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とてつもなーく恥ずかしい言葉ばかり吹き替えで聞かされていました。しかし、最後のあの悲しみと切なさはどの恋愛映画にも勝るでしょう・・



『ロミオとジュリエット』 (1968年・英伊)
ロミオとジュリエット(1968)
スタッフ
監督:フランコ・ゼフィレッリ
脚本:フランコ・ゼフィレッリ、フランコ・ブルサーティ、マソリーノ・ダミコ
原作:ウィリアム・シェイクスピア「ロミオとジュリエット」
製作:ジョン・ブレイボーン、アンソニー・ヘイヴロック=アラン
音楽:ニーノ・ロータ
撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
編集:レジナルド・ミルズ
配給:パラマウント映画
キャスト
ロミオ:レナード・ホワイティング(置鮎龍太郎)
ジュリエット:オリヴィア・ハッセー(川上とも子)
ティボルト:マイケル・ヨーク(森川智之)
マキューシオ:ジョン・マケナリー(堀内賢雄)
ロレンス神父:ミロ・オーシャ(佐々木梅治)
婆や:パット・ヘイウッド(磯辺万沙子)
ヴェローナ公:ロバート・スティーヴンス(有本欽隆)
キャピュレット夫人:ナターシャ・パリー(佐藤しのぶ)
モンタギュー夫人:エスメラルダ・ルスポーリ(宮寺智子)
モンタギュー:アントニオ・ピエルフェデリチ(石波義人)
キャピュレット:ポール・ハードウィック(麦人)

ナレーション:ローレンス・オリヴィエ(田原アルノ)


 フランコ・ゼフィレッリ監督作品「ロミオとジュリエット」。原題タイトルは「Romeo and Juliet

 基本ロミオもジュリエットもセリフ回しが物凄い悪く言えば聞いてて恥ずかしくよく言えば洒落ている、といったかんじです。まあシェイクスピアの喜劇なんでしゃーなしなんでしょうが。しかし最後こそ私は結末を知っていても涙せざるを得ませんでした。

 最初、映画界ではこの大作をロミオ役にレナード・ホワイティング、ジュリット役にオリヴィア・ハッセーという二人とも無名な女優と俳優であることに騒然としていました。これは失敗するぞ、という意見もあったそうですがこの映画はおそらく文句なしの出来に仕上がったと思います。

 私はジュリエット役のオリヴィア・ハッセーがこの映画で一気に気に入りました。68年映画なので今はオバサンなのは仕方ありませんが今後も映画で観る機会があれば嬉しいですね。

 何と言っても音楽が素晴らしすぎる。この映画、いやロミオとジュリエットという文化的作品そのままに合わせた素晴らしい音楽でした。変に寂しい旋律というわけでもなく、かといって楽しげな音でもありません。その微妙なバランスがうまくできていると思いました。

 さて2000年のテレビ東京で放送されたバージョンの吹き替えがDVDに収録されていました。私はロミオの声を聞いた瞬間にあ、置鮎さんだなとわかりました。あとティボルトの森川さんも凄い分かりやすかったのですが結局、最後までジュリエットの吹き替えが分からず調べてみたらなんと故・川上さんだったとは。オリヴィア・ハッセーも可愛らしいのですが川上さんも凄い可愛らしいお声でしたね。

 ちょっと脚色してるようですが大筋は原作通りなんでしょうかね。この作品は名前だけしか知らない、という方も大勢いるのでは?私も観る前は「ロミオとジュリエット」というシェイクスピアの作品がある、という事だけしか知りませんでした。


【あらすじ】

 キャピュレット家とモンタギュー家は常に争いが絶えず血を血で争う歴史を繰り返していた。しかしモンタギューの息子ロミオとキャピュレットの娘ジュリエットの二人は出会い直後に互いを愛してしまう。しかし運命という残酷なものは二人の恋を狂わせていき・・・


♪ロミオとジュリエットのテーマ    ニーノ・ロータ

※原曲でない可能性あり


ロミオ(レナード・ホワイティング)
ロミオ(レナード・ホワイティング)
ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)
ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)
ティボルト(マイケル・ヨーク)
ティボルト(マイケル・ヨーク)
マキューシオ(ジョン・マケナリー)
マキューシオ(ジョン・マケナリー)












【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 モンタギュー家とキャピュレット家は名門どうし常に争いが絶えず争いを止めてはまた争いを始めるような状況だった。しかし両家が和解するに至る一つの物語があったのだ。

─ ─ ─ ─ ─

 モンタギュー(アントニオ・ピエルフェデルチ)とその夫人(エスメラルダ・ルスポーリ)、またキャピュレット(ポール・ハードウィック)とその夫人(ナターシャ・パリー)の両家は名門であり二つの家は常に争いが絶えなかった。両家が確執を持っていればその部下たちも出くわすたびに騒動になるのは当然のことだった。

 その騒動を収めるのがヴェローナ公(ロバート・スティーヴンス)。ヴェローナは三度目ほどの起こった騒動を抑えてから「次、この町で争いをしてはならないという厳禁令を破れば両家主とも死罪だ」と言い残し去って行った。

 モンタギュー家の息子であるロミオ(レナード・ホワイティング)は恋に悩んでいた。そんなロミオを連れ出したのは同じモンタギュー家に所属する友のマキューシオ(ジョン・マケナリー)で一行はキャピュレットの家にお忍びで入り込み宴に参加する。

 キャピュレット家では娘ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)もそろそろ結婚を考えねば、と両親は話題に出していた。結婚の相手候補にはパリス(ロベルト・ビサッコ)が名乗り出ていた。ジュリエットの乳母(パット・ヘイウッド)である婆やもジュリエットが成長したことに満足していた。

 宴が開かれる夜。仮面をかぶって潜入したロミオやマキューシオら。ロミオはその宴で踊っていたジュリエットに仇の娘であるとも知らずに一目ぼれをしてしまう。ロミオは何とか彼女に接近し一緒にダンスをする。ジュリエットの方もロミオに興味を持ってしまう。

 その姿を見ていたキャピュレット夫人の甥であるティボルト(マイケル・ヨーク)はキャピュレットに敵が侵入しているから追い出すよう提案するがキャピュレットは宴をぶち壊すな、と放置を命じた。

 やがてダンスの後、二人で宴の参加者の目を盗んで接触する。ロミオはジュリエットに愛を交えた挨拶をしてジュリエットもすっかりロミオに惚れ込んでしまう。しかしジュリエットが去った後、ロミオは婆やから仇の娘である、ということを聞いて動揺してしまう。

 宴がお開きになった後、ジュリエットは婆やにロミオの名前を聞き出すよう命じる。婆やは仇の息子・ロミオだということをジュリエットに報告しジュリエットは気絶してしまいそうになる。

 やがて成り行きでキャピュレット邸の庭に忍び込んでしまったロミオはベランダで夜空を見上げ一人で物思いにふけるジュリエットを目撃する。

 「ああ、ロミオ。あなたはなぜロミオなの。もしその名前さえ無ければ私はあなたの物になるのに。いいや、あなたが名前を捨てるか私が名前を捨ててでも二人で暮らしたいのに・・・」というジュリエットの悲痛なつぶやきにいても経ってもいられずロミオはジュリエットに応える。

 ジュリエットはロミオの声を聞き彼だと判断。木を伝ってベランダまでのぼってきたロミオのポエムのような素直で率直な愛の言葉を受けてジュリエットとロミオは熱い抱擁とキスを何回も交わすのだった。(ここらへんのセリフは私が書くにはお恥ずかしいので詳しくは書きません。ご配慮ください

抱擁するロミオとジュリエット

 やがて夜が明けるのを忘れるほど熱い抱擁とキスを交わし続けた二人。ジュリエットはロミオに「使いの者を送ります。もし私と添い遂げる意志があるのであれば、ぜひ使いの者に式場などの予定を教えてください」と言う。ロミオとジュリエットは互いに別れを惜しみながらロミオは去っていった。

 ロミオはすぐに親しいロレンス神父(ミロ・オーシャ)に会いに行き彼にジュリエットと結婚するつもりであり儀式をしてほしい、と依頼する。最初はメンドウなことになる、と拒否したロレンス神父だったがこれを機会に二つの家を和解できるのでは、ということを思いロミオに協力する。

 ロミオは使いとしてやってきた婆やに結婚式の時間などを伝える。婆やはジュリエットのような娘を泣かせたら許さない、と釘を刺しつつジュリエットにロミオからの伝言を報告。ジュリエットは走るように教会へ向かった。

 ジュリエットとロミオの結婚式が開かれる。二人は神の前で永遠の愛を誓うのだった。


 ロミオが教会から出るとロミオに喧嘩を売りに来たティボルトとマキューシオが一触即発の場面だった。ティボルトが挑発するのにも応じずロミオは「これからは仲良くしたい」と話す。しかし納得のいかないマキューシオをティボルトは挑発しついに剣による戦いが始まってしまう。

 ティボルトとマキューシオの喧嘩を見守る両家の部下たちも混じって大混戦となりはじめていた。なんとか止めねば、と考えたロミオが仲裁に入ろうとしてティボルトがついマキューシオの腹を突き刺してしまう。動揺したティボルトはすぐさま退散する。

 マキューシオはうめきながらも勝利を嬉しがる。周囲の人間は傷が軽いと思い込んでいたようだがマキューシオの意識は徐々に遠のいていた。マキューシオは最後の力を振り絞って「両家の醜い争いが憎い!呪ってやるぞ!」と呪いの言葉を吐いてやがて息絶える。

 怒りに感情を支配されたロミオは帰っていくティボルトを呼ぶ。二人とも情緒がどこか不安定で危険な剣劇が始まってしまう。

 そして広場でついにロミオはティボルトを勢いとはいえ、思わず刺してしまう。ティボルトはそのまま倒れこみやがて死んだ。ロミオは自分の行ったことを認識し「運命のいたずらだ!いたずらだ!」と叫びながら自分の家に連れて行かれた。

 モンタギュー家とキャピュレット家は互いに家の者を殺された、としてヴェローナ公の下へ駆け込む。ヴェローナ公はティボルトもマキューシオを殺した事実を確認し、ロミオを死罪にしないにしても町から追放する、という処分を下す。

 ロミオは教会で神父の前で泣き崩れていた。追放ならば死の方がマシだ!、とわめき散らす。そこへやってきたのが婆やで婆やジュリエットもロミオと同じ状態にある、と伝える。神父はロミオを叱りつけ町からしばらく出て、ほとぼりが冷めるのを待つしかない、と話す。そしてジュリエットを励ましに行け、とロミオをジュリエットの下へ向かわせる。

 ロミオとジュリエットはその晩、燃えたぎるような熱い一夜を過ごす。翌朝、ロミオとジュリエットは別れることを悲痛に嘆きながらロミオは町を去って行った。

熱い一夜

 悲しみに暮れるジュリエットに両親はパリス伯爵との結婚を確定させた、と話す。しかしジュリエットはそれを拒み激怒した父親と口論になる。父親は「こんな親不孝な娘はこの家にいらん。出ていけ」と娘を見限って去ってしまう。

 悲しみに暮れるジュリエットに乳母の婆やまでもが、ロミオのことは忘れてパリス伯爵と結婚するべきだ、と話す。ジュリエットは最も信頼していた婆やにまで言われ婆やをも拒んで退室させる。

 ジュリエットはロレンス神父のもとへやってくる。ロレンスはパリスとジュリエットの結婚話を聞き、一つだけ回避する方法を思いつく。それは一旦、ジュリエットを仮死状態にして、葬儀をしてやがて目覚めたころに神父の手紙によってやってきたロミオと共に他の町に逃げる、という作戦だった。

 ジュリエットはその作戦を決行することを心に決め、自分の寝室で仮死状態になる薬を飲む。一方、ロレンス神父もロミオに向けて手紙を送るのだった。

 やがてジュリエットの葬儀が済まされる。しかし運命は二人に辛い結果を与えるのだった。

仮死状態のジュリエット



 手紙を届ける郵便屋と行き違いで密かに町に戻ってきたロミオ。ロミオは従者のバルサザーからジュリエットの葬儀が行われたことを知り、彼女の眠る墓へと向かう。

 そして眠るジュリエットを発見したロミオは涙ながらに愛の言葉を語り愛する者に触れ、その者を見つめてから「ずっと私が見守っていよう」と言い残す。やがてロミオは持っていた毒を一気にすべて飲み自殺してしまった。

ジュリエットを見つめるロミオ

 胸騒ぎを覚えたロレンス神父はジュリエットの体のすぐそばでロミオの遺体を発見する。それと同時にジュリエットが目を覚ます。

 ロレンス神父はとにかくジュリエットに気付かせないように外に出ようとするがジュリエットはロミオの遺体を見つけてしまう。神父は夜警が近づいていることに気付き、先に外に出て行った。

 ロミオの遺体に触れながらジュリエットはロミオの持っていた毒の瓶が空っぽであることを嘆く。そしてジュリエットはロミオの持っていた短剣を自らの胸に突き刺し、ロミオの体に重なるように倒れこむのだった。

胸に短剣を刺すジュリエット


 この日ばかりはモンタギュー家とキャピュレット家のどちらも沈痛な面持ちを浮かべるだけだった。ロミオとジュリエットの遺体は二つの家によって協力して教会まで運ばれていく。

 教会の前でヴェローナ公は両家に対し「二つの家が憎しみ合って争った結果がこれだ。愛する我が子たちを失う、という天罰が下ったのだ。両家の争いを見て見ぬふりをしていた私も含めたこの場にいる全員が罪人だ!」と大声を張り上げる。

 この日、太陽も悲しみによって上がらず暗い雲が覆っていた。両家は悲しみに暮れながらの和睦をする・・・








 ボロボロ泣きました。この映画はラストシーンを思い出すだけでも泣いてしまいます。私の文章力ではその悲しみを演出させるのにはあまりにも力不足でした。

 どうかこの映画に少しでも興味を持ったらぜひご鑑賞ください。私は今まで観てきた20世紀の映画のなかで最も悲しく切ない映画であると思いました。
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Category: 洋画ラ行
トンデモ問題作品です。もしこのモデルになった人が存命中ならば、私の記事はそのメディア王によって削除されたかもしれません。



『市民ケーン』 (1941年・米)
市民ケーン
スタッフ
監督:オーソン・ウェルズ
脚本:ハーマン・J・マンキーウィッツ、オーソン・ウェルズ
製作:オーソン・ウェルズ
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ロバート・ワイズ
製作会社:マーキュリー座
配給:RKO
キャスト
チャールズ・F・ケーン:オーソン・ウェルズ
リーランド:ジョゼフ・コットン
スーザン:ドロシー・カミンゴア
エミリー:ルース・ウォリック
サッチャー:ジョージ・クールリス
メアリー・ケーン:アグネス・ムーアヘッド
トンプソン:ウィリアム・アランド
バーンステイン:エヴェレット・スローン
ゲティス:レイ・コリンズ


 オーソン・ウェルズ監督作品「市民ケーン」。原題タイトルは「Citizen Kane

 稀代のトリックスター、オーソン・ウェルズによる作品です。私はこの作品を観賞してウェルズを日本でいうスサノオのようなトリックスターであり彼の芸術の才能というものに一種の恐怖を感じました。私はウェルズという存在自体に良い意味でも悪い意味でも秩序を壊してしまうような存在なのだ、と認識させられました。

 技法などについては私はあまり詳しくないので語りはしません。しかしこの映画の裏で起こっていたドラマのようなものはぜひ知ってもらいたいと思います。

 この作品のウェルズが演じた富豪にはモデルがいます。アメリカの新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト。ウェルズが演じた役の名前は違っても間違いなく彼だとわかってしまいます。ハーストはショーガールの妻と結婚。この妻とはハーストが死ぬまで婚姻関係の形のみは続いていました。しかし途中で別居し元女優のマリオン・デイヴィスと同棲をします。

 ハーストは彼女を女優として自身の新聞やメディア界にある自分の権力を使いまくってプッシュしまくります。しかし世論は露骨な宣伝にしらけて結局、彼女は芽が出ないままハースト事業の衰退により引退しています。ウェルズの役と違うのは妻との婚姻関係が続いていたことと、デイヴィスが彼の元を死ぬまで離れなかったところですかねえ。まあハーストの死と同じ年にデイヴィスは若い男と結婚していますが。

 ハーストの新聞王としての評価ですが、どうもあまりよろしくないようです。権力使いまくって時には記事をでっちあげたり、戦争を仕掛けさせたり公平な記事を書くつもりはなかったようです。

 ウェルズがこの映画を作り上げるとハーストは激怒してウェルズに評論家を買収したり、劇場へ圧力をかけたりともてるすべての権力を使って公開の妨害工作にのりだしました。一方、映画監督としてのキャリアが浅いウェルズはトリッキーな面を他の映画製作者や映画会社から嫉妬されたり疎まれたりしていました。

 公開が近づくにつれハーストの妨害工作は増し、暴露記事を書くぞなどとウェルズを脅したりもしました。なんと当時は天下の映画会社MGMのルイス・B・メイヤーもハーストに味方しウェルズが映画のネガフィルムを廃棄すればウェルズが被った損害すべてを賠償する、と交渉をする。しかしウェルズはそれに全く応じず配給のRKOに公開しなければ告訴する、と脅しなんとかRKOがリスクを背負って上映しました。後にこの出来事はハリウッドの歴史の汚点とも言われています。

 さてこの映画、評論家には絶賛だったにもかかわらずあまりにもスキャンダラーすぎた出来事があったりハーストの妨害があったせいかはしりませんが、興行的には失敗しました。ウェルズはこの失敗が引きずったのか後の作品も自分の思ったようには作れなかったり興行的に失敗続きで彼の映画監督としての道は閉ざされました。以後はトランスフォーマーのアニメ映画で声優をしたり、B級映画に出演したりとスターとは言えない人生を送りました。

 しかし救われるのはウェルズがそんな生き方を喜劇的だ、とどこか楽しんでいたというところですかね。それでも映画の制作意欲は死ぬまで変わらなかったようですが。市民ケーンがやっと評価されるようになったのはやはりハーストが死んでからですね。私は読売グループのナベツネが嫌いなのでこの映画でナベツネを新聞王と重ねて観た部分もありました。


【あらすじ】

 新聞王かつ巨万の富を築いたチャールズ・F・ケーンがついに死んだ。彼は支持されたり批判されたりの繰り返しの波乱万丈な人生を送り続けてきた。彼が最期に遺した言葉「バラのつぼみ」のことを気になったニュース映画の制作者は編集者トンプソンに彼の周囲の人間にバラのつぼみについて聞きに行くように命じる。トンプソンは聞き込みをしながら華やかな彼の寂しい裏側を知るようになる・・・




チャールズ・F・ケーン(オーソン・ウェルズ)
チャールズ・F・ケーン(オーソン・ウェルズ)
スーザン(ドロシー・カミンゴア)
スーザン(ドロシー・カミンゴア)










【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 フロリダの小高い丘にザナドゥという未完の巨大な城があった。そこには動物園や植物園も設置された個人的な私有遊園地もあったのだ。その城の城主であるチャールズ・F・ケーン(オーソン・ウェルズ)が息を引き取った。手に握っていた雪景色のガラス玉が落ちて割れ、「バラのつぼみ」という最期の言葉を発し息を引き取ったのだ。



 ケーンの死に際しロールストン(フィリップ・ヴァン・ツァント)という男が記録映画を作っていた。ケーンは幼少期に母親が鉱山を手に入れ、その遺産を引き継ぐ。しかしケーンは巨万の富を引き継ぐがそれよりその資産の一つの小さな新聞社『インクワイラー』に興味を持つ。

 やがてインクワイラーを手に入れ彼は一代で立て直しやがてケーン帝国と呼ばれるようなグループをつくるようになる。大統領の姪と結婚し政界進出も企てるが、女のスキャンダルで失敗。妻とは離婚しそのすぐ後に妻子は事故死。ケーンはというと、不倫していた歌手と電撃結婚を果たす。

 ケーンはその妻のために資産を出してオペラハウスを建てるが彼女自身に才能があったわけではないためにケーンのグループのプッシュをしても、彼女は笑いものになりつづけていた。彼女はその生活に疲れケーンは今度はザナドゥという城や遊園地を作り上げた。ケーン夫妻はその城で隠居のように暮らすがやがて離婚。ケーンも老いによって死に至ったのだ。

 しかしこの記録映画の出来にロールストンは満足がいかない。そこでロールストンは彼の遺言に興味を持ち記者で編集者のトンプソン(ウィリアム・アランド)に彼の周囲に聞き込みにいかせる。「バラのつぼみ」とは果たしてなんなのかを突き止めるために・・・

 最初にあったのは二人目の妻スーザン(ドロシー・カミンゴア)。しかし彼女は疲弊しており情緒不安定だった。トンプソンはひとまず後回しにして先にケーンの後見人であった銀行家のサッチャー(ジョージ・クールリス)の回想録を読みに向かう。

 サッチャーとケーンは最後まで確執が絶えなかった関係だった。

(サッチャーの回想録より)

 ケーンがまだ小さかった頃、下宿屋を営む母メアリー(アグネス・ムーアヘッド)が下宿代の代わりに客が置いて行った金鉱の権利書を手に入れた。彼女は銀行に息子を預けることを決める。それは金のためではなく、息子に暴力を振るう夫ジム(ハリー・シャノン)から引き離すためだったのだ。

 ケーンは当時はまだ何も知らなく、両親から引き離されることを知り愛用のソリで引き取りに来たサッチャーを殴りつけてしまうほどだった。

 やがて成長し25歳になったケーンは遺産を引き継ぐ。世界で6番目の富豪となった。ケーンは巨万の富というよりその資産の一つである小さな新聞社「インクワイラー」に興味を持つ。

 ケーンは親友の劇評家リーランド(ジョゼフ・コットン)やバーンスティン(エヴェレット・スローン)と共に新聞社を買い取り、経営を開始する。その記事はいつも過激で、読者をひきつけることに成功していたのだ。サッチャーはこの方法でも赤字は回避できない、と苦言を呈するがケーンはいずれ巨大な損害を被ることを予期しつつもサッチャーの言葉を無視していた。

 やがて老いたケーンとサッチャー。ケーンは大恐慌のあおりを受けて破産したのだった。

(終)

 図書館を出たトンプソンは今度はケーンと一緒に仕事をしていた新聞社の参謀的存在、バーンステインに会いに行く。

 バーンステインもバラのつぼみがなんなのかは知らなかった。彼は何も考えずにただただ崇拝する対象であったケーンとの思い出を語り始める。

(バーンステインの回想)

 インクワイラー本社に乗り込んだケーン、バーンステイン、そしてリーランドの三人。三人は編集長のハーバート・カーター(アースキン・サンフォード)から迎えられる。三人は部数を伸ばすためには今までのような新聞ではダメだ、と改革を始める。とにかく記事を大衆受けするような濃密で興味を引きやすい記事に。

リーランド、ケーン、バーンステインの三人


 やがて見る見るうちにインクワイラー社は成長し、ケーンは見る見るうちにメディア業界を牛耳る存在に君臨してしまった。

 ヨーロッパ旅行から帰国したケーンは大統領の姪エミリー(ルース・ウォリック)と結婚する。

(終)

 語り終えたバーンステインはリーランドを訊ねるべきだ、という助言をトンプソンに伝える。トンプソンは老いで病院に入院するリーランドを訪問した。

 リーランドはケーンのことを「彼はいろんなものを弱者に与えそれを嬉しがる男だ。つまり弱者が自分の言うことを聞かないのが我慢ならない。しかし彼は愛を欲していた。彼は与えることで愛がもらえると思い込んでいた哀れな男なのだ」と話す。

(リーランドの回想)

 新聞のためなら大統領でも容赦なく記事で批判するケーンとエミリーの結婚生活はすぐにうまくいかなくなっていた。

 そんなある日ケーンは馬車に水をはねられびしょ濡れになっていたところを一庶民のスーザンと出会う。スーザンはオペラ歌手を目指しておりその夢の話を聞いてくれるケーンとの会話を楽しむ。一方のケーンも彼女との会話に心を癒されていた。

 やがてケーンは知事選に出馬する。対抗馬であるゲティス(レイ・コリンズ)を高らかに批判し悪政で民衆を苦しめる彼を刑務所にぶちこむことを約束する、と声を張り上げた演説はケーンへの支持率アップを確定づけていた。

ケーンの演説シーン

 しかしケーンは妻エミリーがスーザンの家に向かうことを知り驚く。エミリーはスーザンに手紙で呼ばれていたのだ。

 スーザンの家にはゲティスがいた。ゲティスはスーザンを脅して手紙を書かせたのだ。ゲティスはケーンに出馬を撤回しなければケーンとスーザンの不倫スキャンダルを暴露してやる、と言う。エミリーも物事を解決するためには出馬撤回しかない、と言うがケーンはそれに全く応じずゲティスと戦うことを宣言する。

ゲティスを罵倒するケーン

 やがてエミリーにも見限られケーンとエミリーは離婚。ゲティスも暴露記事を書かせたためにケーンの支持率はだだ下がりし、結局ケーンは選挙で敗北してしまう。

 またリーランドも自分しか信じず誰の意見も聞かずに自分だけで自分の行動を決め周りを振り回すケーンに嫌気が差しシカゴ支局に異動を要請する。ケーンはそれに応じると共に必ず後悔するぞ、と伝えるのだった。

 その後ケーンは名誉を少しでも守るべくスーザンと結婚する。ケーンはスーザンの歌手としての成功に金を使い始める。しかし金を使っても歌というのは才能も必要なのでスーザンはいっこうに上達しなかった。

 やがて劇評家として演技がひどいし歌もひどいという酷評を書いたリーランドの原稿を読んだケーンは彼をクビにしてしまう。

ケーンとリーランドの離別

(終)

 病院を去ったトンプソンは今度こそスーザンから話を聞くことに成功する。

(スーザンの回想)

 スーザンは自分が笑いものにされ酷評されることに耐え切れず舞台を降りることをケーンに打ち明けるがケーンは己のプライドを尊重しここで引き下がるわけにはいかない、とそれを認めなかった。

 ケーンは自分の新聞でのみとにかくスーザンを褒めたたえるがスーザンは耐え切れずに薬を過剰に飲んで自殺未遂を図ってしまう。

 さすがにケーンも引き下がらざるを得なくなり、今度は巨大な城ザナドゥを築き上げてしまう。

 しかしケーンは与えるばかりでその与える物に心も愛もこもっていないことをスーザンは見抜いていた。スーザンはケーンの下を去ることを決意。ケーンが止めるのにも「アナタは自分の為に私に傍にいてほしいだけ」と言い残し去って行った。

(終)

 スーザンの進言によりトンプソンは今度は執事のレイモンド(ポール・スチュアート)に会いにいくことがきまる。

 レイモンドは心当たりがある、といいその話を始める。

(レイモンドの回想)

 スーザンが去った後の部屋でケーンは部屋で暴れ回る。とにかく家具を壊し投げ飛ばし。

 やがてケーンはその部屋の一角で雪景色の移るガラス玉を発見する。ケーンは涙しながらそれを握り「バラのつぼみ・・・」とつぶやく。

 ケーンはそれを持ち去って行った。

 やがてケーンは一人さびしく孤独な死を迎えた。

(終)

 結局、レイモンドの話でも肝心のバラのつぼみのことはよくわからなかった。トンプソンは今までの話を聞いてケーンの人生をパズルに例えた。もしかしたら「バラのつぼみ」も無くしたピースの一片だったのではないだろうか。

 やがて屋敷では焼却処分されるものは焼却炉で焼かれていた。

 その中の一つにあの幼い頃遊んでいたソリがあった。そのソリには〝Rose bud〟(バラのつぼみ)と書かれていた。

 ザナドゥからは煙突から不気味に黒い煙が立ち上がっていた・・・








 結局、バラのつぼみとはなんだったのでしょうかね。

 一説では特に意味はなく、オーソン・ウェルズが最初の段階で観客の興味を引きつけるため、という説もあります。

 またかの有名な映画評論家・淀川長治は「子供のころ里子に無理やり出されるときに持っていった雪ぞりで、世の中には意のままにならないこともあることの象徴だ」と言ったそうですが、私はこの意見には同調しかねますね。納得いく部分もありますが少し飛躍しすぎなのでは、と疑問に感じます。

 でもやはり幼い頃のソリに意味があると思うんです。私としては何個か候補があるんですが、一番これではないかと思う候補は愛を知らず愛に飢えたケーンが幼い頃の母を思い出した、という感じですかね。大人になってからはケーンは誰からも愛されなかった、という感じだからそんな感じなのではと思いました。

 正解はないんだと思います。でも私が言ったからあっ!そうなんだ、とか淀川氏がいったからあっ!そうなんだあと思うのは出来ればやめてもらいたいですね。映画というのは自分で観て自分で感じてから初めて語れるんだと私は思っています。だからこそ自分で観て自分の意見を確立するべきなのだ、と私は思っています。

 生意気なこと言ってゴメンなさい。気分を害したら謝ります。
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今日は寝てしまって予告した「市民ケーン」見れませんでした。明日観ないと観る機会を失ってしまいますね。



『サンドウ』 (1894年)
監督:トーマス・エジソン
撮影:ウィリアム・ハウセ
出演:ユージン・サンドウ


 トーマス・エジソンによりつくられた映画というより映像。原題タイトル「Sandow

 ユージン・サンドウという強靭な肉体を持ったボディービルダーの男を撮影した40分程度の映画です。

 筋肉質な男といっても、いわゆるあのパンツレスリングにおける兄貴とかの感じとはちょっと違う気がしますね。例えばギリシアの彫刻だとかいわゆる美術館で飾られているような美しい筋肉の持ち主だとは思いませんか?

 ユージン・サンドウは1925年10月24日にロンドンで脳卒中で死にました。58歳没。彼は初めてのボディビル雑誌に載ったりとボディービルダーの始祖的な方です。
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世界三大喜劇俳優。そのうちチャップリンは何個か観たんで、次は二人目のバスター・キートンの作品いってみました。

市民ケーンは明日観る予定です。



『キートンの文化生活一週間』 (1920年・米)
キートンの文化生活一週間
スタッフ
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
脚本:バスター・キートン、エディ・クライン
製作:ジョゼフ・M・スケンク
撮影:エルジン・レスリー
編集:バスター・キートン
キャスト
新郎:バスター・キートン
花嫁:シビル・シーリー
ピアノ運び:ジョー・ロバーツ


 バスター・キートン&エディ・クライン監督作品「キートンの文化生活一週間」。またの名を「キートンのマイホーム」とも呼ぶ。原題タイトルは「One Week

 いやぁ。バスター・キートン作品は初観賞ですね。チャップリンは風刺的というか訴えかけを喜劇として描いた方ですがこちらは純粋に楽しめるんですよね。そしてチャップリンは現実的な面白さを、キートンはファンタジック的な面白さを描くのがうまいのだと感じました。

 ヒロインのシビル・シーリーも可愛いですねえ。彼女とキートンは22年の「北極無宿」という映画まで付き合いがあったようです。20年に脚本家のジュールス・ファースマンと結婚し21年に息子を出産し22年にその「北極無宿」で彼女は引退したようですね。1984年にカリフォルニア州カルバーシティで84歳で逝去されています。


【あらすじ】

 ある結婚式を終えた新郎新婦。二人は叔父から貰った新居に車で向かうが、運転していたのは新婦にふられた男で男は二人の恋慕を邪魔したりする。しかし新居には土地しかなく、なんと家は自分で組み立てなければならない。さまざまな格闘の末、ボロボロの家になるがなんと新居の土地の番地を間違えていたのだった・・・














【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり



9日 月曜日

 結婚式をあげたばかりの新郎(バスター・キートン)と新婦(シビル・シーリー)。二人は叔父から譲りうけた新居へ車でいざ向かうが、途中運転手に邪魔をされる。運転手はかつて花嫁に惚れていたがふられたハンディ・ハンクで、ハンクは二人の恋慕を邪魔しようとしていたのだ。

恋慕の邪魔をするハンク

 新郎はひとまずハンクを追い払い、新居へたどり着く。しかしそこには土地と木材、そして建設用具だけが置かれていた。その建設用具で自分たちで家を組み立てろ、とのことだった。

組み立て説明書を読むキートン

10日 火曜日

 ハンクの嫌がらせにより新郎は建設段階を間違えてしまう。

11日 水曜日

 完成したのは平行四辺形のような奇天烈な家。引っ越し業者(ジョー・ロバーツ)が運んできたピアノを家の中に入れるのにも一苦労する。

完成したマイホーム

12日 木曜日

 煙突をとりつけようとした新郎は二階の風呂の浴槽に落っこちてしまい恥ずかしがる新婦に風呂場から追い出される。その際に新郎は出口かと思ったドアを開けて外に転落してしまう。

シドニー・シーリーのエロシーン

13日 金曜日

 家が完成したことで新郎と新婦は友達を家に呼びよせていた。新郎はいまだにつきまとうハンクをついに追い払うが、やがて家が暴風に見舞われ組み立てて作った家は回転し始める。なんとか回転し続ける家の中から脱出した新郎や新婦。二人は翌日まで外で過ごす。

14日 土曜日

 風もおさまり二人は振り向いて家を見る。マイホームはもはやボロボロといってもいい状態だった。やがて二人は自分たちが引っ越してきた土地が実は勘違いで違う番地に来ていたことを知る。二人は絶望しつつも車で本当の場所へ家を運び始める。

嵐のあとのマイホーム

転居

 道中の線路。家は線路につっかかってしまう。

 やがて汽車がこっちへ向かってきており新郎と新婦はひとまず家を放置して逃げ出す。なんとか汽車は家にぶつからずに回避した。安堵する二人だったが反対方向から来た汽車が家に直撃し家は跡形もなく崩れ去ってしまった。

 二人は家の残骸に「売家」と「説明書で組み立てる必要あり」いう看板を張り付けてその場を後にする・・・






 いやあ純粋に楽しめました。バスター・キートンもなかなかの喜劇俳優ですよねえ。

 とにかくこの映画にはファンタジーで破天荒な面白さを感じました。




日本語字幕あり
Category: 洋画カ行
しばらく映画を観ていませんでした。それは私は「真剣で私に恋しなさいA-1」に集中していたせいです。


しかし今日やっとTSUTAYAで映画を借りたんでまた見始めようと思います。


借りたのは「市民ケーン」。土日は忙しいので月曜日か火曜日にでも観ようと思います!


映画の記事じゃなくてすいません。


申し訳程度の市民ケーンの1シーン
市民ケーンの1シーン



1月28日追記

実はこれは1月25日に書いたのですが私があまりにもブログを書いてなかったせいで思わず下書きのままにしていて公開することを忘れていました。申し訳ありませんでした
Category: 連絡など
京都、名探偵コナンの事件簿!


『名探偵コナン 迷宮の十字路』 (2003年・日)
名探偵コナン 迷宮の十字路
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:倉木麻衣「Time after time〜花舞う街で〜」
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
服部平次:堀川りょう
遠山和葉:宮村優子
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:井上和彦
佐藤美和子:湯屋敦子
高木渉:高木渉
大滝悟郎:若本規夫
綾小路文麿:置鮎龍太郎
円海:井原啓介
竜円:中村大樹
桜正造:亀井三郎
水尾春太郎:遊佐浩二
西条大河:鈴置洋孝
山倉多恵:鈴木弘子
千賀鈴:安達まり


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 迷宮の十字路」。

 今まで語っていませんでしたが脚本の古内一成はドラマ「太陽にほえろ!」でデビューしたそうです。それ以後、刑事ドラマの脚本、そして名探偵コナンシリーズの脚本を多く手掛けています。

 舞台は京都です。この映画では西の高校生探偵こと服部平次とその幼馴染である遠山和葉の恋物語な気がします。というか平次さんの初恋の女性が分かる映画なんですけど・・まあ、青山さんの作品ですから展開はなんとなく推理できるんじゃないでしょうか。まあ、とりあえずどいつもこいつも、ってかんじですね。

 この作品では源義経と弁慶も主題ですね。そして「義経紀」の名前がよく使われていますが、読み方は「ギケイキ」ですね。これは歴史的史料というより、創作物のような意味合いが強い作品です。例えば弁慶と義経が頼朝からの逃亡中に関所を抜けるために、門番の前で弁慶が義経を殴った。まさか主君が部下を殴るわけがないと思った門番は関所を通らせたんです。そういう物語ですね。登場人物の一人、西条さんによれば「義経紀というより弁慶紀」だそうです。


【あらすじ】

 日本各地で5人の人物が殺された。5人は全員、古美術品ばかり狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーだった。コナンと小五郎は別件で大阪にやってきていた。そこで西の高校生探偵の服部平次とその幼馴染・遠山和葉と合流する。やがて京都で一行の知り合いの美術商が殺される・・・

※中国語字幕、悪画質注意














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 東京・大阪・京都にまたがって5人の男たちが殺された。犯人は刀や弓矢など古風な武器で翁の仮面をかぶって殺害していた。警視庁では殺された5人が全員、古い美術品ばかり狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーであるということで都道府県警と共に合同捜査をはじめていた。

 一方、毛利小五郎(神谷明)は娘の蘭(山崎和佳奈)、居候の江戸川コナン(高山みなみ)、そして蘭の親友の財閥令嬢、鈴木園子(松井菜桜子)を連れて京都にやってきていた。

 小五郎は山能寺の僧侶・竜円(中村大樹)からの依頼を受けていた。山能寺では8年前に秘仏が何者かに盗まれたのだが、当時は住職・円海(井原啓介)が縁があれば帰ってくる、と警察に言わなかったがつい最近に犯人らしき人物から「この絵の謎をとけば仏像を返す」という手紙が来ていたのだ。コナンはこれを源氏蛍の仕業だと見抜く。小五郎は依頼として何とか解読しようとする。

 コナンは一人で源氏蛍の手がかりを見つけるため弁慶と義経ゆかりの地を歩いていた。その地のひとつでコナンは西の高校生探偵・服部平次(堀川りょう)と合流する。二人は情報を交換し合う。

 蘭たちは服部の幼馴染・遠山和葉(宮村優子)と合流した。和葉は平次が京都に来ると、いつも京都で出会った初恋の女性を探し出すんだ、と不安がっていた。

 コナンと平次は鞍馬山に来ていた。しかしそこで平次がライダースーツの男に弓矢で狙撃された。間一髪で交わしたコナンと平次はバイクで逃げたそのライダーをバイクで追いかけるが、ライダーの巧みな操縦により逃げられてしまう。

 その日の夜、コナンと平次は蘭たちと合流して山倉多恵(鈴木弘子)の経営する茶屋に来ていた。舞妓の千賀鈴(安達まり)の踊りを楽しむ小五郎たちや、竜円と親しい古美術商の桜正造(亀井三郎)、能役者の水尾春太郎(遊佐浩二)、古書店の店主・西条大河(鈴置洋孝)もそこに居たのだった。

 しかしその後、桜正造が何者かに殺害される。コナンと平次は桜の店に忍び込み、彼もまた「源氏蛍」のメンバーであることを知る。

 捜査を終えた平次と和葉は帰宅途中にまたしてもライダーに狙われる。平次はバイクを降りたライダーを自分も降りて雑木林まで追うが、そこで危うく殺されそうになる。しかし和葉が機転を利かせたことによって何とか平次は助かる。

 翌日、負傷した平次は入院する。しかし平次は事件を追うべく密かに抜け出しコナンと共同捜査を開始。その段階で阿笠博士(緒方賢一)が連れてきた吉田歩美(岩居由希子)、小嶋元太(高木渉)、円谷光彦(大谷育江)、灰原哀(林原めぐみ)とも合流する。

 和葉の方は昨日の犯人の手がかりを見つけるため雑木林に辿りつく。しかしその姿を怪しげな男が監視していた。

 平次は初恋の女性が千賀鈴ではないか、と思い始める。平次は初恋の女性と出会ったのは玉龍寺に忍び込んだ際だったのだ。小五郎は千賀鈴と京都府警の綾小路文麿(置鮎龍太郎)が犯人だ、と推理するが他の人たちによって論破される。

 コナンと平次は小五郎の推理もヒントとして、真相に着々と辿りつき始める。しかし和葉の電話で平次に、「和葉を誘拐した。廃寺になった玉龍寺にこい」という。しかし平次は傷が悪化して倒れこんでしまった。コナンは何とかするべく灰原に電話をかける。

 夜、玉龍寺に平次がやってくる。平次は犯人である「源氏蛍」の〝弁慶〟に桜正造殺しの事件の真相を話し始める。〝弁慶〟の正体は西条大河だった。

 西条は〝義経〟になりたがっていたが、体格から弁慶にさせられてしまったのだ。義経が残したお宝のヒントがあの小五郎の依頼を受けた絵だったのだ。西条は竜円に小五郎を呼び寄せるように提案したのだ。

 やがて平次も正体をあらわす。平次に変装したコナンこと工藤新一(山口勝平)だった。コナンは灰原から一時的に大きくなる薬をもらって平次になりすました。

 それでも薬の副作用でボロボロになっていた新一。やがて西条が呼び寄せた部下らに追いつめられるが西条の部下の一人が正体をあらわす。病院を抜け出した服部平次だったのだ。

 やがて元の状態に戻りそうになった新一はひとり戦線を離脱。そして雑木林で玉龍寺に駆けつけた毛利蘭と再会し、彼女を一時的に眠らせる。

 平次は和葉とひとまず蔵に立て籠もる。そこで和葉の手毬歌をヒントに名刀・村正を見つけ出す。その手毬歌は平次の初恋の女性が歌っていたものだった。

 平次は戻ってきたコナン、和葉の協力を得て西条らと戦う。コナンの協力により平次は西条を倒すのだった。やがてコナンが発火させた火を見つけた蘭、小五郎、白鳥らも駆けつける。一件落着する。

 小五郎は竜円らに仏像を取り戻せなかったことを詫びる。しかしなんと寺に仏像は戻ってきていた。コナンと平次が玉龍寺で見つけ出したのだ。和尚の円海は二人を義経と弁慶のような関係じゃ、と一人微笑むのだった。

 コナンたちが京都駅で新幹線に乗ろうとする前、平次は和葉が初恋の女性だと気付くが和葉にはそのことを教えなかった。新一と再会したのは夢だったのかと落ち込む蘭にコナンが夢ではなかったと教えるのだった・・・









 コナン映画って観たことあるのもあるんですが、結構覚えているシーンが多いですね。あの月明かりの新一と蘭の再会シーンは鮮明に覚えていました。結構前に観た記憶ですけどね。
チャップリン短編映画。大好きです!


『給料日』 (1922年・米)
チャップリンの給料日
スタッフ
監督:チャールズ・チャップリン
脚本:チャールズ・チャップリン
製作:チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トザロー
編集:チャールズ・チャップリン
配給:ファースト・ナショナル社
キャスト
建設労働者〝チャーリー〟:チャールズ・チャップリン
チャーリーの妻:フィリス・アレン
現場監督:マック・スウェイン
現場監督の娘:エドナ・パーヴァイアンス
建設労働者の同僚:シドニー・チャップリン
屋台の主人:シドニー・チャップリン


 チャーリー・チャップリン監督作品「給料日」。原題タイトルは「Pay Day

 チャップリンの作品は本当に面白いですねえ。この作品はどこか寂しい生き方をする労働者をチャップリンが観ている方を笑わせるような喜劇で演じ切るんです。悲劇を喜劇で演じる、これは難しいんですけどチャップリンは本当にうまくやっている。

 家庭でチャップリンから金をふんだくる妻役にはフィリス・アレン。この人は大柄な女性で恐いですねえ。またチャップリンの兄シドニーも出ていますし恒例のエドナ・パーヴァイアンス。エドナも太らなければ黄金狂時代でヒロインをできたのに・・・

 そしてマック・スウェインは黄金狂時代で山小屋にチャップリンと一緒に遭難してその後、一緒に金鉱を発見した人ですね。


【あらすじ】

 建設現場で必死に働くチャーリー。彼は給料は妻に搾取され、夜は酒場で一時を過ごしても終電に乗り遅れ、まさしく哀愁漂う労働者だった・・・














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 建設現場の労働者チャーリー(チャールズ・チャップリン)は現場監督(マック・スウェイン)にアゴで使われながら働いていた。昼飯も愛妻弁当といえるものはなかった。

現場監督の娘とチャーリー

 仕事が終わった後、チャーリーは監督から給料日なので給料を支払われる。しかし現場を出た直後に出くわしたのは自らの妻(フィリス・アレン)。チャーリーは帽子に隠してへそくりとしてごまかそうとするが妻は給料を奪い取るようにして持って帰ってしまう。しかしチャーリーは妻の一瞬の隙をついてバッグから没収された給料の一部を持ってどこかへ去って行く。

妻に搾取されるチャーリー

 チャーリーが来たのはクラブだった。クラブで楽しいほんの一時を過ごしてからチャーリーは電車で帰ろうとするがどの乗客が多すぎてチャーリーが乗れなかったり降ろされたり。終電も途中でチャーリーは落ちるように降りてしまい、仕方なく歩いて帰っていた。

雨にあうチャーリー


 朝帰りのチャーリーはへそくりを玄関前に隠し、妻を起こさないようにベッドで眠ろうとする。しかし眠ろうとした直後に目ざまし時計が鳴り、チャーリーは寝る暇なく妻に仕事に行け、とばかりに追い出されそうになる。

 チャーリーは仕事に行くフリをして浴槽で眠りにつこうとする。しかし妻はそれをお見通しで、ついには家から追い出される。

 チャーリーは玄関前に隠したヘソクリを回収するが、その場面を見られ妻に没収される。そしてチャーリーは今日も働きに行くのだった。妻の怒号を背に・・・







 本当に今でもありそうな風景ですよね。いつの時代でも夫と妻の関係って似たり寄ったりなんですかね。まあ、いつまでもラブラブな夫婦もいるでしょうが。

 奥さんがわめき散らしながら「THE END」ってなるもんですから、本当にチャップリンが可哀想に思いながらついつい笑ってしまいました。やっぱり文ではこの面白さは伝わらないと思うので、ぜひご自分で観賞するのがいいと思います。

Category: 洋画カ行
助演男優賞ならぬ助演犬賞をプレゼントしたいですな。


『犬の生活』 (1918年・米)
犬の生活
スタッフ
監督:チャールズ・チャップリン
脚本:チャールズ・チャップリン
製作:チャールズ・チャップリン
音楽:チャールズ・チャップリン(1959年『チャップリン・レヴュー』公開時)
配給:ファースト・ナショナル社
キャスト
浮浪者〝チャーリー〟:チャールズ・チャップリン
酒場の歌手:エドナ・パーヴァイアンス
屋台の店主:シドニー・チャップリン
痩せた強盗:アルバート・オースチン
警官:トム・ウィルソン


 チャールズ・チャップリン監督作品「犬の生活」。原題タイトルは「A Dog's Life

 シドニー・チャップリンはチャップリンのお兄さんです。まあチャップリンは後に自分の次男にシドニーと名をつけるから、まぎらわしくなっちゃうんですけど。しかしこの兄弟の共演作はこれが最初です。

 チャップリンの大好きなエドナ・パーヴァイアンスが今回はヒロインをしていました。珍しくエドナとチャップリンが結ばれている作品ですね。

 トム・ウィルソンやアルバート・オースチンはもはやチャップリン作品の常連俳優。アルバートには弟ウィリアムもおり、彼も俳優だそうです。

 この映画で一番、賞をあげたいのはチャップリンもそうなんですが、この映画に出てきたワンコロですね。この犬には本当にアカデミー賞をあげたい。よく躾けられてましたねえ。


【あらすじ】

 浮浪者チャーリーは仕事にありつけず困ったところで他の犬に襲われている犬を助け出す。チャーリーは自分をその犬に重ね合わせ同情したのだ。チャーリーは酒場に行きそこで歌手と出会う。しかしチャーリーは無一文で店主に追い出されてしまう。チャーリーは自分の〝家〟で寝ようとした時、犬が土を掘りだして・・・














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 浮浪者チャーリー(チャールズ・チャップリン)は空き地を家として、無一文で暮らしていた。庶民が煮ていたソーセージをくすねようとして警官(トム・ウィルソン)に追い回され、職業安定所に行っても他の人間の邪魔を受けて職業にありつけもしなかった。

 ふらふらと街を彷徨うチャーリーはそこで他の犬たちに襲われている一匹の犬に出会う。自分の姿を重ね合わせたチャーリーはその犬を命がけで助け出す。

犬とチャーリー

 屋台の店主(シドニー・チャップリン)から食べ物をくすねてから、酒場に立ち寄る。酒場の歌手(エドナ・パーヴァイアンス)がちょうど悲しい曲を歌っていた。チャーリーは歌が終わった後おどおどしている彼女にお酒を誘われるが、チャーリーは無一文のため会話だけで済ませようとする。

 しかし店主がそれを見逃さずチャーリーは追い出されてしまう。また、歌手の方は半ばクビ同然で店を辞めることになる。

 チャーリーは空き地の〝家〟に犬と帰宅する。しばらく寝ていたチャーリーだったが自分の服や顔に土がかかっている嫌悪感から起きる。犬が土を掘っていたのだ。

犬を枕にするチャーリー

 やがて土の中から財布が見つかる。天の恵みだと思ったチャーリーは急いで酒場に戻っていく。

 田舎へ帰る準備をしていた歌手の女性はチャーリーと酒場で再会する。しかしその酒場には紳士から強奪した財布を土の中に埋めていた強盗二人組が居た。強盗二人組は自分たちが埋めた財布をチャーリーが持っていることに気付き、奪還する。また無一文になったチャーリーは店から追い払われてしまう。

 心配そうにする歌手に対しチャーリーは店に潜入。強盗二人組をなんとか出し抜き気絶させ財布を再び自分の手に戻す。

 しかし起き上がった強盗たちはチャーリーを追いかける。チャーリーは屋台に逃げ込み、やがて追いつめられるが通りかかった警官によって強盗たちは捕まる。

 やがてチャーリーは財布の金で田舎に土地を買いそこで女性と犬と平和に暮らしていたのだった・・・







 チャップリンが当時の現実の厳しさを日常的な愛を交えて描いたまさしく名作映画ですね。チャップリンの喜劇というのは貧しい貧困の中にひとかけらの希望を交えそれを掴みとる励まし的な作品が多い気がします。私はこの映画を観て「ああ、チャップリンは昔の貧しい時代があったからこそ今の貧しい人々を映画で励ましているんだ」と思いました。
Category: 洋画ア行
死者の声を聞く。それはものすごい難しいことですよね。でも死人に口なし、じゃダメなんですよ。


『臨場 劇場版』 (2012年・日)
臨場 劇場版
スタッフ
監督:橋本一
脚本:尾西兼一
原作:横山秀夫「臨場」
音楽:吉川清之
撮影:栢野直樹
製作会社:「臨場 劇場版」製作委員会
配給:東映
キャスト
倉石義男:内野聖陽
小坂留美:松下由樹
永嶋武文:平山浩行
一ノ瀬和之:渡辺大
関本直子:若村麻由美
西田守:小林勝也
早坂真理子:伊藤裕子
倉石ゆきえ:京野ことみ
高村則夫:菅原大吉
加古川有三:デビット伊東
関本好美:前田希美
樋口雅代:春木みさよ
五代恵一:益岡徹
立原真澄:高嶋政伸
浦部謙作:平田満
山下美奈子:市毛良枝
安永泰三:長塚京三
波多野進:柄本佑
仲根達郎:段田安則


 橋本一監督作品「臨場 劇場版」

 この映画で覚えたことが一つあります。精神疾患と認められた者の犯罪は裁判で無罪となる可能性が高い。犯罪者にはとっても素晴らしい刑法ですよね。被疑者が守られても被疑者の遺族と被害者の遺族は守られませんが。精神疾患での犯行なら外に出すのは危険だから終身刑でいいと思いますがね。

 主演は内野聖陽。内野さんといえば、私はNHK大河ドラマ「風林火山」での山本勘助を演じてらっしゃった印象がありますね。松下由樹は悪女役ではありませんよ。

 橋本一監督は「探偵はBARにいる」の映画監督でもあります。また、「相棒シリーズ X DAY」の監督でもあるそうです。相棒の新しい映画早く観たいなあ。この作品で橋本監督を評価したんでこの監督がやってくれるなら文句はないです。


【あらすじ】

 2年前、波多野進という男が通り魔を引き起こし4人の家族ある人間を殺害する。しかし波多野は優秀な弁護士と精神科医の診断により精神疾患と判断され、裁判で無罪を獲得する。その後、被疑者の弁護人と被疑者を診断した精神科医が何者かの手によって殺されている。倉石は犯人が被害者の死亡推定時刻を細工したことに気付くが捜査員からは取り上げられなかった・・・













【以下全文ネタバレ注意】










↓四行後にネタバレ文あり




 2年前、ある広場にバスがつっこむ。バスからは次々と人が逃げ出し、やがて血まみれの男がナイフを持って次々と人を襲い始める。通り魔だった。赤ん坊を守ろうとした母親・樋口雅代(春木みさよ)が殺され、「止めて!」と叫んだ女性・関本好美(前田希美)がメッタ刺しにされる。

 通り魔の波多野進(柄本佑)は警官に逮捕される。やがて検視官・倉石嘉男(内野聖陽)が鑑識課と共に登場。倉石は検視官心得の小坂留美(松下由樹)と検視補助官・永嶋武文(平山浩行)は遺体の検視を開始する。

 逮捕された波多野進は裁判で優秀な弁護士・高村則夫(菅原大吉)の弁護と、精神科医・加古川有三(デビット伊東)の診察で波多野は精神疾患と認められる。波多野は無罪となってしまったのだ。


 2年後、弁護士の高村が何者かに殺された。倉石は高村の検視をする。また、加古川も何者かに殺された。2年前の事件が関係している、ということで警視庁と神奈川県警の合同捜査が開始され警視庁刑事部捜査一課管理官の立原真澄(高嶋政伸)と神奈川県警捜査一課管理官の仲根達郎(段田安則)が指揮をとる。

 倉石は城南医科大学法医学教室教授の西田守(小林勝也)の解剖に立ち会い、そこで犯人が死亡推定時刻に細工を図ったことに気付く。倉石は捜査員にそのことを伝えるが仲根はそれを取り合わない。しかし立原は倉石の言葉が気になっていた。

 仲根は2年前の被害者遺族の仕業である、と疑っていた。一方、2年前の被害者三回忌の会場で関本好美の母親・直子(若村麻由美)が倉石に話しかける。好美が生きているころ直子は親不孝者で夫と離婚寸前だったが、今は夫と話すこともないのに一緒に暮らしている。と話し、なぜ好美でなければならなかったのか、と問い詰める。しかし倉石はその答えに「俺は死んだ人間の声を聞くだけだ」と話すだけだった。

 倉石は2年前の事件以前に高村と加古川が組んでいた可能性に気付き、調べ始める。その過程で仲根に呼び出しを食らってしまう。しかしそこへ現れた立原が過去に高村と加古川が別の事件でも繋がりがあった、と話す。

 神奈川県警が担当した事件で女子大生を殺害した容疑者・浦部翔太(外波山流太)を半ば脅しの形で取り調べし自白を強要させたのだ。裁判で高村と加古川が組み精神疾患による無罪を勝ち取る。しかし裁判の直後に翔太が自分は無実なのに、と嘆きそれを証明するために自殺を図ったのだ。

 自殺後、真犯人が逮捕され神奈川県警は冤罪を作り出してしまった。また翔太の父親は刑事・浦部謙作(平田満)で今は交番勤務をしていた。仲根は浦部謙作にはアリバイがあったから話をしなかっただけだ、と言い去って退室する。

 そして倉石は自分を苦しめる病気に悩まされていた。病院にもいかず自分の死期を悟った倉石は亡き妻・ゆきえ(京野ことみ)の妹・早坂真理子(伊藤裕子)に自分の飼っていた金魚の世話を任せてしまう。

 倉石は自分に「死者の声を聞け」と教え込んでくれた恩師で今は法医学教授の安永泰三(長塚京三)に会いに来る。安永は加古川を検視した人物でもあった。死者に敬意を払い丁寧に検視する彼の姿は今でも倉石にとってあこがれだったが・・

 精神科医・山下美奈子(市毛良枝)のメンタルケアによって波多野進はマトモな性格に戻りつつあった。

 関本直子がナイフを所持していたことで警察の事情聴取を受ける。仲根は関本直子こそ犯人だ、と疑い執拗に追っていた。一方、立原ら警視庁捜査一課は浦部謙作をマークする。浦部は息子を信じきれなかった贖罪のつもりで、今も警官を続けていたのだ。

 倉石は真犯人の目星をすでにつけていた。しかし証拠を集めるために店に向かう道中で倒れこんでしまう。倉石の意志を引き継いだ小坂と永嶋、そしてかつて倉石の部下で今は捜査一課の刑事・一ノ瀬和之(渡辺大)の三人は犯人の指紋採取の令状を立原にとってほしい、と頼み込む。立原はそれを了承する。

 指紋採取されたのは加古川が死ぬ前に立ち寄った店。そこで加古川を尾行していた犯人の指紋を採取することに小坂たちは成功する。

 仲根は関本直子をマークしていた。関本直子は自分の娘の墓参りに夫が勝手に了承してしまい、波多野進がやってくることを知り墓地へ向かっていた。そして仲根はナイフを抜く瞬間を待ったが関本直子は殺意を抑え込んで仲根を娘の墓から追い払うのだった。

 一方、浦部謙作が消息を絶っていた。浦部は息子の復讐のために波多野進を殺す、という置手紙を置いていた。立原と仲根は急いで波多野が戻ってきた病院に辿りつく。しかし浦部はすでに波多野の肩を撃って逃げる波多野を追い詰めていた。

 そして倉石義男も突如として病室から失踪していた。

 屋上に浦部を探しに来た仲根に銃をつきつける浦部。浦部は波多野を殺す、というのは仲根をおびき寄せる罠だったことを明かし足を撃つ。そして仲根を殺そうと銃口を向ける。しかしすぐに現れた立原の「仲根にも家族がいる。しかしもしアンタが仲根を撃てば今度は仲根の息子があなたと同じ思いに苦しめられるんだぞ!」という言葉を聞く。

 浦部は泣き出し仲根を撃たなかった。しかし自分のこめかみに拳銃をつきつけ、「翔太ッ!」と叫んで拳銃自殺を図ったのだった。

 一方の波多野進は病院にある教会で安永泰三に薬を打たれて動けなくなっていた。安永はナイフで波多野に止めを刺そうとするがそこへ倉石が現れ、それを止める。

 安永は自分の妻が自分が仕事ばかりで放置していたためにやがて夫を気遣う妻は妊娠したことも打ち明けられず鬱になり自殺を図った、ことで外科医を辞め法医学に移ったことを前に話していた。そして安永は実は波多野が精神疾患ではないことに気付き、加古川と高村を問い詰めたのだ。しかし二人はそれを知っていたため、激怒した安永は彼らを殺害。法医学教授ということで死亡推定時刻をずらす方法を知っていたためにそれを利用したのだ。

 そんな安永に対し倉石は、加古川の解剖があまりにも雑で悪意に満ちていたことから安永が犯人では、と疑い始めたことを打ち明ける。そして、自殺しようとした安永を阻止して「アンタは生きることに必死にしがみついてもがくべきだ」と話す。

 しかしそれは許されなかった。起き上がった波多野が安永を刺殺したのだ。倉石も刺し「アンタを殺しても俺は罪に問われない」と笑顔を浮かべる波多野。倉石はナイフで刺されながらも力を振り絞り波多野を殴り倒すのだった。そして安永は「お前が生きることにしがみつくべきだ」と言い息を引き取っていた。

 安永の検視を終えた倉石は波多野が通り魔を起こした現場で関本直子と再会する。倉石は関本好美の声はアンタ自信で聞きな、と言い去って行く。

 関本直子は近くの商店街のシャッターで好美が昔、描いていた絵にそっくりの絵がスプレーで塗られていることに気付く。好美は店主たちから悪がきのイタズラを防ぐために描いてほしい、と依頼されていたのだ。あの広場に居た理由が分からなかった直子はその理由を知り亡き好美を抱きしめるかのようにシャッターにすがり嗚咽していた。

 翌朝は雨だった。小坂は出勤しない倉石に電話をかけるが繋がらない。倉石の電話は持ち物が全て無くなっていた倉石の家でずっと鳴り続けていた・・・












 冒頭のシーンで倉石が雨のなか倒れこんでるんです。だから多分、倉石は死んだんじゃないかと私は思ったんですがどうなんでしょうか。ちなみに私、原作は読んでいません。

 やっぱり死んだ後にも家族や大切な人に伝えたいことって、ありますよね。死ぬ前に言えなかったこと、言いたくてもいえなかった、言いたかったこと。いつかそんな声に気付いてくれるといいですね。いや、というより死ぬ前にいっぱい言いたいことは素直に言ったほうがいいですよ?
Category: 邦画ラ行
流れる血・・・そしてシャーロック・ホームズ。


『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』 (2002年・日)
名探偵コナン ベイカー街の亡霊
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:野沢尚
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:B'z 「Everlasting」
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:井上和彦
千葉刑事:千葉一伸
工藤優作:田中秀幸
樫村忠彬:平田広明
滝沢進也:高乃麗
江守晃:愛河里花子
菊川清一郎:斎賀みつき
諸星秀樹:緒方恵美
トマス・シンドラー:津嘉山正種
ヒロキ・サワダ:折笠愛

アコーディオン弾きの男:宝亀克寿
ハドスン夫人:速見圭
アイリーン・アドラー:島本須美
セバスチャン・モラス大佐:藤本譲
ジェームズ・モリアーティ:小林清志
ジャック・ザ・リッパー:速水奨
シャーロック・ホームズ:田中秀幸

ノアズ・アーク:折笠愛


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」

 結構、声優陣が豪華ですよね。何といってもモリアーティ教授が小林清志にトマス・シンドラーが津嘉山正種。緒方恵美と林原めぐみのWめぐみコンビといえば、エヴァンゲリオン。

 こだま監督は次作、「迷宮の十字路」の後にコナン監督を降板しています。だから来週の日曜日に「迷宮の十字路」を見ておそらくこだま監督ともお別れですね。

 脚本の野沢尚さんは推理小説作家でもあります。彼が起用されたのはマンネリ化を防ぐためらしいですよ。

 一言で表すならシャーロック・ホームズに興味を持てる映画、でしょうか。


【あらすじ】

 仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティ。少年探偵団は何とかしてコクーンに乗り込むことに成功する。またコナンも現実で起きた殺人事件の繋がりが、このゲームにあると感じコクーンに乗る。しかしコクーンは人工知能のコンピューターが占拠してしまう。人工知能によればプレイヤーが全員、ゲームオーバーになると子供たちの脳も破壊される、ということだった・・・














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 シンドラーカンパニー社長トマス・シンドラー(津嘉山正種)の養子であるヒロキ・サワダ(折笠愛)は自分の部屋のベランダから飛び降り自殺を図る。ヒロキは死ぬ直前、人工頭脳〝ノアズ・アーク〟をパソコンから一般電話回線へ逃亡させていた。

 2年後、樫村忠彬(平田広明)によって開発され、それにシナリオを提供した工藤優作(田中秀幸)のゲーム、それは「コクーン」。仮想体感ゲーム機だった。

 江戸川コナン(高山みなみ)、吉田歩美(岩居由希子)、円谷光彦(大谷育江)、小嶋元太(高木渉)、灰原哀(林原めぐみ)ら少年探偵団は阿笠博士(緒方賢一)、コナンの居候先である毛利小五郎(神谷明)、毛利蘭(山崎和佳奈)と共にコクーン完成披露パーティに来ていた。

 完成披露パーティでは鈴木財閥の令嬢・鈴木園子(松井菜桜子)も来ていた。そのパーティには警察官僚や政治家の二世三世など金持ちのお坊ちゃまがたくさん来ていた。その中で狂言師の息子・菊川清一郎(斎賀みつき)、銀行頭取・江守哲之助(依田英助)の孫・江守晃(愛河里花子)、与党政治家の息子・滝沢進也(高乃麗)、警視副総監・諸星登志夫(堀部隆一)の息子・諸星秀樹(緒方恵美)らがいた。

 この四人の子供たちは会場で人の迷惑も考えずサッカーをしていた。少年探偵団らと突っかかっても無視する。四人はサッカーでブロンズ像の手に置かれていたナイフを落とした。

 やがてコクーン開発責任者・樫村が何者かに殺害される。コナンは樫村が何者かに刺されたあと、血でワープロの〝J〟〝R〟〝T〟を打ち込んでいるのを樫村のダイイングメッセージだと判断。コナンは血相を変えて、阿笠によってプレゼントされたコクーンのチケットを握りしめコクーンに乗り込む。

 少年探偵団は何とかコクーンに乗ることができるチケットを獲得する。全員コクーンに乗り込む。一方、コナンが血相を変えてコクーンに乗り込んだことを知り、蘭も気になってコクーンに乗った。

 工藤優作は樫村殺しの現場を調べていた。コナンがJRTで血相を変えたことを知り、この事件には〝Jack the Ripper〟が関わっていることに気付く。ジャック・ザ・リッパーこと切り裂きジャックはコクーンの仮想ゲームの一つ「オールド・タイム・ロンドン」に出てくるのだ。だからコナンはコクーンに乗った、とのことだった。

 しかしコクーンで異常が発生する。人工知能〝ノアズ・アーク〟(折笠愛)がコクーンを乗っ取ってしまったのだ。コクーンでもし参加していた子ども50人が全員ゲームオーバーになると、現実で脳を焼かれて死んでしまうとのことだった。

 工藤優作はなんとかコクーンをコナンにクリアさせようとするが、通信は遮断されてしまう。優作はいま自分にできるのは樫村殺しの犯人を見つけることだ、と悟りトマス・シンドラーに目をつける。

 コナンと少年探偵団、蘭、そして江守・菊川・滝沢・諸星の四人組はオールド・タイム・ロンドンに参加する。

 オールド・タイム・ロンドンのステージクリア目的は「ジャック・ザ・リッパーを捕まえること」。早速、ノアズ・アークの介入で橋が崩落。菊川が落ちそうになるがコナンと蘭によって助けられる。また道中、アコーディオン弾きの怪しい男(宝亀克寿)とも出くわす。阿笠によればそれはデータにない男だそうだった。

 コナンたちはお助けキャラのシャーロック・ホームズに会うべく家に向かうが、途中で切り裂きジャックの被害に遭った女性を目撃する。コナンは博士の発明品のシューズで切り裂きジャックを捕まえようとするが発明品は使えない。ゲームの世界では使用できないことがわかった。

 やがてシャーロック・ホームズの家に到着した一行は下宿人のハドスン夫人(速見圭)と出くわす。ハドスン夫人によればホームズと助手のジョン・H・ワトスンは出張中だそうだった(バスカヴィル家の犬で出張中という設定)。それもデータにない。ノアズ・アークが勝手に作り変えてしまったのだ。

 コナンたちはホームズの調査資料を見てジャック・ザ・リッパーの裏にホームズの宿敵ジェームズ・モリアーティ教授が影で暗躍していることに気付く。モリアーティ教授に何とか会うべく、コナンはとりあえず彼の腹心セバスチャン・モラン大佐(藤本譲)のいる酒場に向かう。その直前に諸星はホームズの拳銃を密かに持っていく。

 酒場でコナンはモラン大佐がポーカーでイカサマをしていたトリックを暴き諸星と滝沢に教える。だが二人はモラン大佐の前に出てきて、モラン大佐はイカサマをしていた、と告発してしまう。

 それによってモラン大佐らはコナンらを襲う。そこに全員が集結し大乱闘となってしまう。その乱闘で歩美、光彦、元太、そしてコナンに助けてもらった借りを返したかった菊川がゲームオーバーとなってしまう。

 やがて店にモリアーティの執事と名乗る男が入ってくる。コナンらはその執事に案内され馬車のところへやってくる。しかしコナンはその執事こそがモリアーティだと見破る。ジェームズ・モリアーティ(小林清志)は正体を表し、自分を追いかける理由を問い詰める。

 コナンはモリアーティにジャック・ザ・リッパーを捕まえたい、ということを話す。モリアーティはリッパーは自分が拾い犯罪者として育て上げたが自分を捨てた母親に似ている女たちを次々と殺す暴走に走ってしまったのだという。

 モリアーティはコナンに協力を要請しリッパーをある場所へ誘き寄せるからそこで捕まえればいい、。翌朝の新聞に標的の場所を教える、とのことだった。

 そして翌朝の新聞で。なんとモリアーティに標的にされたのは劇場でオペラを歌うホームズが生涯で唯一、愛した女性アイリーン・アドラー(島本須美)だった。コナンらはアイリーンに狙われていることを伝えるが、アイリーンは構わずに歌う、と話す。

 歌唱中に劇場が突如、爆発する。コナン、哀、蘭、諸星、江守、滝沢らはアイリーンを避難させるがその過程で江守と滝沢がアイリーンを庇って、哀がコナンを庇ってリタイアとなってしまう。

 コナン、蘭、諸星の三人はリッパーを追ってベイカー・ストリート駅の汽車に乗り込む。そして乗客を集め、女装していたジャック・ザ・リッパー(速水奨)を暴き出す。リッパーは煙幕を使い、汽車の屋根に乗り込む。すると乗客や運転手が何故か消滅してしまっていた。コナンと諸星は屋根の上に登りリッパーの下へ向かう。

 リッパーは蘭とロープで繋がっていた。もしリッパーを突き落せば蘭もリタイアすることになる。リッパーは今でも自分の血が流れていることを明かす。

 優作はそのリッパーの言葉をトマス・シンドラーに聞かせそれこそが動機である、ということを明かす。なんとシンドラーはジャック・ザ・リッパーの子孫なのだそうだ。それを明かされるのを困り、ヒロキを束縛し精神的に追いつめ自殺に追い込んでしまったのだ。

 ヒロキの生き別れの本当の父親である樫村忠彬はヒロキの死を悔い、工藤優作に調査を依頼した。そしてその結果をトマスに伝え自首を促したがトマスによって殺されたのだった。

 トマスは人殺しの血に怯えていたことによる犯行だったことを打ち明けるが優作は「血がなんだ!それに立ち向かわないでどうする!」と叱咤する。

 一方の仮想世界ではリッパーはコナンを追い詰めていた。蘭は新一のシャーロック・ホームズでのお気に入りの言葉「君を確実に破滅させることができれば、公共の利益のために、僕は喜んで死を受け入れよう。」という言葉を思い出し、コナンを助けるために自ら電車から飛び降りリッパーを道連れにした。

 コナンは蘭の飛び降りを嘆く。諸星はコナンに立ち上がるよう言うが、コナンは「汽車の連結部分を解除させる唯一の方法が無くなった。蘭がいなければ子供二人では連結を解けない」と嘆いてしまう。運転士のいなくなった汽車は駅に向けて全速前進で走り続けていた。

 そこへ突如、シャーロック・ホームズ(田中秀幸)が現れ、コナンにヒントを与える。コナンはヒントの意味に気付き、ワイン樽が積まれた車両に二人で入り込みワイン樽の栓を片っ端から抜いて車両をワインであふれさせる。ワインのプールをコナンたちは作ったのだ。

 やがて列車が駅につっこみ横転する。コナンと諸星はワインプールに潜りなんとかリタイアを免れたのだ。

 やがて仮想世界のスタート地点でコナンと諸星は会話する。実は仮想世界での諸星はなりすましで本当は人工知能〝ノアズ・アーク〟であり亡きヒロキだったのだ。コナンは諸星がヒロキである可能性に気付いていたのだ。

 汚れた政治家や医者の悪しき血を受け継いだ子供たちをリセット、つまり血を絶とうとした〝ノアズ・アーク〟ことヒロキ。しかしヒロキはどうしてもリセットすることに非情になりきれず最後でコナンにお助けキャラのホームズを召喚させたのだ。

 またヒロキの本当の目的は金持ちや汚れた親の助けを借りず自分たちの力だけでなんとか乗り切ってほしい、との思いだったのだ。コナンはヒロキと別れを告げる。

 現実世界で目覚めたコナンたち。やがて子供たちも解放される。やがてコンピューターは次々と停止していき人工知能〝ノアズ・アーク〟は自分でその命を断ったのだった・・・

♪Everlasting  B'z








 世襲制の愚かさを訴えた作品でもありますね。政治家の息子は政治家、医者の息子は医者、汚れた血は受け継がれていく、との訴えですね。そして今回の犯人は殺人者の血を受け継いでいたんですね。

 もちろん私は全員がそうではないと信じたいですが。
黒づくめの組織、ついに劇場版初登場!ドジしちゃうけどね。


『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』 (2001年・日)
名探偵コナン 天国へのカウントダウン
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:倉木麻衣 「always」
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:井上和彦
高木渉:高木渉
千葉刑事:千葉一伸
トメさん:中嶋聡彦
常盤美緒:藤田淑子
大木岩松:渡部猛
沢口ちなみ:久松綾
原佳明:橋本晃一
風間英彦:小杉十郎太
如月峰水:永井一郎
宮野明美:玉川紗己子
ウォッカ:立木文彦
ジン:堀之紀


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」

 第1作目の「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」とストーリーが少し繋がっているようですね。そして白鳥警部の声は塩沢さんから井上さんに変更されていますねー。いくらなんでも塩沢さんがお亡くなりになるの早すぎじゃありませんかね。

 今回のヒロインは蘭というより、灰原or歩美ちゃんだったような感じでしたね。歩美ちゃんが最後、かなり活躍していましたねえ。


【あらすじ】

 コナンら少年探偵団はキャンプの帰り、西多摩市のツインタワービルを訪れる。だがその後からそのタワービルで出会った男二人が殺された。やがてツインタワービルのオープンパーティにてコナン達は出席するが、そこでも事件が発生し・・・













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 江戸川コナン(高山みなみ)、灰原哀(林原めぐみ)、吉田歩美(岩居由希子)、小嶋元太(高木渉)、円谷光彦(大谷育江)ら少年探偵団は阿笠博士(緒方賢一)は西多摩にキャンプに来ていた。キャンプの夜、公衆電話で電話している灰原の姿を目撃する。

 キャンプの帰り、西多摩に新しく出来るツインタワービルに寄ってみた。なんとそこでコナンの居候先の毛利小五郎(神谷明)、毛利蘭(山崎和佳奈)、鈴木園子(松井菜桜子)と出くわす。

 小五郎はTOKIWAという会社の社長でツインタワービルオーナー、大学のゼミの後輩・常盤美緒(藤田淑子)に招待されたのだという。そのビルで市議会議員・大木岩松(渡部猛)、日本画の巨匠で富士山を描くのを得意とする如月峰水(永井一郎)、ビルの設計担当・風間英彦(小杉十郎太)、常盤の秘書・沢口ちなみ(久川綾)、TOKIWA専務の原佳明(橋本晃一)らと出会う。

 原は少年探偵団らに自分が発明した「10年後の自分の顔を見れる機械」をやってみないか、と誘う。少年探偵団は楽しみながらそれを楽しむ。コナンと哀も試させられるがどちらも「エラー」の結果に終わる。

 やがて、ツインタワービルの玄関に黒いポルシェ356Aが止まっていた、という情報を耳にする。コナンは窓から見下ろす。ポルシェ356Aはジン(堀之紀)という男の愛車でジンとその部下ウォッカ(立木文彦)は自分の身体を小さくしてしまった連中だった。彼らは黒づくめの犯罪組織に属していた。

 後日、市議会議員の大木議員が何者かに殺害された。現場には割られたお猪口が残っており目暮警部(茶風林)や白鳥刑事(塩沢兼人)らは被害者が遺したダイイングメッセージと判断する。

 一方、阿笠博士の家で夜、妙な動きをとる灰原が気になったコナン。コナンは灰原が夜、密かに組織によって殺され失踪状態とされていた姉・宮野明美(玉川紗己子)の家に危険だと知っていながら電話をかけていたのだ。哀は翌朝、コナンに謝罪するが寂しさゆえの行為だった。

 少年探偵団は大木が殺された事件を調べ始める。その過程で原佳明の家を訪れるが、そこで探偵団は原の遺体を発見する。そこに今度は割られていないお猪口が置いてあったのだ。目暮らはお猪口は犯人が置いていったものである、と断定した。

 やがてツインタワービルのオープンパーティが開かれる。目暮らは常盤美緒に延期を求めたが聞き入れられず、逆に美緒によってパーティ参加を拒否されビルの手前で身動きできずにいた。

 オープンパーティの最中、常盤美緒がステージで首吊り死体で発見される。秘書のちなみが疑われたりしたが、コナンには真犯人が判明する。

 その時であった。突如、地下4階と地上40階で爆発が発生する。パーティ出席者はエレベーターや階段で隣の塔で避難を開始する。

 コナンと蘭は避難中に黒の組織が仕掛けた爆弾で渡り廊下を破壊され、炎上する塔に取り残されてしまう。コナンと蘭が取り残された階はもはや退路を炎で塞がれていた。蘭は決死の覚悟でコナンを担いで消火栓のロープを使って下の階のガラスを突き破って下の階に行く。

 何とかビルから脱出したコナンと蘭。だが少年探偵団がまだビルに取り残されていたことが判明する。

 コナンは炎上する塔の隣の塔の渡り廊下口から大破された渡り廊下の距離をスケートボードで飛び立つ。


 やがて屋上にヘリが着陸しようとする。しかしそれを見つけた黒づくめの組織が屋上を爆破させ、ヘリの着陸を不可能にする。また、ステージ会場にも時限爆弾が仕掛けられていた。

 コナンはそのビルに残っていた常盤美緒と大木議員の殺人犯に出会う。それは如月峰水だった。峰水はツインタワービルが現れて、自分の家から富士山を見えなくなってしまった、とのことだった。コナンは峰水を眠らせる。

 隣のビルへ移る最後の手段。それはステージ会場に展覧されたスポーツカーでの脱出を図ることだった。幸いコナンはハワイで父親から車の運転を習っていたのだ。

 しかし、普通に車で飛んでも隣のビルに辿りつけない。そこでコナンは爆弾の爆発を利用して、隣のビルに移ることができるとのことだった。しかしそれには正確な爆破時間のカウントダウンを数えて走らなければならないのだった。

 コナンはカウントダウンを歩美に頼む。歩美は時間をみないでカウントダウンをすることが得意だった。歩美は「コナン君が近くにいれば大丈夫」と言っていた。

 やがて灰原が車に乗らずにカウントダウンを開始する。歩美はそれに乗じてカウントダウンを開始する。だがいつまでたっても灰原が車に乗ってこない。灰原は自分だけ死ぬつもりだったのだ。しかし元太がそれを連れ戻し車に乗せる。

 やがて歩美のカウントダウン通りに爆発。コナンは車を発進させており、その爆発を利用して隣のビルに何とか着地に成功させたのだった。

 コナンは歩美になぜカウントダウンが正確だったのか質問する。歩美は「コナン君と一緒だとドキドキして心臓の音で分かるの」と答える。

 ジンとウォッカは炎上するタワービルを見つめていた。二人は灰原殺しと共に本当の目的は黒づくめの組織の情報が詰まったコンピューターを破壊するためだった。黒づくめの組織を原佳明は裏切って告発しようとしていたのだ。だから二人は原を殺害したのだった。

 ジンは必ず哀こと宮野志保を殺す、と決意を新たにする・・・

♪always  倉木麻衣







 黒づくめの組織、やはりかっこういいですねえ・・・私はジン結構好きなんですよ。ジェームズ・モリアーティみたいなキャラで

 そしてこの映画、ふと「タワーリング・インフェルノ」を思い出しました。また、犯人の動機で古畑任三郎の木村拓哉が犯人だった回を思い出しました。
完全に、上映時間が長い映画を避けるためにこの映画を借りました。しかし思ったより和みましたね。


『くまのプーさん』 (2011・米)
くまのプーさん
スタッフ
監督:スティーブン・アンダーソン、ドン・ホール
脚本:バーニー・マティンソン
原作:A・A・ミルン「くまのプーさん」
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:ロバート・ロペス
撮影:ジュリオ・マカット
編集:リサ・リンダー
製作会社:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ
キャスト
プー:ジム・カミングス(亀山助清【歌:竹本敏彰】)
イーヨー:バド・ラッキー(石田太郎【歌:石塚勇】)
オウル:クレイグ・ファーガソン(上田敏也【歌:福沢良一】)
クリストファー・ロビン:ジャック・ブリュター(渡邉奏人)
ピグレット:トラヴィス・オーツ(小形満)
カンガ:クリスティン・アンダーソン(片岡富枝【歌:菅井美和】)
ルー:ワイアット・ホール(山田瑛瑠)
ラビット:トム・ケニー(龍田直樹)
ティガー:ジム・カミングス(玄田哲章)
ナレーション:ジョン・クリーズ(青森伸)


 スティーブン・アンダーソン、ドン・ホール監督作品「くまのプーさん」。原題タイトルは「Winnie the Pooh

 実は、私は1960~70年代ごろのくまのプーさんの映画かと思ったんですがミスして2011年版のやつを借りてしまいました。しかし私は結構、この映画もよかったと感じますね。

 しかし私はプーさんの吹き替えといえば、八代駿が定着しているんですよね。亀山さんも悪くはないんですが、私は八代さんが一番大好きです。興味本位で山田康雄によるプーさんを一回、聴いてみたいですね。

 クリストファー・ロビンは昔の映画と結構、顔とかが別人ですね。でもなんかロビンの吹き替えはそれっぽかったです。なんといっても子役の男の子が吹き替えをしていましたから。


【あらすじ】

 プーはある朝、ハチミツが底をつき腹が減っていた。そんな時、100エーカーの森で出会ったイーヨーの尻尾がない。イーヨーの尻尾のかわりになるもの探しコンテストを開かれるが、いい優勝者は決まらない。そんな時、クリストファー・ロビンが置手紙を残してどこかへ消えた。オウルによると「スグモドルという怪物に誘拐された」とのことだ。動物たちはロビンをスグモドルから救出しようと計画を立てる・・・















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ある朝、クマのプー(ジム・カミングス)は家で寝ぼけながらも目覚める。目覚めのハチミツを食べようとした思ったがミツの入っているハズの壺は全て空っぽだった。プーは腹の虫を鳴かせながらも、ハチミツを探しに外へ出る。

 これは想像力のたくましい少年、クリストファー・ロビン(ジャック・ブリュター)が自分のぬいぐるみ達を擬人化して描いた本のなかの物語の一つ。ここは100エーカーの森。外で出会ったのはロバのイーヨー(バド・ラッキー)。プーはイーヨーの尻尾が無くなっていることに気付き、たまたま近くを訪れたフクロウのオウル(クレイグ・ファーガソン)にそのことを教える。

 オウルはクリストファー・ロビンにイーヨーの尻尾が無いことを伝え森の仲間たちを集めるべきだ、と言う。やがて森の仲間たちがクリストファー・ロビンによって集められカンガルーの母カンガ(クリスティン・アンダーソン)とその息子ルー(ワイアット・ホール)、コブタのピグレット(トラヴィス・オーツ)、ウサギのラビット(トム・ケニー)らが集められる。

 クリストファー・ロビンは『イーヨーの尻尾コンテスト』というイーヨーの尻尾にかわるもので一番いいものを見つけたら賞品をプレゼント、というコンテストを開く。時計や避雷針などを尻尾につけようとするが、どれもイーヨーのお気には召さなかった。

 やがて再びハチミツを探しに出かけたプーはクリストファー・ロビンの家にやってくる。しかし当人は不在で、置き手紙が玄関の前に置かれていた。文字の読めないプーはオウルに見せて読んでもらおうとする。

 オウルは「すぐもどる」と書かれていた部分を“スグモドル”という怪物がクリストファー・ロビンを誘拐してしまったのだ、と勘違いし動物たちを惑わせついにはスグモドル捕獲計画とクリストファー・ロビン奪還計画を企てる。虎のティガ(ジム・カミングス)はスグモドルを倒そうとひとり別行動をとる。

 ラビットを指揮官としてスグモドルを落とし穴に嵌める計画を着々と進める中、プーは空腹が限界に来ていた。

 ティガは置いてけぼりにされたノロマなイーヨーを相棒としてスグモドルを捕まえようとする。だがあれやこれやしている内にティガは色々なものを身につけてしまい、その姿は怪物に見えてしまう。

 また、プーの方はついにスグモドル対策の罠に自分がはまり込んでしまい落とし穴に転落。ラビットらはなんとかしてプーを引っ張り上げることはできないだろうか、と考える。

 そこに通りかかったのはティガと再び別行動をとり自分一人で歩いていたイーヨー。イーヨーは船のイカリを新しい尻尾にしていたのだ。ラビットはそのイカリでプーを引き上げようとする。

 しかしイカリが穴に投げ込まれイーヨーはおろかその巻き添えでラビットやカンガルー親子、オウルも穴に転落する。上に残っていたのは気弱なコブタのピグレットだけだった。

 ラビットはピグレットに自分たちを助けるよう言うがピグレットにはいい案は思い浮かばない。だがクリストファー・ロビンが縄跳びを持っていることを思い出しラビットはクリストファー・ロビンの家まで縄跳びを取りにいくよう言う。

 怖い森を進むピグレットはそこで赤風船と出会う。ピグレットは赤風船を手に持っていると突如、怪物が襲い掛かってきた。一目散に逃げ込んだピグレットは落とし穴に自ら落下。また怪物も穴に転落する。しかも本の文字までもが穴に転落していった。

 やがて赤風船はどこかへ飛び立っていきもはや万策尽きてしまう。その時、プーが穴の上に壺を見つけ落ちてきた文字をハシゴに使って穴を抜け出す。ラビットらもそれに気づき続々と登り穴から脱出する。

 そこにクリストファー・ロビンが到着。クリストファー・ロビンは赤風船から穴の場所を見つけ出したのだ。ラビットは今回の仲間を守った功労賞として赤風船に賞品のハチミツをプレゼントする。プーはまだ空腹のままだった。

 プーはオウルにおすそ分けしてもらおう、と思いオウルの家へ向かう。しかしオウルの家の呼び鈴に違和感を感じたプーは家の中でオウルが呼び鈴に使っているのはイーヨーの尻尾だということに気付く。

 プーはハチミツを食べたいのを我慢してイーヨーのもとへ尻尾を届けに行ったのだ。

 イーヨーは根暗なのは相変わらずだが尻尾が戻ってきて喜ぶ。やがてプーを褒めたクリストファー・ロビンは賞品としてたっぷりハチミツの入ったでかい壺をプレゼントする。プーは壺に風呂にでも入るかのように飛び込みハチミツを楽しむのだった・・・












 最初から最後まですごいシュールな物語でした。よくギャグ漫画作品とかで手塚治虫漫画のようにマスをキャラクターが飛び越えたりするのがありますが、あんな感じです。プーとナレーターが会話しちゃったりプーが本の段落の文字に乗っかっちゃったり、段落の文字が空から落ちてきちゃったり、次のページへ行くのにプーがページの絵から次のページへの絵に飛び乗っちゃったり。

 あのプーのメタボ体型が凄い和むし癒されますね。なんでプーってとぼけた感じなのに憎めないどころか癒されるんでしょうね・・・不思議です。
久しぶりに洋画を観たような気がします。


『雨に唄えば』 (1952年・米)
雨に唄えば
スタッフ
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
脚本:アドルフ・グリーン、ベティ・カムデン
製作:アーサー・フリード
撮影:ハロルド・ロッソン
音楽:ナシオ・ハーブ・ブラウン
編集:アドリアン・フェイザン
キャスト
ドン・ロックウッド:ジーン・ケリー
キャシー・セルデン:デビー・レイノルズ
コズモ・ブラウン:ドナルド・オコナー
リナ・ラモント:ジーン・ヘイゲン
ロスコー・デクスター:ダグラス・フォウリー
シンプソン社長:ミラード・ミッチェル


 スタンリー・ドーネンとジーン・ケリー監督作品「雨に唄えば」。原題タイトルは「Singin' in the Rain

 これはミュージカル映画です。ジーン・ケリーはダンスが凄くお得意ですからミュージカルは多いんですよ。「踊る大紐育」でフランク・シナトラと共演したり。ほかにダンス俳優といえば、やはりフレッド・アステアですかねえ。

 ジーン・ケリー作品は初めて観賞しましたがこの映画で一気にジーン・ケリーが好きになりました。彼のダンスは素晴らしいですね。勿論、デビー・レイノルズとドナルド・オコナーのダンスも素晴らしい。でもジーン・ケリーのあの満面スマイルが素晴らしくいいですね。


【あらすじ】

 サイレント映画の一躍スター、ドン・ロックウッドは自分の主演映画でいつも共演するヒロインのリナとの熱愛を騒がれていてリナもそのつもりだったが、ドンは傲慢なリナを嫌い拒絶していた。ある日、ドンは舞台女優のキャシーと出会い喧嘩になる。一方、ハリウッドではトーキー映画が大流行しドンとリナも路線変更せざるを得なくなり・・・





ドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)
ドン
キャシー・セルデン(デビー・レイノルズ)
キャシー
コズモ・ブラウン(ドナルド・オコナー)
コズモ
リナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)
リナ













【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 サイレント映画の大スターであるドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)とリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)は新作プレミアで聴衆の前に立っていた。ドンはその場で、ピアノ演奏担当のコズモ・ブラウン(ドナルド・オコナー)との出会いなどを語り始める。

─ ─ ─ ─ ─

 ドンとコズモは幼馴染の間柄で二人は酒場などで踊って過ごしていた。ある日、映画製作所にてドンがスタントマンの代役をした際に『モニュメンタル・ピクチャーズ』社長のシンプソン(ミラード・ミッチェル)に認められ、やがてスターの座を登っていった。その過程でリナと出会い、リナは出会った当初から傲慢な女だった。

─ ─ ─ ─ ─

 ドンとリナは新作公演後のスピーチで挨拶をする。ドンは必死にリナを喋らせないように自分がいっぱい、スピーチをしていた。それにはワケがあった。

 リナは映画のイメージとはあまりにもかけはなれた金切り声の持ち主だったのだ。リナを喋らせれば聴衆に失望を与えてしまう、と会社の宣伝部の方針だったのだ。

 しかし世間ではドンとリナはプライベートでも関係がある、と思い込んでおりリナもその噂に乗っかって出世しようとしていた。ドンは当初から傲慢で偉そうな態度をとり嫌っている。リナに対し拒絶しているのだが、リナは全く聞く耳を持たなかった。

 パーティ会場に向かう途中、ドンは熱狂的なファンたちに囲まれてしまう。ドンは車の屋根をのぼったり、とスタントを繰り広げ、やがて女性一人が運転する一台の車に乗っけてもらう。

 その女性はキャシー・セルドン(デビー・レイノルズ)。キャシーは慌てるがドンが乗ってきた事情を知り、ひとまず冷静になる。彼女は舞台俳優志願で、声を出さずに演技しているサイレント映画の俳優を批判しはじめる。

 ドンはその言葉に不機嫌になるが、彼も負けじとただの舞台俳優か、と見下して車から降ろしてもらった。

 パーティ会場でドンは『ジャズ・シンガー』という世界初のトーキー映画がハリウッドで公開される、ということを聞く。その時は会場の面々は「こりゃ大コケするな」とタカをくくっていた。

 やがてパーティの余興として、ダンサーが登場。その中になんと先ほどのキャシーが居た。ドンはニヤニヤしながらキャシーをからかい始めた。

♪Dream of you


 キャシーは頭にきてケーキをドンの顔面にぶつけようとする。しかしドンはそれをよけてドンの背後に近づいてきたリナの顔面にぶつかる。キャシーは一目散にその場を去り、ドンは後を追うが車は去ってしまった。

 しばらく経ち、ドンは自分の行いを反省すると共に彼女の映画俳優に対する意見が忘れられなかった。ドンはキャシーに興味を持ち探していたが見つからない。それもそのはず、リナが「ドンがあの子をお気に入りだから排除したのよ」とドンに打ち明ける。ダンサーのキャシーをクビにさせたのはリナの圧力だったのだ。ドンはキャシーの人生を狂わせたリナにますます憎悪の念を向ける。

♪メイク・エム・ラフ    ドナルド・オコナー


 やがて新作『闘う騎士』の撮影中、シンプソン社長がスタジオに飛び込んできて即刻、撮影を中止しろと命じる。なんでも『ジャズ・シンガー』があまりにも好評になり、トーキー映画ブームが到来したらしい。新しい映画はトーキーにせざるを得ない、と考えたシンプソンの判断だったのだ。

 コズモは自分はクビかあ、とガッカリしていたがシンプソンが音楽担当で続けさせてくれることを約束する。

 しかしまだ欠点があった。リナの金切り声だ。その声をお披露目すればほぼ間違いなく映画は失敗に終わる。ドンとシンプソン、そしてコズモの悩みの種は尽きない。

 やがてキャシーは映画のチョイ役に出演していた際に、シンプソンの目にとまり人気女優ゼルダ・ザンダース(リタ・モレノ)の妹役を約束される。

 そのことをコズモから聞いたドンは嬉しそうにキャシーの下へ行き再会を喜ぶのだった。

 ドンはキャシーに自分のからかいを謝罪し、キャシーも俳優を侮辱したことを言いすぎた、と謝罪する。やがて高まる気持ちを抑えられないドンはキャシーをスタジオまで案内し、そこで愛の告白をする。



雨に唄えば

 やがて新作『闘う騎士』がトーキー映画ということで、ドンとリナは発声練習をしていた。監督のロスコ・デクスター(ダグラス・フォウリー)は慣れないトーキー映画作りに苦悩していた。そしてリナの金切り声も結局、どうにもならないまま撮影は終わる。
      


 新作試写会での評価は散々だった。「もう二人の映画は観ない」という意見まであった。

 家でドンは自分の俳優としての人生はもうすぐ終わりを告げる、と頭を悩ませていた。キャシーとコズモはドンを励ます。ふとコズモはドンと昔からしてきたダンスと歌を映画に取り入れることを思いつく。つまり新作映画をミュージカル映画にしよう、ということだった。

♪Good morning      ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ(?)、ドナルド・オコナー


踊る三人

 三人は斬新なアイデアに喜ぶが、リナの声はどうにもならない。コズモはキャシーの声が良いことに気付き、一回きりキャシーがリナの吹き替えをすることを思いつく。ドンはそれではキャシーが表舞台に立てない、と反発するがコズモは「一回きりだ。そして社長に許可をもらってキャスト紹介のときにリナを紹介すればいい」と説得しキャシーもドンを救うためそれに応じる。

 そしてドンはキャシーを家まで送りキスを交わした後、雨が降るなか弾むような嬉しさの心をダンスと歌で表現しだした。

♪雨に唄えば     ジーン・ケリー


雨に唄えば

 翌日、シンプソン社長はドンとコズモの意見を聞き入れ絶賛する。題名も『踊る騎士』に変更し、キャシーの紹介のことも快く了承した。そしてシンプソンはくれぐれもリナに公開のときまで内緒にするように命じる。





 作品は急ピッチで進み、完成まで間近のところまで到達する。しかしゼルダがリナに吹き替えのことを話してしまい、リナは憤慨すると共にそれを利用する案を思いつく。

 まずリナはシンプソン社長のところへ駆け込み、新聞社に根回ししてリナの名前を映画のキャスト紹介で伏せさせたのだ。反発するシンプソンに対し「自分の出演する映画の宣伝はすべて自分が権限を持つことができる」、という弁護士の教えを頼りに契約書を盾にシンプソンを脅す。

 さらにシンプソンに「あの娘はゼルダの妹役から降ろして、もしこの映画での吹き替えが好評だったら自分専属の吹き替えにさせるわ」と勝手なことを言い始める。シンプソンは怒りを抑えながらもリナに逆らうことはできなかった。

 やがて公開された新作映画は大好評。ドンもリナの"声"も好評となっていた。

 カーテンコールに出ているとき、リナは「これからもあの娘は私の専属吹き替えよ」とドンやキャシーに宣言する。ドンもリナも反発、コズモは頭がおかしいんじゃないかと詰る。シンプソンを問い詰めるドンやコズモだったがシンプソンは怒りを抑えながらもあいまいな態度をとる。

 リナは「今や私は人気女優。社長だって私に逆らえないの」と嬉しそうに演説を始めようとする。シンプソンは怒り心頭していた。リナの姿にドンはあることを思いつき、あえて止めずにスピーチへ送り出す。そしてドンはシンプソンとコズモと作戦会議をする。

 リナはスピーチを始めるがあまりにも酷い声に、観客は困惑しはじめる。ある観客の要望で歌を歌うよう言われ、リナはキャシーにカーテンの裏で吹き替えで歌うよう慌てて命じる。

 ドンもある考えを持ってキャシーに吹き替えするように言う。キャシーは「あなたと会うことは無いわ」と言い放ちカーテンの裏で吹き替えをさせられる。

 “雨に唄えば”を唄い始めるキャシーと口を合わせるリナ。タイミングを見計らってドン、コズモ、シンプソンの三人はカーテンを開けてしまう。

 キャシーが吹き替えをしていた、というリナのカラクリが分かった観客は大爆笑。さらにコズモもおふざけで歌いはじめ、観客はリナを嘲笑する。

 リナはステージから逃げ出し、ドンは泣きながら劇場を去ろうとしていたキャシーを止めてもらう。そしてキャシーこそがこの映画の主役である、ということを紹介し観客は一斉に拍手喝采をキャシーに浴びせるのだった。

涙するキャシー

 ドン、キャシー、そしておそらくコズモも映画界の新しいスタートを切れたのだった・・








 私はこの映画でデビー・レイノルズ、ジーン・ケリーが好きになったのは勿論ですがあまりにも私を笑わせてくれたドナルド・オコナーをかなり好きになりました。彼のダンスは笑いを取り、彼の一挙一動やセリフの一つ一つが結構注視して観ると面白い。

 ジーン・ケリーが雨の中、タップダンスを踊るシーンは映画界に残る名シーンとなっているそうです。確かにこのシーンは私も観ましたが、思わず体が踊ってしまって自分も訳の分からないダンスを初めてしまいました。映画館でみてなくてよかったです。

 しかし、実はこの映画でのデビー・レイノルズの声を逆にリナ役のジーン・ヘイゲンが吹き替えていたor歌っていた、という話をどっかで聴いたことがあるんですがどうなんでしょうかね。本当だったら私すごいショックなんですけど・・・
Category: 洋画ア行
瞳に映る真犯人。さあその瞳に映る犯人を思い出すことはできるのか!?


『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』 (2000年・日)
名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:小松未歩 「あなたがいるから」
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:塩沢兼人
佐藤美和子:湯屋敦子
高木渉:高木渉
千葉刑事:千葉一伸
妃英理:高島雅羅
仁野環:深見梨加
友成真:森川智之
小田切敏也:江川央生
風戸京介:井上和彦
小田切敏郎:中田浩二


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 瞳の中の暗殺者」

 一連の流れとしては次々と刑事が殺されるんですよね。それで最初は目暮警部や白鳥さんが事件の裏側を表に出さないようにするもんだから、当時はきっと警視庁の面々も犯人じゃないか?って疑われた方もいるんじゃないですか。

 そして名探偵コナン映画シリーズで白鳥刑事の声を塩沢さんが最後にアテた映画となっています。この映画公開直後に塩沢さんがお亡くなりになられて、後任は井上和彦さんになりました。井上さんはこの映画でゲスト声優をしていました。

 今回の映画のヒロインは全面的に工藤蘭って感じでした!そして眠りの小五郎が登場しなかったんですよね。


【あらすじ】

 刑事が二人、同じ手口で殺されていた。目暮警部らは毛利小五郎に事件を詳しく教えないようにしていたが、今度は佐藤刑事が何者かに狙撃されその場に偶然、居合わせていた蘭も気絶。後にその時のショックで記憶喪失になってしまう。しかし犯人は自分の顔を見てしまった蘭を執拗に狙っていた・・・


※予告編が見当たりませんでした













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ある雨の日、少年探偵団の江戸川コナン(高山みなみ)、吉田歩美(岩居由希子)、円谷光彦(大谷育江)、小嶋元太(高木渉)はコナンの居候先の毛利探偵事務所に向かっていた。

 そんな時、公衆電話で奈良沢治(島香裕)という警部補が何者かに射殺される。奈良沢はコナンにダイイング・メッセージで警察手帳の入った胸ポケットに手をやって息絶えた。

 毛利小五郎(神谷明)は目暮警部(茶風林)に事件を詳しく教えてくれ、と頼むが目暮や側近の白鳥任三郎(塩沢兼人)はそれを忙しい、などの理由で断っていた。

 やがて白鳥任三郎の妹・沙羅(大原さやか)と晴月光太郎の二人の結婚祝いのパーティが開かれる。小五郎や娘・蘭(山崎和佳奈)、蘭の親友・鈴木園子(松井菜桜子)、更に小五郎の別居している妻・妃英理(高島雅羅)らもパーティに招待される。

 小五郎は目暮の部下・高木刑事(高木渉)から事件のことを聞きだそうとする。高木は今度は、芝陽一郎(山野井仁)が奈良沢と同じように殺されたことを伝える。さらに聞き出そうとしたとき、白鳥が小五郎に「Need not to know(知る必要の無いこと)」と警察内の隠語を伝えこれ以上の詮索をしないよう警告する。

 パーティでは警視庁刑事部長の小田切敏郎(中田浩二)やその父親と反発するミュージシャンの息子・敏也(江川央生)、更に白鳥の心療科の主治医である風戸京介(井上和彦)も招待されている。

 パーティ会場のトイレでは蘭は刑事の佐藤美和子(湯屋敦子)と遭遇する。そこで突然の停電。蘭は洗面台の下から懐中電灯を発見する。

 やがて女子トイレに何者かがやってくる。その何者かは懐中電灯を頼りに美和子に銃口を向ける。美和子はそれに気づき、蘭を取り押さえようとする。

 美和子はその狙撃犯に撃たれ、負傷する。蘭は自分が懐中電灯を当てたことによって美和子が撃たれたんだ、とショック状態で気絶する。

 コナン達は女子トイレに駆け込み、小田切の指示によってホテルはすぐに封鎖される。


 パーティに残っていた面々には硝煙反応が残っていなかった。よってこの時点でパーティに残っていた面々は犯人から除外される。

 一方、佐藤刑事は未だに予断を許さない状況だった。

 やがて気絶していた蘭が意識を取り戻す。しかしなんと蘭は美和子を撃たれたショックで記憶喪失になっていたのだ。自分の両親や、コナンはおろか自分の名前も分からなかった。蘭を診療するのは風戸。風戸は根気よく続けていればいつか蘭は記憶を取り戻すだろう、と話すのだった。

 小五郎の必死の訴えにより、目暮は殺され狙われた刑事たちが問題ある医者・仁野保(内田直哉)が殺された事件を再捜査していた面々だということを教えるのだった。

 最初は仁野は手術ミス失敗を詫びての自殺だと判断されたが、仁野の妹・環(深見梨加)が兄は最低な医師なので手術ミスを詫びての自殺はありえない、と警察に証言し友成信勝(大山高男)という警部が佐藤刑事ら襲われたり殺された刑事と共に再捜査を始めたのだった。

 しかしその段階で小田切敏郎刑事部長の息子・敏也が仁野と口論していた場面が目撃され敏也の線が怪しくなっていた。一応、敏也を張り込んでいる最中に友成が心臓発作を起こし死亡。友成警部の息子・真(森川智之)は警察を批判した。目暮警部らは犯行現場での目撃情報があり、行方のわからない友成真を重要参考人として指名手配する。

 一方のコナンは蘭の記憶を取り戻す方法を考えながら、事件のことも考えていた。やがて蘭の病室に怪しい人影が移り、蘭は犯人の顔を目撃して命を狙われているのではないか、という可能性に気付く。

 蘭の記憶を取り戻すため、高木刑事を護衛としてひとまず蘭を英理のもとへ帰らせる。蘭は慣れ親しんだ米花町を通るが依然として記憶は取り戻さない。そんな蘭は"新一"という名前に引っかかりを覚えていた。蘭の恋人・工藤新一(山口勝平)のことであり、毒によって身体が小さくなったコナンの正体だった。

 ある日、蘭は駅のホームで何者かに身体を突き飛ばされ線路に落下する。電車が迫るなか、コナンは命がけで線路に飛び込み、蘭をホーム下の退避スペースに抱え込んだのだった。

 蘭は自分を命がけで助けたコナンに対しなぜここまでして自分を助けてくれるのか、という疑問とこれ以上この子を巻き込みたくない、という思いにかられる。

 コナンは小田切敏郎刑事部長の息子・小田切敏也のバンドが演奏されている会場に来ていた。そこには仁野環の姿が。環は兄の死んだ事件の真相を追っていたのだった。

 コナンは環と協力関係を結ぶ。ひとまず小田切敏郎の下へ乗り込み、敏也のことを問い質す。敏郎は「敏也が仁野保が薬を横流ししていたことを脅迫していたために口論が起こっていた」ことを素直に告白するのだった。また、敏郎は自分が奈良沢に直接再捜査を命じたということも明かす。

 また、コナンは硝煙反応が着かない方法に気付く。あらかじめ、傘を用意しそこに腕が入るくらいの穴をあけそこから撃てば服に硝煙反応は付着しないのだ。つまり、パーティ会場に残っていた人たちも容疑者に入るのだった。

 一方の蘭は"トロピカル・ランド"という遊園地の映像を見て、ここに行ったことがあるという記憶を思い出す。それは新一とデートした場所であり、新一が毒を盛られて身体が小さくなってしまった場所でもあった。

 蘭の記憶をたどるべくトロピカル・ランドに行くことになった蘭や小五郎、高木刑事ら。しかし蘭はコナンは巻き込みたくないので、彼には内緒にしておいてほしいと小五郎に口止めを頼む。

 翌朝、コナンは環のもとへ行き左利きを直した人でもたまに左利きの場面が出てしまう、ということを聞き仁野保殺しから始まった一連の事件の犯人はあの人では、という可能性に気付く。

 蘭は少年探偵団と灰原哀(林原めぐみ)、阿笠博士(緒方賢一)、毛利小五郎、高木刑事、鈴木園子と共にトロピカル・ランドに遊びに来ていた。

 蘭は遊園地内で新一の記憶を少しずつ取り戻してく。そこへ謎の着ぐるみが近づいてくる。異常に気付いた少年探偵団により着ぐるみが取り押さえられ、中に入っていたのは手配中の友成真だった。

 高木と小五郎はこれでもう蘭の命を狙う人間はいない、と安心しひとまず警視庁へ友成を移送する。少年探偵団は小五郎に褒められ嬉しがる。しかし灰原だけは不安を感じ取っていた。

 コナンは仁野が勤めていた病院の看護師に毛利小五郎のサインを餌に話を聞く。仁野は手術中に誤ってメスである医者の腕を切ってしまい、その医者から外科医の道を閉ざしただけでなく結局、その手術で患者は助からなかった、との内容だった。コナンはそれによって真犯人に辿りつく。

 コナンはすぐさま探偵事務所などに電話をかけるがつながらない。妃英里の事務所でやっと蘭がトロピカル・ランドへ行ったことを聞き、すぐさまトロピカル・ランドへ向かう。

 トロピカル・ランドでは夜のパレードが開かれていた。コナンは蘭を見つけるべく展望台からパレードをくまなく探す。そして発見したのは蘭たちと、蘭を今にも撃とうとしていたスナイパーの姿だった。

 コナンは阿笠博士の作った最新鋭のスケートボードですぐに向かおうとするが間に合わない。そこで探偵団にバッジの無線で蘭の危険を知らせる。

 探偵団は蘭に伏せるよう言い、やがて犯人は蘭を狙撃。それを庇った阿笠博士が銃弾をかすって負傷してしまう。蘭は自分のせいでまた人が巻き込まれた、とショックを受け訳も分からず逃げ出してしまう。

 コナンはスケートボードで蘭の下へ向かい途中、スケートボードを落として蘭と合流。犯人は素早く追跡してきて、コナンはボードレースのアトラクションに乗ったりして逃げる。

 そしてコナンは遊園地にある山のふもとで犯人を挑発する。姿を現したのは風戸京介だった。

 風戸は元は外科医だったのだが、手術中に仁野に自分の腕を切られ外科医としての道を閉ざし心療科に移る。しばらくして偶然、再会した際に仁野を問い詰め仁野が自分の外科医としての道を閉ざすためにわざと腕を切った、ということを知り激怒し自殺に見せかけ仁野を殺害した。

 その後、その事件が再捜査される、ということを患者の白鳥から聞き出し何としても阻止するべく、奈良沢、芝を殺し佐藤刑事も殺そうとしたのだった。奈良沢が死ぬ直前に心臓に胸を当てて息を引き取ったのは「心臓=心=心療科」を示してのことだったのだ。

 風戸はコナンと蘭を殺そうと人気のない広場まで逃げる二人を追跡。やがて広場の中心に立ったコナンと蘭を撃とうとする風戸。

 しかし、突如コナンと蘭を水が包み込む。時間になると一斉に水が中心地点を包み込む噴水広場だったのだ。そして新一と蘭はここに来たことがあったのだ。

 コナンはキック力増強シューズで缶を蹴り風戸に命中させる。そして、記憶を取り戻した蘭が追い打ちで風戸に空手の技を繰り出し、身柄を押さえる。やがてたどり着いた警察に風戸は逮捕されるのだった。

 やがて警察官たちに嬉しい一方が。生死の境をさまよっていた佐藤刑事の意識が回復したという報せだった・・・

♪あなたがいるから    小松未歩









 今回の犯人の動機に関しては同情できなくもないですが、何せあまりにも冷酷に人殺しを続けていたので犯人自身に同情は出来ないですなあ。動機は悲しくても、それ以後が酷いやつだと同情できないなあ、ってことを教えられた気がしますね。
自分の存在とはなんなのか?一度はみなさんも考えたことがありませんか?


『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 (1998年・日)
ミュウツーの逆襲
スタッフ
監督:湯山邦彦
脚本:首藤剛志
製作:吉川兆二、五十嵐智之、盛武源
製作総指揮:久保雅一、川口孝司
音楽:宮崎慎二
主題歌:小林幸子「風といっしょに」
撮影:白井久男
編集:辺見俊夫、伊藤裕
配給:東宝
キャスト
サトシ:松本梨香
ピカチュウ:大谷育江
カスミ:飯塚雅弓
タケシ:うえだゆうじ
トゲピー:こおろぎさとみ
フシギダネ:林原めぐみ
リザードン:三木眞一郎
ゼニガメ:愛河里花子
海賊風トレーナー:レイモンド・ジョンソン
ミュウツー(幼少時):森久保祥太郎
アイツー:氷上恭子
ジュンサー:西村ちなみ
ジョーイ:白石文子
ムサシ:林原めぐみ
コジロウ:三木眞一郎
ニャース:犬山イヌコ
ソラオ:古谷徹
ウミオ:高木渉
スイート:佐藤藍子
ボイジャー:小林幸子
フジ博士:秋元羊介
ミュウ:山寺宏一
サカキ:鈴置洋孝
ミュウツー:市村正親

ナレーション:石塚運昇


 湯山邦彦監督作品「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」

 ポケモン映画作品は何回か観ましたが何せ昔でほとんど記憶がありませんでした。私としてはこの映画よりエンティの映画の方が記憶に残ってますね。

 ミュウツーというのは、私は天然的なポケモンだと思ったんですがそうではなかったようですね。何と人工的に生み出されたポケモンだそうですね。

 レイモンド・ジョンソンといえば、「ポケモン言えるかな?」のあの人ですね。

 ところで、ミュウのあの可愛い声って山寺宏一だったんですか。私、それを知ってビックリしちゃいました。さすが山ちゃんだなあ、と感心しました。


【あらすじ】

 科学者のフジ博士は死んだ愛娘・アイツーを生きかえらせる研究を進めていた。その過程で、ミュウの遺伝子によってつくられた最強ポケモンだった。ミュウツーは自分の生まれた理由を問うべく、研究所を破壊。その後、ロケット団のサカキに「ポケモンは人間に使われる運命なのだ」と諭される。ミュウツーはそれに反発してサカキの下を脱し、人間に逆襲へ企てるのだった。














【以下全文ネタバレ注意】









↓四行後にネタバレ文あり




 幻のポケモン・ミュウのまつ毛が発見された。フジ博士(秋元羊介)は死んでしまった愛娘アイツー(氷上恭子)を生き返らせる研究を進めていた。フジ博士の妻(安達忍)はそんな姿を見ていられず、博士の下を去る。

 やがてミュウのコピーが生み出される。ミュウコピーは自分が何のために作られたのかを自問自答する。心の意識の中でアイツーと会話したりするが、やがて現実世界に君臨する。

 ミュウツーは強大な力で研究所を破壊。そして未だに自分がなんのために造られ何のために生まれたのか分からずにいた。

 そこに現れたのはロケット団ボスのサカキ(鈴置洋孝)。サカキはミュウツーを更に強化して他のポケモントレーナーのポケモンと戦わせる。

 ミュウツーはそれでも自分の存在理由を分からずにいた。そんなミュウツーにサカキは「ポケモンは人間に使われるために生み出された」と答えを述べる。ミュウツーはその言葉に激怒しロケット団を脱走。ミュウツーは人間への逆襲を企てる。


 旅を続けるマサラタウンのサトシ(松本梨香)とピカチュウ(大谷育江)、そしてその仲間のカスミ(飯塚雅弓)、タケシ(うえだゆうじ)達。海賊風のポケモントレーナー(レイモンド・ジョンソン)にポケモンバトルを申し込まれたりしていた。

 そんな時、カイリュー(小形満)から一通の招待状が届く。その招待状は謎の女性の3D映像が映し出され、ある島でポケモンの試合をするので招待したい、との内容だった。

 しかしその島へ行くフェリー船は波止場を仕切るボイジャー(小林幸子)によれば大嵐のために、通行不能とのことだった。またフェリー船近くのジョーイ(白石文子)も行方不明だという。何人かのポケモントレーナーは納得がいかず自分たちでポケモンのなみのりを使って島へ向かってしまう。サトシたちも行こうと思っていたが交通手段が無かった。

 そこへ、サトシの後を追っていたロケット団のムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山イヌコ)が変装して渡し船を漕いで現れる。サトシたちは宿敵?のロケット団とも知らずその船に乗り島を目指す。

 結局、途中で船は波に飲まれてしまう。サトシたちはポケモンを使って何とか島へ到着する。一方のムサシたちも島へ来ていた。

 その島にはサトシたちの他に、ウミオ(高木渉)、ソラオ(古谷徹)、スイート(佐藤藍子)の三人のポケモントレーナーが何とか辿りついていた。

 やがて招待状で映し出された女性が、ここには世界最強のトレーナーがいると明かす。そのトレーナー、というのは何とポケモンのミュウツーという存在だった。

 トレーナーたちは一斉になんでポケモンが世界最強のトレーナーなんだ!と激怒するがミュウツーは「なぜポケモンが人間のような下等な生き物に支配されるのか」と反論しトレーナーたちを超能力で苦しめる。

 そして招待状の女性を解放する。彼女はミュウツーに操られていたのだ。ミュウツーは「人間も操れるこの私が頂点に立つ」と明かした。トレーナーたちはポケモンをミュウツーに戦わせるが、ミュウツーは圧倒的な力でそれを難なく倒していた。

 さらにミュウツーはフシギバナ(大友龍三郎)、カメックス(玄田哲章)、リザードン(三木眞一郎)の三体のコピーを出現させトレーナーたちが持っている同じ三体のオリジナルと戦わせる。コピーとオリジナルの戦いではなんとコピーの方が圧倒していたのだ。

 やがてミュウツーは真っ黒なモンスターボールのようなものでトレーナーたちのポケモンを捕まえだす。ピカチューも捕まってしまうがそのモンスターボールをサトシは手に持ち続け、コピー量産機のある場所まで運ばれていく。

 サトシがコピー量産機に突っかかったことで量産機は壊れ、オリジナルのポケモンたちはコピーをとられてから解放される。

 やがてミュウツーの下にオリジナルのポケモンたちを引き連れサトシがやってくる。さらに、そこにミュウツーのオリジナルであるミュウ(山寺宏一)が君臨する。

 ミュウツーはミュウに戦いを挑み、さらにコピーポケモンを出現させ「オリジナルとコピーのどちらが強いか、決着をつけよう」とオリジナルとコピーポケモンの戦いが始まる。

 それを見ているトレーナーたちは、同じ生き物同士が戦う姿に心を痛めていた。

 しかしポケモンたちも互いに痛めつけあっていることに哀しみながら戦い続けていた。オリジナルのピカチュウはコピーのピカチュウにただぶたれるだけで、こちらからは攻撃をしていなかった。

 やがてミュウツーとミュウがついに決着をつけようとしていた。サトシはそれを止めさせるために、自ら身をとしてその間に飛び込んでしまう。

 サトシはミュウツーとミュウの攻撃によって石化してしまう。身をとしてコピーポケモンとオリジナルポケモンの戦いを止めようとした姿に、どっちのポケモンも涙する。ピカチュウも必死にサトシを元の姿に戻そうと力を振り絞りつづける。

 やがてサトシはポケモンの涙で元の姿に戻りピカチュウとハグをする。

 ミュウツーは普通の命も作られた命も互いに存在し合っていることに気付き、憎しみと決別する。サトシ達の記憶を消して、コピーポケモンたちと共にどこかへ旅立っていった。

♪風といっしょに    小林幸子









 この映画はコピーを生き物として認めていますね。映画に置いてのクローンやコピー生物というのはなかなかに怖い敵になりがちなんですけどね。この映画でのコピーの存在はいいもんですな。
コナン映画三作品目となります。江戸川コナンの秘密があばかれる!?


『名探偵コナン 世紀末の魔術師』 (1999年・日)
名探偵コナン 世紀末の魔術師
スタッフ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:B'z 「ONE」
配給:東宝
キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
工藤新一:山口勝平
服部平次:堀川りょう
遠山和葉:宮村優子
鈴木園子:松井菜桜子
阿笠博士:緒方賢一
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子
円谷光彦:大谷育江
小嶋元太:高木渉
目暮十三:茶風林
白鳥任三郎:塩沢兼人
高木渉:高木渉
鈴木史郎:松岡文雄
茶木神太郎:田中信夫
中森銀三:石塚運昇
香坂夏美:篠原恵美
沢部蔵之助:依田英助
セルゲイ・オフチンニコフ:壤晴彦
乾将一:大塚周夫
寒川竜:大塚芳忠
浦思青蘭:藤田淑子
西野真人:宮本充
怪盗キッド:山口勝平


 こだま兼嗣監督作品「名探偵コナン 世紀末の魔術師」

 コナン映画で初めて怪盗キッド、大坂探偵の二人組、灰原哀が出てきました!私は哀ちゃん好きですよ!実は歩美の方が好きなんですけど。

 序盤で殺される役にまさかの大塚芳忠。そしてなんと周夫さんまでもが。メチャクチャ豪華な顔ぶれですね。

 この映画は今までの二つに比べて地下室の洞くつ探検とかファンタジー要素が強くなった気がしますね。お決まりの洞窟の仕掛けとか、インディ・ジョーンズ殺人事件みたいな感じでしたね。


【あらすじ】

 鈴木財閥が発見したロマノフ王朝の遺産を大坂にて怪盗キッドが狙う、という予告が入る。警察やコナンらがそれらを守る任務にあたる。やがてキッドは何者かに狙撃され生死不明となる。なんとか遺産は回収されひとまず安全な神奈川へ船で運ぼうとする。














【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 鈴木財閥がロマノフ王朝の遺産「インペリアル・イースター・エッグ」を発見する。エッグはロシア皇帝が宝石商ピーター・カール・ファベルジェに皇后復活祭のために作らせた50個が発見されていた。これは51番目のエッグだったのだ。

 それが展示されることになり世間は大騒ぎになるが、なんと怪盗キッド(山口勝平)から「黄昏の獅子から暁の乙女へ 秒針のない時計が12番目の文字を刻む時 光る天の楼閣からメモリーズ・エッグをいただきに参上する」という予告文が警察に届けられる。

 展示会場は大阪。鈴木史郎(松岡文雄)会長の指名により毛利小五郎(神谷明)も警察に協力することとなる。茶木神太郎(田中信夫)が指揮を執り、怪盗キッド逮捕に執念を燃やす中森銀三(石塚運昇)はキッド逮捕を必ずせん、と息巻いていた。

 毛利小五郎に連れられ娘の毛利蘭(山崎和佳奈)、そして居候の江戸川コナン(高山みなみ)も大阪にやってくる。コナンの正体は高校生探偵・工藤新一(山口勝平)。コナンは大阪でキッドに必ず盗ませないようにする、と決意を新たにする。

 大阪でコナン達は馴染みの関西一の名探偵・服部平次(堀川りょう)とその幼馴染・遠山和葉(宮村優子)と合流する。また、蘭の親友で鈴木会長の娘・鈴木園子(松井菜桜子)とも合流する。

 依頼主・鈴木会長と面会する一行。コナンはエッグは数億円はくだらない価値だと聞き、今までのキッドの犯行から、キッドがどうしても金目当ての犯行とは思えなかった。

 また、このエッグを求め他にもロシア大使館第一書記官のセルゲイ・オフチンニコフ(壤晴彦)、美術商の乾将一(大塚周夫)、フリーの映像作家の寒川竜(大塚芳忠)、ロマノフ王朝研究家の浦思青蘭(藤田淑子)らもそのエッグの価値を狙っていた。また、会長秘書の西野真人(宮本充)とも出会う。

 毛利小五郎は予告状の暗号を読み取りキッドが盗みにくる、という時間を特定する。しかしコナンは何か引っかかるものを感じていた。

 やがてコナンと平次は大阪の街をぶらつきながら服部が「天の楼閣は、大阪城」という可能性に気付く。さらにコナンは小五郎が気づいたのはキッドが仕組んだ囮で、本当はもうすぐ盗みにくるということに気付いたのだった。

 コナンと平次は急いで展示会場に戻るが、なんと中森警部がキッドに盗ませないために誰にも知らせずにどこかに隠れて警備しているのだった。

 するとキッドは停電を引き起こす。キッドは通天閣(=天の楼閣)の上から停電した際に非常電灯をつけた公共施設以外のビルこそがエッグが管理されている場所を探し、そこがエッグが管理されている場所なのだった。

 キッドはバングライダーで逃亡を図る。見つけたコナンと平次は平次のバイクで追跡するが途中で、平次は事故を起こして動けなくなってしまう。コナンは救急車を通報してもらい、引き続きキッドをスケートボードで追い続けるがなんとキッドが右目を狙撃され海へ落ちてしまう。キッドの手懐けている怪我をした白いハト、片眼鏡も落ちておりその後のキッドの行方は不明だった。

 エッグを取り返すことには成功したが警察の大捜査でもキッドの行方をつかむことはできなかった。

 展示を中止しエッグの傷を東京へ運ぶことに決めた鈴木会長。東京行きの豪華客船にはエッグを狙う連中や西野秘書も乗っていた。

 また、エッグをかつて所有していた香坂家。その香坂家の令嬢・パティシエールの香坂夏美(篠原恵美)とその執事・沢部蔵之助(依田英助)も客船に乗り込んでいた。

 夏美は曾祖父・香坂喜市の作ったエッグの設計図を面々に見せる。コナンはそれにより51個目のほかにもう一つ、52個目のエッグの存在にも気付く。その52個目はおそらく香坂家の邸宅にあるという予測をコナンたちは立てる。

 そんななか、映像作家の寒川竜が右目を撃たれて死んでいた。警視庁から目暮警部(茶風林)、高木刑事(高木渉)、休暇を返上した白鳥任三郎(塩沢兼人)が船にヘリで乗り込んでくる。寒川の部屋から西野のボールペンが見つかり、一時は西野が疑われる。また、西野は寒川に恨まれる理由もあったのだ。

 コナンは右目を撃たれて死んでいる、という特徴に見覚えがあり知り合いの阿笠博士(緒方賢一)に電話して調査を依頼。

 阿笠は“スコーピオン”というロマノフ王朝の遺産を狙う強盗殺人犯が国際指名手配されており、スコーピオンは必ず殺す際に、相手の右目を撃って殺すという特徴があった、ということをコナンに報告する。

 コナンは西野が羽毛アレルギーである、ということに気付き犯人ではない、とあばく。そして寒川はスコーピオンに殺されたのだ、とも明かす。とにかく明日、白鳥が同行してその香坂家の城へ向かうことになった。

 香坂の城にはコナン、蘭、小五郎、乾将一、浦思春蘭、セルゲイ・オフチンニコフそして白鳥も同行。更にコナンの頼みで阿笠と灰原哀(林原めぐみ)、そしてその車に潜んでいたコナンが所属する少年探偵団のメンバー、吉田歩美(岩居由希子)、円谷光彦(大谷育江)、小嶋元太(高木渉)の三人も城へ来てしまう。

 小五郎は少年探偵団と阿笠博士に城に入らず待っているんだ、と命じる。城に入って早速、絵画の裏の隠しスペースにある宝を見つけた乾将一。乾はそれを盗もうとするが、この家を建てたロマノフ王朝の細工職人・香坂喜市の仕掛けにより乾は死にかける。

 コナンはその部屋で地下室への隠し扉のパスワードロック装置を見つける。それは暗号を入力するものだった。夏美が遠い昔にずっと印象的に覚えていた言葉「バルシェ、ニクカッタベカ」の存在をコナンは思い出し、コナンはその言葉をセルゲイにロシア語でそんなものはないかと問う。

 その言葉に答えたのは春蘭だった。春蘭は「ヴァルシェーブニック カンツァー ベカ」じゃないか、と言いセルゲイは納得。その意味は「世紀末の魔術師」だったのだ。セルゲイはそれをアルファベットで入力し、地下室の扉を開放する。

 地下室は洞窟になっていた。一行は洞窟を進んでいき、やがてロシア人女性で喜市の妻、夏美の曾祖母の遺体を発見する。コナンらは少年探偵団と合流。その女性は重要な52番目のエッグを大事そうに抱えていた。

 コナンらは52個目のエッグはマトリョーシカ式で51番目のエッグを52番目のなかに入れて一つのエッグとなる。そしてエッグを近くの台座に設置。すると天井いっぱいにロシア皇帝一家の仲睦まじい想い出の写真が次々と写し出される。

 一方、スコーピオンが銃のサプレッサーを装着している際に、たまたまそれを乾が目撃する。スコーピオンは乾を殺害する。

 やがてスコーピオンが小五郎の右目を狙って狙撃。コナンはそれに気づき、小五郎に回避させる。今度は蘭が狙われている。コナンは蘭に飛びかかりなんとか回避。みんなに伏せさせる。

 スコーピオンは逃亡し、地下室の入り口をふさいで城に火を放つ。コナンと白鳥はそれを追いかけ、コナンはスコーピオンに追いつく。

 そしてコナンはスコーピオンを挑発し、銃を5発撃たせる。そしてコナンはスコーピオンの前に現れる。スコーピオンは浦思青蘭だったのだ。実は青蘭はロマノフ王朝破滅を導いた怪僧グレゴリー・ラスプーチンの子孫だったのだ。ラスプーチンはロマノフ王朝滅亡前に暗殺され遺体は右目が潰されていたのだ。

 青蘭は中国名の読み方で“プース・チンラン”だったのだ。青蘭は先祖の復讐をするためにロマノフ王朝の遺産を集め奪い殺す際は右目を撃ちぬいていたのだ。青蘭は自分の正体がバレかけたために、寒川を殺害し乾も殺害する。

 城が燃えるなか、コナンは「乾さん、蘭、小五郎、そして先ほどの5発でアンタの弾丸はもうない」と言って銃口をこちらに向ける青蘭を挑発。しかし青蘭の拳銃にはもう一発、残っていたのだ。

 青蘭はコナンの右目を撃つが弾丸は弾かれる。なんとコナンの眼鏡は阿笠博士の改造で防弾性になっていたのだ。何者かの助力も得てコナンは青蘭を捕まえる。やがて到着した白鳥が青蘭を取り押さえる。

 洞窟の別の出口から抜け出したコナンと白鳥以外のメンバー。コナンは既に外に出ており、少年探偵団の呼び声に応じるのだった。

 事件も一段落し事務所に戻ったコナンと蘭。蘭はコナンに新一ではないか、という本当の思っているところを問い質す。コナンはもう隠しきれない、と打ち明けようとした時だった。

 そこへなんと新一が現れる。コナンはその新一と外へ出て、二人で話す。

 19世紀末の魔術師・香坂喜市を尊敬していた。香坂はなんとロマノフ王朝最後の皇帝の娘・マリアと日本へ渡り神奈川の城で暮らしていたのだ。元々、エッグが香坂のものであると知っていたキッドは鈴木財閥からエッグを盗み出し、元の香坂家へ帰そうとしていたのだ。キッドは狙撃されたあと、白鳥警部に化けてコナンに接触を図っていたのだ。

 キッドは去り、コナンはなぜ、自分に手助けしたのか気付いていた。それはコナンが怪我したハトを蘭に手当してもらっていたからだ。

ONE      B'z










 本当の宝は個々の想い出、そしてそれを表してくれる絵や写真などなんですよ。その想い出と言うのはどんなに価値が高いものより勝る、ということですね。
映画「第五福竜丸」。実際にあった事件ですね。


『第五福竜丸』 (1959年・日)
第五福竜丸
スタッフ
監督:新藤兼人
脚本:八木保太郎、新藤兼人
製作:絲屋寿雄、若山一夫、山田典吾、能登節雄
音楽:林光
撮影:植松永吉、武井大
配給:大映
キャスト
久保山愛吉:宇野重吉
久保山しず:乙羽信子
久保山きよ:毛利菊枝
見島忠夫:稲葉義男
木下博士:千田是也
熊谷博士:木下寅彦
美波博士:原保美
西山与市:松本染升
静岡県知事:小沢栄太郎


 新藤兼人監督作品「第五福竜丸」

 原爆投下以来、反原爆の訴えを貫いてきた新藤兼人監督らしい作品でした。新藤監督といえば、「原爆の子」という映画でお馴染みだそうです。

 新藤監督作品の常連俳優、宇野重吉・乙羽信子のコンビ。乙羽信子は後に新藤監督と結婚されます。

 この事件については「第五福竜丸」を参照されたし。


【あらすじ】

 漁船・第五福竜丸は焼津港を出発しミッドウェーへ遠洋漁業に行くが思ったように魚が獲れなかった。そこでなんとかマグロを獲らん、と北のビキニ島付近まで行ってから港へ帰ろうとしていた。しかしビキニ島付近で突如、警告なしのピカドン(原爆)に遭遇。船員は放射能を浴びて港へ帰っていく・・・














【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 漁船・第五福竜丸は二十三名の船員を乗せ遠洋漁業のために焼津港を出発する。船員の家族や関係者は港で船が見えなくなるまで手を振って見送っていた。

第五福竜丸の乗組員たち

 船長が若く、代わりに船内での権限を持つ漁労長の見島忠夫(稲葉義男)は漁労組合と相談し賭けのつもりでミッドウェーの方まで大漁を狙いに行こう!と船員に号令する。あまり乗り気でない船員に対し船員の信頼がとても厚い無線長の久保山愛吉(宇野重吉)が説得することで一同は漁労長の意見に従うことになる。

 しかし肝心のミッドウェーでは鮫ばかりとれて儲けにならなかった。船内で会議し、北へ進みビキニ付近で漁をしてから焼津港へ帰ろう、ということになる。

 1954年(昭和29年)3月1日午前3時42分。眠りについていた船員たちを突如、閃光が襲う。外に出た船員たちはキノコのような雲を遠くに見つける。六、七分後、轟音があたりを響かせた。久保山らはすぐにピカドン(原爆)である、ということに気付き船の進行方向を変える。

 やがて空から白い粉が降り注いでくる。ある船員は、雪か?灰か?などと言ったりしていた。

 久保山は付近にいるかもしれないアメリカ軍にスパイ容疑を疑われたくなかったためにあえて、無線でその場で報告することはやめておく。

 漁を中断した第五福竜丸は3月14日に焼津港に帰港。戻ってきた船員たちは肌が黒ずみ、髪も抜けだしていた。船の親元である西山与市(松本染升)はすぐに異常な状況に気付いて、久保山らに何があったかを問い質す。久保山はピカドンに遭遇した、ということを話しとりあえず焼津協立病院に診察してもらうことになる。

 外科医師の大宮医師(永井智雄)は原爆症の可能性もある、として東京の病院に酷い容体の船員を二名、行かせることを勧め紹介状を書く。二名の船員はピカドンの後に降ってきた灰を回収した袋を持って東京の病院に向かう。大宮医師はとりあえず黒ずんだ船員たちにヤケド直しのような薬を与える。

 東京の病院で医師は原爆症の恐れがある、と診断する。

 その夜、船員たちはそれぞれ女と楽しんだり、近所に今回の漁でとったマグロを切ったのをいくつか配ってまわったりしていた。

 一方、船員がピカドンを見た日にアメリカで専門家たちによってビキニ環礁で水爆実験を行っていたことに気付いた人が知り合いの記者に知らせ、記者はそれを記事にする。

 翌日、マスコミの報道により水爆実験の放射能を福竜丸があびた、ということが世間に明らかとなる。静岡県知事(小沢栄太郎)らはすぐに対処。医師や科学者を焼津に呼び寄せ診断させる。原爆の専門家などによる検査で船員と福竜丸に多量の放射能を検知する。

 やがてアメリカからも科学者や原爆障害調査委員会所長(ハロルド・コンウェイ)や科学者のアイゼンバーグ(ジョン・ハーディング)らがやってきた。

 しかし実はアメリカは水爆による被害であることを認めるのに消極的であり診断というより、調査のようなものであった。またアメリカは水爆実験を行う、と日本に警告していなかったことや海上保安庁が禁止区域外であったことを発表し、日本国内では原爆投下以来、進んでいた反原爆運動が高まると同時に焼津のマグロが風評被害にあうようになる。

 やがて県知事や助役(殿山泰司)、美波博士(原保美)らの説得により船員たちは東京の大きな病院に移される。大黒柱を失った家庭では県や国に資金援助されながらも妻が働かざるを得なかった。久保山愛吉も妻・しず(乙羽信子)や子供たちと別れざるを得なくなる。

 木下博士(千田是也)は患者に絶対に治してやる、との心意気で挑んでおり久保山愛吉とすぐに打ち解け話すようになる。また、熊谷博士(浜田寅彦)は灰を調べ含まれていた物質を発表する。その発表はアメリカにとってはローゼンバーグ夫妻(「ローゼンバーグ事件」を参照されたし)を処刑してまで隠そうとした軍事上の秘密を明かされるのでは、とヒヤヒヤしていた、という国内の報道もあった。

 やがて時が経つにつれ東京の病院に収容された船員たちもよくなっていく。しかし久保山愛吉にはなかなか回復の兆候が見られず、木下博士は困惑していた。おそらく久保山が四十代で船員のなかで一番、最年長であり歳のせいだろう、とのことだった。

 また、国内では船員たちを励ます声がとても多く学生たちが見舞いに来たりもしていた。そして焼津のマグロの風評被害も少なくなってきていた。船員はそれをテレビで見て喜んでいた。

 久保山愛吉は妻・しずにもうすぐよくなって帰れるでしょう、という手紙を書く。

 ある日、愛吉は突如、苦しみだす。しずは愛吉の母・久保山きぬ(毛利菊枝)と共に病室に駆け込み、夫の容体を見守る。愛吉は船でのピカドンの夢に苦しみながら、やがて意識を取り戻す。愛吉は「まだ死なない。オラはまた海に出るんだ」と母きぬに約束する。

 しずは愛吉が持ち直した、ということに安堵しひとまず焼津に戻る。しかし戻った直後、今度は愛吉が危篤である、ということを聞いて再び東京の病院に向かう。

 愛吉はこれまでにないほど苦しみ、やがて「身体の下に、高圧線が通っている・・・!」と絶叫し息絶えた。その部屋にいる者はみな涙し、木下博士は一人、退室し嗚咽する。そして久保山愛吉の遺体は解剖されるのだった。

 久保山愛吉の葬儀は派手なものとなり、米大使代理(ピーター・ウィリアムス)なども出席していた。

 遺骨は東京から静岡の焼津に戻るまで列車でしずが運ぶ。各停車駅で学生や県知事が花束をしずに渡す。焼津駅前では地元の住民たちが愛吉の遺骨を迎えるように並んでいたのだった。

 学生たちは「原爆を許すまじ」の歌を合唱し、平和の象徴であるハトを青い空へ飛び立たせるのだった・・

♪原爆を許すまじ









 原爆廃絶を痛烈に訴えた新藤監督の作品。胸に響くものがあります。決してこの映画で原爆を無くせ!無くせ!と直接的にいっている表現はそんなにありません。我々が自然とそういう思いになるようにうまく作っているんですよ。だからこそ直接的より充分、心に響き脳に焼つくんですよね。

 しかし私は、原爆を無くしてほしい、とは思っているんですがどうしてもそれは無理だ、という考えもあるんですよね。人間はいつまでも兵器と兵器の戦争を懲りずに続けていくのでしょうから、枯葉剤、原爆、毒、これらの兵器が無くなることはありえない、と思います。そして、そんなことを思ってしまう自分がとても憎いですね。

 この映画でのアメリカ政府のなんとか水爆被害の事実を隠ぺいしようとする姿が今の原発に対する日本政府と重ねあわされてしまって怖いものを感じました。もしかしたら今のような状況だからこそ、この映画を観た人には評価されやすいかもしれませんね。
Category: 邦画タ行
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