロイドも智樹の家に同居し、アストレア(福原香織)というエンジェロイドも智樹の家に食事を食べに転がり込んだりもしていた。ニンフは自分のマスターである空のマスター(三木眞一郎)に奴隷のように従わされていたが、彼を見限っている。空のマスターがエンジェロイドを玩具のように扱ってるのには製作者のダイダロス(大亀あすか)もよく思っていなかった。

 智樹自身は何事もなく平和に暮らすのが一番だ、と思っていたが智樹を取り巻くいろんな出来事に智樹は余計に輝いていった。まああまりにもエロくてゴキブリ桜井、なんて女子にあだ名されているのは置いておいて。





 日和は徐々に智樹への好意を自覚していく。やがて智樹が輝ける新大陸発見部への憧れと智樹に少しでも近づくために日和は新大陸発見部に入部を決意する。



入部しに来た日和

 新大陸発見部に一定の部員数がたまり、今までのように幽霊部員ではいられなくなると美香子から聞かされた智樹。智樹はなんとかしなくては、と焦って新大陸発見部は清純な部活である、というあたりをうまく利用し智樹は清純という名目で不純なことを入部テストという形で日和にさせて日和に入部を諦めさせようとする。

 入部テストの内容は本当に不純なことだった。例えば清純=白ということで、真っ白なパンツを口につけさせたり、白い石鹸の使われている銭湯の女子風呂を覗かせたり、白いスクール水着や巫女さんの恰好をさせたり、あげくの果てには寿司屋で白いパンツにぎりを食わせようとしたが流石に智樹の良心が痛みそれはさせられなかった。

巫女姿の風音日和

 そこへ勝手に最悪の入部テストをしている智樹に激怒した英四郎、美香子、そはららによって制裁を食らわされる。そして智樹をボロボロの姿で放置しておけ、という意見をよそに日和は智樹を気遣うのだった。

 日和は智樹にお気に入りの空美町を見渡せる丘を紹介する。しかしそこは何と智樹にとってもお気に入りの場所だった。日和の夕陽に照りながら眩しい笑顔を浮かべる姿に智樹は釘付けになってしまう。

 やがて新大陸発見部の部活が始まる。智樹は入部テストという名目で日和を外で連れ出し部活の活動として遊びまくる。日和は部活の活動をしているうちに楽しみを得ていく。そしてまぶしい笑顔を浮かべるのだった。それに智樹は満足そうに一緒に楽しんでいく。

河原でカレー

エンジェロイドと智樹

 また日和はイカロスともスイカの育て方で意見が合致したりして話す機会が増える。

日和とイカロス

 ある日、智樹と日和の関係を怪しんだそはららが智樹を問い詰める。ずばり付き合ってるのでは?と。それを畑を手伝っていた日和は(智樹に農業服の姿を見られたくない、と)隠れて聞いていて思わず声を出す。付き合っているわけではない、と分かったものの日和は自分の泥まみれの姿を智樹に見られて嫌われた、と思う。しかし智樹は日和の育てている野菜をまた褒めるだけだった。日和はついに告白を決意し、智樹に告白するのだった。

 翌日、智樹はトイレで「生まれてこのかた、モテたことなくて好きってなんですかーー!」と悩む(実は智樹は、そはら、ニンフ、アストレア、イカロスからも好かれている)。そして智樹は日和と待ち合わせた丘へ向かう。ニンフは「智樹と日和が付き合うのはよくないわ」と意味深につぶやく。

 一方、日和も待ち合わせした丘へウキウキしながら向かう。だが日和は横断歩道を渡ろうとして大型トラックに轢かれ死んでしまう。すると日和の身体はなんと消滅しはじめる。それから地上の人たちの中から日和に関わる記憶や物が抹消されていった。

 夕方。丘ではいまだに智樹が日和を待っていた。イカロスとニンフが迎えに来て、智樹は頭痛を訴えながら家に帰る。イカロスとニンフは真実を打ち明けるべきか悩むのだった。

 夜、ニンフは智樹の布団に忍び込み「私のマスターになってほしい」と頼み込む。しかし智樹はマスターとかで自由を縛るのはいいことではない、と言う。するとニンフはマスターになってほしい本当の理由を打ち明けようとした時、智樹が再び頭痛による激痛を訴え始める。ニンフは悲しそうに智樹に抱き着くのだった。

 翌朝、新大陸発見部で日和がどこにもいないことを美香子、英四郎、そはららに聞くが風音日和なんて知らないと答える。智樹は日和が写っている写真を見るが、なんと写真には日和が空白のようにいなかったのだ。智樹は驚愕して走り出す。

 帰宅した智樹はイカロスとニンフにどういう事か問い詰める。ニンフは声を荒げて「真実を話したら、日和以外の非現実に智樹は気付いちゃう」と言う。やがて智樹はついに気を失った。

 天上のシナプス。今まで地上で暮らす、という長い夢を見ていたシナプスの風音日和が起きる。日和は起きたくなかった、新大陸なんて来たくなかったと号泣する。そこへ空のマスターが現れ智樹に会える唯一の手段があると日和に提案する。

 地上で、イカロスとニンフ、アストレアは強いエネルギーを感じとり、その地点へ向かう。そこには風音日和が。日和は地上に戻れたことを喜ぶがやがて、地上へ日和と共に降り立ったカプセルが変形し日和を捕らえエンジェロイトタイプZ〈ゼータ〉に変身させてしまうのだった。エンジェロイドに改造された日和は意識を失って操られている状態だった。

タイプZ

 ダイダロスは空のマスターに「同胞を改造するなんて正気じゃない」と非難するが空のマスターは「地上に夢ばかり見る連中だ。地上のダウナー〈=地上人〉を皆殺しにさせてやる」と狂気の笑みを浮かべるのだった。

 やがてニンフは誰も気付けないために日和を破壊しようとするが、そこへ智樹が現れニンフが傷つくからやめるんだ。と言うのだった。智樹は日和を助ける、と宣言し英四郎に連れられその場を一時、後にする。イカロス、ニンフ、アストレアらは日和を捕らえている時計じかけの機械を壊せば日和の意識が戻るのでは、と考え連携プレイで機械を破壊する。

 だが機械が破壊されても日和の意識は戻らず、やがて時限装置が起動し空美町を丸ごと時空消失させる爆発を起こそうとしていた。イカロスは日和を絶対防御「イージス」で包み込みその中に自分も入って二人だけで時空消失しようとする。そこへ智樹が現れイカロスに馬鹿なことをやめるよう言い、日和が落とした鈴の髪飾りを日和に返す。

 その瞬間、日和の意識が取り戻されイカロスに智樹を頼んで智樹にキスをする。日和は智樹に心の中で「アナタのことが大好きでした」と笑いながら空高くへ浮かび上がり智樹を巻き込まないように一人で時空消失の爆発を遂げるのだった。

 智樹は悔し涙を浮かべながら「助けるって言ったのに・・・」とつぶやく。空美町の空は綺麗だった・・・

♪そらとまぼろし    blue drops

♪SECOND       blue drops


 日和の写る写真に日和の姿が戻ってきた。一方、智樹はお気に入りの丘にやってきた。そして鈴の音が聞こえる。智樹は後ろを振り返り、とびっきりの笑顔を浮かべるのだった・・・










 まあ有無を言わさず私にとって素晴らしい映画でした。

 さてちょっと解説を入れさせていただきます。まずニンフが言った「非現実は日和だけじゃない」と言うのは日和以外にも日和と同じく実はシナプス人で、地上に夢を見ている=つまり地上に存在していることになっている人が智樹の周りにもいる、という事だと思われます。

 今のところ、疑わしきは五月田根会長と見月そはらなんですよね。何せ地上にいる間は自分がシナプス人であることを覚えていないらしいですから何とも見当をつけずらいですな。

 シナプスの部分については原作でもアニメでもまだ物凄い謎が多くてかなり伏線が張り巡らせられています。そういった意味でこの作品は推理もできるからなかなか飽きさせてくれませんね。そうですねえ・・伏線の多さとかなら名探偵コナンにも負けないんじゃないでしょうか・・・まあそれは言いすぎたとして。
今日は映画「戦場にかける橋」を観ました。


『戦場にかける橋』
戦場にかける橋
スタッフ
監督:デヴィッド・リーン
原作:ピエール・ブール『クワイ河の橋』
製作:サム・スピーゲル
撮影:ジャック・ヒルデヤード
編集:ピーター・テイラー
音楽:マルコム・アーノルド
キャスト
シアーズ中佐:ウィリアム・ホールデン
ニコルソン大佐:アレック・ギネス
ウォーデン少佐:ジャック・ホーキンス
クリプトン軍医:ジェームズ・ドナルド
グリーン大佐:アンドレ・モレル
ジョイス:ジェフリー・ホーン
兼松大尉:ヘンリー大川
三浦中尉:勝本圭一郎
斉藤大佐:早川雪洲


 デヴィッド・リーン監督作品「戦場にかける橋」。原題タイトルは「The Bridge on The River Kwai

 戦争映画の名作であり超大作の一つですね。主演のウィリアム・ホールデンはハリウッドの大スターです。そしてアレック・ギネスと言えばやはり私はどうしてもスター・ウォーズのベン・ケノービが出てきてしまいますねえ。

 日本人も出てますよ。早川雪洲っていう人は太平洋戦争当時はパリに居たので免れることはできたんですよ。というかこの人、その前からサイレント映画の映画スターで国際的に活躍していた方なんですよね。アメリカで相当な人気を誇ったとか。

 デヴィッド・リーン監督ですが後年、「アラビアのロレンス」(1962)という映画も監督しています。実はこれにもアレック・ギネスが出ており後年の「ドクトル・ジバゴ」(1965)、「インドへの道」(1984)にもアレック・ギネスは出ています。リーン監督作品にアレック・ギネスはよく出てるんですよねえ。アレック・ギネスのデビュー作「大いなる遺産」(1946)の監督もリーン監督で二年後の「オリヴァ・ツイスト」(1948)にもギネスは出ています。二人はやはり黒澤明と三船敏郎、とはいかないまでもそれに近い関係にあったのではないでしょうか。


【あらすじ】

 日本軍管轄の捕虜収容所。この収容所にニコルソン大佐率いる英軍の捕虜たちが収容されることになった。所長の斉藤大佐は厳格な男で、クウェー川に橋をかける労働を捕虜にさせようとしていたのだった。大佐は所長に断固として将校は労働に加わらない、と拒否し監禁される。一方、捕虜の一人のシアーズ中佐は決死の脱獄を図るのだった・・・



♪クワイ河マーチ(主題歌)       ミッチ・ミラー楽団と合唱団














【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 第十七捕虜収容所。ここはビルマの国境付近にあり、この収容所は日本軍が占領下に置いていた。

 アメリカ海軍、シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)はこの収容所で労働に従事させられていた。しかし遺体の持っていたライターで兼松大尉(ヘンリー大川)を買収して病院に入院するなどしていた。

 そんなある日、ニコルソン大佐(アレック・ギネス)率いる英軍の捕虜兵士たちが次々と収容所にやってくる。それを出迎えたのは収容所の責任者である斉藤大佐(早川雪洲)だった。

ニコルソン大佐と斉藤大佐

 斉藤大佐は、クウェー川に橋をかけるので英軍の捕虜たちに労働を命じる。そして斉藤大佐はニコルソン大佐ら将校にも労働を強いるよう命じるがニコルソン大佐はジュネーブ協定に違反する、としてその命令を拒否する。

 一方、シアーズ中佐はニコルソンに近づき、脱走を提案するがニコルソンは軍律違反だと断る。やがてシアーズ中佐は一緒に行った数名が殺される中、生き延びて脱走に成功した。

 斉藤大佐はニコルソンら将校があまりにも、働くと頷かないので射殺しようとするが軍医・クリプトン(ジェームズ・ドナルド)に人道に反してると批判される。斉藤大佐は将校らを営倉に監禁してしまう。

 しかし英軍捕虜は三浦中尉(勝本圭一郎)が指揮する中、上司が監禁されているのもあり、サボタージュをして橋づくりが進まない。

 あまりにも進まないので斉藤大佐は赤十字からの支給品を捕虜にふるまったりニコルソンを料理でふるまおうとするが、ニコルソンは断固として捕虜を働かせることを断る。斉藤大佐は期日までに橋づくりが出来なければ自分の立場から切腹しなければならない、と同情を誘うがニコルソンは「自分たちに橋づくりの指揮をさせればうまくいく」と主張する。

 3月10日。ついに斉藤大佐が折れてニコルソンら将校を営倉から解放し部隊に戻す。捕虜たちは歓喜するなか、斉藤大佐は敗北感から悔し涙を浮かべる。ニコルソンはたるんだ捕虜たちをもう一度、労働によって統制するべく橋づくりに専念する。そして、地盤が緩いから橋をつくれないのだと主張し地盤の固い地点に再び作り直す。斉藤大佐は橋づくりを成功するため、悔しがりながらも指揮権を譲る。

部下を指揮するニコルソン

 スリランカでは脱走に成功したシアーズ中佐が英軍のウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)に呼び出されていた。ウォーデンはシアーズが実はただの兵卒で、シアーズの船に乗っていて戦死した中佐の身分を詐称していたことを既に知っているからアメリカ海軍が喜んで、ある作戦に参加させることを承諾したのだという。その作戦とは現在、斉藤大佐が作らせている鉄道橋を爆破するという作戦で現地を知っているシアーズをどうしても参加させたかったのだ。

 シアーズはやむなく志願、という形で作戦に参加することを承諾。司令官のグリーン大佐(アンドレ・モレル)を喜ばせる。そしてその作戦にカナダ人の若い少尉・ジョイス(ジェフリー・ホーム)も参加することが決まった。

 そして、潜入作戦は決行される。ウォーデン、シアーズ、ジョイス、チャップマンの四人。パラシュートでの降下作戦だったがチャップマンはパラシュート降下に失敗し木に激突して死亡する。三人になった作戦部隊は現地案内人のヤンに案内されて橋へと向かう。

 道中、三人は現地の案内役の女性に絡んできた日本兵と遭遇し何とか撃退するもウォーデンが足を負傷する。置いていけ、というウォーデンに対しシアーズは戦争での犠牲観念は間違っている、と説きウォーデンもなんとか目的地まで連れて行こうとする。

 ついに目的地の橋に到着した一行。橋はすでにニコルソンの指揮によって完成していた。ジョイスは泳ぎが得意なので川から泳いで橋の下部に爆弾を仕掛ける。ヤン、シアーズがその援護を。ウォーデンはもしものための迫撃砲として構えていた。

 夕陽が橋を照らす。ニコルソンは橋の上で斉藤大佐に明日で入隊28年になることをつぶやき、これまでの人生を振り返る。「28年の月日の中で本国にいたのはせいぜい10ヶ月。しかし、その中でインドという国を好きになった。しかし人生が終わりに近づいているのがわかる。そして時々自問する。自分の人生は誰かにとって有意義なものであったかと。でもその自問も今夜で終わりだ」と。夜、完成記念の催しが行われる。

ニコルソン大佐

 翌朝、なんとクウェー川の水位が下がってワイヤーが見えてしまっていた。汽車が近づく中、異変に気付いたニコルソンは斉藤大佐と共にワイヤーの後を追う。万事休す。ジョイスは斉藤大佐を殺し、ウォーデンに自分は英軍の命令で橋を爆破しに来たことを伝える。ニコルソンはなんと慌てて橋の上の日本軍に援護射撃を命じた。

橋が開通

ワイヤーを追うニコルソンと斉藤大佐

 ジョイスは流れ弾に当たり絶命。慌ててかけよったシアーズは撃たれながらニコルソンを睨み付け裏切り者、と罵って息絶える。ニコルソンは愕然とする「自分は何のために橋を建設したのだ・・・」

 やがてウォーデンによる迫撃砲の砲弾がニコルソンの近くに落下。ニコルソンは爆破スイッチに倒れこみ、丁度橋を通りかかった汽車を巻き込んで橋は爆発。日英双方の兵士たちが死んでいった。

橋の爆発

 ウォーデンは仕方なかった、と現地の女性たちに言い訳をするしかなく複雑な思いをかかえながらその場を後にする。

 崖の上から様子を見守っていたクリプトンは惨劇の現場を見て「馬鹿げている」と声を荒げる。そして、河には「1943年、ニコルソン隊長の下、イギリス軍一同が橋を設計・建設」と書かれた看板が浮かんでいた・・・











 あまりにも戦争ってむなしいなあ、それを描いたのがこの作品です。

 ニコルソン大佐は結局、自分が誰の味方なのか、誰が敵なのかを見失ってしまったんです。正気を装ったいい隊長だったんですけどいつのまにか狂って分からなくなったんです。これが戦争ですよ。

 主人公は一応、ウィリアム・ホールデンなんですが私的にはやはりアレック・ギネスが主人公みたいなものだと思います。ギネスの軍律を重んじる軍人の演技が素晴らしい。やつれてもそのオーラが凄いんですよ。






クウェー川鉄橋

モデルとなったクウェー川鉄橋
Category: 洋画サ行
もう一本、今度は黒澤明の「生きる」を見ました。


『生きる』 (1952年・日)
生きる
スタッフ
監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
製作:本木荘二郎
音楽:早坂文雄
撮影:中井朝一
編集:岩下広一
キャスト
渡邊勘治:志村喬
渡邊光男:金子信雄
渡邊一枝:関京子
渡邊喜一:小堀真
渡邊たつ:浦辺粂子
小田切とよ:小田切みき
家政婦・林:南美江
小説家:伊藤雄之助
医師:清水将夫
大野係長:藤原釜足
齋藤主任:山田巳之助
坂井:田中晴男
小原:左卜全
野口:千秋実
木村:日守新一
公園課長:小川虎之助
土木部長:林幹
市役所助役:中村伸郎
市会議員:阿部九洲男


 黒澤明監督作品「生きる」

 お役所仕事を痛烈に批判するのがこの作品の主題というわけでは無いんですよ。あくまでそれは舞台を役所にしたのでオマケみたいなモンなんです。日本では役所のたらい回しが実際にあるらしいですね。まあ役所だから仕方ありませんよ。良い人がいたって結局はそれは潰されちゃうんですよ。

 ミフネは出てませんねえ。この時代では結構、珍しいことですなあ。

 この作品の主題は私が考えるには、あくまで「生きる意味を見つけよう」ってことだと思うんです。志村喬の役は近いうちの死を悟り「ものをつくる」ことに意味を見出したんです。そしてそれだけを支えに生き続けるんです。お役所にとってつくれるものは公園だったんでしょうねえ・・・


【あらすじ】

 お役所に30年皆勤で勤め続けてきた渡邊勘治は医師の診断から胃癌でもう長くないことを悟る。そんな勘治は役所を辞める女性が物づくりの仕事に活力を見出していることを知り、自分も何かつくれないかと考える。自分がつくれるもの・・それはたらい回しにされた公園を作ってほしいという訴えを実現させることじゃないだろうか。















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 市役所の市民課長・渡邊勘治(志村喬)。彼は30年皆勤を目前として病気で休む。その病院で医師(清水将夫)から軽い胃潰瘍と診断されるが勘治はそれが胃癌でもう長くないことを悟る。

渡邊勘治

 渡邊勘治は息子・光男(金子信雄)のために働き続けたが、今サラリーマンの光男は父親に見向きもせず妻・一枝(関京子)といつ勘治は退職して退職金が入るか、なんてことを話し合っていた。勘治は5日間ほど無断欠勤する。飲み屋の親父(谷晃)から酒を飲んでさっさと死んでしまおうとすら思ったがなかなか死なない。

 その飲み屋で知り合ったのが小説家(伊藤雄之助)。彼は勘治の事情を聞き、勘治と一緒に夜の街を遊び回ったのだった。

作家に相談する勘治

 一方、無断欠勤でどこにいったかも分からない光男は勘治の兄・喜一(小堀誠)とその妻・たつ(浦辺粂子)の下を訪れるが喜一は「女でもできたんじゃないのか」と見当はずれなことを言う。

 ある朝、勘治は市役所を辞めようとしていた小田切とよ(小田切みき)から辞職願に判を押してほしいと頼まれる。市役所を辞め生きる希望に輝いている彼女と遊ぶのは楽しかった。

 しかしとよにとっては最初は真面目だけが取り柄の勘治の別の一面を知れて楽しかったが、徐々に気味悪く思っていく。勘治はとよに自分が胃癌で長くないことを打ち明け、どのように生きれば君のように輝けるのだ、と必死に聞く。とよは市役所を辞めて玩具工場に勤めていた。とよは玩具を勘治に見せて「子供のために玩具を作るのが楽しい。アナタも何か作ってみては?」と提案する。勘治は市役所でできることを探して市役所に出勤する。

 さっそく、市役所の書類を漁りかつて彼自身が土木課へ回した「暗渠修理及埋立陳情書」を見つける。それは公園を作ってほしいとのことだった。勘治はそれを実現させるために動き出す。

 5ヶ月後、勘治は公園のブランコで死体となって発見された。やはり胃癌だった。市役所助役(中村伸郎)、公園課長(小川虎之助)、土木部長(林幹)らは勘治の葬儀で別に勘治が公園を作ったわけではなく自分たちの尽力がかかせなかった、とさも自分たちの手柄のように話す。しかしそこにやってきた周辺住民たちによる泣きながらのお焼香に流石に気まずくなり去って行った。

ブランコのシーン

 上層部がいなくなってから市役所の同僚や部下たちは一斉に上層部の意見が正しいだの渡邊が素晴らしいだの酔いながら語りだす。

 勘治は市役所に復帰した後、協力が必要な課長たちに粘り強く交渉していたのだ。課長たちも次々と折れてやっと公園が設立された。

 公園設立の為に病気をおして働き続けた勘治。その姿に部下の大野(藤原釜足)、齋藤(山田巳之助)、坂井(田中春男)、小原(左卜全)、野口(千秋実)、木村(日守新一)らは振り返って感激する。そして役所の体制を批判し渡邊に続こう!と酔っぱらいながら決意するのだった。

 翌朝、いつも通りお役所仕事でたらい回しにする新課長・大野。その姿に木村は一人、激昂して立ち上がるが、何もできずに座るのだった。

 勘治が設立した公園では今日も子供たちが遊んでいる。その公園を見ながら勘治と思わしき人影はどこかへ去って行った。








 志村喬の本当に素晴らしい演技が見れる作品です。志村喬の会社にこき使われ病弱ながらも生きる芯を持った男の演技が本当に素晴らしい。不気味なんだけど本当に主人公らしい。一挙一動に惚れ込んでしまいます。

 実は私、三船敏郎は大好きなんですけど黒澤映画俳優で一番、志村喬が大好きです。彼は本当に万能な演技の幅を持っているんですよ。
Category: 邦画ア行
今日は映画「トップガン」を観ました。


『トップガン』 (1986年・米)
トップガン
スタッフ
監督:トニー・スコット
脚本:ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・Jr.
製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:ビル・バダラート
音楽:ハロルド・ファルターメイヤー、ジョルジオ・モロダー
撮影:ジェフリー・キンボール
編集:ビリー・ウェバー、クリス・レベンゾン
キャスト 〈 〉は本名
マーベリック〈ピート・ミッチェル〉:トム・クルーズ(塚本高史)
チャーリー〈シャーロット・ブラックウッド〉:ケリー・マクリギス(湯屋敦子)
グース〈ニック・ブラッドショウ〉:アンソニー・エドワーズ(小森創介)
アイスマン〈トム・カザンスキー〉:ヴァル・キルマー(森川智之)
ハリウッド〈ニック・リーヴン〉:ウィップ・ヒューブリー(神奈延年)
ウルフマン:バリー・タブ
マーリン〈サム・ウェルズ〉:ティム・ロビンス(竹若拓磨)
スライダー〈ロン・カーナー〉:リック・ロソヴィッチ(木内秀信)
キャロル・ブラッドショウ:メグ・ライアン(はしのえみ)
クーガー:ジョン・ストックウェル(津田健次郎)
ジェスター〈リック・ヒーサリー〉:マイケル・アイアンサイド
バイパー〈マイク・メットカーフ〉:トム・スケリット(野島昭生)
スティンガー〈トム・ジョーダン〉:ジェームズ・トルーカン


 トニー・スコット監督作品「トップガン」。原題タイトルは「Top Gun

 いわゆる戦闘機映画ですよね。航空アクション物!私、エースコンバットとか戦闘機の作品にあまり興味はないんですがこの映画はぜひ、一度は観てみようかと思いました。

 若かりしトム・クルーズが主演!このトム・クルーズを一躍大スターにのし上げた作品ですよね!アメリカでも日本でも大ヒット。

 さて吹き替えなんですけど、塚本高史の声がどうしてもトム・クルーズに合っていない。13日の金曜日リメイクの佐藤銀平の吹き替えを思い出しました。なぜ、森川智之バージョンをソフトにしなかったのか甚だ疑問です。なぜ、塚本高史なんですか。喋らない方が格好いいトム・クルーズとか・・


【あらすじ】

 マーベリックは孤高で自信家の一流パイロット。彼の腕は直感的だったが天才的でもあった。マーベリックは航空訓練学校のトップガンに入学。そこで教官のチャーリーと恋慕な関係になっていく。だが、ある日の編隊飛行でマーベリックは戦闘機で操縦不能状態を起こし脱出の際の不慮の事故で妻子持ちの相棒グースを死なせてしまう・・・


♪Danger Zone(デンジャー・ゾーン)   ケニー・ロギンス











【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 一流だがかなりの自信家で一匹狼なパイロット。本名ピート・ミッチェルのコールサインはマーベリック(トム・クルーズ)。彼は野生の勘を頼りに時には無鉄砲で型破りな操縦を行うような男だった。彼は艦上戦闘機F-14のパイロットで彼の父親もパイロットだったがその死の内容を秘匿されていた。

 インド洋上。マーベリックは妻子持ちで優しいレーダー要員の相棒グース(アンソニー・エドワーズ)と共に空母から飛び立つ。空で国籍不明の戦闘機MiG-28と実弾を交わさない空中戦を行っていた。マーベリック達の挑発行動にMiG-28のパイロットは呆れて離脱していった。

 母艦への帰路についたマーベリックだったがもう一機のクーガー(ジョン・ストックウェル)とマーリン(ティム・ロビンス)の戦闘機に異常が。パイロットのクーガーがMiG-28に後ろに回り込まれた際にロックオンされたときの恐怖の金縛りでまともな操縦ができなくなってしまったのだ。

 マーベリックは帰投を一時延期しクーガー機をボルターしなんとかクーガー機も母艦へ帰投させる。

 しかしエースパイロットだったクーガーは今回のことで限界を感じ上司のスティンガー(ジェームズ・トルーカン)に辞めることを宣言する。その結果、マーベリックとグースはエリート航空戦学校、通称・トップガンに入学することが決まったのだった。

 トップガンでは航空戦技術のACM(空中戦闘機動)ことドッグファイトの戦技を磨くことを教育されるのである。教官にはマーベリックの父とかつて飛んだ過去がある戦友バイパー(トム・スケリット)やジェスター(マイケル・アイアンサイド)が居た。

 訓練開始前、非公式の歓迎パーティで彼はエース扱いされているアイスマン(ヴァル・キルマー)と話す。二人の間にはどこかわだかまりがあった。また、そのパーティでシャーロット・ブラックウッドという女性と出会う。二人はすぐに仲良くなる。

 翌日、初日の訓練実技飛行が行われる。マーベリックは訓練中に高度が既定の下限より下がってしまったことと通過する管制塔で低空飛行をして管制塔の職員らを驚かせたことによりバイパーとジェスターに注意を食らう。

 しかもなんと教官の一人にシャーロットが居たのだ。彼女のコールサインはチャーリー(ケリー・マクリギス)。しかしチャーリーとマーベリックは立場を超えてお互いに恋慕していく。

♪Take My Breath Away(愛は吐息のように)   ベルリン


マーベリックとチャーリーのデート

 日に日に訓練の内容は厳しくなっていく。アイスマンと訓練の結果を競い合うようにもなっていく。

 ある日の攻撃訓練中。マーベリック機はエンジンが故障し海に落下していく。マーベリックとグースはなんとか脱出するが、脱出時に事故が起こりグースは死亡してしまう。

 査問委員会でマーベリック機がエンジン故障を起こしたのは事故のようなものでマーベリックに責任は問われなかった。だがマーベリックはグースを失った自責の念にかられ、彼の妻キャロル(メグ・ライアン)やバイパー、更にチャーリーからは、飛び続けろと言われるがマーベリックは自信を喪失し今までのようなドッグファイトが出来なくなってしまう。

 ワシントンD.C.で就職を決めたチャーリーからは「あなたは戻ってこないのね」と残念そうに別れの挨拶を告げられる。

 マーベリックはかつて父と共に戦ったことがあるバイパーの下を訪れる。バイパーは話したことが分かるとクビになってしまう国家機密をマーベリックに教えた。マーベリックの父は友軍機を救うために多数の敵機に攻撃され撃墜されたのだという。国家機密にされたのは、その領域が軍事境界線の外だったからだった。

 マーベリックは遅れてトップガンの卒業式に出席する。その卒業式で突如、任務が舞い込んでくる。インド洋上で情報収集活動を行っていた巡洋艦を敵国の戦闘機から救援せよ、との任務だった。救援任務のメンバーの中にはマーベリックも含まれていた。

 スティンガーはマーベリックを待機要員にさせる。アイスマンはマーベリックに不信を抱くがスティンガーはそれを押さえつける。

 最初は楽勝な任務かと思われたがアイスマンらは次々と増え5機ほどになった敵機に囲まれてしまう。アイスマンとスライダー(リック・ロソヴィッチ)機は敵機に追われ、援護を要請する。また、ハリウッド(ウィップ・フューブリー)とウルフマン(バリー・タブ)機は敵機に撃墜されてしまう。マーベリックは自信を取り戻せないまま出撃を余儀なくされる。

 しかしアイスマン/スライダー機の1機に対して敵戦闘機が5機追い回している姿を見て、マーベリックは戦意喪失状態に。やがて制御不能状態におちいってすぐに復活するが、グースを失った記憶が蘇り戦域から逃げ出してしまう。

 マーベリックはグースに祈るように問いかける。やがて戦意を取り戻しマーベリックは復帰。アイスマンらの機と協力して4機を撃墜し1機を撤退させることに成功する。

 帰投した母艦でマーベリックとアイスマンは握手をする。わだまかりが解けた瞬間だった。

 マーベリックはグースを失った悲しみと決別するかのごとくドッグタグを大海原に放り投げたのだった。やがて軍上層部はマーベリックに希望の進路をかなえたい、と誘いマーベリックはトップガンの教官と答えるのだった。

 そしてマーベリックはD.C.から戻ってきたチャーリーと思い出の曲をバッグに再会するのだった・・・






 なんとも筋肉臭い映画だったのでしょうか。筋肉と戦闘機のエンジンの焦げ臭い臭いがなんとも似合う映画でしょうねえ。

 それにしても実は短いドッグファイトのシーンをあれだけインパクトと迫力のある戦闘シーンにすることが出来たのは撮影をCM監督に任せたおかげですね。

 この映画、風と共に去りぬでもそうでしたが、何とも夕焼けが綺麗なんですかねえ。
Category: 洋画タ行
今日は「グランド・ホテル」を観賞しました。


『グランド・ホテル』 (1932年・米)
グランド・ホテル
スタッフ
監督:エドマンド・グールディング
製作:アーヴィング・G・タルバーグ
原作:ヴィッキー・バウム「ホテルの人びと」
脚本:ウィリアム・A・ドレイク
音楽:ウィリアム・アックスト、チャールズ・マックスウエル
撮影:ウィリアム・ダニエルズ
編集:ブランシェ・セルウェル
キャスト
グルジンスカヤ:グレタ・ガルボ
フォン・ガイゲルン男爵:ジョン・バリモア
フレムヘン:ジョーン・クロフォード
プライジング:ウォーレス・ビアリー
クリンゲライン:ライオネル・バリモア
オッテルンシュラーク医師:ルイス・ストーン
ゼンフ:ジーン・ハーショルト


 エドマンド・グールディング監督作品「グランド・ホテル」。原題タイトルは「Grand Hotel

 実はこの映画、ある画期的な物語進行が話題にもなったんですよね。「グランド・ホテル形式」と呼ばれ、同一時間及び同一の場所に集まった複数の人物の行動などを、同時進行的に一度に描く作品の手法が評価され、アカデミー賞優秀作品賞を受賞しています。この手法は今でも使われており、例えばゲームになりますが「絶体絶命都市2」や映画「2012」などもこの手法を用いています。他にも「20世紀少年」や「デュラララ!」、さらに「銀河英雄伝説」などもこの映画と同じ手法を使っています。つまりこの映画の影響は今にも残っているんですよ。

 そしてライオネル・バリモアといえば、やっぱり私は「素晴らしき哉、人生!」のあのポッター氏が出てきてしまいますね。ちなみにジョン・バリモアはライオネルの弟です。

 またこの映画はMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)という映画会社のドル箱スター二人が共演することでも話題になりました。それがグレタ・カルボとジョーン・クロフォードです。しかし二人の共演シーンは一度もなく、それは二人がお互いにいがみ合っていたからです。

 淀川長治曰くジョーン・クロフォードがグレタ・カルボとこの映画の撮影で初めて会った時にジョーン・クロフォード少し緊張しながら「おはようございます」と挨拶するとグレタ・カルボは「ご苦労さん」と言ったそうです。これにジョーンがカチンと来てしまったそうで、映画に出ないなんて言ったりもしました。このエピソードが当時は話題を呼んだそうですね。


【あらすじ】

 ベルリンの超一流ホテル「グランド・ホテル」。ここには様々な登場人物が泊まっていた。落ち目のバレリーナ、破産した男爵、命が残りわずかの帳簿係、金に執着する美人速記者、経営危機の大企業社長など。全く異なる世界観のこの登場人物たちがそれぞれの物語に交差していく。その結果、どんな物語が生まれるのだろうか・・・
















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ベルリンの超一流ホテル。ここには様々な客が宿泊していた。どれもこれも一流の客人ばかり。オッテルンシュラーク博士(ルイス・ストーン)はグランド・ホテルはいつも賑わいを見せている、とつぶやくのだった。

グランド・ホテルのロビー

グランド・ホテルの賑わい

 クリンゲライン(ライオネル・バリモア)は繊維工場の帳簿係をしていた。しかし医師の診断で命が残りわずかであると知り、病気のために会社を休みヤケになってグランド・ホテルに泊まってみせたのだった。

 プライジング(ウォーレス・ビアリー)はクリンゲラインの勤めていた会社の社長だった。しかし会社は経営危機に陥っておりマンチェスター社という会社と合併を図ることで何とか乗り切ろうとしていた。

 グルシンスカヤ(グレタ・カルボ)は落ち目のバレリーナ。過去の栄光は見る影も無く、自身も落ち込んでおりその結果、また客が減っていくという悪循環に陥っていた。

 フォン・ガイゲルン男爵(ジョン・バリモア)は幼いころから紳士的であるよう教育され、紳士的で優しい男性。しかしギャンブルで破産し借金を抱え、ホテル泥棒で何とか借金を返済しようと画策している。

 クリンゲラインはホテルでガイゲルン男爵と親しい仲になる。クリンゲラインは仕事を切りつめても誰も優しくしてくれない自分の人生に惨めさを感じていたが、ガイゲルン男爵に優しくされ彼に好感を抱いたのだった。

 そしてガイゲルンはプライジングに部屋の外で待たされていた美人の女記者フレムヘン(ジョーン・クロフォード)を口説きにいく。親しみやすいガイゲルンにフレムヘンはすぐに打ち解け明日の5時にイエロー・ルームでダンスをしようと誘われそれに応じる。

フレムヘンとガイゲルン

 やがてフレムヘンはプライジングに部屋へ通される。プライジングはフレムヘンの魅力に鼻の下を伸ばしつつもフレムヘンに速記をさせるが、途中で電報が入りマンチェスター社から合併が拒否された、という報せを受ける。フレムヘンはプライジングから部屋を出される。

 一方のガイゲルンは舞台に発ったグルジンスカヤの部屋に忍び込む。そして真珠の宝石を盗み出すのだが、やがて部屋人が帰ってきてしまい慌てて隠れる。グルジンスカヤは運搬人で世話役のゼンフ(ジーン・ハーショルト)を部屋から追い出し自殺を図ろうかしら、とつぶやく。

 ガイゲルンはグルジンスカヤの前に現れ警戒を解いてから「僕はずっと君を見てきた。死ぬなんて勿体ない」と愛のささやきを交えて生きるよう説得し、グルジンスカヤはたちまち希望を取り戻すのだった。

 翌朝、ガイゲルンは真珠をグルジンスカヤに返して盗み目的で部屋に入ったことを打ち明ける。しかしグルジンスカヤへの愛が本物になってしまった事も打ち明け、彼女はガイゲルンに翌朝、二人でホテルを発とうと約束をするのだった。

ガイゲルンとグルジンスカヤ

 プライジングは何としても他会社との交渉に成功させようと、「マンチェスター社との合併に成功したのだから経営不振は乗り切った」と嘘を話してしまい、交渉を成立させてしまう。終わった後、プライジングは自分が放った嘘を後悔するがふと速記者のフレムヘンのことが気になりイエロー・ルームへ向かう。

 イエロー・ルームでは約束のダンスをフレムヘンとガイゲルンがしていた。ガイゲルンは一緒に飲んでいたクリンゲラインが哀れだから一緒に踊ってほしい、と懇願する。フレムヘンはクリンゲラインと踊ろうとするがそこにプライジングが乱入。プライジングがフレムヘンに大金の仕事がある、と誘おうとするが一旦はガイゲルンによって追い払われる。

 しかし彼女は貧乏で金に困っていた。クリンゲラインとのダンスを終えて申し訳なく思いながらもプライジングのところへ行く。プライジングはクリンゲラインを労働者のくせにこのホテルに泊まるのは生意気だ、と馬鹿にしたのをはじめとして二人は掴み合いになったのだった。

 プライジングの話というのは英国へ行くので秘書として来てほしい、ということだった。フレムヘンはその話に乗る。プライジングは今晩だけこのホテルの部屋をフレムヘンに用意するのだった。

 ガイゲルンはどうしてもグルジンスカヤから金を頂くのは忍びない、と思っていた。また、彼はどうしても金を同情的な意味で得るのは忍びないと思っており、アナタは親友ですからぜひ、金をさしあげましょうか、というクリンゲラインの誘いも断る。

 しかしギャンブルで大勝したクリンゲラインから財布を盗もうとする。クリンゲラインが財布を無くしたと気づき「あの金は私の残りの人生すべてなのに」とわめき散らしたのを見ていられず、結局財布を返してしまった。

 夜、ガイゲルンはプライジングの部屋に忍び込む。実はフレムヘンが困っていたガイゲルンのグルになっていたのだ。財布を盗もうとしたがプライジングに気付かれてしまい、プライジングは激情のあまりガイゲルンを殴り殺してしまう。

 フレムヘンはガイゲルンの死体を発見するとプライジングに引き止められるのも構わず部屋を出てクリンゲラインにガイゲルンが殺された、と泣きながら伝える。クリンゲラインはプライジングの部屋に行き、ガイゲルンの死に顔を見る。やがてプライジングから隠蔽に協力してほしいと金や地位で釣られるが、クリンゲラインはそれを無視してフロントを呼び出すのだった。

 ガイゲルンの死。それは生きる希望を取り戻し、再び歓声が戻ってきたグルジンスカヤに知られればとてもマズい事だった。グルジンスカヤの関係者はただちにホテルに口止めをし、グルジンスカヤにガイゲルンは汽車で待っているから行こう、と言いグルジンスカヤを連れ出すのだった。

 プライジングは警察に連行されていく。

 クリンゲラインとフレムヘンは互いに慰め合う。フレムヘンはプライジングは嫌いだったが金のために仕方がなかった、ということとガイゲルンに好意を抱いていたことを打ち明けた。やがてクリンゲラインは良ければ自分が残りわずかの命の間だけフレムヘンを世話させてほしい、と言い二人は気持ちを新たにパリへと出発するのだった。

クリンゲラインとフレムヘン

 残ったオッテンルンシュラーク博士はつぶやく。「グランド・ホテル。今日も客が去りまた新しい客がやってくる」






 恋するフレムヘンとグルジンスカヤが凄くかわいらしいんですよね。さすがはドル箱スターが演じるだけはありますな。

 それにしてもこの二人の女を手玉にとれたガイゲルン男爵に嫉妬しますねえ。

 さてさてガイゲルン男爵はなぜ、クリンゲラインに金をさしあげましょうか、と頼まれたのにそれを断っておきながらカジノで大勝した彼の財布を一度、盗もうとしたのか。私はこの部分を考察したいと思います。

 ガイゲルンはおそらく、一人で解決してしまおうとするタイプなんですよ。また、ワルになりきれないワルとでも言いましょうか。小さい頃から紳士的であるように教育された彼は人に与えることばかりを教わっていたから、人から金を頂くという行為が素直にできなかったのではないでしょうか。つまり「私は金に困っています。私に金をください」と素直に言えないんだと思います。それを言えないから彼は誰にも知られないように金を得ようとしたんじゃないでしょうかね。
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実は今日は「グランド・ホテル」という映画を観ようとしたのですが昼寝してしまい時間が無くなったのでサイレント映画に変更しました。


『お化けホテルのジョシュおじさん』 (1900年・米)
お化けホテルのジョシュおじさん
スタッフ
監督:エドウィン・S・ポーター
キャスト
ジョシュおじさん:チャールズ・マンリー


 エドウィン・S・ポーター監督作品「お化けホテルのジョシュおじさん」。原題タイトルは「Uncle Josh in a Spooky Hotel」

 世界初のシリーズ物のコメディ映画といわれているそうです。

 さて内容ですがチャールズ・マンリー演じるジョシュおじさんがホテルにて現れたお化けにイタズラされてしまう、というなんともシュールなストーリーとなっております。

 さてポーター監督。私のブログを観てくれている人がいれば、「大列車強盗」を思い出すでしょう。彼は大列車強盗の監督でもありました。他にも「アメリカ消防夫の生活」、「酒場の騒動」などがあります。彼はアメリカ映画、いや映画史に未だに名を残す偉大な人物です。

 一方、チャールズ・マンリーは本業は俳優ではありません。彼はサミュエル・ラングレー氏が作ったエアロドローム号という飛行機のエンジンを開発した人です。彼は2度、パイロットとして試験的に乗り込み2度とも川に突っ込みました。

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さあさあサイレント映画は続いていく!


『ロシア革命』 (1906年・露)
ロシア革命
スタッフ
監督:リュシアン・ノンゲ
製作:シャール・パテー(※自訳:Charles Pathé)


 リュシアン・ノンゲ監督作品「ロシア革命」。別題『オデッサ事件』。原題タイトルは「La révolution en Russie」

 1905年ごろに起こったロシア革命をリュシアン監督が映画にして3分ほどで描きました。ロシア革命だから実は私が以前にアメブロで書かせていただいた「戦艦ポチョムキン」と内容が被ってるんですよね。

 さてストーリーとしてはまず水夫たちが上司に反乱を決行し次々と殺していきます。そしてそれに湧き上がった民衆たちを政府は駆逐していくんです。

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今日の朝、大列車強盗というサイレント映画を観ました。


『大列車強盗』 (1903年・米)
大列車強盗
スタッフ
監督、脚本:エドウィン・S・ポーター
キャスト
ギルバート・M・アンダーソン
A・C・エイバディ
マリー・マーレイ
ジョージ・バーンズ


 エドウィン・S・ポーター監督作品「大列車強盗」。原題タイトルは「The Great Train Robbery

 わずか12分ほどの映画作品。アメリカ映画で初めてストーリーを持った映画らしいです。そして世界初の西部劇映画だとか。まあまだこの頃は映画と言うのは舞台劇の派生みたいなものでしたから演技が大げさで堅いのは仕方ないです。

 そしてこの映画、実はラストシーンで当時観ていた観客に悲鳴をあがらせたんです。


【あらすじ】

 ある強盗団が汽車を襲撃。強盗団は汽車の客から金目の物を奪い、先頭車両を奪って去って行った。















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 強盗団四人組(ギルバート・M・アンダーソン、A・C・エイバディ、マリー・マーレイ、ジョージ・バーンズ)は計画的に列車を襲撃する。

 銃撃戦の末に列車から金目の物を次々と奪っていく。次に運転席を占拠し列車を止める。そして乗客を降ろし彼らから金目の物を出すように要求した。逃げ出そうとした客は容赦なく射殺してでも。

 そして運転席と他の車両を引き離して運転席の車両に強盗団は乗り込み列車は去っていく。

 途中で運転車両を止めた四人は馬を止めてある地点まで走りそこから颯爽と馬で去って行った。

 やがて四人は追っ手に追われる。一人が逃走中に殺されあとの三人は追っ手を撒いたと思い馬から降りる。しかし追っ手は三人を包囲し三人は銃撃戦の末に撃たれて殺される。

 ラストシーンでガンマンが拳銃をカメラにぶっ放す。

ラストシーン






 ストーリーはまあ古典的ですが当時の映画にしては面白かったですね。サイレント映画もたまに観たくなるものですねえ。

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今日は戦争映画ともいえる「太平洋の鷲」を観ました。


『太平洋の鷲』 (1953年・日)
太平洋の鷲
スタッフ
本編監督:本多猪四郎
応援監督:小田基義
特撮監督:円谷英二
脚本:橋本忍
製作:本木荘二郎
音楽:古関裕而
撮影:山田一夫
編集:岩下広一
キャスト
山本五十六:大河内傅次郎
古河中佐:二本柳寛
鹿島中佐:清水将夫
友永大尉:三船敏郎
米内光政:柳永二郎
及川古志郎:菅井一郎
連合艦隊参謀長:佐々木孝丸
連合艦隊先任参謀:清川荘司
機動部隊司令官:見明凡太郎
畑俊六:山田巳之助
近衛文麿:高田稔


 本多猪四郎、小田基義、円谷英二らによる監督作品「太平洋の鷲」。

 大スター大河内傅次郎を山本五十六に据えての超大作。年をとって熟練し貫禄が更に増した大河内傅次郎による演技がこれまた素晴らしいんですよ。

 円谷英二が特撮技術監督を務めていますね。そして本編は本多猪四郎。これは「ゴジラ」でのコンビでもあります。二人が組んだ作品は大作になりますねー。

 山本五十六はアメリカ政府が日本で一番厄介な男、と認定されていました。それだけ五十六は生涯の間、日本とアメリカの和平を望み、徹底抗戦の世論を後ろに持つアメリカにとっては最も恐れた男なのです。それに真珠湾攻撃を成功させたこともありますからな。

 この映画での戦闘シーンは主にアメリカから提供された資料フィルムやら他の映画の戦闘シーンを流用したりしているんです。私も観ていてなんかこれは資料フィルムの映像っぽいなあなんて思ったりする場面もいくつか発見できました。

 そしてこの映画では日本で初めて人が火を浴びるというスタントがありました。その火を浴びたのはスタント俳優・中島春雄で彼は航空兵の役をやっていました。


【あらすじ】

 海軍次官兼航空本部長の山本五十六。五十六は日独伊三国同盟に対し異論を唱えていた。この同盟はソ連だけを対象としていたが、やがては大国アメリカとも戦うことになるだろうと五十六は考えていた。これに海軍大臣の米内光政も賛同しており、彼が総理大臣に就任し三国同盟の話は一旦は白紙にされた。だが陸軍省を始めとする閣僚が内閣を解散させ、再び陸軍内閣が誕生。やがて三国同盟が締結され、日本はアメリカと敵対する。五十六はあくまで和平を考えながらも真珠湾攻撃を計画する・・・

太平洋の鷲 予告編 ※中華系サイトに転送されますのでご注意下さい。
太平洋の鷲の配役















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ある右翼の青年(堤康久)は日独伊三国同盟に反対する山本五十六(大河内傅次郎)こそ逆賊であると命を狙った理由について証言する。


 昭和十三年、横須賀飛行場。山本五十六は新鋭戦闘機のテスト査閲に立ち会っていた。彼は海軍省次官と航空本部長を兼任しており部下からは戦闘機を雀から鷲に変えてくれた、という事で絶大な信頼を得ていた。五十六は海軍大臣・米内光政(柳永二郎)に呼び出される。

 山本五十六は米内光政らと共に海軍として日独伊三国同盟に猛反対していた。三国同盟はソ連に対しての圧力の意味でしかない、という名目を保っていたが仮に三国同盟を締結すればドイツは英仏を攻撃。すると大国アメリカは英仏側についてしまう、と考えていたからだ。しかし今回、五十六が命を狙われたことを米内は配慮する。しかし五十六が主張を止める気はない、という意思を持っていることを米内は確認した。

 近衛文麿(高田稔)総理大臣や政府首脳部をはじめ陸軍参謀大佐(志村喬)らは五十六ら海軍の主張を飛躍しすぎだ、と考えていた。しかし結局、五十六の思ったとおりにドイツとイタリアはアメリカも攻撃対象に入る、という見解を示し近衛内閣は崩壊する。やがて米内内閣が誕生し三国同盟は白紙にされたかに見えた。

 しかしドイツの欧州での猛攻を知った陸軍は再び三国同盟締結を打診。やがて陸軍の命令を受けた陸軍大臣の畑俊六(山田巳之助)は次期陸軍大臣を決めないまま米内に辞表を提出。更に他の閣僚もそれに習い、米内内閣は崩壊。第二次近衛内閣が誕生する。

 海軍内にも三国同盟を推し進める派閥が現れ始め世論も開戦一色に統一されていく。新海軍大臣の及川古志郎(菅井一郎)は山本五十六に開戦の風に乗ってくれるか?と問う。五十六は心のうちでは開戦に反対しながらも、政治に従わざるを得ないと発言。そして五十六は及川に問い返す。「国力で圧倒的に負けている日本が果たしてアメリカに勝てるという自信を政府や軍部が本当に抱いているのか?」と。及川はそれをはぐらかすのだった。

 五十六は米内光政に手紙を送る。「個人の意思とは全く正反対のことを決意しなければならないのは変な事です」と。(つまり米国との戦争を望まないのに米との戦争で、死を覚悟しなければならないのはおかしいですね、という意味だと思われます

 しかし近衛文麿も実はアメリカとの戦争は避けたい、と考えていた。山本五十六は近衛と会い、「是非アメリカと和平交渉を結ばれるよう努力してほしい」と提言。近衛もその気になるが米ルーズベルト大統領との面会は結局、実現せず近衛内閣も崩壊する。

 やむを得ず、山本五十六は連合艦隊司令官となり真珠湾攻撃を画策。全く成功する確率が無い、と連合艦隊参謀長(佐々木孝丸)や先任参謀(清川荘司)から反対を受けるが五十六は「日米和平交渉が実現しなかった場合は決行せざるを得ない。実現すれば決行は取りやめとする」として真珠湾攻撃の準備を整える。

 やがて頼りにしていた日米和平交渉は実現できず、五十六は外務省に作戦の前に宣戦布告を確かに行ったかを確認し真珠湾攻撃命令を下す。宣戦布告をせず寝首をかくようなことをすれば大日本帝国海軍史上最大の恥だったからだ。友永大尉(三船敏郎)らが先頭を切り、真珠湾を攻撃しアメリカの歴史でも語り継がれるパールハーバーはこうして日本軍の勝利となる。

友永大尉

 山本五十六はこの作戦の成功によりアメリカも日本政府との和平に応じるのでは、と期待を抱く。しかし陸軍大臣出身の内閣総理大臣・東条英機らはこの作戦成功に調子づいてしまい、戦線拡大を命令。五十六の期待したような結果にはならなかった。

 山本五十六は日米の工業生産力を比較しそのあまりの差に絶望的にもなる。日本はアメリカの10分の1程度の生産力しかなかったのだ。それでも1年は優勢に立てる、と考えた五十六はミッドウェー島に機動部隊を送り込み攻略を図った。

 第1機動部隊は島の基地を攻撃に成功。だが第2機動部隊の派遣を要請し機動部隊司令官(見明凡太郎)は第2機動部隊に陸用魚雷の設置を命令する。やがて空母が見当たらない敵機動隊発見の報告が入る。しかしその後に巡洋艦5隻、駆逐艦5隻が発見され機動部隊の艦隊は大慌てになる。

 加賀、赤城の空母は戦闘機の武器を陸用魚雷から切り替えている内に米軍艦隊の攻撃を受け撃沈される。蒼龍からは友永大尉らが出発し米艦隊に大打撃を与えて玉砕する。やがては蒼龍も撃沈されていく。五十六は自分の乗る戦艦「大和」も含め残った艦隊を撤退させる。五十六は一人、この敗戦でもはや日米の和平協定は無いだろう、と悔しさに震える。

 米軍はこのミッドウェーの勝利に乗りやがて反攻を開始。ガダルカナル島の基地を攻撃して占領した。

 大本営はラバウル基地に移りラバウル作戦というラバウル基地から出発する戦闘機によってのガダルカナル島奪還作戦を進めるがことごとく失敗。五十六は大本営の撤退を決意しもはや勝ち目もなく玉砕しか残っていない現地部隊に最後の別れを告げる。この頃、五十六は心身共に衰弱していた。

 五十六は護衛戦闘機と共にブイン基地へ移動する。だが米軍はこの情報を得てこれは山本五十六を撃墜させるいい機会だ、と出撃する。

 1943年昭和14年4月18日午前6時、海軍甲事件。ブーゲンビル島上空で山本五十六らの戦闘機は次々と撃墜される。五十六は機銃掃射を受ける。「個人の意思とは全く正反対のことを決意しなければならないのは変な事です」こんな自分が言った言葉を思い出しながら息絶えた・・・






 アメリカにとって恐らく山本五十六は忌み嫌う、というよりライバルとして嫌っていたのではないでしょうか。優秀で和平を望む司令官・山本五十六。アメリカにとっては好きになる理由がありませんよね。

 この映画は冷静に太平洋戦争がいかに忌まわしく醜い出来事だったかを映画として描いたのだと思います。でもどっちかというとこれは日本の戒めとしての映画、というよりアメリカに「お前たちの軍や政府はこんな事をしたんだよ」っていうことを教授されているようにも感じてしまいました。最初に映像提供にアメリカの文字があったからでしょうかね。だからなるべく日本にもアメリカにもどちらの立場にも立たないで第三者としての目で見てみました。まあ私は日本人だからそれは難しいんですけど。
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修学旅行から帰ってきた今日、サイレント映画の「血煙高田馬場」を観ました。


『血煙高田馬場』 (1928年・日)
血煙高田馬場
スタッフ
監督、脚本:伊藤大輔
撮影:唐沢光弘
キャスト
中山安兵衛:大河内傅次郎
菅野六郎右衛門:実川延一郎
村上庄兵衛:嵐珏松郎
中津川祐範:中村仙之助
お幸:木下千代子
堀部彌兵衛:尾上卯多五郎
お堪婆:市川春衛


 伊藤大輔監督作品「血煙高田馬場」。実はメチャクチャ長い長編なんですが今はフィルムが6分ほどしか残ってないんですよね。まあ28年のサイレント映画じゃ仕方ないですかねえ。それに日本ですし。

 この頃は日本の映画の時代劇なんて歌舞伎の映像版みたいなものでした。だから今の人たちがこの映画が時代劇だって知ったら驚くでしょうね。

 伊藤大輔監督といえば、まあサイレント映画監督の巨匠です。分かってると思いますがレーサーとは全くの別人ですよ。

 そして大河内傅次郎。姿三四郎でお師匠さんの役をやってましたが、この方は大正と昭和にまたがっての大時代劇スターなんです。1920年代~50年代くらいまでの大剣劇スターなんです。伊藤監督と大河内傅次郎はよく組んでるんですよね。そしてそれはよくヒットするんです。

 興味がある人はこれのモデルとなった「高田馬場の決闘」を検索してみてください。モデルとなった事件について書かれています。


【あらすじ】


 江戸の貧民街に住む中山安兵衛。彼は町人同士の喧嘩を仲介して止めて、喧嘩していた両人から金をせびっては酒を飲んで飲んだくれという堕落した生活を送っていた。ある日、安兵衛が長屋に帰ると叔父からの手紙があった。その手紙を読み、安兵衛は一目散に高田馬場へと向かったのだった・・・
















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 江戸の貧民が集まる町。ここに中山安兵衛(大河内傅次郎)という酔っ払いで有名な男が長屋に住んでいた。男は「のんや安」「赤朝安」「喧嘩安」とも呼ばれていた。

中山安兵衛

 彼は町で喧嘩が起きてはその喧嘩を仲介し仲直りさせてやる。しかしタチが悪いのがそれが金目的であり両人から金をせしめて得た金でまた酒を飲んで暮らしたりもしていた。

 いつものように酒を飲んできて帰ってきたある日、長屋の部屋に置き手紙が置いてあるとお堪婆(市川春衛)が伝えた。叔父、菅野六郎右衛門(実川延一郎)からだった。

 手紙を読むうちに安兵衛は吃驚仰天してしまう。叔父は囲碁の争いでトラブルが起きた村上庄兵衛(嵐珏松郎)以下十八名と高田馬場にて果たし合いの決闘をさせられる事になってしまったらしい。安兵衛は慌てて家を飛び出し果たし合いの地・高田馬場へ一目散に向かっていく。

 道中、堀部彌兵衛(尾上卯多五郎)とその娘・お幸(木下千代子)と出会う。彌兵衛は命を粗末にするな、と安兵衛に言い、娘のかんざしを預けたのだった。(ここら辺が意味不明でした

 安兵衛は走りに走り、やっと高田馬場に到着する。しかし時すでに遅く多勢に無勢で叔父は討たれてしまっていた。安兵衛は激怒し十八人の侍に切りかかる。

中山安兵衛18人斬り

 安兵衛は復讐を思いに抱き次々と侍を殺し高田馬場の地に血が舞い上がる。中津川祐範(中村仙之助)という剣客も倒し村上兄弟も殺してついに十八人の侍を全滅させる。やがて堀部彌兵衛がその地に訪れる。彌兵衛の娘婿は決まったも同然だった。

 これが後に忠臣蔵の赤穂浪士四十七士の一人としても語り継がれる堀部弥兵衛の前半の生涯であった・・・







 実は忠臣蔵、全く触れたことがないんですよね。だから堀部ナニガシが赤穂浪士の中で一番の人気な剣客だという事も知りませんでした。

 まあ何にしても私には娯楽映画というより、主人公が飲んだくれから大量殺人を犯して、後に赤穂浪士になるという感じにしか思えませんでしたね。何の理由があっても大量に人殺しをした堀部さんにはちょっと同情しかねますなあ。

 そして実はネットでは活弁士入りの動画しか見つけられませんでした。それで全部観たんですが、この活弁士下手くそじゃありませんか?それともただ単に私が活弁士を知らないだけで本当はみんなこんなモンなのですかねえ。

血煙高田馬場〈現存している短縮版〉 活弁士:元村康人 6分半ほど
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