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サイレント映画超短編シリーズ。


『ソリのある風景』 (1898年・米)


 原題タイトルは「Sleighing scene

 ニューヨークはセントラル・パークでソリをする人数名。ほかは馬車。19世紀末は未だ交通の手段が馬車だったようです。

 調べたら動画元は1897年と書かれていますがこれは正しくないようで正しくは1898年のようです。
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サイレント映画超短編シリーズ。


『スタンフォード大学』 (1897年・米)


 原題タイトル『Stanford University, California

 1897年にスタンフォード大学の門を撮影した映画です。詳しいスタッフなどは残念ながら不明です。

 天下のスタンフォードとあるだけに皆さんとてもオサレですねえ・・
Category: 洋画サ行
サイレント映画超短編シリーズ。


『一人の釣り人』 (1896年・米)

スタッフ
監督:ジェームズ・H・ホワイト
脚本:エドワード・ライス


 ジェームズ・H・ホワイト監督作品「一人の釣り人」。原題タイトルは「Lone Fisherman

 一人の釣り人が釣りをしてたらいきなり驚かされて川に突き落とされちゃうわけです。要はイタズラを撮った映画ですね。
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怪獣、宇宙船、巨大ヒーローが出てこない特撮映画。ただしただの特撮ではなく命のドラマ。


『世界大戦争』 (1961年・日)
世界大戦争
スタッフ
監督:松林宗恵
脚本:八住利雄、馬淵薫
製作:藤本真澄、田中友幸
音楽:團伊玖磨
撮影:西垣六郎
編集:岩下広一
製作会社:東宝
配給:東宝
キャスト
田村茂吉:フランキー堺
高野:宝田明
田村冴子:星由里子
田村お由:乙羽信子
江原早苗:白川由美
江原:笠智衆
田村一郎:阿部浩司
田村春子:富永裕子
有村:石田茂樹
おはる:中北千枝子
鈴江:坂部尚子
ワトキンス:ジェリー伊藤
芋屋の爺さん:織田政雄
東京防衛司令部司令官:高田稔
片瀬外務大臣:上原謙
防衛庁長官:河津清三郎
和田官房長官:中村伸郎
笠置丸船長:東野英治郎
桃井首相:山村聰


 松林宗恵監督作品「世界大戦争」。

 反戦映画であり、反核映画、そして特撮映画であり命の映画である。しかしこの映画は特撮云々のシーンではなく、日常に生きる人が無理矢理、戦争に関わらされどんな思いをするか、どんな事になるか、それを次回の大戦を起こさないように、という戒めの為につくられたのでしょう。

 現在、朝鮮半島の情勢が思わしくありません。平和に浸かり、危機に目を背ける、あるいは危機を認識しないことは私としては間違い、とまでは言いませんが明日にでも第三次世界大戦が起こるかもしれない、という可能性は絶対に無い、なんてことはありえません。まあ、そんな事を言ったら日常を送りにくくなってしまうのですが。

 当時は公開前年にベルリンの壁が構築され、キューバ危機があったそうです。冷戦真っ盛り。いつ世界の情勢がクルリと変化し、核戦争が勃発するか分からない、そんな危機的な事態だったのでしょう。

 松林宗恵監督は元海軍士官であり僧侶でもあります。彼は「東京のえくぼ」(1952)で監督デビューし、森繁久彌の社長シリーズでお馴染みの監督です。しかし彼は戦争映画が本当に得意だそうです。彼は自分の作品に仏心を取り入れようといつも、そういった映画を作りました。2009年にお亡くなりになってます。

 フランキー堺は俳優としても活動してた人物ですが、元は喜劇俳優です。喜劇が得意な人ですね。しかし社会的な映画でもうまく演技できるのだから当時の俳優たちは凄いですねえ。


【あらすじ】

 太平洋戦争終結から16年の日本。一方、世界情勢は同盟国と連邦国の二派に分かれ世界のどこかで戦争に発展しそうな出来事が勃発していた。いつ核戦争が始まるとも分からない。核ミサイルは両勢力とも発射待機の状態にあった。日本は被爆国として二勢力に平和的解決の仲介をしようとする・・・


♪世界大戦争主題歌














【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 太平洋戦争終結から16年後の日本。日本は驚異的なスピードで復興した。

 田村茂吉(フランキー堺)は妻・お由(乙羽信子)、娘の冴子(星由里子)、春江(富永裕子)、息子の一郎(阿部浩司)ら家族の幸せを願い家族で笑いを絶やさなかった。

 茂吉は外国人記者のプレスセンター〈団体や企業の情報交換の施設〉専属運転手をしていた。彼が専属している記者・ワトキンス(ジェリー伊藤)は現在の国際情勢が危ういことと、いつ戦争が起きようかという状況だが戦争だけは起こさない、という決意を茂吉に話す。

 現在、世界は連邦国側と同盟国側の二大勢力に分かれていた。同盟国陣営の訓練で連邦国の潜水艦が乱入し、潜水艦が捕らえられたことで更に二つの勢力に緊張が走る。

 両勢力とも現在、核弾頭を発射待機中、というボタンを押せば核弾頭が発射される状況にあった。

 そんな中で茂吉は娘・冴子と船員で家の下宿人・高野(宝田明)が結婚したい、という思いを持っていることを知り二人の結婚を承諾する。

 また、高野の恩師である船の料理人・江原(笠智衆)の娘・早苗(白川由美)の経営する保育園に寄り、江原から命あることが嬉しい限りだ、という会話を聞く。

 桃井首相(山村聰)は片瀬外務大臣(上原謙)、防衛庁長官(河津清三郎)、和田官房長官(中村伸郎)ら閣僚と協議を重ねる。なんとか戦争と、核の使用は止めるように、と両勢力にかけあっていた。

 ワトキンスは緊迫する経緯38度線の調査に向かう。数日後、ついに実戦で小型の核弾頭が使用され両勢力は核戦争の開戦寸前状態に陥る。

 しかし本当は誰もが戦争など望んでいない。連邦軍発射指令(ハロルド・コンウェイ)も大統領命令が下り発射ボタンを押してしまう。しかしその命令は機械の故障によるもので、本当はその命令はなかった。指令はすぐに発射装置の電源を落とし、発射寸前で何とか発射がキャンセルされる。指令は発射前に間に合って安堵していた。

 一方の同盟軍側も核施設で雪崩が発生し発射されそうな事態になったが、兵士たちの奮闘により何とか阻止される。

 やがて日本の奮闘もあり南北朝鮮が停戦状態となった。戦争は一時回避され人々は喜ぶ。病を推して奮闘した桃井も喜ぶ。

 しかし北極海上で再び戦闘機と戦闘機の戦闘が行われてしまう。こうして再び連邦国と同盟国の戦争が再開されてしまう。

 日本政府の努力も空しくロケットの照準を日本に当てられる、という最悪の事態に陥ってしまった。

 高野は横浜で冴子と一晩過ごし再び船で日本を出発してしまう。その後、日本政府によりロケットのことが発表され国民は大混乱に陥る。

 田村家の近所たちも一斉に東京から避難を開始するが交通は崩壊寸前。早苗の保育園に娘・鈴江(坂部尚子)を引き取りに来ようとした母・おはる(中北千枝子)も電話で娘と会話する。
「かあちゃん!」
「あ!鈴江!元気な声だね!病気治ったんだね!うんうん、うん良かったね!」
「かあちゃん!動物園行こうよ!」
「ああ、そうだったね!クリームパン買っていくよ!ゆで卵もたくさんね!」
「早く来て、かあちゃん!」
「鈴江!すぐ行くから待っててね!母ちゃんが鈴江と会うまで何も起こりゃしないよ!起こるもんかね!」
しかしおはるが鈴江の下に辿りつくことはできなかった・・

 茂吉たちは最後の晩餐を開いていた。田村家の面々は東京の自分たちの家を離れずにここで最期を迎えよう、という決意を胸に秘めていた。茂吉も「俺たちが何したってんだ。悪いことしたわけじゃないんだから逃げる必要はねえ」と言う。

 冴子は遠い海に居る高野と最後にアマチュア無線で会話する。
「サエコ・サエコ・コウフクダッタネ」
「タカノサン・アリガトウ」

 そして茂吉は最後の晩餐を終えてから、二階に昇り夕陽を見つめて叫ぶ。
「俺たちは絶対死なねえ!原爆でも水爆でも来てみやがれ!俺たちの幸せに指一本ささせねえから!俺たちは生きてんだチキショウッ!!」
「母ちゃんには別荘を建ててやるんだ! 冴子には凄い婚礼をさせてやるんだ! 春江はスチュワーデスになるんだ! 一郎には大学に行かせてやるんだ! 俺の行けなかった大学に……!!」

 その日の夜、核ミサイルが発射され東京に墜落。閃光がピカリと光り炎が東京を包みキノコ雲があがった。その日、第三次世界大戦が開戦した。

 笠置丸船長(東野英治郎)は船員たちの意見を聞き東京へ引き返すことを号令する。船に乗っていた料理人の江原は
「人間には誰にも生きていく権利があるというのになあ。それを同じ人間が奪い取るなんて、どっか間違ったんだ。みんなが今、東京に帰りたいと言うように『生きていたい』と言えば良かったんだ。もっと早く人間みんなが声を揃えて『戦争は嫌だ。戦争は止めよう』と言えば良かったんだ・・・。人間は素晴らしいもんだがなあ・・・。一人もいなくなるんですか・・・、地球上に・・・」
 そう残念そうにつぶやく。高野は壊滅した東京へ向かう船で涙を浮かべ、江原もどこか遠くを見つめるのだった。







悲しいけどバカバカしい物語でしたね。いや映画のストーリーにチャチをつけているんじゃなくて、誰もが戦争を望んでいないのに疑心暗鬼になって核ミサイルを撃ち込んで自分たちの種族を自分たちの手で皆殺しにしてしまう。その結果、一体だれが得するのか・・遠い未来で人間という生物がいたけど、実は同じ種族同士で核戦争で撃ちあって絶滅したんだ。なんて恥ずかしい歴史を残すんでしょうか?

 ちょっと説教くさいのはここまで。ではこの映画について語りましょう。私の説明文では田村家の日常部分は大幅にカットしてあるため、私の感じた「日常に絡む戦争」という部分が分かりにくくなってしまいましたね。映画では分かると思います。戦場のない日常に暮らす人々が戦争に苦しめられる姿を。そんな姿を松林監督は訴えたかったんだと思います。

「母ちゃんには別荘を建ててやるんだ! 冴子には凄い婚礼をさせてやるんだ! 春江はスチュワーデスになるんだ! 一郎には大学に行かせてやるんだ! 俺の行けなかった大学に……!!」は音声でのみ下の動画で聞けます。
02:11~3:28ごろ


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ギャング映画なんだけど・・ただのギャング映画とは違います。人間と犯罪の物語です。


『汚れた顔の天使』 (1938年・米)
汚れた顔の天使
スタッフ
監督:マイケル・カーティス
脚本:ジョン・ウェクスリー、ウォーレン・ダフ
 アンクレジット:ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー
原案:ローランド・ブラウン
製作:サミュエル・ビショフ
音楽:マックス・スタイナー
撮影:ソル・ポリート
編集:オーウェン・マークス
配給:ワーナー・ブラザーズ
キャスト
ロッキー・サリバン:ジェームズ・キャグニー
ジェリー・コノリー:パット・オブライエン
ジム・フレイザー:ハンフリー・ボガート
ローリー・ファーガソン:アン・シェリダン
ソーピー:ビリー・ハロップ
ビム:レオ・ゴーシー
マック・キーファー:ジョージ・バンクロフト


 マイケル・カーティス監督作品「汚れた顔の天使」。原題タイトルは「Angels with Dirty Faces

 当時は流行っていたギャング映画の一つです。しかし前述したとおり、ただのギャング映画で終わらないところが名作と言えるでしょうね。

 マイケル・カーティスは本当に偉大な名監督です。私はこの人の作品ならやっぱり「カサブランカ」(1942)が好きですねえ・・

 主演はジェームズ・キャグニー。私、ギャング俳優って結構大好きなんですがこの人がまたいいギャング俳優なんですよねえ。この映画では友達役のパット・オブライエンが居ますがオブライエンとはプレイベートでも付き合いの良い友達の関係だったようです。キャグニーは「民衆の敵」(1931)で既にギャングスター俳優としての地位を手に入れてました。


【あらすじ】

 町の悪がきであるロッキー・サリバンとジェリー・コリノは二人で悪さをして遊んでいた。しかしある日、貨車の万年筆を盗もうとして失敗。ロッキーはジェリーより少し足が遅く警察に捕まってしまう。その後、ロッキーは逮捕され少年鑑別院に贈られやがてギャングの道へ進む。ある日、ロッキーとジェリーは再会。ジェリーは聖職者となっていたがジェリーの教え子の不良たちがロッキー・サリバンを崇拝しており・・・














【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 町の悪がきであるロッキー・サリバン(ジェームズ・キャグニー)とジェリー・コノリー(パット・オブライエン)の二人組はわんぱく娘のローリー・ファーガソン(アン・シェリダン)をからかったりして遊んでいた。

 お金のない二人は貨車の車庫に忍び込み万年筆が積まれた貨車に辿りつく。二人はそこに忍び込み万年筆を盗もうとするが見張りに見つかり警官を呼ばれてしまう。逃亡を図る二人だったが少しジェリーの方が足が速くロッキーだけが警官に捕まってしまった。

 捕まった後、少年鑑別院に贈られたロッキー。自首しようとするジェリーを止めるのだった。

 その後、ロッキー・サリバンは犯罪を重ねる人生を送りやがて巷では有名なギャングに成り下がってしまった。やがて知り合いの悪徳弁護士ジム・フレイザー(ハンフリー・ボガート)の命令でしばらく服役するロッキー。シャバでの金稼ぎをフレイザーに任せロッキーは服役する。

 出所後、ロッキーは旧友ジェリーの元を訪ねる。ジェリーは現在、神父をしており二人は再会を喜び合う。

 ジェリーの紹介により下宿を紹介されるロッキー。ロッキーはその下宿を営むローリーとも再会。ローリーにかつての借り、として引っぱたかれてしまう。ロッキーは変わらぬ彼女に微笑してしまう。

 フレイザーの元を訪ねる。フレイザーはカジノを経営していた。ロッキーはフレイザーに出所したから約束通り金の分け前と今後の仕事の世話をしろ、と言う。しかしフレイザーは焦りながら今、マック・キーファー(ジョージ・バンクロフト)の部下をしているからそう簡単に金は動かせないし仕事の世話も一端の俺にはできない、と言う。ロッキーはそれを一蹴し何とかするよう言う。

 やがてフレイザーの下に丁度キーファーがやってきた。キーファーとロッキーは一緒に退室。フレイザーはすぐにロッキーを部下に始末させようとする。

 ロッキーが下宿に帰って来た時、ソーピー(ビリー・ハロップ)やビム(レオ・ゴーシー)の悪がき達に財布をすられてしまう。

 ソーピーやビムは隠れ家にて他の悪がき達と合流。財布の金を山分けしようとするが、その隠れ家をロッキーが突き止めて悪がき達から回収する。

 なぜ、ここが分かったのか問い詰める不良たちにロッキーは自分が昔、この界隈で悪さをしていたロッキー・サリバンであることを打ち明ける。不良たちは一気にロッキーを尊敬のまなざしで見つめる。

 その後、ロッキーは不良たちに自分の部屋でトーストなどをおごってやる。その部屋へ今度はジェリーがやってきた。ジェリーは不良たちにバスケットボールの試合をさぼるな、と説教たれる。しかし不良たちはジェリーの言うことを聞かなかった。

 機転を利かせたロッキーはバスケの試合で相手に勝ったら賞金をやる、負けたらよこせ、と賭けを持ち出す。不良たちはそれに乗り、すぐさまバスケの試合に戻って行った。ジェリーはロッキーが機転を利かせてくれたことに感謝する。

 しかし不良たちのバスケの試合はルールは守らない、暴力は振るうなどで散々。見かねたロッキーは不良たちにルールを守らずにやればその都度、仕置きをすることで不良の子供たちにルールを守らせる。

 結果は不良の子供たちの負け。ロッキーはまた別の試合で勝てば賞金はやるぞ、と言い子供たちにバスケに夢中にさせるように仕向けたのだった。

 帰り道、たまたま子供たちの試合を見ていたローリーと共に帰宅する。ローリーの旦那はチンピラで警察との撃ちあいで死んでしまったのだ、という。

そんな会話をしながら下宿屋に着くロッキーとローリーだったが、ロッキーは下宿屋の前に自分を殺そうとする殺し屋が張り込んでいる、ことに気付く。

 すぐにローリーと別の場所で別れ、近くの薬屋に入り込むロッキー。

 一方、ロッキーを殺そうとしていた殺し屋たち。薬屋に電話をかけて電話ボックスにロッキーを入れてボックスで彼を殺す計画を立てる。

 ロッキーは薬屋で自分にかけられた電話に応答する。一方、殺し屋は店の店主を外に追いやってロッキーを殺そうとするが隙をつかれて逆に拳銃を突きつけられる。そして電話ボックスで電話をするフリをしろ、と命じられその通りにする。

 やがて別の殺し屋たちが電話ボックスにいる男をロッキーだと勘違いし一斉射撃。ロッキーは銃声による混乱の隙に店の裏口から脱出する。

 その後、ロッキーはフレイザーの下に現れ彼に拳銃を突きつけ金庫から金と通帳、そして彼らの後ろ盾など弱みになるものも奪いフレイザーを人質にする。

 キーファーはフレイザーが人質にされたことを知るがわざわざ部下を派遣させず警察に通報してロッキーを逮捕させようとした。

 ロッキーは警察に部屋に押し入られるがその前に不良に金庫から奪った金を預けてしまう。警察に連行されるロッキーはそこで事情聴取される。

 一方、解放されたフレイザーはキーファーがロッキーを警察に逮捕したことを知ると大慌て。ロッキーに弱みを警察に告げられたら我々はおしまいだ!キーファーは急いで警察にロッキーを解放するよう頼み込んだ。

 釈放されたロッキーはフレイザーやキーファーを脅迫し、フレイザーのカジノの共同経営者となる。その後、不良たちの下に行き、一時的に金を預かった褒美として大金を与えた。

 不良たちはその金でギャンブルをして遊び呆けてしまっていた。ジェリーがバスケの試合に来ない不良たちを心配しロッキーの元を訪ねる。

 ジェリーは賭場に行き、不良たちを説得するが不良たちは「もう楽に金を手にしちまったんだ!今更戻るつもりはない」と言いジェリーは不機嫌になりながら、去って行く。

 一方のロッキーはローリーに自分のカジノで働いて自分の恋人にならないか、と誘う。ローリーはそれを承諾し華やかな世界に足を踏み入れる。

 その後、ジェリーはカジノにやってきてカジノのオーナーとなったロッキーに「フレイザーの誘拐事件の真実、そしてお前やフレイザー、キーファーの悪事を全て告発する運動を行う」と宣言。ロッキーは出来やしない、とタカをくくって二人は別れを告げる。

 その後、ジェリーはロッキーらの悪事を告発する運動を盛んに行いはじめる。新聞などもそれに味方し今やジェリー神父をキーファーたちは無視できなくなりつつあった。

 ロッキーはキーファー、フレイザーにジェリーのかわりに自分を殺してもいい、と言う。しかしキーファー、フレイザーはロッキーを事故に見せかけて殺しジェリーも殺害しようと計画を練る。友・ジェリーを殺させないためにもジェリーはフレイザーとキーファーを皆殺しにする。

 その後、警察が出動しロッキーと激しい銃撃戦になる。やがてロッキーの銃撃戦をローリーから聞かされたジェリーはすぐにロッキーを説得しようとする。しかしロッキーは説得にやってきたジェリーを盾に闘争をはかろうとするが失敗し逮捕される。

 裁判によりロッキーは死刑が確定。電気椅子による死刑だった。不良たちはロッキーを英雄視しており、彼ならば英雄のような勇ましい死にざまで死ぬだろう、と語っていた。

 それを聞いたジェリーは電気椅子による死刑がはじまる少し前にロッキーをたずね最後の頼みを聞いてほしいと言う。ジェリーはロッキーが死ぬ直前に無様に命乞いして臆病者を演じてほしい、と頼むのだった。それは子どもたちがロッキーに軽蔑しこれ以上、ロッキーのような哀れな犯罪者を作らないように、とのことだった。

 しかしプライドの高いロッキーは死にざまは華やかに飾りたい、とのことでジェリーの最後の頼みを断る。

 やがて処刑室に連れて行かれるロッキー。しかし処刑室に入った途端、ロッキーは怯えだし命乞いまで始めた。それを見ていた人々は一様にロッキーを臆病者だ、とののしる。しかしジェリーは涙を流しながらただ祈りを続ける。

 新聞でロッキーの死にざまを知った不良たちは新聞を疑う。やがてジェリーがロッキーは臆病者だった、と不良たちに打ち明け、ジェリーは「さあ、彼に祈りをささげよう」と言い不良たちを呼び寄せる・・・・







 最後、キャグニーは本当に怯えたのか、臆病者の演技だったのか、判別つかないような演技をしたそうです。確かに私にも本当に怯えたようにも見えたし、臆病者の演技だったようにも見えます。しかし私としてはキャグニーの役が子どもたちのために臆病者の演技をした、ってことであってほしいです。

 汚れた顔の天使、というのは子供たちのことでしょう。ジェリー神父が不良の子供たちのことを天使、と言っていましたから。確かに子供たちは不良で貧乏で顔も汚れてました。しかしキャグニーでもあるでしょうね・・彼も汚れてしまいましたから。

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ジェームズ・キャグニー、パット・オブライエン 他

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SF映画ですね。っていうか原作の物語自体がSFですよね。


『涼宮ハルヒの消失』 (2010年・日)
涼宮ハルヒの消失
スタッフ
監督:石原立也(総監督)、武本康弘(監督)
脚本:志茂文彦
原作:谷川流「涼宮ハルヒの消失」
音楽:神前暁、高田龍一、帆足圭吾、石濱翔、エリック・サティ
主題歌:茅原実里 「優しい忘却」
撮影:中上竜太
編集:重村建吾
製作会社:SOS団(製作委員会方式)、角川書店、角川映画、京都アニメーション、クロックワークス、ランティス
配給:角川書店、クロックワークス(配給協力)
キャスト
キョン:杉田智和
涼宮ハルヒ:平野綾
長門有希:茅原実里
朝比奈みくる:後藤邑子
古泉一樹:小野大輔
谷口:白石稔
国木田:松元恵
鶴屋さん:松岡由貴
朝倉涼子:桑谷夏子


 石原立也、武本康弘監督作品「涼宮ハルヒの消失」

 原作は谷川流「涼宮ハルヒの消失」。涼宮ハルヒシリーズはライトノベルの人気作品でシリーズ化しています。一番最初の作品は「涼宮ハルヒの憂鬱」だそうで、TVでアニメ化もしていたんですが、私は観ていません。しかし観た方がこの映画をより面白く観れそうでしたね。

 この映画はハルヒ、というより長門とキョンの映画といえるでしょう。物語的にはこの二人のストーリーが中心に描かれています。

 私はこの映画のストーリーも楽しめたのですが、脚本に感心し、キョンのあの語り口を聴いてて私は安部公房が著作した「赤い繭」を思い出しました。そして何より登場人物の細かな動きとアニメーションの綺麗さ、そして技術、更に時々かかるクラシック音楽などがこの映画をスタッフがいかに丁寧に作ったか、を物語っているでしょう。

 ジブリを除外した日本のアニメーション映画の中ではトップに十分、君臨できるであろう映画といえます。


【あらすじ】

 クリスマスイブを控えたキョンは所属している部活・SOS団の団長であるクラスメイト・涼宮ハルヒに振り回されてる日常を送っていた。しかし12月18日、クラスから涼宮ハルヒの存在と知人たちから涼宮ハルヒの記憶そのものが消滅してしまった。周囲に取り残されたキョンは元の世界に戻る方法を探し、かつてSOS団の部室があった場所へ向かう・・・


※かかっている曲はクラシック曲のジムノペディ 第1番です。有名な曲ですよね

♪冒険でしょでしょ? 平野綾












【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




12月16日

 冬休みを間近に控えたこの物語の主人公、キョン(杉田智和)。キョンは県立北高校に通いSOS団という部活に所属していた。

 SOS団の団長は涼宮ハルヒ(平野綾)。彼女はこの世界を左右される〝神様〟のようなものだった。彼女は憂鬱になると閉鎖空間、というものを作ってしまうのだ。昔はよく憂鬱になっていたが、最近はSOS団やキョンとの接触に楽しみを感じ、最近では引き起こすことは少なかったが。

 他のメンバーには、そんな涼宮ハルヒを〝機関〟というところから監視命令されていた古泉一樹(小野大輔)、未来人としてハルヒの監視をしにきた未来からやってきたドジっ子、朝比奈みくる(後藤邑子)、そして情報統合思念体によって作られた宇宙人である長門(茅原実里)らが居た。

12月17日

 風が強い日。クリスマスパーティをSOS団部室で過ごすことになったSOS団の面々。彼らはハルヒ特製鍋パーティでクリスマスを過ごすことになってしまう。

 そのことを友人の谷口(白石稔)に話すキョンだったが、谷口はなんと別の学校のクリスマスには女子とデートして過ごすのだ!と言いだす始末だった。

12月18日

 翌日、普通通りに妹(あおきさやか)に起こされて登校するキョンは谷口と遭遇。しかし谷口は風邪を引いて具合悪そうだった。しかもデートなんていく、なんて言ったこと無いといいだす。キョンはその時は谷口が振られてショックなだけだ、と思っただけだった。

 教室では風邪が流行して何人かの生徒が休んでいた。谷口も保健室に行き相対する。キョンにはその兆候など全く見えなかったが、昼休みに一緒に食事した友達の国木田(松元恵)によれば、一週間以上まえから兆候はあった、と話す。話が噛み合ってない。

 やがて教室に居るはずのない女性が入室してきた。朝倉涼子(桑谷夏子)だった。朝倉はキョンの後ろの席に座る。本来後ろの席は涼宮ハルヒのハズだ!

 問い詰めるキョンだったがなぜか国木田や他のクラスメイトまでキョンの後ろの席は前から朝倉だ、と話す。クラス名簿を見ても涼宮ハルヒの名前がない。ハルヒの存在と記憶自体がクラスメイトから消失してしまっていたのだ。

 事態の異常さに気付いたキョンは同じSOS団の古泉に相談しに行くが古泉のクラス、1年9組が丸ごと消滅してしまっていた。また、朝比奈みくるも問い詰めるが、彼女もキョンのことを知らないと言い怯えてしまう。

 放課後、最後の砦であるSOS団の部室に向かうキョン。その部室はSOS団の部室になる前、内装は文芸部の部室に戻ってしまい、そこには一人長門がポツンと座っていた。

 キョンは長門に「俺のこと知ってるか?」と訊ね長門は知っている、と答える。しかしその長門は問い詰められてビクビクする様子を見せる。明らかにあの感情の変化が分かりにくい長門の様子ではない。やはり長門もキョンの知っている長門ではなく、普通の文学少女になってしまっていた。

 キョンは長門に激しく問い詰めたことを謝ってから文芸部室をしばらくキョロキョロする。特に、キョンの知っている文芸部室にはPCなどなかったので、PCは念入りにチェックする。長門のメッセージなどは無いだろうか・・しかしそれらしき物は見つからなかった。キョンはビクビクする長門から入部届を貰ってその日は帰ったのだった。

12月19日

 翌日、キョンは誰がこんな異常な事態を引き起こしたのか考える。そして該当者はただ一人。涼宮ハルヒだ。

 こっちの世界ではすることもないキョンは放課後、再び文芸部の部室を訪れる。そしてキョンは部室の本棚から一冊の本を見つける。『ハイペリオン』(ダン・シモンズ著)は前に長門から借りた本だった。キョンはその本に挟まれたしおりを見つける。しおりには〝期限は三日後。それまでに鍵を見つけろ〟との内容だった。

 キョンは長門に感謝しつつ鍵とはなんなのか、と考える。その後、キョンは部室で寝てしまい起きた頃には日は暮れていた。しかし、それでも長門はキョンが起きるのを待っててくれた。

 キョンは長門と共に下校。長門はキョンに自分の家に寄らないか、と恥ずかしながら誘ってくる。

 キョンは長門の家に寄り、長門がキョンのことを知っている、と話した理由をたずねる。長門は前に図書館で図書カードを作る方法が分からず、館員も忙しそうにしていたので困ったところをキョンに助けられカードを作ってくれた、という。キョンは確かに長門のカードを作ったが当時の状況はキョンの知っているものとは異なっていた。

 やがて長門の家に朝倉涼子が鍋を持ってやってきた。キョンは自分の知っている朝倉は自分を刺そうとした女で、その後長門に消滅させられ表向きには転校したことになっているハズだった。しかしこっちの朝倉は長門ととても仲良くしていたのだ。

 キョンは居づらくなり、帰ろうとするが長門に止められキョンは鍋を一緒に食べていった。

12月20日

 期限は今日。つまり最終日だった。

 キョンは復帰した谷口、国木田と話していた。国木田がこの前、キョンがハルヒはどこだ!と叫んでいた状況を話すと谷口は「ハルヒって、涼宮ハルヒのことか」と言う。何気ない一言で思わずキョンは聞き流しそうになったがたその言葉を拾い谷口を問い詰める。

 谷口は昔、中学校が同じで今は光陽園学院という進学校に涼宮ハルヒは通学している、と話す。キョンはそのことを聞いて早退しすぐさま光陽園学院に向かう。

 しかしまだ授業中のようでキョンは校門の前で待ち伏せする。やがて下校してくる涼宮ハルヒと古泉一樹まで一緒に校門から出てきた。

 キョンは勇気を振り絞ってハルヒに話しかける。ハルヒはキョンなど知らない、としてしつこく問い詰めるキョンを撃退しようとする。しかしキョンは諦めるわけには、と「中学1年生のころ、七夕のジョン・スミスという男に会っただろ!あの男は俺だ!」と話す(この七夕事件はTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を観なければ詳しくは分からない)。

 ハルヒはキョンがジョン・スミスであることを知り驚く。そしてキョンの話を喫茶店で古泉と共に聞くことにしたのだった。

 喫茶店でジョン・スミスの話や自分がいま変化した世界に取り残されている、という状況を話す。ハルヒによればジョン・スミスは一度、七夕の夜に一度はジョン・スミスに手伝ってもらい(実際は『憂鬱』でタイム・リープしたキョンがジョン・スミスと名乗っていた)、その後でもう一度、ジョン・スミスの声を聞いたという(こちらはキョンはまだ知らなかったこと)。

 古泉は話をまとめる。〝キョンだけが今までの世界から改変してしまった世界に取り残されたのか〟あるいは〝キョンが別のパラレルワールドに漂流してしまったのか〟。ハルヒはキョンの話したSOS団なるものに食いつき、とりあえず北高へ向かうことを決める。

 北高にキョンの体操服で潜り込んだハルヒと古泉。ハルヒは強引に朝比奈みくるを連れて文芸部の部室へ引きずり込む。部室では長門が待っていた。

 これでSOS団のメンバーは全員そろった。すると、あの異彩を放っていた部室のPCが勝手に起動。キョンはPCをいじってやがて長門からのメッセージを観る。

 「このメッセージを観てるころ、そちらの私は私とは違っているだろう。あなたが戻る方法は一つあるが、それが成功する保証も失敗してそちらへ戻る保証もできないし一回しかできない。それでもその方法を試すか?Ready?」

 キョンは入部届を長門に返してからEnterキーを押し、タイムリープが起こる。

??日

 キョンはしばらく意識を失ってから目が覚める。そこは文芸部室。キョンは近くのコンビニにより現在の時期を確かめる。

 7月7日

 それはハルヒが中学1年のころの七夕。つまりジョン・スミスが現れた日だった。キョンはかつて七夕にタイム・リープした時に出会った、朝比奈みくるの大人バージョンに会いに行く(ここから先の部分を理解するには先にTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を観る、もしくは原作小説のシリーズを読むことを強く推奨する)

 その場所にはその当時のキョンと朝比奈みくる大人バージョンが会話をしていた。キョンはそれを覗いて、会話が終わって当時のキョンから離れた後、朝比奈みくる大人バージョンに問い詰める。大人バージョンのみくるは、状況を理解しており「あなたは世界の巨大な改変に取り残されてしまったのだ」と話す。

 そしてキョンはみくる大人バージョンと共に長門に協力を仰ぎに行く。キョンは当時の長門に状況を全て話し、世界改変をさせた犯人はいったい誰なのか、どうすればもとに戻れるか、などを聞く。長門はそれに答え、キョンは世界改変の犯人の正体を聞き動揺をする。

 長門は「その犯人が世界改変をした直前の時間帯にタイム・リープし、犯人が世界改変を行った後に、それを修正する薬を催眠銃型の拳銃で犯人に打ちこめばいい」と指示をする。キョンは長門にタイム・リープを正常に行えるようなバリアを与えられてから朝比奈みくる大人バージョンと共に世界改変直前の時間帯へタイム・リープする。

12月17~18日

 タイム・リープした後、キョンと朝比奈みくる大人バージョンは犯人が世界改変をする地点へ先回りする。

 やがてその地点へ一人の女性がやってくる。長門だった。

 長門は強い風を利用して世界改変を行ってしまった。キョンはその後、長門に薬を打ちこむ前に彼女と会話する。なぜ、もっと早く相談してくれなかったのだ、と。

 先ほどの長門によれば、今の長門は原因不明のバグを引き起こして世界改変を望んでしまったのだ。しかしキョンにはそのバグの正体が分かっていた。SOS団と楽しく過ごすうちに長門には感情が芽生えはじめていたのだ。しかし長門はそんな風に情報統合思念体によってつくられてない。つまりバグだ。

 長門は他のみんなと一緒にワイワイ過ごしたい。普通の少女になりたい、そんな思いがこの世界改変を引き起こしてしまったのではないだろうか。

 キョンも自分を問い詰めていた。自分は世界改変によって平和で静かな日常を取り戻した。今までは涼宮ハルヒのような非日常に巻き込まれて、ずっと振り回されていた。迷惑にしていた。しかしなぜ元の世界に戻りたがったのか、涼宮ハルヒに会いたい、と強く願ったのか。それは自分がその非日常を楽しんでいたのだ、と気付く。そして自分もいつまでも「傍観者」でなく「当事者」になるのだ、と思ったのだ。

 そして世界改変によってビクビクする長門に薬を打ちこもうとする。しかしそれを突如の乱入者によって妨害された。朝倉涼子だった。

 朝倉は撃とうとしたキョンの腹部を後ろから刺す。朝倉は狂気的に笑い「だって長門が望んだことだもの!」と話す。しかしキョンには分かっていた。朝倉はただ世界改変によって狂っただけで長門の望んだことではない、と。

 意識がなくなってくる。朝倉は最後の止めを刺そうとするがそれを何者かによって止められる。そして朝倉は消滅し代わりに「助けられなくて悪いな。だが俺も痛かったさ。まああとは俺たちに任せて今はぐっすり休みな」と言う自分に似た声が聞こえて意識がなくなった。

12月21日ごろ

 気付いた時には病院のベッドだった。そこには古泉がおり、階段から転落して3日も寝込んでいた、と話す。キョンの腹部には傷が無い。長門が治療したのだ。階段からキョンが落ちた時にキョンの後ろでスカートがひらりと見えた、とハルヒは話す。キョンは長門がうまく合わせたのだろう、と確信する。

 やがて病室にずっと寝泊りしていたハルヒ、そして病室に見舞いに来てキョンが起きて泣き出したみくるに心配かけてすまなかった、と素直にキョンは謝るのだった。

 夜。病院の屋上でキョンはやってきた長門に「3年前から自分が世界改変を行うことを知っていたんだ。だったらなぜ、俺に相談してくれなかった」と聞く。長門は「私にバグが起きている以上、私はそのことを隠すだろう」と話してから情報統合思念体が現在、自分の処理を検討していることを話す。

 キョンはそれを聞き「じゃあ親玉にクソッタレと言ってやれ。もし俺たちの仲間の長門を処理なんかしやがったら俺はハルヒを焚き付けてお前たちから何をしてでも長門を取り返してやる!、そう親玉に伝えてやれ」と言う。長門はそれを情報統合思念体に伝える。

 雪が降ってくる。キョンは「ユキ・・・」と呟きダウンコートを長門に着せてやるのだった。

12月25日

 キョンは終業式を終えていつも通り、SOS団の部室へ向かう。ハルヒの用意したのであろう鍋を食べるために・・

♪優しい忘却 茅原実里






 雪のシーンはアニメオリジナルだそうです。本当は原作なら病室らしいです。私は雪のシーンがオリジナルであることを知り、やはりアニメ製作スタッフの本気で作った作品なのだ、と改めて感じましたね。うまい演出に変えてしまったんですねえ・・

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平野綾、杉田智和 他

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原作小説
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
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谷川 流

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アニメーションの原点の原点と言えるでしょうか。


『魔法のお絵かき』 (1900年・米)

スタッフ
監督:トーマス・エジソン
出演:J・スチュアート・ブラックトン
撮影:アルベルト・E・スミス


 エジソンが一応、監督作品の「魔法のお絵かき」。原題タイトルは「The Enchanted Drawing

 この1分半ほどの映画こそ今日のアニメーションの原点の原点となっております。元祖マジシャン・セロであり、113年も前の映画でこの発想と映像技術。素晴らしいと言えるでしょう。
Category: 洋画マ行
この映画を観るだけで確信しました。小津安二郎は人間を描くのがうまい。


『東京物語』 (1953年・日)
東京物語
スタッフ
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
製作:山本武
音楽:斎藤高順
撮影:厚田雄春
編集:浜村義康
配給:松竹
キャスト
平山周吉:笠智衆
平山とみ:東山千栄子
平山紀子:原節子
平山幸一:山村聰
金子志げ:杉村春子
平山京子:香川京子
平山文子:三宅邦子
志げの夫:中村伸郎
平山敬三:大坂志郎
敬三の同僚の鉄道職員:安部徹
服部:十朱久雄
服部の妻:長岡輝子
沼田三平:東野英治郎


 小津安二郎監督作品「東京物語」

 これは人の人生の現実と生き死にを描いた素晴らしい作品ですね。私、小津作品は今回が初めてなのですがどうやら世界で日本の名監督4人の中の一人に入ってるそうです。あとの三人は黒澤明、成瀬巳喜男、溝口健二らですね。しかし小津作品は黒澤と違って展開にこれといった刺激的な場面が少なく淡々とした映画が多いので、小津作品は飽きやすい、という印象を持つ方もいるそうです。しかし私的にはたまに、こういう淡々とした映画を観るのもいいかな、とは思いますが。

 主演は一応、笠智衆。もう一人の主演としてはやはり原節子。この二人は小津監督の作品の常連の俳優さんですね。一応、原節子は早くに女優業を引退し今も生きているようです。笠智衆はお亡くなりになってますね。当時、笠智衆は47歳くらいでしたが、この映画で60後半くらいのお爺ちゃんの役をやっています。奥さんの東山千栄子は相応の歳ですが、息子役の山村聰や娘役の杉村春子とは4歳くらいしか違わないのに親子の設定なんですね。それでも違和感を見せない笠智衆の演技力は素晴らしいですね。

 そして安定の東野英治郎の老人役。笠智衆と歳がそんなに離れてないのに笠智衆と同い年くらいの役をやってのける。昔の俳優はそんな人が何人かいたんでしょうねえ。それにしても笠智衆の演じる役って常にボーっとしてる感じなんですが、それが本当に老人っぽい。

 この前、ドラマ「相棒」で近藤正臣の演じた役が「今、終活してるんです」と言っていました。終活というのはもちろん、自分が寿命で死ぬ前にいつでも死ねるような準備をしておく、といったような意味です。私はこの映画を観て、その終活という言葉を思い出しました。


【あらすじ】

 尾道で暮らす年老いた老夫婦のとみと周吉。二人は長男と長女がそれぞれ暮らす東京へ出掛けにきたのだった。一応は温かく迎えられる二人だったが子供たちはそれぞれ既に別の家庭を持っていて忙しくて両親の相手もできず、結局熱海へ旅行に行かせてやってしまう。













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 1953年。平山周吉(笠智衆)とその妻とみ(東山千栄子)は尾道の家を次女・京子(香川京子)に任せて東京の長男と長女を訪問することを決めていた。

 東京駅から車で揺られて数時間。長男・幸一(山村聰)の経営する内科の町病院に辿りつく。幸一の妻・文子(三宅邦子)や次男の未亡人・紀子(原節子)、そして長女の金子志げ(杉村春子)が食事の準備などをしており、二人は子供たちと懐かしい思い出話にふけり、一晩が過ぎる。

 翌日、幸一によって東京の観光案内をしてくれることになっていたが幸一に急患が入ってしまい、周吉ととみの観光案内はおじゃんになってしまった。

 とみは不機嫌になった幸一の次男と表で遊ぶ。無愛想な孫たちにも優しく接するとみだったが、幸一の次男が果たして医者を引き継いでしまうのか、と不安になっていた。

 かといって、長女の志げも美容院の仕事から離れられず夫(中村伸郎)と相談。会社員の紀子に仕事を休んでもらって東京を案内してくれないか、と頼む。紀子は承諾した。

 翌日、紀子によって東京案内をされる周吉ととみ。二人はその後、紀子の家を訪れる。

 紀子は団地の部屋で暮らしている。8年も前に周吉の次男で紀子の夫・昌二を第二次世界大戦で亡くしてしまったのだ。とみも幸一もいつまでも昌二に操を立てず、良い人がいたらさっさと結婚してくれて構わない、と言うが紀子は首を縦には振らなかった。

 一方、幸一と志げは誰も両親をかまうことが出来ないとして熱海に宿を用意して観光に行ってもらおう、と決めたのだった。

 周吉ととみは子供たちの用意した熱海の宿へ泊まっていた。しかし夜、若者たちが眠る時間でも騒がしくやっており、周吉ととみはなかなか寝付けなかった。

 翌朝、熱海はいいところだが若者が来るところだ、と話す周吉ととみ。二人は子供たちに厄介をかけてしまっていることに感づいており、そのことは言わないでもそろそろ帰ることを決める。

 翌日、志げの家に帰って来た周吉ととみ。志げはもっと泊まっていてくれればよかったのに、と話すが周吉ととみはそろそろ帰ることを伝え、志げの迷惑そうな顔を見て、別の今晩一晩の宿を探すことにする。

 長男・幸一もいきなり訪問されていい顔はしないだろう。とみは紀子の家で、周吉も泊まるスペースは無さそうなので、周吉は昔の同僚であった服部(十朱久雄)のもとを訪ねる。

 しかし服部とその妻(長岡輝子)の家にはすでに下宿人がいた。周吉は服部とかつての警察署長だった沼田三平(東野英治郎)と共に飲み明かそう、という流れになる。

 居酒屋で服部は戦争で息子二人を両方とも亡くしたこと、沼田が息子に無視されていることを明かし、やがて服部と周吉の愚痴大会になってしまう。

 一方のとみは紀子に、昌二のことは忘れて他の人と幸せになってほしい、と頼むが紀子は頑なにそれを拒絶していた。とみは寝る前にあまりにも紀子が昌二のことを想っていることと、昌二の死などたまった思いにより一人、静かに啜り泣きをする。

 やがて志げの家に酔っ払って寝てしまった周吉と沼田が運ばれてきた。志げは酔っ払って起きもしない父を嫌悪しつつも夫と共に2階で寝て一階に寝かせることに決める。

 翌朝、東京駅で志げ、幸一、紀子に見送られる周吉ととみ。とみは「もう心残りはない」と冗談っぽく話す。

 一度、大阪駅に勤める三男で鉄道職員の敬三(大坂志郎)の家でとみが体調を崩して一晩、泊まる。翌朝、尾道に帰った周吉ととみだった。

 しかしすぐに幸一と志げに「ハハ、キトク」との電報が京子によって打たれた。幸一と志げ、そして紀子はすぐに尾道へ向かう。

 尾道に幸一たちが到着した時には既にとみの容態は悪かった。志げは泣き出し周吉は覚悟を決めていた。

 翌朝、出張に行っていた敬三は遅れてとみの下へ帰って来たがすでにとみは息を引き取っていた。安らかな顔に敬三は涙を浮かべる。

 やがてとみの葬式が開かれ、志げ、とみ、敬三はその日の夜行列車で帰ることを周吉に伝える。周吉が席を話してから志げは父・周吉が先に亡くなった方がお母さんは自由が利くからよかったのに、と言ってから京子に母の形見を持っていきたい、と話すのだった。

 数日後、紀子は京子と共に何日間か尾道の家で手伝いをしていた。京子はさっさと帰ってしまった兄と姉の態度が許せない、と紀子に愚痴を漏らすが、紀子は幸一も志げも自分の家庭を持ったのだから仕方のないことなの、と若い京子を諭す。

 京子が教師の仕事に出かけたあと、紀子は周吉と話をする。紀子はとみに言えなかったことを打ち明かす。実は紀子は何日か昌二のことを忘れてしまうことがある、とのことだったのだ。そして自分はとてもズルい人間だ、と涙を浮かべながら打ち明ける。周吉はそれに対し「それでいいんだ」と話し優しく諭す。そして妻とみが紀子の年の頃にかけていた腕時計を紀子にあげる。そして実の子供より血のつながらない紀子と過ごした時の方が楽しかった、と妻とみは言っていた、と話し昌二のことは忘れて幸せになってほしい、と言うのだった。

 やがて紀子は汽車に乗って帰って行く。周吉は近所の主婦と会話をし「こんなに早く逝くなら、もうちょっと優しくしておくんでしたな」と話しやがて遠くを見つめながら涙を溜める・・・









 やっぱり小津安二郎の映画観を文章で表現するのってすごい難しいですね。もしかしたら国語の教科書に載れるような作家さんじゃないとこの映画を文章でうまく表すのは難しいでしょう。

 邦画を語る上で根本として観るべきなのはこの映画でしょう。
Category: 邦画タ行
つながり、の映画。


『サマーウォーズ』 (2009年・日)
サマーウォーズ
スタッフ
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
製作:高橋望、伊藤卓哉、渡辺隆史、齋藤優一郎
製作総指揮:奥田誠治
音楽:松本晃彦
主題歌:山下達郎「僕らの夏の夢」
撮影:増元由紀大
編集:西山茂
製作会社:サマーウォーズ製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
キャスト
小磯健二:神木隆之介
篠原夏希:桜庭ななみ
佐久間敬:横川貴大
池沢佳主馬:谷村美月
陣内栄:富司純子
陣内侘助:斎藤歩
陣内万里子:信澤三恵子
陣内理香:玉川砂記子
陣内理一:桐本琢也
池沢聖美:田村たがめ
陣内了平:安達直人
三輪直美:山像かおり
陣内典子:金沢映子
陣内由美:仲里依紗
陣内奈々:高久ちぐさ
陣内翔太:清水優
陣内邦彦:中村橋弥
陣内克彦:板倉光隆
陣内太助:小林隆
陣内頼彦:田中要次
陣内万作:中村正
陣内万助:永井一郎


 細田守監督作品「サマーウォーズ」。原作は同じく細田氏の「サマーウォーズ」。

 私的には細田監督は『時をかける少女』(2006)で知りました。その前に『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(2005)でも監督をやっているとは知りませんでした。その後、このサマーウォーズで私は細田監督が好きになったのですが、『おおかみこどもの雨と雪』(2012)はまだ観てないんですよね。ぜひ観たい作品ではあります。

 この映画で桜庭ななみを知りました。彼女可愛いですね。私の好きなタイプです。どうでもいいですね。でも今見ると・・言いたくはないがやっぱり他の面々が面々だけに棒演技さが目立ちますね。

 舞台は主に長野県の陣内屋敷と仮想世界OZでだいたい展開されています。私は出だしの仮想世界OZの説明で初めて観賞したときはワクワクしたものです。世界のソーシャル・ネットワーク・サービスがここまで進化したか!とハラハラしたものです。

 この映画は純粋にストーリーを楽しむだけで本当に面白いし本当に感動します。ゴッドファーザーとは対比的ながらも同じ家族を描いた映画であり団結を描いた映画でもあります。私は栄おばあちゃんのシーン4個くらいで4回泣きました。計6回くらい泣き所がこの映画にはあったと思います。

 しかしこの映画は敵が人工知能の暴走したA.I.っていうところも凄く面白いですね。アメリカの国防総省による実験的とはいえ、A.I.によって交通機関、さまざなことが乱されてしまい人間は大混乱。最終的には国防総省の関知しないまま原子力施設を爆破されそうになる。しかし栄おばあちゃんや陣内家を筆頭とする現実の〝絆〟にA.I.は敗北する。まさに人間が唯一、知能で負ける人工知能をも上回るものでしょう。

 唯一、いかんと思うのはヒロイン篠原夏希のキャラクター性に関する描写があまりにも不足している、という点でしょうか。町山智浩という映画評論家も同じようなことを言っていました。この映画でまあ最終的に主人公とヒロインの夏希先輩がまあ甘酸っぱい恋に至るわけなんですが、それに至るまでにどこで小磯健二に恋をしたか、というのも不足した描写なんですが、篠原夏希に関する情報と察せる描写が少ない、というのが決定的にいけないんじゃないか、とは思いました。

 というより篠原夏希の登場シーンも唐突なんですよね。なぜ主人公、小磯健二ら物理部にバイトを頼み込んできたのかすらよく分からなかったですし。主人公とヒロインの出会いって物語の中では本来、結構重要な部分にあたると思うんですが・・その他の足りない部分も含めてなんか2時間じゃおさまってなかったんじゃない?とは思いました。

 まあ私はそれでも観てて恥ずかしくなりましたが・・・ちなみに私、杉基イクラさんの漫画も買いましたし、クライシス・オブ・OZの小説とキング・カズマvsクイーン・オズのマンガも買いました。ちなみにシリーズの中で夏希先輩の次に好きなのは山之手真紀です。個人的に佳主馬と真紀がどうなったのかすっごい気になります。まあ佳主馬は13歳で真紀は高校3年生ですが・・


【あらすじ】

 インターネット上の仮想世界OZ。世界に展開するOZには世界中に多くのユーザーが居た。ある日、そのユーザーの一人である小磯健二は先輩の篠原夏希に実家に一緒に行ってほしい、というアルバイトを受け夏希の実家、長野の陣内家にやってくる。家の面々に温かく迎えられるがその日の夜、謎の数字の羅列が書かれたメールが送られ健二はそれを解読し送信する。翌朝、あちこちで混乱が起きて・・














【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 インターネット上の仮想空間OZ。世界中に展開を広げユーザーを着々と増やしていた。OZでは自身のアバターを作ってそのアバターに洋服を着せたり買い物をしたり、アバター同士の格闘大会やギャンブルまで行えてしまう。また、OZ内で自治会の窓口に行って色々な手続きをしたり、企業のページにまで来れてしまうまさにネットワークサービスを極めた仮想空間だった。

 夏休み。久遠寺高校に通う小磯健二(神木隆之介)は物理部の部室で同じ物理部の佐久間敬(横川貴大)とOZ管理棟の下の下のほうの部署でアルバイトをしていた。その部室へ突然、学校のアイドルでもある先輩の篠原夏希(桜庭ななみ)が訪問する。夏希は夏休みに実家に来る、というアルバイトをしてほしいと頼み込む。健二は敬とジャンケンしてその権利を勝ち取るのだった。

 小磯健二は数学オリンピックの日本代表にもう少し、というところでなりそこねた数学の天才的な高校生だった。夏希と新幹線で来た場所は長野県の上田。道中、多くの親戚と出会い到着した夏希の実家は巨大な敷地の武家屋敷だった。

 健二はすぐに夏希の曾祖母、陣内栄(富司純子)に会わされる。彼女の90歳の誕生日がもうすぐだという。夏希はいきなり健二を自分の彼氏で婿になる予定の人、と紹介する。焦る健二だったが有無を言わさず栄が「あんた覚悟はあるのか!」と質問をしてくる。健二はそれに何とか調子を合わせ栄は健二を認めるのだった。

 その後、夏希は健二に謝罪しバイト内容を教える。誕生日に彼氏を連れてくる、という見得をはってしまい、健二にその彼氏のフリをしてほしい、とのことだった。設定では東大生で旧家の生まれで留学を終えた、とのことだった。健二は夏希に懇願され承諾してしまう。

 栄に認められた健二は夕食のとき、陣内家の面々を紹介される。詳しくは陣内家家系図を参照されたし。

 健二はトイレに行こうとして池沢佳主馬(谷村美月)という夕食にも行かずにパソコンをしている少年と出会う。夕食を終えて風呂を済ませた健二は一族の資産を持って逃げ出した陣内侘助(斎藤歩)が10年ぶりに帰って来たのを見る。侘助は栄の夫の妾の隠し子で、それを栄が養子として引き取ったのだ。

 こういった環境や侘助が10年前のことを詫びる様子もないことから陣内家の面々は冷たい目で侘助を見る。しかし夏希だけは侘助によく懐いていたのだ。

 その夜、健二に送り主不明で数字の羅列が書かれた暗号がメールで送られてくる。健二はそれを解読し解答を送信してしまう。

 翌朝、OZの管理棟が何者かによって支配されナビゲーション、信号、水道管など現実の世界でも大混乱が起こってしまう。犯人は小磯健二だとテレビが報道。どうやら昨晩、送られた数字の羅列のメールはOZ管理棟の責任者ロックのパスワードだったらしい。健二はそうとも知らず解いてしまったという。しかし実際に管理棟を乗っ取ったのは健二とは違った何者か、だった。

 佳主馬に相談した健二は自身のアバターが何者かに乗っ取られたことに気付く。仮のアバターでOZの中に入り込むが、健二のアバターを乗っ取った何者かはOZ全体をバトルフィールド化させてしまう。バトルフィールドは本来、闘技場のみで使用される設定で何者かによってOZ全体で戦闘が行えてしまうように設定されてしまったのだ。

 健二の乗っ取られたアバターは健二の仮のアバターを攻撃する。そこへキング・カズマというOZ闘技のチャンピオンのアバターが健二を助ける。なんと池沢佳主馬がOZ闘技のチャンピオンで有名なキング・カズマのアバターを操っていたのだ。

 健二の乗っ取られたアバターは最初、キング・カズマに追い込まれていたがそのアバターは周囲にいた他のアバターも乗っ取ってアバターの姿が変身してしまう。キング・カズマはそのアバターによってボロボロに負け健二はキング・カズマのアバターを乗っ取られないために担いで退散してしまう。

 その後、上田市役所に勤める陣内理香(玉川砂記子)によって健二の経歴が偽物だ、と判明し警官の陣内翔太(清水優)によって健二が指名手配されている、と陣内家の面々に明かされる。

 健二は栄に無罪を主張しつつも「家族が赴任などで、いつも家では一人だったから、みんなで食事したり話せるのが楽しかった」と話して翔太に連れて行かれる。夏希は健二の乗せられた車を追いかけるのだった。

 しかし道中、交通が崩壊していることを夏希と栄の長女・万理子(信澤三恵子)の長男・理一(桐本琢也)の運転するバイクで知らされる。健二は翔太と共にひとまずそのバイクで陣内家まで戻る。

 健二はOZの管理者権限を取り戻すべく暗号解読を始める。一方、陣内栄は世間の混乱を知り、各所に電話をはじめる。それはかつて栄が教師時代の教え子の警視総監だったり国土交通省の人間だったり。また、救急救命士の孫・頼彦(田中要次)、消防士長の邦彦(中村橋弥)、レスキュー隊員の克彦(板倉光隆)などに檄を飛ばす。

「あんたならやれる!あんたならできる!」

 栄の応援の効果もあってか、事態はやがて現実の世界の人々の団結の力によって収拾されていった。そして健二も管理者権限を取り戻すために暗号を解読しOZ管理棟は解放されたのだった。その後、佐久間から健二が解いた暗号は最後が一つ間違っていたから健二のせいでOZの管理者権限が奪われたわけではない、と話す。

 その後、健二の無実が証明されたことで再び温かく迎えられる健二。佳主馬は今日の騒動は謎のサーバー、通称〝ラブマシーン〟による仕業である、と明かされる。団結すればラブマシーンを追放することができる、と話す佳主馬だったがそれに異論を唱える者がいた。侘助だった。

 侘助が自分こそがラブマシーンの開発者である、と明かす。人工知能を作りだし、アメリカ国防総省にそれを売り込んだ、とのことだったのだ。アメリカが行った実験というのが、OZでの騒動だったのだ。侘助は問い詰められ、栄に助けを求める。「バアちゃんに恩を返そうと思って作ったんだ。バアちゃんに貰った金で俺は人工知能を作り出したんだから」と言う。栄は驚嘆し家宝の薙刀を突きつけ侘助に「今ここで死ねぇ!」と。

 侘助は「やっぱ帰ってくるんじゃなかった」と言って去って行った。栄は身内が起こした騒動は身内でかたをつける。と号令する。一方、夏希は小さい頃から好意を抱いていた侘助の行動に頭が混乱し心配する健二を拒絶して部屋に引きこもる。

 呆然とする健二を栄が手招きする。自分の部屋まで歩くのを手伝ってほしい、とのことだった。栄の誘いで花札をやる健二。栄は何か賭けよう、と言って「もしアタシが勝ったら、あのワガママだけど大切な夏希を健二さんさえ良ければよろしく頼む」と言ったのだ。健二はその言葉に曖昧な返答しかできず、栄は結局、健二に花札で勝利し大笑いするのだった。

 翌朝、栄はみんなに看取られて旅立っていった。栄の三男・万作(中村正)によれば、血圧などに異常がでれば携帯に連絡がくるがOZの混乱で連絡がこなかった、と話す。万作は、それでもやはり寿命だった、と明かすが栄の次男・万助(永井一郎)はどうしても納得がいかなかった。

 夏希は健二に小指を握ってほしい、と言って健二は夏希の小指を握る。夏希は曾祖母の死に泣き出してしまう。

 その後、万作はラブマシーンへの弔い合戦をするべきだ!と主張するが長女の万理子、その娘の理香や万助の娘・三輪直美(山像かおり)は今はそれどころじゃない、と拒否する。

 健二はこれ以上の混乱を防ぐために万助の意見に賛同し、ラブマシーンとの対決を決意する。それに万助、理一、万助の長男・太一(小林隆)や頼彦、邦彦、克彦、万作らと佐久間が協力する。

 理一が自衛隊の通信車両を松本駐屯地から持ってきて、水産業を営む万助は電力を供給する発電機を搭載した漁船ごと持ってくる。そして太助は自身の電気屋から大學に売る予定のスーパーコンピューターを拝借した。スーパーコンピューターのオーバーヒートを防ぐために万助の用意した氷でスーパーコンピューターを冷やす。

 こうして陣内家の先祖がかつて戦った上田城の戦いをモデルとした合戦を開始する。

 多くのアバターを乗っ取ったラブマシーンにキング・カズマが果たし状を叩きつけ、ラブマシーンと対決する。キング・カズマは作戦通りOZ内に城の要塞フィールドを展開してその中に誘い込み、閉じ込める。そして頼彦、克彦、邦彦らによってラブマシーンが閉じ込められた城に水を注入する。こうしてラブマシーンは水没し勝利したか、に見えた。

 しかし翔太が栄の遺体が暑いと大変だ、として氷を全部持って行ってしまったのだ。おかげでスーパーコンピューターはオーバーヒートし計画は失敗。ラブマシーンはさらに強力で巨体になってキング・カズマを返り討ちに遭わせてしまう。

 佳主馬は他のユーザーの応援と母・池沢聖美(田村たがめ)に宿る妹のためにキング・カズマ一人で挑むが敗北。アバターを乗っ取られてしまい佳主馬は悔し涙を浮かべる。

 成り行きでその場に陣内家の面々が集合していた。やがてラブマシーンはカウントダウンを表示する。小惑星探査機「あらわし」のコントロールを奪い世界のどこかの原子力発電所にそれを落とそうとしはじめる。理一によってそのこととラブマシーンがもはやアメリカ国防総省の思惑外であることも知らされる。

 健二はまだ手段はある、と言うが開発者の侘助が居ないので万策尽きたも同然。夏希は自分が見つけた栄の遺書を万理子に渡して侘助に電話をかける。侘助の電話番号は誰にもわからない。しかし夏希にはわかったのだ。

 侘助は「婆ちゃんの誕生日なんて知らなかった。知ってたら帰って来なかった」と話すが夏希は侘助の電話番号が栄の誕生日であることを追及し栄が死んだことを話す。侘助はそのことを聞かされすぐに陣内家へ戻って行く。

 遺書には「まあ落ち着きなさい。まずはおなかいっぱい食べること。そして、もしバカな侘助が帰ってきたらたらふく食べさせてあげなさい。一番いけないのは一人でいることと、おなかがすいていること。あたしはあなたたちと一緒に生きれて幸せでした」と書かれていた。やがて侘助が車をボロボロしにしながら帰宅してくる。

 侘助は栄の遺体に挨拶してから陣内家の食事に参加する。ずっと甲子園放送で長男・了平(安達直人)の応援をしていた由美(仲里依紗)は事態を初めて呑み込んだ。そして健二がアバターを解放するために選ぶ勝負は、夏希とラブマシーンの花札勝負だった。

 ゲーム好きのラブマシーンは陣内家のアバターを賭けて夏希との勝負に乗る。ラブマシーンは花札は素人。夏希は徐々にアバターを獲得していくが、ある試合で原子力発電所までの墜落の時間を気にしてしまいラブマシーンにとられてしまう。夏希にはもう賭けのアバターが不足している。このままでは敗北する。

 そんな時、夏希を救ったのはドイツの少年のアバターから始まった世界中のアバターだった。世界を救ってほしい、その思いを担いだ夏希はアバターのレートを増やしたラブマシーンと対決。次々と勝利しついにラブマシーンは夏希と団結の力を前に敗北したのだった。

 陣内家の面々は勝利に歓喜するが、まだ陣内家だけカウントダウンが止まらない。ラブマシーンは最後っ屁に陣内家の屋敷にあらわしを落とそうとしていたのだ。

 急いで避難しようとする陣内家だったが、健二が一人残ってあらわしの数字の羅列による制御コードを解読しあらわしの衝突地点を別のポイントに移そうとする。その姿を観て夏希は退避しようとする陣内家の面々に「まだ負けてない!」と叫ぶ。翔太などの激励により健二は素早い計算で解読コードを解くがラブマシーンが別の数字の羅列を用意してしまう。

 健二は再び計算。やがて侘助によって防御力が0になったラブマシーンを佳主馬に叩くよう言う。アバターが解放された佳主馬はみんなに送られながら邪魔をし続けるラブマシーンの下へ向かう。

 再び解読したコードだったが再びラブマシーンによって別の羅列を用意されてしまった。健二にはもう計算する時間が残されていない。健二は鼻血を垂らしながら暗算でコードを解除させる。

 ラブマシーンは再び邪魔をしようとするが復活したキング・カズマによって消滅させられた。

 果たして「あらわし」はどこへ落ちるか。陣内家の面々全員が庭を見つめる。やがてあらわしはラブマシーンによる制御不能となり墜落地点が少しズレて墜落する。墜落地点から温泉が湧きあがった。

 その後、栄の葬式と誕生日が同時に開かれる。侘助はラブマシーンの開発者として出頭したが、実験でOZにラブマシーンを放ったアメリカ国防総省の方が責任が大きい、と同情的な報道が多かった。

 夏希は佐久間との通話を終えて佐久間からの伝言「しばらく帰って来なくていい」というのを健二に伝える。その後、陣内家の面々に見守られながら健二は健二への好意に気付いた夏希にキスをしようとする。しかしここで鼻血が。すると夏希は健二に自分でキスしてしまった。陣内家の面々は歓喜するが健二は気絶してしまう。

 大笑いする陣内家の面々。そして栄おばあちゃんの遺影も朝顔に包まれて楽しそうに笑っているのだ・・・






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(2010/08/01)
神木隆之介、桜庭ななみ 他

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ドイツで製作された映画です。SF映画の原点にして頂点と呼ばれています。


『メトロポリス』 (1927年・独)
メトロポリス
スタッフ
監督:フリッツ・ラング
脚本:テア・フォン・ハルボウ
製作:テア・フォン・ハルボウ
撮影:カール・フロイント
編集:レイ・ラヴジョイ
配給:UFA
キャスト
マリア/アンドロイド・マリア:ブリギッテ・ヘルム
フレーダー:グスタフ・フレーリッヒ
メトロポリス支配者フレーダーセン:アルフレッド・アベル
中枢の工場長:ハインリヒ・ジョージ
秘書ヨサファト:テオドール・ロース
科学者ロトワング:ルドルフ・クライン=ロッゲ


 フリッツ・ラング監督作品「メトロポリス」。原題タイトルは「Metropolis

 この映画はSF映画の原点、と前述しましたが当時の映画は思想的な部分が描かれた映画も多いためこの映画もその思想、主義を描いた映画であるとも言われています。私もこの映画には主義的なものを描いたと感じましたね。

 未来都市はもちろんですが、なんといってもこの映画に出てくる人造人間、アンドロイドが凄い。そのアンドロイドってのが2ちゃんねる(?)かどっかでVIP先生、って呼ばれているそうなんですよ。私そういう系はよく分からんので詳しいことはよくわかりませんが・・

 監督のフリッツ・ラングと脚本家のテア・フォン・ハルボウは夫婦の関係です。しかしナチス党が台頭しユダヤ人のフリッツ・ラングはフランスへ亡命しアメリカへ渡りました。亡命の2年ほど前にナチス支持者のハルボウとは離婚しています。ナチス宣伝相のヨーゼフ・ゲッベルスはラング監督を気に入っており、亡命を阻止させナチスのプロパガンダ映画を作らせようとしていた、とラング監督は話していますが最近ではラング自身がゲッベルスに映画作家としての延命をはかっていた、とも言われています。

 対して奥さんのハルボウは元夫の亡命後もナチスの好みの小説を出版していたそうです。戦後、1954年に事故死。フリッツ・ラングが西ドイツに戻ってきたのは50年代末でした。

 今観れるのはフィルムが回ってきたアメリカなどにより徹底的に共産主義的な部分はカットされた編集版でしょう。完全オリジナルは210分ほどあったそうで、ドイツのウーファー社が公開しましたが利益的な面で結局、編集版を追従。それでも利益が回収できずにウーファー社は倒産してしまったそうです。今はもうオリジナルのフィルムが第二次世界大戦の混乱で散らばっちゃって全てのフィルムが見つからなければフルオリジナルで観ることは不可能になってしまいました。

 登場するアンドロイドが「スター・ウォーズ」のC3POのデザインに影響をもたらしました。また、ラング監督はこの映画のあるシーンで6000人のエキストラを雇おうとして失敗し、1500人になりましたが、代わりに全員の頭を剃らせてカメラの前を何回も行進させてさも6000人以上いるように見せかけることに成功しています。これはシュフタン・システムと呼ばれるそうです。

 クイーンのヒット曲「ラジオ・ガ・ガ」のPVにこの映画の一部が利用されてるそうですよ。

 あと皮肉なことにヒトラーがこの映画をお気に入りとしたんです。しかし彼はユダヤ系の共産主義を徹底的に廃絶したいがために国内から共産的ユダヤ人を徹底的に弾圧しました。恐らくヒトラーはラストシーンの貧困者と資本者の握手シーンには嫌悪感を示したのではないでしょうか・・だからラング監督が仮にドイツに留まりつづけても彼がプロパガンダ映画を作らなければ生命の保障がされていたかは疑問なところですね。まああくまで今の部分は私の勝手な推測なので証拠はありませんが。

 しかしヒトラーの演説そっくりな熱心で過激的な演説をするアンドロイド・マリアのシーンがあるんですよ。恐らくヒトラーはこれを自身の演説で参考にしたのではないでしょうか。


【あらすじ】

 2026年。未来都市メトロポリス。ここでは摩天楼の上層階で頭脳的支配者がメトロポリスで優雅な生活を送り地下で労働者が過酷な環境で仕事と貧しい生活を強いられていた。支配者の息子フレーダーはその実情を知り、なぜメトロポリスを支える労働者が貧しい生活を送るのか疑問に思う。一方、マリアという労働者に説法を説く女性が現れ支配者フレーダーセンは彼女を誘拐し彼女そっくりの人造人間を作り、労働者と彼女の関係をぶち壊そうとするが・・















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 2026年、架空の未来都市メトロポリス。

 摩天楼の上層階では知識的な支配者が権力を振るいつつ優雅な生活を送っていた。一方でメトロポリス運営を支える労働者たちは地下の階層で貧困な生活を強いられながらも規律的な動作、厳しい労働環境のなか暮らしていた。

 知識支配者がよく遊んでいる遊園地でメトロポリス支配的権力者のフレーダーセン(アルフレッド・アベル)の息子フレーダー(グスタフ・フレーリッヒ)も遊び呆けていた。そこへマリア(ブリギッテ・ヘルム)という女性が貧しい格好の子供たちと共にエレベーターに乗ってやってきてフレーダーに「この子たちはあなたと同じ人間です」と説明する。その後、マリアは元の階層に追い払われるが気になったフレーダーは彼女の後を追い、地下の階層に降りる。

 その地下の階層でのありさまをみて驚く。労働者の一人があまりの環境に耐え切れず死亡。一人が欠けたことで一部の工場が爆発し多くの労働者が死ぬ。フレーダーはその様を人間を生贄にする破壊神モロクの姿を重ねる。

 フレーダーはすぐに父フレーダーソンになぜメトロポリスを支える労働者があそこまで貧困を強いられているのか疑問をぶつける。フレーダーソンは息子が地下の階層を見てしまったことを嘆きつつ、その時にメトロポリスの中枢工場(ハインリヒ・ジョージ)から届けられた見取り図を渡され、本来見取り図を渡すのは秘書ヨサファト(テオドール・ロース)の仕事だ、としてヘマをしたヨサファトを労働者階層に格下げする。

 悲嘆したヨサファトは拳銃で自殺を図ろうとするがフレーダーによって止められる。

 やがてフレーダーは地下で倒れた労働者の代わりに労働をしてみる。あまりの過酷さに自身も倒れこみそうになるが労働を終え、ある女性が集会を開くと聞きその集会に行ってみる。

 その集会ではあのマリアという女性が説法を説いていた。バベルの塔〈史実より少し左翼的に脚色している〉の話、そして労働者たちに資本者との仲介者が出現するまで耐えるのだ、と説く。

 そしてマリアは自分の話をきくフレーダーを見つける。マリアは話を終えてからフレーダーに「あなたこそ仲介者かもしれない」として彼と交流をする。

 一方、それを密かにフレーダーセンが友人の科学者ロトワング(ルドルフ・クライン=ロッゲ)と共に見ていた。元々、フレーダーセンはロトワングから仕事の効率で人間に勝る機械人間を発明した、と知らされ来ていたがロトワングに機械人間とは別に見てほしいものがある、として見せられたのがマリアの説法だった。

 いずれ労働者の反乱が起きるのではないか、と危惧したフレーダーセンはロトワングに彼女の拉致と彼女そっくりのアンドロイドを作ってマリアと労働者の関係を断ち切らせよ、と命じる。ロトワングはマリアを誘拐し彼女そっくりのアンドロイドを作ることに成功する。

 やがて次の集会に現れたマリアは豹変し平和ではなく武力によって機械を破壊せよ!と労働者を扇動していたのだ。ヨサファトによってそれを知ったフレーダーは彼女が偽物である、と気づくが狂いだした労働者たちによって追われる羽目になりフレーダーは逃走する。

 フレーダーセンの命令であるマリアと労働者の関係を断ち切らせよ、ということを完全に無視したロトワング。実はロトワングはフレーダーセンとは恋敵で好きだった女性をフレーダーセンにとられてしまったのだ。やがてそのフレーダーセンの妻がフレーダーを産んで死んでからロトワングは狂いだしメトロポリスの構造そのものの破壊を目論みアンドロイド・マリアにフレーダーセンの命令を無視して労働者を暴徒化するよう煽らせたのだった。

 やがて暴徒と化した労働者たちはメトロポリスの中枢の工場を襲撃。工場長が止めるのを聞かず暴徒化し工場の破壊を開始する。やがてアンドロイド・マリアはメトロポリスの心臓部分を壊してしまう。

 労働者が暴徒化し中枢工場を襲った、と聞いたフレーダーセンは中枢工場が壊されれば労働者層の住居区が水没するだけだ、と冷静に対応し水門を開けさせる。水門が開いたことで水が居住区に及び始める。

 解放された本物のマリアは住居区でフレーダーと再会。フレーダーやヨサファトと共に地下階層から子供たちを避難させる。

 一方、工場破壊後、工場長により中枢工場が壊されると自分たちの居住区が水没する、とやっと聞かされ認識した労働者たち。自分たちの行為が誤っていたことに気付きその矛先をアンドロイド・マリアに向け支配者層の階層へ突撃する。

 一方、アンドロイド・マリアがメトロポリスの心臓部分を破壊したことで支配者の階層でも停電や混乱が発生。フレーダーソンは事の重大さを認識しそれから自分の息子を案じて探し始める。

 アンドロイド・マリアは頭脳的支配者たちに「労働階級の汚い貧困層どもは水没した!」と言いふらして頭脳的支配者層の人々からもてはやされていた。

 そこに暴徒と化した労働者たちが突撃。労働者たちは自分たちを騙したアンドロイド・マリアを火あぶりにする。たまたまそこへやってきたフレーダーは途中で別れた本物のマリアが火あぶりにされている、と勘違いをして止めようとしていた。

 しかし火あぶりにされたアンドロイド・マリアがマリアの塗色がはがれ、機械そのものに姿が戻ったことで人々は魔女だ!と恐れおののく。一方、本物のマリアじゃないと知ったフレーダーは一安心する。

 本物のマリアはアンドロイド・マリアが捕まれば自分も危ないので処理しようとしていたロトワング博士と遭遇する。ロトワング博士は本物のマリアをアンドロイド・マリアと勘違いし追いはじめる。

 本物のマリアを見つけたフレーダーはマリアの危険を察知し、ロトワング博士と対決。マリアを殺そうとするロトワング博士と揉め合いの末に投げ落としたのだった。

 やがて必死にフレーダーを探していたフレーダーセンと再会。親子で抱擁を交わす。

 その後、労働者たちはフレーダーソンと和解の握手をしにくる。労働者を代表して工場長がフレーダーソンと握手しようとするが二人ともためらっているようだった。そこでフレーダーが二人の手をとりそしてキチンと握手させるのだった。

 労働者(手足)、支配者(頭脳)、そして仲介者(心)のどの一つも欠けては実現しえなかったことだった・・









 この後、メトロポリスが共産に倒れこむかは不明です。しかし私としては完全な共産主義に染まらないでほしい、とは思いますね。まあ日本人の考え方なのでしょうが・・


↓2008年に見つかったばかりのフィルムをつなぎ合わせ編集した最新の現存するフィルムで恐らくオリジナルに一番近づいたバージョン。私の観たものはもう少し短縮されていたと思われます。
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Category: 洋画マ行
主人公はジョージ6世。実在する英国の元首であり初のイギリス連邦元首だそうです。


『英国王のスピーチ』 (2010年・英)
英国王のスピーチ
スタッフ
監督:トム・フーパー
脚本:デヴィッド・サイドラー
製作:イアン・キャニング、エミール・シャーマン、ガレス・アンウィン
製作総指揮:ポ-ル・ブレット、マーク・フォリーニョ、ジェフリー・ラッシュ、ティム・スミス、ハーヴェイ・ワインスタイン、ボブ・ワインスタイン
音楽:アレクサンドル・デプラ
撮影:ダニー・コーエン
編集:タリク・アンウォー
製作会社:シー・ソウ・フィルムズ、ベッドラム・プロダクションズ
配給:モメンタム・ピクチャーズ
キャスト
ジョージ6世/アルバート王子:コリン・ファース〈堀内賢雄〉
ライオネル・ローグ:ジェフリー・ラッシュ(壤晴彦)
エリザベス妃:ヘレナ・ボナム=カーター(佐々木優子)
マートル・ローグ:ジェニファー・イーリー(水野ふゆ)
エドワード8世/デイヴィッド王子:ガイ・ピアース(宮本充)
ジョージ5世:マイケル・ガンボン(真田五郎)
ウォリス・シンプソン:イヴ・ベスト(下田レイ)
スタンリー・ボールドウィン:アンソニー・アンドリュース(山内健嗣)
ウィストン・チャーチル:ティモシー・スポール(宝亀克寿)


 トム・フーパー監督作品「英国王のスピーチ」。原題タイトルは「The King's Speech

 ジョージ6世は実在する英国王です。吃音症を患ってかなり苦悩していたようですね。私は吃音症の方は知り合いにはいませんが、「とくダネ」の小倉智昭さんも昔、吃音症でそれを克服するためにあえてアナウンサーの道を志したそうです。

 監督のトム・フーパーは元々、ドラマの演出家だったそうですが、「ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト」(2004)で監督デビュー。最近の作品では「レ・ミゼラブル」(2012)があります。

 ジェフリー・ラッシュは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサの役でお馴染みですね。私もそれしか彼を見てませんでした。さて主演のコリン・ファースは95年のBBCで放映されたドラマ「高慢と偏見」でスターの座を確立したようです。この作品ではアカデミー賞主演男優賞、ヨーロッパ映画賞男優賞、放送映画批評界協会賞主演男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞、全米映画俳優組合賞主演男優賞などを受賞しています。

 吹き替えはバルボッサのジェフリー・ラッシュの吹き替えでお馴染み、壤晴彦さんが再びジェフリー・ラッシュを吹き替えていらっしゃいました。私はそれだけでうれしいですね。壤晴彦さんのこの低音の声が好きなんですよねえ。


【あらすじ】

 ヨーク公アルバート王子は吃音症でこれまでに何度も演説で失敗し聴衆を落胆させてしまっていた。なんとか矯正したいアルバート王子は言語療法士のライオネル・ローグの診察を受ける。最初は反発したアルバートだったがローグと接するうちに友情を芽生えさせていく。やがて父が死に兄が即位。しかしその兄も女性問題で1年たらずで退位してしまい・・


♪テーマ曲
















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 大英帝国博覧会閉会式。アルバート王子は父の代理で参加した演説スピーチの時に、患っていた吃音症で演説に失敗し聴衆を落胆させてしまった。

 その後、何人もの医者の診察を受けるが、結局治せなかったりバカバカしい治療方法で治っていなかった。

 妻のエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)は新聞広告の小さい部分で見つけた言語療法士のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)の下を訪ねる。秘書もいない彼は、患者がアルバート王子だと知っても自分流のやり方でやるので、自分の病院に来いと伝える。

 ローグはもともと、演劇の方向を志望していた。

 アルバートはローグのもとを訪れるが、ローグは堅苦しい関係は良くない、としてライオネルで呼ばせる。そしてアルバートを〝バーティ〟と呼ぶなど、王室の人間に対する礼儀とは思えない態度をとる。それに反発したアルバートは帰ろうとするがローグは最後に、「ではシェイクスピアのハムレットの台詞を読めるか賭けよう」と賭けを持ちかける。

 アルバート王子は仕方なく、それに乗り両耳に音楽を流し、セリフを朗読。ローグはそれを録音機で録音する。しかし途中でアルバート王子はバカバカしい、として帰る。ローグはアルバートに録音したレコードを無料で渡す。

 クリスマスにアルバートの父ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はラジオで国民に放送していた。ジョージ5世はアルバートの兄デイヴィッド(ガイ・ピアース)には王室としての素質を持ち合わせていない、としてエドワードが継ぐべきなのにその吃音症は何なのだ!と叱責をする。アルバートは怒鳴られ治そうとしても治らなかった。

 やけくそになり、アルバートは自分の録音されたハムレットのセリフを聞く。するとそのアルバートはどもらずに喋れていたのだった。

 アルバートは再びローグの下を訪れる。ローグはアルバートから診察をしてほしい、と頼まれそれを引き受けるのだった。

 その後、アルバートはローグの指導で必死に吃音症を治す努力をしていく。

 ある日、ついに父ジョージ5世が崩御してしまった。王位は兄であるデイヴィッドに継承され、エドワード8世となったのだ。

 アルバートは診察予定もなかったがローグの下を訪れる。そしてアルバートは厳格な父に左利きを右利きに矯正されたりしたことを話す。更に子供のころから、吃音症でイジメを受けていたことも話す。

 ローグも自分の親父の死に目に会えなかったことを話したり、自分の父親はビール製造業だったことを話したりもした。二人の間に友情が芽生えたのだった。

 しかし新王のデイヴィッドことエドワード8世はアメリカ人で2度も結婚歴があり男癖の悪いウォリス・シンプソン(イヴ・ベスト)に入れ込んでしまっていたのだ。彼女と結婚も考えるデイヴィッドだったが、そんな女性と結婚すれば国が傾くのは間違いなかった。

 クリスマス、アルバートは妻エリザベスとデイヴィッドとシンプソン夫人は下品なふるまいをしていた。ウィンストン・チャーチル(ティモシー・スポール)もウォリスの下品さには頭を悩ませていた。またデイヴィッドはアルバートに公務を疎かにしている、と問い詰められると逆に彼の吃音症を王子になるために習っていたのか、とからかうのだった。

 エドワード8世の王としての自覚のない振る舞いをアルバートから聞かされたローグはアルバートに、エドワード8世を蹴落とせばいい、と進言。アルバートはそれに激怒し反逆罪にあたる!ローグの診察は受けない、と去って行ってしまう。

 ローグは後で妻マートル(ジェニファー・イーリー)に相談し彼女の提言で謝罪することを決めアルバートの下を訪れるがアルバートは会ってはくれなかった。

 その後、スタンリー・ボールドウィン首相(アンソニー・アンドリュース)ら議会のメンバーにより結婚を諦めなければ内閣総辞職をする、とエドワード8世に勧告。エドワード8世はウォリスと結婚するために退位してしまう。

 英国国内ではエドワード8世のあまりにも若くて早い退位に世論が反発していた。そんななかでアルバートはジョージ6世として新英国王を継承。しかし王位継承評議会では散々な演説となってしまった。

 ジョージ6世はもともと、吃音症で失敗することを恐れ国王になることを避けようとしていた。しかしこのままではいけない、とジョージ6世は再びローグと会い彼に謝罪。そして再び彼の診察を受け吃音症を治すリハビリをするようになるのだった。

 載冠式に備えウェストミンスター宮殿で準備をするジョージ6世とローグ。大主教コスモ・ラング(デレク・ジャコビ)はローグを見て、ローグなんかよりもっと良い専門医を準備する、と言うがジョージ6世はそれを拒否する。

 しかしその後、ジョージ6世はローグに医師としての資格もなく研修も受けていないただの役者のなり損ないであることを知る。ローグは第一次世界大戦のころ、神経症で話せなくなった兵士を多く世話して治してやった。資格はないが経験は多い、と弁明をする。

 それでも問い詰めるジョージ6世。やがてローグは逆に王座に座ってジョージ6世を挑発するようになる。ジョージ6世はローグに激怒しどもらずに雄弁を振るう。ジョージ6世は我を失って雄弁を振るった自分に驚く。そしてローグに再び指導をしてもらい、無事に載冠式を終えるのだった。

 載冠式のようすが撮られたニュース映画を見たジョージ6世はその直後に流されたアドルフ・ヒトラーの熱弁の演説に感心する。

 やがてスタンリー・ボールドウィン首相によるドイツの和平政策は失敗に終わりついに開戦状態に陥る。ボールドウィン首相は辞任しネヴィル・チェンバレン(ロジャー・パロット)が新首相となりイギリスはポーランド侵攻を受けドイツに宣戦布告を果たす。

 イギリス全国民や海外に注目されるジョージ6世の演説。ジョージ6世は汚い言葉を発して自分を鼓舞しつつ、演説の練習をする。やがて放送開始が迫りジョージ6世はローグと共に放送室に入り込む。

 そしてジョージ6世はローグに見守られながらどもらず、パーフェクトな演説を成功させる。



In this grave hour, perhaps the most fateful in our history,
I send to every household of my peoples, both at home
and overseas this message spoken with the same depth of
feeling for each one of you as if I were able to cross your
threshold and speak to you myself.

For the second time in the lives of most of us we are at war.
Over and over again we have tried to find a peaceful way out
of the differences between ourselves and those who are now
our enemies.
But it has been in vain.

We have been forced into a conflict.
For we are called to meet the challenge of a principle which,
if it were to prevail, would be fatal to any civilized order
in the world.

Such a principle, stripped of all disguise, is surely the mere
primitive doctrine that might is right.

For the sake of all that we ourselves hold dear,
it is unthinkable that we should refuse to meet the challenge.

It is to this high purpose that I now call my people at home
and my peoples across the seas, who will make our cause
their own.

I ask them to stand calm and firm, and united in this time
of trial.

The task will be hard. There may be dark days ahead,
and war can no longer be confined to the battlefield.
But we can only do the right as we see the right,
and reverently commit our cause to God.

If one and all we keep resolutely faithful to it,
then, with God's help, we shall prevail.

 放送室から出たジョージ6世は家族に迎えられローグと一言会話してからバルコニーに出る。窓の外にいる待ち構えていた大衆に手を振るい英国王としての仕事を果たしたのだった。

 その後、ジョージ6世はドイツへの抵抗運動の象徴となり演説のさいには常にローグがいた。二人の友情関係は終生まで続いていたのだった・・







 男と男の友情を描く映画って汗臭いのが多かったり、どこかホモセクシャルのようなシーンがあったりするのが多かったりするんですよね。でもこの映画は本当にコンパクトな男と男の友情を描いた良い映画だったと思いました。

 ちなみに私、チャーチルって好きなんですよね。なにがって、名前が好きなんですよ。ちなみにこの映画では当時からチャーチルが支えていた、ってような感じになってますがチャーチルとジョージ6世が親密になったのは第二次世界大戦戦時中ですね。チャーチルを過大視した映画、とも語られることがあるようですね。

 では最後に実際のジョージ6世のスピーチでお別れとしましょう。


In this grave hour, perhaps the most fateful in our history, I send to every household of my peoples, both at home and overseas, this message, spoken with the same depth of feeling for each one of you as if I were able to cross your threshold and speak to you myself.

For the second time in the lives of most of us, we are at war.

Over and over again, we have tried to find a peaceful way out of the differences between ourselves and those who are now our enemies; but it has been in vain.

We have been forced into a conflict, for we are called, with our allies, to meet the challenge of a principle which, if it were to prevail, would be fatal to any civilized order in the world.

It is a principle which permits a state, in the selfish pursuit of power, to disregard its treaties and its solemn pledges, which sanctions the use of force or threat of force against the sovereignty and independence of other states.

Such a principle, stripped of all disguise, is surely the mere primitive doctrine that might is right, and if this principle were established through the world, the freedom of our own country and of the whole British Commonwealth of nations would be in danger.

But far more than this, the peoples of the world would be kept in bondage of fear, and all hopes of settled peace and of the security, of justice and liberty, among nations, would be ended.

This is the ultimate issue which confronts us. For the sake of all that we ourselves hold dear, and of the world order and peace, it is unthinkable that we should refuse to meet the challenge.

It is to this high purpose that I now call my people at home, and my peoples across the seas, who will make our cause their own.

I ask them to stand calm and firm and united in this time of trial.

The task will be hard. There may be dark days ahead, and war can no longer be confined to the battlefield, but we can only do the right as we see the right, and reverently commit our cause to God. If one and all we keep resolutely faithful to it, ready for whatever service or sacrifice it may demand, then with God's help, we shall prevail.

May He bless and keep us all.



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(2011/09/02)
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ 他

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Category: 洋画ア行
素晴らしいマフィア映画。そして家族の映画ですね。



『ゴッドファーザー』 (1972年・米)
ゴッドファーザー
スタッフ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ
原作:マリオ・プーゾ「ゴッドファーザー」
製作:アルバート・S・ラディ、ロバート・エヴァンス
音楽:ニーノ・ロータ
撮影:ゴードン・ウィリス
編集:ウィリアム・レイノルズ、ピーター・ジンナー
配給:パラマウント映画
キャスト
ドン・ヴィトー・コルレオーネ〝ゴッドファーザー〟:マーロン・ブランド(麦人)
ミケーレ・コルレオーネ〝マイケル〟:アル・パチーノ(山路和弘)
サンティノ・コルレオーネ〝ソニー〟:ジェームズ・カーン(谷口節)
フレデリコ・コルレオーネ〝フレド〟:ジョン・カザール(牛山茂)
コンスタンツァ・コルレオーネ・リッジ〝コニー〟:タリア・シャイア(渡辺美佐)
ケイ・アダムス・コルレオーネ:ダイアン・キートン(山像かおり)
トム・ヘイゲン:ロバート・デュヴァル(田原アルノ)
ピーター・クレメンザ:リチャード・カステラーノ(辻親八)
カルロ・リッツィ:ジャンニ・ルッソ(内田直哉)
ルカ・ブラージ:レニー・モンタナ(島香裕)
ジョニー・フォンテーン:ジャンニ・ルッソ(大川透)
ジャック・ウォルツ:ジョン・マーリー(水野龍司)
アポロニア・ヴィテッリ・コルレオーネ:シモネッタ・ステファネッリ
モー・グリーン:アレックス・ロッコ(佐々木梅治)
サルバトーレ・テッシオ〝サル〟:エイヴ・ヴィゴダ(水野龍司)
ブルーノ・タッタリア:トニー・ジョルジオ(宝亀克寿)
マール・マクラスキー警部:スターリング・ヘイドン(糸博)
バージル・ソロッツォ:アル・レッティエリ(銀河万丈)
ドン・フィリップ・タッタリア:ビクター・レンディナ(島香裕)
ドン・エミリオ・バルジーニ:リチャード・コンテ(水野龍司)


 フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッドファーザー」。原題タイトルは「The Godfather

 映画史に残る超名作といえるでしょう。こればっかりは大げさなどではなく本当に大作であり名作であります。

 監督はフランシス・F・コッポラ。ある意味、コッポラの代名詞のような作品ですよね。コッポラは学生のころから黒澤明のファンで彼にノーベル文学賞を与えるべき、という手紙を事務局に送ったほどだそうです。やがて彼自身もロジャー・コーマン(低予算映画の王と呼ばれる。「金星人地球を征服」(1956)、「X線の眼を持つ男」(1963)など)の下で1962年に「ディメンシャ13」という作品を作り劇場映画の監督デビューをしました。ちなみに8歳のころから8ミリ映画を撮り始めていたようですよ。やがて彼は経済的に危機に追い込まれそんな中で作ったこの作品が大ヒットしたようです。興行的にも当時の映画では常識はずれの大ヒットを得たようですよ。

 主演は・・どっちでしょうか。マーロン・ブランド?アル・パチーノ?私は両方だと思ってます。マーロン・ブランドは前に同じくコッポラ作品の「地獄の黙示録」(1979)で拝見しています。ベトナムの怪しい集落の・・教祖?みたいな役で本当に怪しい演技でした。彼は「男たち」(1950)で映画デビュー、その1年後に1947年の舞台版「欲望という名の電車」と同じ役をやった「欲望という名の電車」(1951)で一躍大スターになりました。しかし当時の彼をもっとも大ヒットさせた作品といえば初めてアカデミー主演賞をとった「波止場」(1954)だと思います。ちなみにアル・パチーノの出演映画はこれが初見ですね。

 さて、吹き替えですがコンビニで買ったこの映画のDVDには山路和弘がアル・パチーノのバージョンと、森川智之アル・パチーノの両方のバージョンが収録されていました。私はアル・パチーノが初めてセリフを言った瞬間で山路と森川の両方の吹き替えを聞き比べて山路バージョンで観賞することを決めました。森川パチーノにはなんというか、山路に比べて声の冷酷さが足りない気がしました。しかしブランドは両バージョンとも麦人でした。麦人のゴッドファーザー、私大好きです。ちなみにアル・パチーノの専属吹き替えだった野沢那智のバージョンは収録されてませんでした。

 ちなみに登場人物の一人ジョニー・フォンテーンは歌手なんですがモデルはフランク・シナトラとされています。ジョニー・フォンテーンは喉の衰えを感じ、ある映画の役につければ再起を図れるのでゴッドファーザーにプロデューサーみたいな人を説得するよう頼み込みます。ゴッドファーザーはそのプロデューサーを〝説得〟しジョニーは役を得ました。これは当時落ちぶれてしまったフランク・シナトラの「地上より永遠に」(1953)の出演権を勝ち取り、再起を図ることに成功したエピソードをモデルにしている、とされています。シナトラはイタリア系マフィアとの癒着の噂が絶えず、この「地上より永遠に」の出演権を獲得するまえ、女性スキャンダルによりなかなか出演権が得られなかったシナトラはマフィアの大物サム・ジアンカーナに泣きつきジアンカーナが裏で動いた、という噂がありました。まあ当然、真偽は不明なのですが。もちろんシナトラは自分をモデルにした人物が登場することに激怒し「ゴッドファーザー」原作者マリオ・プーゾとたまたま同席した際に、プーゾに「Fuck off(うせろ)!!」と怒鳴ったのは有名な話らしいです。

 あと、ゴッドファーザーというのは名付け親という意味らしいです。でもどっちかというと本国では後見人という意味合いが強いようです。


【あらすじ】

 1945年。ドン・ヴィトー・コルレオーネの娘コニーの結婚式がコルレオーネ邸で盛大に行われていた。コルレオーネ家はニューヨーク五大ファミリーの一つ。その結婚式に久しぶりに三男マイケルが恋人と共に帰宅する。しかしコルレオーネ家の情勢は少しずつ動いていた。ある日、マイケルが恋人と過ごしているとヴィトーが何者かに銃撃された、との報道が。マフィアに関わることを嫌っていたマイケルはコルレオーネ家の邸宅に戻り病院でいまだに命を狙われる父を守るためにマフィアの一員となる覚悟を決める。


♪テーマ曲














※記事をつくる上でWEB映画館様記事を許可をとって参考にいたしました。WEB映画館様ありがとうございました。


【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり



 1945年。第二次世界大戦が終結した。

 コルレオーネ邸ではドン・ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の娘コニー・アダムス・コルレオーネ(タリア・シャイア)とカルロ・リッツィ(ジャンニ・ルッソ)の結婚式が行われていた。ヴィトーと関係の深い代議士や弁護士、有名人などもパーティに出席していた。

 ヴィトーの長男ソニー・コルレオーネ(ジェームズ・カーン)は短気な性格でパーティにFBIの見張りが来ていることに苛立ちを覚えていた。一方のヴィトーはパーティに出席しつつ葬儀屋のアメリゴ・ボナセーラ(サルヴァトーレ・コルシット)などの出席者から頼みごとを聞いたりしていた。娘に暴力を振るった男への復讐、など表沙汰にできない相談である。

 ヴィトーの三男マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)は恋人ケイ・アダムス(ダイアン・キートン)と共にパーティに出席していた。ケイは有名な歌手ジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)がパーティに参加していることに興奮を隠せなかった。なぜ彼がヴィトーと知り合いなのかをマイケルに聞くとマイケルはヴィトーがジョニーの名付け親で彼が困ったときに〝助け〟を出してやったことを話しケイを引かせてしまう。しかしマイケル自身は第二次大戦に出兵し、マフィアと関わりを持つことを嫌い関わらないようにしていたのだ。

 コルレオーネ家はニューヨーク五大ファミリーのひとつだったのだ。

 ヴィトーのもとにジョニー・フォンテーンが相談にくる。ジョニーは自分の声の衰えを感じ、再起を図るにはあるハリウッド映画の出演権が必要だ、しかしその映画のプロデューサーであるジャック・ウォルツ(ジョン・マーリー)から出演権を得られずこのままでは困ってしまう、と泣きついた。

 ヴィトーはジョニーに女々しい泣き言を言うな、と説教しつつファミリーの相談役で拾い子のトム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)をハリウッドへ派遣し何とかするよう命じる。ヴィトーは自分に敬意を払い、自分をゴッドファーザーと慕い友情を欠かさず家族を大事にするものには優しいのだ。そんな一面からヴィトーは〝ゴッドファーザー〟としてファミリーから尊敬され慕われた存在だった。

 トムはジャック・ウォルツを説得。最初はジョニーの雇ったゴロツキと勘違いされるがコルレオーネの一員だと知り、トムを歓迎する。自分の高価な愛馬を紹介し夕食にも呼ぶがジョニーを雇うことだけは認めなかった。トムはウォルツの家を去るが、翌朝起きたウォルツが自分のベッドのかけ布団の中で見かけたものは愛馬の切断された頭部だった。

 コルレオーネ邸に戻ったトムはヴィトー、ソニーと共に対談の要請があった麻薬組織ソロッツォファミリーのボスであるバージル・ソロッツォ(アル・レッティエリ)のことで会議をしていた。ソロッツォはトルコから来た麻薬の売人でバックには五大ファミリーの一つ、タッタリアファミリーが構えていた。ソニーとトムは麻薬ビジネスは金になるからするべきだ、と提言する。ヴィトーはひとまず対談に応じることにする。

 ヴィトーはソロッツォと対談。しかし彼から危険な香りがすることと、麻薬自体をヴィトーが危険なものとして嫌っていることからソロッツォのビジネスをサポートすることを拒否するのだった。そして側近の殺し屋ルカ・ブラージ(レニー・モンタナ)にソロッツォにコルレオーネファミリーに嫌気が差している、と見せかけて接触をはかるように命じる。

 翌日、ヴィトーは風邪で倒れた専属運転手ポーリー・ガットー(ジョン・マルティーノ)のかわりに次男のフレド・コルレオーネ(ジョン・カザール)の運転で果物屋に来ていた。一方、トム・ヘイゲンは何者かに拉致される。殺し屋ルカはソロッツォに接触したときに隙をつかれて首を絞め殺される。そしてヴィトーは果物屋で二人のマフィアらしき男たちの襲撃を受け倒れこんでしまった。フレドは動かなくなった父を見て嗚咽する。

 ヴィトーはケイと買い物を楽しんでいた。しかしたまたま見かけた新聞に父が凶弾に倒れたことを知る。すぐさまコルレオーネ邸に戻る。一方のトムはヴィトーを撃ち殺したことを自分を誘拐したソロッツォから聞かされ、ソロッツォにゴッドファーザーは亡くなりファミリーを保つためには後継者のソニーにソロッツォと手を組み麻薬ビジネスに手を出すよう説得するんだ、と言いトムを解放する。しかしソロッツォはすぐに実はヴィトーがまだ生きていて入院していることを知り、危機感を感じていた。

 コルレオーネ邸ではトム、フレド、マイケル、ソニーらが集まり他に幹部のピーター・クレメンザ(リチャード・カステラーノ)やサルバトーレ・テッシオ(エイヴ・ヴィゴダ)も集まる。ソロッツォからの贈り物によりルカの死を知ったファミリーはゴッドファーザーが一命は取り留めたもののこれからどうなるのか、悩んでいた。やがてそこに風邪のポーリーが合流。ソニーはポーリーが去った後、クレメンザにポーリーを始末するよう命じる。

 翌日、ポーリーの運転で郊外まできたクレメンザは小便といって車を降り、部下にポーリーを始末させ去って行った。

 マイケルはクレメンザから会議を続けるソニー、トムなどを支えるために料理は覚えたほうがいい、と料理を教わっていた。やがてケイから電話がきて、夜に会うことにきめる。

 夜、ケイと食事したマイケルはケイにしばらく会えないので実家に帰るよう言ってからヴィトーの病室を訪問する。しかし見張りの警備員やファミリーの部下が病院に誰もいないことに気付き、ソニーに連絡してからその病室にやってきた看護師と共に違う病室へ移そうとする。マイケルはヴィトーに「父さんは必ず守る」と決意を誓うのだった。

 病室に見まいに訪れたヴィトーに世話になったパン屋のエンツォと共に病院の入り口前でさも拳銃を所持した護衛を装い、病院にヴィトーを殺しにきたソロッツォファミリーをまだ護衛がいるのだ、と誤解させ追い払う。やがてそこへマール・マクラスキー警部(スターリング・ヘイドン)率いる警官隊が到着。マクラスキーが病院の見張りたちを追い払った張本人だった。マイケルはマクラスキーにいくら貰ってソロッツォの飼い犬になったか問うと殴られて逮捕されそうになる。

 そこへソニーのコルレオーネファミリーの面々が到着。トム・ヘイゲンがマクラスキー警部に不当逮捕した場合はあなたを告訴し裁判沙汰にするぞ、と脅しマイケルはマクラスキー警部から解放される。

 翌日、激怒したソニーはタッタリアの息子ブルーノ・タッタリア(トニー・ジョルジオ)を殺しついに戦争状態に陥る。

 そんななかでマイケルにソロッツォが会いたい、という対談要請をされる。マイケルは罠である可能性を悟りつつむしろその場でソロッツォと恐らく来るであろうマクラスキー警部を殺せばいい、と話す。警官殺しはマズいと話すトムやソニーだったがマイケルはマクラスキーが麻薬と関係している悪徳警官だ、とコルレオーネ子飼いの記者に書かせればいい、と言いマイケルが二人を殺すことに決定する。

 ボディーチェックは欠かせない。そこで対談するレストランを調べ上げ、あらかじめそのレストランに拳銃を仕掛けることにした。

 やがてマイケルはソニーやトムに別れを告げてからソロッツォとマクラスキーの車に乗り込む。途中、ソロッツォの車は尾行のコルレオーネの車をまき、目的のレストランに到着する。

 レストランでソロッツォはマイケルに「お前さんが俺たちと組むのは悪い話じゃない」と誘う。マイケルは一度、トイレだと言って退席。そしてトイレに隠されていた拳銃を持ち、席に戻ってソロッツォとマクラスキーの頭を撃ちぬき射殺。そのままレストランを去り、しばらくシチリアの方へ潜伏するのだった。


 その後、ヴィトーとマイケルがいないなか五大ファミリーの抗争は激化。多くの血が流れ金が費やされていった。やがてヴィトーが退院する。ヴィトーはマイケルがマクラスキーとソロッツォを殺し潜伏していることを聞き、悲嘆する。

 イタリア・シチリア島。マイケルはヴィトーの友人ドン・リオネーレ・トマジーノ(コラード・ガイパ)にかくまわれファブリツィオ(アンジェロ・インファンティ)、カーロ(フランコ・チッティ)の二人の護衛をつけ散歩をしていた。

 その散歩をしているときにコルレオーネ村の若い娘アポロニア・ヴィッテリ(シモネッタ・ステファネッリ)に一目ぼれする。そしてたまたま出会った彼女の父親にファブリツィオの通訳で自分がコルレオーネ村旧家の人間であることを明かし、娘に求婚し彼女との婚姻を許されるのだった。

 一方、コルレオーネファミリーに信用されず仕事を任されないコニーの夫カルロ・リッツィはその八つ当たりを妻コニーにぶつける。それを聞いたソニーは激怒しカルロをリンチするのだった。

 やがてマイケルとアポロニアの結婚式が開かれる。二人は徐々に距離を縮めていく。また、ケイが恋人マイケルの身を案じてコルレオーネ家にやってくるが、トムは何も語ることはできなかった。

 やがて再び暴力を振るわれたコニーは兄ソニーに相談する。激怒したソニーは車に乗り込みコニーの家へ向かうが道中の料金所でマフィアの銃撃を受け死亡する。ヴィトーはそれをトムから聞かされショックに涙を流してから葬儀屋ボナセーラの下にソニーの死体を運び、ソニーの遺体をヴィトーの妻でソニーたちの母カルメラ・コルレオーネ(モーガナ・キング)が見れるように綺麗にしてほしいと頼み込むのだった。

 マイケルはアポロニアと初夜もすませ、ラブラブな生活を送っていたがソニーの死を知りここも危険だとして移転を決める。しかし護衛のファブリツィオが逃げるようにマイケルの下を去る。不審に思ったマイケルは、自分の車に何か仕掛けられたことに気付く。だがマイケルに車を運転して驚かせようとしたアポロニアがエンジンをかけてしまい爆発。アポロニアは爆殺されたのだった。

 ヴィトーは戦争を終結させるべくすぐさまドン・エミリオ・バルジーニ(リチャード・コンテ)に五大ファミリーを集結させてほしい、と依頼。バルジーニは五大ファミリーの和解会議の場を設けヴィトーはその場でドン・フィリップ・タッタリア(ビクター・レンディナ)などと和解。そして息子マイケルに手出ししないならば、コルレオーネ家の麻薬売買への関わりもやむを得ない、として和解はされたのだった。そしてヴィトーはその場で息子ソニーを殺した黒幕はタッタリアではなくバルジーニであることに気付く。

 やがてマイケルはニューヨークに戻りヴィトーの手伝いをし始める。帰国から1年後にケイの下に現れ、ケイに求婚する。昔のような無邪気な青年から変わってしまったマイケルに嘆きつつも彼の求婚に応じることに決めた。マイケルはもはやゴッドファーザーの跡取りのような立場に立ち、クレメンザやテッシォに指示を出す。

 更にマイケルはゴッドファーザーの力が衰え、これから戦争は激化することを悟りトム・ヘイゲンを相談役から降ろした。

 ニューヨークからのコルレオーネ勢力撤退を考えたマイケルはラスベガスへ移転することを決め、フレドが世話になっているホテルのオーナー、モー・グリーン(アレックス・ロッコ)からホテルを買い取ろうとする。

 ジョニー・フォンテーンには買い取る予定のホテルと専属契約をしてほしいと頼みジョニーもゴッドファーザーへの敬意からそれに応じる。モー・グリーンはホテル経営が好きでマイケルから交渉を受けた時にそれを拒否し、「貴様らのような弱い勢力に誰が譲るか。俺はバルジーニやタッタリアと手を組ませてもらう」と不機嫌に去って行った。

 マイケルはヴィトーの家を訪れる。マイケルは妹コニーとカルロの子供の名付け親(ゴッドファーザー)を任されていた。マイケルはカルロにマフィアの仕事をさせて側に置かせていた。

 やがてヴィトーはマイケルに、私は人に馬鹿にされないように生きてきた。そしてお前だけは表の世界で生き抜いてほしかった、と心の内を明かす。マイケルは父に負けないように生きていく、と言う。やがてヴィトーはマイケルにバルジーニとの会見を提案した身内の者こそ裏切り者だ、と話し後を託すのだった。

 ヴィトーは亡きソニーの息子で孫アンソニー・コルレオーネ(フランク・ダンブロシオ)と怪物ごっこで遊んでいた。ヴィトーがオレンジを口に加え怪物の真似をしてアンソニーを追っかける。トマト畑でアンソニーに追いかけられる内にヴィトーは心筋梗塞を起こし死亡した。

 ヴィトーの葬儀は盛大に行われる。マイケルの下に古参の幹部テッシォがバルジーニとの会合をセッティングしたい、と話すのだった。これで身内の裏切り者は判明した。

 マイケルは妹コニーとカルロの間に生まれた新たな子供の洗礼式にて新たな生命にたいし悪魔をしりぞけることを誓う。それと同時進行でマイケルの指示により大規模な粛清が始まっていた。

 ヴィクター・ストラキ〈ストラキファミリーのボス。五大ファミリーの一つ〉はエレベーターを降りようとしたところをクレメンザにショットガンで殺害され、モー・グリーンはマッサージを受けている際に射殺、カーメン・コレアーノ〈コレアーノファミリーのボス。五大ファミリーの一つ〉は回転扉に閉じ込められウィリー・チッチにより射殺、ドン・フィリップ・タッタリアは情婦と寝ているところを射殺、ドン・エミリオ・バルジーニは警官に扮したアル・ネリ(リチャード・ブライト)により射殺される。かくして五大ファミリーの四人のボスがマイケルの指示により殺された。

 また、裏切り者のテッシォも始末されるために連行される。そして最後にマイケル自身がカルロに「お前がバルジーニなどと組んでコニーとわざと喧嘩を起こしソニーをおびき寄せて始末させたのは知っている」と問い詰める。カルロは涙ながらにそれを認め、マイケルは「さすがに赤子の父親の命を奪えない。今後はファミリーの仕事に関わらせない。しばらくどこかへ去れ」と命じる。

 そうしてカルロは空港行きの車に乗せられるが、後部座席の部下に首を絞められ結局は絞殺されてしまうのだった。

 ネバダへ移転を始めるマイケル。そこへコニーがやってきてカルロを殺したことをなじられる。マイケルは気が狂ったんだ、と一蹴するがケイはマイケルに厳しく問い詰める。やがてマイケルはカルロを殺してなどいない、と嘘をつきケイを安心させる。

 ケイがコーヒーを淹れるために退室する。そしてケイが不安そうに見つめるマイケルのいる部屋で見た物。それはマイケルをゴッドファーザーと呼び敬意を表する男と、ゴッドファーザーその男が立っていた・・・

♪ゴッドファーザー愛のテーマ ニーノ・ロータ







 やはりこの映画の主題は家族だと思われます。家族を大事にする男、ゴッドファーザーのヴィトー・コルレオーネ。その家族愛を一番に受け継いだのは短気だが憎めないソニーだと思われます。甘さを一番受け継いだのは、まあフレドでしょうね。そしてマフィアとしての本質を一番に受け継いだのがマイケルでしょう。

 マイケルは本当に表でも十分生きられた人なんですよね。でも皮肉なことに彼には兄弟の中で一番、マフィアとしての素質を持っていた。父を助けることでマフィアに関わってしまったマイケル。しかし私としてはマイケルを本当に冷酷な人間として目覚めさせたのはおそらくシチリアでのアポロネアが爆殺されたときではないでしょうか。


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(2011/02/25)
アル・パチーノ

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~1:58ごろ●ルカ・ブラージの抹殺
1:59~3:05ごろ●ヴィトー襲撃
3:06~4:17ごろ●ソロッツォとマクラスキー警部抹殺
4:18~5:36●ソニー射殺
5:37~●五大ファミリー大粛清
Category: 洋画カ行
いい戦争映画でした。


『戦争のはらわた』 (1977年・西独、英)
戦争のはらわた
スタッフ
監督:サム・ペキンパー
脚本:ジュリアス・エプシュタイン、ジェームス・ハミルトン、ウォルター・ケリー
原作:ウィリー・ハインリッヒ
製作:ヴォルフ・C・ハルトヴィッヒ、アーリーン・セラーズ、アレックス・ウィニトスキー
音楽:アーネスト・ゴールド
撮影:ジョン・コキロン
編集:トニー・ローソン、マイケル・エリス
配給:コンスタンティン・フィルム、EMIフィルム
キャスト
シュタイナー曹長:ジェームズ・コバーン
エヴァ:センタ・バーガー
ロシア少年:スラッコ・スティマッチ
マイヤー少尉:イゴール・ガロ
クルーガー伍長:クラウス・ローヴィッシュ
アンゼルム:ディーター・シドール
ディーツ:マイケル・ノウカ(?)
ツォル:アルチュール・ブラウス
シュヌンバルト:フレッド・スティルクラウス
カーン:ヴァジーム・グルーナ
マーク:ブルクハルト・ドライスト
キーゼル大尉:デビッド・ワーナー
ブラント大佐:ジェームズ・メイソン
トリービヒ少尉:ロジャー・フリッツ
シュトランスキー大尉:マクシミリアン・シェル


 サム・ペキンパー監督作品「戦争のはらわた」。原題は「Cross of Iron」で直訳の場合はドイツ軍でいう「鉄十字勲章」をあらわしている。

 「地獄の黙示録」、「史上最大の作戦」、「戦場にかける橋」ぐらいしか戦争映画は観ていない私にとってこの映画はものすごく衝撃的でした。バイオレンスな描写が多いんですよ。どうしても戦争映画って実際の戦争のような「臭さと汚さ」からあまりにもかけ離れた映画が多いんですよね。しかしこの映画は肉片まではいきませんが、血肉らしきものは見えるし腕の切断面っぽいのや両腕がないひとが出てきたり、と本物の戦争にかなり近づけた作品となっている、と言えるでしょう。

 ただし、私が観たTSUTAYAで借りた廉価版DVDの日本語字幕があまりにも酷い。調べたらその翻訳者はやはりネットでも話題になっており、「機械かエキサイト翻訳でもしたのでは?」とか「実は外人が翻訳してるんじゃ?」とか散々に言われているようでした。私は観ていたとき、これって私の理解力不足なのかなあ、なんて不安になりましたがやっぱり翻訳者が酷かったようである意味、安心しました。だってこの日本語字幕、何というか本当にエキサイト翻訳したような感じなんです。誤訳も多い、と聞きました。最高の戦争映画なのに観た人にとってはこの日本語字幕で気分を害するかもしれませんね。私はあまり批判することは無いし、批判する人が嫌いなのですがこの日本語字幕だけはあまりに酷い、と言えるでしょう。まあ、あえて翻訳者の名前は出しませんが。

 監督はサム・ペキンパー。彼はやはりバイオレンス映画の監督として名をはせていました。彼の初劇場映画の制作作品は「荒野のガンマン」(1961)、後に「ワイルドバンチ」(1969)でバイオレンスチックな描写を出して話題となりました。まあ当然、お堅い当時の評論家たちは監督を叩きましたが。

 主演はジェームズ・コバーン。私、実はコバーンってまだ「荒野の七人」(1960)と「大脱走」(1963)ぐらいでしか拝見していないんですよね。しかしやはり格好いい。そして時々、リー・マーヴィンと何故か被る。と思ったらやっぱり吹き替えをする場合はコバーンもマーヴィンも小林清志さんが多いんですね。まあこの映画では吹き替えはありませんでしたが。

 キャッチコピーは「戦争は最高のバイオレンスだ」。このキャッチコピー好きですよ。この映画の大部分を表していると思います。この映画でのジェームズ・コバーン演じるシュタイナーって他の戦争映画の主役のような英雄とはどこか違うんですよね。まあ、それは皆さんが観てみて感じてほしいところでもあります。

 ところでよくこの邦題を「もうちょっと鉄十字勲章に近づけた邦題がよかったのでは」とおっしゃる方を見かけますが私としてはペキンパーなりのバイオレンスチックな描写を表してるいい邦題だと思いますよ。

【あらすじ】

 第二次世界大戦の真っただ中。タマン半島で激突するソビエト軍とドイツ軍。そんななか、ドイツ軍の戦線の中で一種の英雄とされていたシュタイナー軍曹に西部戦線から派遣されたシュトランスキー大尉が新たな上司となる。シュトランスキーはシュタイナーとの対立を深めるが、シュトランスキーは自分が鉄十字勲章を得るためにシュタイナーを味方にすればいいと確信し昇格させる。



シュタイナー(ジェームズ・コバーン)
シュタイナー
シュトランスキー(マクシミリアン・シェル)
シュトランスキー
ブラント大佐(ジェームズ・メイソン)
ブラント










※今回はあまりにも字幕に頼れ無かったため何個か調べた点もあります。間違っていたらご了承ください。

【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 第二次世界大戦。クリミア半島東隣のタマン半島。東部戦線のドイツ軍とソビエト軍が激突していた。

 ドイツ陣営に西部戦線のフランスからシュトランスキー大尉(マクシミリアン・シェル)が派遣された。彼は欲深い男で鉄十字勲章を得るために志願してこの戦線にやってきたのだ。その本質を見抜いたキーゼル大尉(デビット・ワーナー)やブラント大佐(ジェームズ・メイソン)は彼を嫌悪する。

 一方、キーゼルやブラントが個人的に英雄と評しているシュタイナー軍曹(ジェームズ・コバーン)は部下と共にロシア少年(スラッコ・マティッチ)を捕虜として陣営に戻ってくる。その陣営でシュトランスキーと出くわし捕虜は必要ない、という命令があるからすぐに処刑せよ、と命じる。シュタイナーはそれを何とかはぐらかす。

 シュトランスキーに呼び出されたシュタイナーはそこで行方不明になった部下の扱いについての質問を受ける。シュタイナーは他の部下の犠牲を増やさないために捜索はしなかった、と話し潔癖的な一面があるシュトランスキーに批判される。かくして二人の対立は増す。

 シュトランスキーはトリービヒ少尉(ロジャー・フリッツ)を脅迫して味方につけ、鉄十字勲章を得るためにはシュタイナーも懐柔させておくべきだと判断し曹長に昇格させるのだった。

 そんな中でシュタイナーはロシアの少年を家に帰そうとする。しかしその直後にロシア軍が陣営を襲撃。ロシアの少年はロシア軍に射殺され、いきなりの奇襲攻撃に怯えて地下壕を出ないシュトランスキーの代わりに防戦で指揮を執ったシュタイナーの旧友マイヤー少尉(イゴール・ガロ)が戦死。シュタイナーも負傷し病院へ運ばれる。

 病院で銃弾の聞かない日を過ごしたシュタイナーはそこで従軍看護婦のエヴァ(センタ・バーガー)といい関係になる。しかし同じく負傷し入院していた部下のシュヌンバルト(フレッド・スティルクラウス)が一足早く戦線に復帰する、と知り自分も戦線に復帰する決意を固める。エヴァに悲しまれ少しためらいながらもシュタイナーはシュヌンバルトと同じトラックに乗り込む。

 戦線に復帰したシュタイナーは小隊の部下のアンゼルム(ディーター・シドール)、ツォル(アルチュール・ブラウス)、ディーツ(マイケル・ノウカ)、カーン(ヴァジーム・グルーナ)、マーク(ブルクハルト・ドライスト)、そしてクルーガー伍長(クラウス・ローヴィッシュ)らに歓迎される。

 ブラント大佐の下に立ち寄ったシュタイナーはそこで奇襲戦の際に防戦を指揮していたのは誰だ、と問い詰められる。トリービヒ少尉はシュトランスキー大尉だと証言。シュトランスキーはマイヤーの手柄を横取りしようとしていたのだ。シュタイナーは何も答えないままブラント大佐の下を去る。

 やがて再びソ連軍の攻撃が活発化しシュタイナー小隊は善戦するが結局、ドイツ軍は撤退を開始する。

 殿軍(しんがり)を任されたシュタイナー小隊は敵の猛攻を防ぐうちに本隊とはぐれてしまう。一方のシュトランスキーは策を練ってついにパリへの異動を決定させる。

 また、ブラント大佐は行方不明のシュタイナーを案じつつ、命令により戦線を去ることになったキーゼル大尉に二度と戦争を起こさないように良い人材を見つけてほしい、と後を託し見送るのだった。

 シュタイナー小隊は橋を突破し女性兵士部隊の兵舎を襲う。そしてソビエト軍の軍服を奪う。しかしそこで女性兵士に油断してしまった童貞ディーツ二等兵が女性兵士に寝首をかかれ死亡。また、欲情し油断したツォンは女性兵士にフェラをさせている最中に性器をかみきられ立てなくなる。兵士をきちんと見張っていろ、という命令に背いたツォンをシュタイナーは見捨てる。ツォンは他の女性兵士たちにツォンを好きに(この場合はリンチ)させて小隊を率いて去って行く。

 その後、小隊はドイツ軍を装って哨戒線を突破。ついに本隊の近くまで合流することに成功する。ドイツ兵と間違って撃たれないようにシュタイナーと署名を打ち〝境界線〟というワードを叫びながら合流する、ということを暗号で本隊に送信する。

 それを受け取ったシュトランスキーはシュタイナー帰還を疎ましく思いトリービヒにドイツ兵と間違って殺してしまえ、と命令する。

 シュタイナー小隊は手を頭の上にあげて本隊に合流しようとするがシュトランスキーの命令を受けたトリービヒは射撃を命令。一斉射撃を受けたシュタイナー小隊は〝境界線〟と叫びながら自分たちのことを知らせようとしたシュヌンバルト、カーン、マークらが次々と撃たれ死んでいった。

一斉射撃

 シュタイナーが近づいたことでやっと仲間だと気付いた機関銃の掃射兵が銃撃を止めるがトリービヒはそれでも撃とうとする。シュタイナーは逃げようとしたトリービヒに近づく。トリービヒはシュトランスキーの命令であって自分の意志ではない、と言い訳を重ねる。シュタイナーは今までの戦争で死んだロシアの少年や糞ナチ野郎と叫びながら死んだマークらのことを思い、ついにトリービヒを射殺する。

 その後、クルーガー伍長に小隊の新隊長になるよう託してから自身はシュトランスキーに〝借り〟を返しに向かう。

 その頃、ついにソビエト軍の追撃隊が接近してくる。シュトランスキーの部下らは撤退を開始する。ブラント大佐は自ら銃を持って戦いに出向く。

 シュタイナーはシュトランスキーにトリービヒが死んだことを伝える。しかしシュトランスキーは動じることなくむしろクルーガーら自分の部下を置き去りにしたことを罵る。シュタイナーはシュトランスキーの覚悟を見て「あんたが自分の小隊だ」と言い武器を与え共にロシア兵が迫るなか二人だけで撤退を開始する。

 シュトランスキーはまともに銃弾の装填もできずあわてふためく。そんな姿を見ながらシュタイナーは大笑いをするのだった。

大笑いするシュタイナー



諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している」ベルトルト・ブレヒト






 最後、シュタイナーがなぜシュトランスキーを許したというか、一緒に戦いをはじめたのか。それはやっぱりシュタイナーの他の戦争映画の主人公とは違うところですよね。これはやっぱり戦争の美学だと思います。日本だって独特の散りざまを見せた戦争での美学がありましたよね。まあ当時の基準では、の話ですが。

 最後に銃を持って飛び出したブラント大佐も散りざまの美学、命の覚悟を決めたシュトランスキーの散りざまの美学。そしてシュタイナー自身の散りざまに見せたシュトランスキーを許し共に戦わせることの美学。汚い戦争のなかに美しい花を咲かせた、そう私は思ってラストシーンを観ました。

 エンディング曲が童謡「Hänschen Klein」。日本では「蝶々」のタイトルでお馴染みの曲です。これを子供が歌っているんですよね。戦争の悲惨さを伝えるうえで子供、つまり少年兵の犠牲というのはあまりにも重要ですよね。戦争の空しさを少年たちが歌う主題歌でうまく伝えていた、と表現していると思います。そしてラストのジェームズ・コバーンの勇ましく大笑いする笑い声。あれは空しい笑いにも聞こえた気がします。


戦争のはらわた~Cross of Iron~ [DVD]戦争のはらわた~Cross of Iron~ [DVD]
(2000/08/25)
ジェイムズ・コバーン、マクシミリアン・シェル 他

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Category: 洋画サ行
短編映画シリーズ。


『動く歩道からの風景』(1900年・米)

監督:ジェームズ・H・ホワイト


 原題タイトルは「Panorama from the moving boardwalk

 1900年のパリ万国博覧会では、時速5マイル(8km)の動く歩道が公開されていました。今ならよく大きな空港とかで見かけるアレですね。

 その動く歩道にカメラを乗っけて動く歩道からの風景を撮った作品です。


『動く歩道の風景』(1900年・米)



 原題タイトルは「Panorama of the moving boardwalk

 前述の「動く歩道からの風景」とは対称的に動く歩道を撮った作品ですね。

 1900年当時ではこんな動く歩道なんかも珍しいもので映像に映る皆さんも十人十色さまざまな反応を示してくれます。そういった反応を楽しむのにも良い映像ですね。

 この二つは恐らく世界史の映像なんかでも使用されるんじゃないでしょうか。
Category: 洋画ア行
短編映画シリーズ。


『寄宿学校の少女たち』 (1897年・米)

監督:ジェームズ・H・ホワイト

 原題タイトルは「Seminary Girls

 100年以上前の少女たちが枕投げするまあ映画というより動画でしょうね。彼女たちは無邪気に枕投げで戦っているんですが、そこへ先生がやってきてそれを中断させる、というまあ修学旅行のテンプレートでしょうね。

 確かに微笑ましいんですが、ちょっと私は怖くかんじましたね。音がないからでしょうか。それとも彼女たちの髪の毛が貞子なみに伸びているからでしょうか。
Category: 洋画カ行
松本清張の小説の映画化作品です。私は推理の本は西村京太郎か東野圭吾くらいしか読まないので清張さんは読んだこと無いですねー。


『張込み』 (1958年・日)
張込み
スタッフ
監督:野村芳太郎
脚本:橋本忍
製作:小倉武志(企画)
音楽:黛敏郎
撮影:井上晴二
編集:浜村義康
配給:松竹
キャスト
柚木刑事:大木実
下岡刑事:宮口精二
下岡満子:菅井きん
下岡辰男:竹本善彦
横川仙太郎:清水将夫
主犯・山田:内田良平
高倉弓子:高千穂ひづる
高倉弓子の父:藤原釜足
高倉弓子の母:文野朋子
旅館の女主人:浦辺粂子
石井キュウイチ:田村高広(田村高廣)
横川さだ子:高峰秀子

 野村芳太郎監督作品「張込み」。原作は松本清張の同名小説です。

 張り込む刑事は大木実と宮口精二。私は七人の侍で宮口精二が一気に好きになってしまいました。だからこの映画は私にとってお得でしたね。まあ終盤は宮口さんの活躍シーンはほとんどなくなるんですが・・

 張り込まれる側は高峰秀子。彼女は日本の映画界において欠かせない女優の一人でしたね。残念ながら2010年にお亡くなりになってます。彼女は当時33歳で美しい妻が合っていましたが、なぜそんな美しい妻がケチくさい男の嫁になったか。そこの部分に関してはリアリティに欠けていましたが映画ですからご愛嬌。

 そして彼女の元恋人で彼女の下に現れるかもしれない犯人を田村高廣が演じてます。田村高廣は映画スター・阪東妻三郎の長男で田村正和、田村亮の兄です。残念ながら彼もお亡くなりになってますね。

 さて監督の野村芳太郎は黒澤明に助監督として務め「日本一の助監督」と称されました。その後、『鳩』(1952年)で監督デビューしこの映画で一気に監督としての名前を広めました。後に彼は松本清張の作品をよく映画化しています。例えるなら山本薩夫と山崎豊子、市川崑と横溝正史のような関係でしょうね。

 まあ実際にこの映画が評価されたのは脚本の橋本忍さんの手腕でもあるでしょうね。彼は脚本の神様だと私は個人的に思っています。

 舞台は佐賀市でもちろん実際に佐賀市で撮影しています。私の知り合いが鹿児島県に住んでいらっしゃるのですが、今度ぜひ佐賀県に行かせましょうか。そしてこの映画で、佐賀県を旅している感じでしたねえ。ラストシーンでの佐賀の川上温泉(原作では川北温泉と表記)とか行ってみたいですねえ。しかし川本三郎著「日本映画を歩く」によると実際にラストで撮影に使用されたのは大分の宝泉寺温泉だそうです。川上温泉では撮影当時に、ひなびた感じが出てなかったようです。

【あらすじ】

 警視庁の柚木刑事と下岡刑事は横浜からSL機関車の夜行列車で佐賀へと向かう。佐賀に着き佐賀署に顔を出してから二人は刑事であることを伏せある女性の向かいの宿に泊まり張込みを開始する。その女性が張り込まれる理由は、東京で発生した殺人事件の犯人の一人が女の下へやってくるかもしれない、とのことだった・・・

柚木刑事(大木実)
柚木刑事
下岡刑事(宮口精二)
下岡刑事
横川さだ子(高峰秀子)
横川さだ子








【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり






 警視庁の柚木刑事(大木実)と下岡刑事(宮口精二)は横浜からSL機関車(急行「筑紫」と思われる)に乗り換えて佐賀を目指す。私事ではなくもちろん、事件を追うためだった。

 佐賀署の署長(大友富右衛門)に挨拶してから二人はある女性の家の向かいにある宿に泊まることに決める。女主人(浦辺粂子)らには情報流出を恐れ、あえて刑事を名乗らずセールスマンを名乗って宿泊する。

 二人の刑事の目的は東京で起きた殺人事件で犯人・山田(内田良平)を逮捕したあと山田が共犯者の石井キュウイチ(田村高広)の存在と彼に凶器の拳銃を預けたこと、彼が故郷の元恋人の話をしきりにしていた、ということを自供する。その元恋人こそ二人の刑事が張り込んで見張っている横川さだ子(高峰秀子)だった。

 捜査一課長(芦田伸介)の会議の結果、自殺を図ろうとしてその前に石井が元恋人の横川の下に来る可能性は十分にありえる、として柚木と下岡が佐賀に派遣されたのだった。

 横川さだ子は今、横川仙太郎(清水将夫)という一日に100円(当時の値段。物価比較などは個人でお調べください)しか小遣いを渡さないケチな亭主に嫁いでいた。三人の子供がいるが、その三人とも仙太郎の前妻の子供だったのだ。

 二人は一日、二日と張込みを続ける。しかし彼女は決まった時間に洗濯、炊事、買い物などまるで機械のように決められた生活を送るばかりで石井と接触する様子もない。また彼女自身も生気が見えず、実際の年齢より老けてみえてしまっていた。

 ある日、横川さだ子がいつもと違う出来事を起こした。バスでどこかへ向かったのだ。二人も同じバスに乗りその後を追うが結果は夫の知人の葬儀に夫の代わりに参加する、という全く面白味のないことだった。

 滞在予定は一週間。刻一刻と時が過ぎるが横川さだ子は全く石井と接触する気配が見られなかった。二人の刑事も日に日に疲労と失望感が感じられてきていた。

 ある日、ずっと宿の部屋にこもりっぱなしの二人を不審がった宿の女中たちが警察に通報していた。しかし佐賀の警察には事情を話してあるので、一応は形式的な警察官の訪問を受け、つじつまを合わせるように言う。

 柚木刑事は夜、東京の恋人のことを思い出していた。高倉弓子(高千穂ひづる)とは柚木自身が結婚する勇気がなかったために未だに結婚をしていない。そんな東京の恋人のことを思い出していたのだった。

 張込みの最終日。佐賀警察署に向った下岡刑事に代わり柚木一人で見張っていたところ、突然横川さだ子が家を出て行った。いつもの予定通りではない行動に慌てて柚木も後を追うが見失ってしまう。

 柚木は佐賀駅に行き、石井キュウイチらしき男が佐賀にやってきたことを聞き、二人が乗ったバスのあとを追う。バスの終点地でバスの乗務員から石井キュウイチらしき男と横川さだ子らしき女が川北温泉で降りたことを聞き柚木も川北温泉へ向かう。

 高原にさしかかった時、銃声が聞こえる。柚木は石井が無理心中を図ったのでは、と銃声の聞こえる方向へ向かうがただの狩猟だった。

 その後、近隣の住民から石井と横川の向かった場所を聞き、河原へやってきた。そこに石井と横川の二人が。

 柚木は拳銃を構えるが石井もさだ子を殺しそうな素振りは見せず、さだ子はあの機械人間のような女性からはとても見ることができない幼げな素振りと美しさを見せていた。柚木はそのあまりの変貌ぶりに驚くとともにひとまず危険はないだろう、と判断し見守ることにする。

 その後、丘に移った二人。さだ子と石井は恋人だったころの思い出話に花を咲かせていた。やがてさだ子は今自分が手にしているのは表面的な幸せであり、石井のあとを追って東京に行けばよかった、と話す。そして二人は深い口づけをかわし、さだ子は人生をやり直し横川家を捨てて石井にどこまでもついていく、と言ってみせる。石井は彼女を断るべく事情を話すためにひとまず近くの川北温泉の旅館へ向かう。

 やがて柚木が呼んだ佐賀警察の応援隊と下岡刑事が川北温泉に到着する。柚木と下岡は拳銃を構え石井のもとに現れ石井を逮捕する。石井は拳銃を大阪で売ったことを明かす。

 その後、石井の部屋に訪れていた時に横川さだ子と遭遇。柚木は石井を逮捕したことと、早く旦那の下に帰るよう言う。柚木は去り際にもう一度、横川さだ子を見つめる。さだ子は自分が人生をやり直すことに失敗してしまったことと石井が逮捕されたことに嗚咽する。

 柚木はさだ子が命を燃やしたのはほんの数時間のことであり、あと数時間、そして翌日にはまた機械のような横川さだ子に戻るのだ、と思いつつ去っていた。

 佐賀駅で高倉弓子にプロポーズの電報を送った柚木。柚木は下岡と共に連行する石井に人生をまたやり直せばいい、と励ましつつ東京行きの電車に乗り込んだのだった・・・







 人間っていうのは仮面を持ってるんです。どんなに従順な妻や女性でも実は仮面を持っており、もしかしたらお淑やかな仮面を被っている女性でも仮面の下はすごく遊び好きだった、なーんてこともあるかもしれませんよ。また逆もしかり。生真面目な旦那の仮面の下は実は女好き、ってのもありえます。世の奥様旦那様、相方の仮面の下は本当にご存知ですか?

 この作品ではミステリーの分類でもたとえば土曜ワイド劇場のような現実でそんなのあるか!なんて殺人事件を描いたドラマとは違ったよさがあります。夫に従順に従う妻の小市民と病弱で憧れた東京で失敗し殺人を犯して故郷へ帰郷した小市民の絡みに客観的な立場で一人の刑事を置くことで我々にその人間ドラマを見せたのだ、と私は思いました。うまいですねえ。

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(2005/11/26)
大木実、田村高広 他

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Category: 邦画ハ行
しばらくテスト期間だったので勉強に集中しており映画は観ておりませんでした。

テストも終わりましたのでまた映画を観ていきたいと思います。あと更新途絶えてすいませんでした。



『自転車泥棒』 (1948年・伊)
自転車泥棒
スタッフ
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本:オレステ・ビアンコリ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、ヴィットリオ・デ・シーカ、アドルフォ・フランチ、ゲラルド・ゲラルディ、ジェラルド・グエリエリ、チェーザレ・ザヴァッティーニ
原案:チェーザレ・ザヴァッティーニ(脚色、翻案)
原作:ルイジ・バルトリーニ
製作:ヴィットリオ・デ・シーカ、ジュゼッペ・アマト
音楽:アレッサンドロ・チコニーニ
撮影:カルロ・モンテュオリ
編集:エラルド・ラ・ローマ
製作会社:Produzioni De Sica
キャスト
アントニオ・リッチ:ランベルト・マジョラーニ
ブルーノ・リッチ:エンツォ・スタヨーラ
マリア・リッチ:リアネーラ・カレル
バイッコ:ジノ・サルタマレンダ

 ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品「自転車泥棒」。原題タイトルは「Ladri di biciclette」。英語題は「The Bicycle Thief

 貧困にあえぐ親子を描いた人間劇のような映画でしたね。もし貧困さを全面的に押し出してきた映画を紹介してほしい、と言われたらこの映画を真っ先にご紹介するかもしれませんね。

 監督のヴィットリオ・デ・シーカ監督はもともと俳優さんだったんですが「紅バラ」(1940年)で監督デビューしました。他に代表作としては「子供たちは見ている」(1941年)、「靴みがき」(1946年)、「終着駅」(1953年)があります。

 主演俳優のランベルト・マジョラーニですが、彼はもともと工場の労働者だったようですがオーディションに合格しこの映画での演技が評価され以後は俳優として活躍していたようです。しかし彼に関してはこの映画以外に特筆するような映画はなかったようですね。若き頃のチャールトン・ヘストンに少し似ている気がしました。

 子役のエンツォ・スタヨーラ。彼も父親役のランベルトと同じく素人だったのをオーディションに合格し見事いい演技をしてくれました。貧しい環境の中に生きる本当の親子のように私は見えましたね。

 この映画、主人公で父親のランベルトが演じたアントニオですが、終盤の5分くらいは全く喋りません。最後のセリフは「このお金で電車に乗って帰りな」と息子に言って交通費を渡したシーンです。これで察しがついたらよほど勘がいいか物語を想像するのがお上手な人でしょう。

 そしてこの映画、自転車泥棒という一つの出来事から貧しい人間を主人公として主人公アントニオとその息子ブルーノの親子を描きました。この映画は究極に追いつめられた人間を描いた映画だとも私は思っています。


【あらすじ】

 職安から役所のポスター貼りの仕事を貰ったアントニオは仕事の条件として自転車が必要だ、と言われ妻の嫁入り道具の布団のシーツを質屋に売ってなんとか自転車を購入する。しかしポスター貼りの作業中にアントニオは若い男に自転車を盗まれてしまい・・・


アントニオ・リッチ(ランベルト・マジョラーニ)
ランベルト・マジョラーニ
ブルーノ・リッチ(エンツィオ・スタヨーラ)
エンツォ・スタヨーラ









【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 イタリア。第二次世界大戦後で景気は最悪の状態だった。

 アントニオ・リッチ(ランベルト・マジョラーニ)は職業安定所の紹介によりついに市役所の配布するポスターを街の壁に貼る、という仕事を得る。しかしその仕事を得る条件に自転車が必要だったのだ。

 アントニオは妻マリア・リッチ(リアネーラ・カネル)に相談。マリアは自転車を得るために嫁入り道具でもあった布団のシーツを質に入れてなんとか自転車を購入することに成功する。

シーツを質に入れるマリアとアントニオ

 アントニオは市役所に行きそこで明朝からポスター貼りの仕事がある、と所長から言われる。アントニオは妻マリアを自転車に乗っけてマリアの行きたいといっていた女性の家に自転車を走らせる。

 女性の家に入ってからしばらく経っても出てこないマリアに不審を抱いたアントニオはマリアが占い師に今まで夫の職業がなかった、と相談していたことを知る。アントニオはすぐにペテン師だと決めつけマリアを連れ帰るのだった。

自転車を眺めるブルーノ

 翌朝、生まれたばかりの赤ん坊に挨拶を告げて息子ブルーノ・リッチ(エンツィオ・スタヨーラ)を学校へ送ってから市役所へ出勤する。

 ポスターを貼る道具を抱えて先輩からポスター貼りの仕事を教わってから一人でポスターを貼り始める。

 アントニオはポスター貼りに夢中になってしまい、若い男が自転車を盗もうとしていたことに気付かなかった。アントニオは自転車を盗まれてしまい急いで後を追うが逃げられてしまったのだった。アントニオは呆然とする。

 アントニオは警察に盗難届を出すが警察は「自転車をローマで探すのは無理だ。自力で探せ」と見捨てられてしまう。

 アントニオは学校までぎゅうぎゅう詰めのバスに乗って行き、息子ブルーノを迎えてから手をつないで歩いて家まで帰って行く。自転車が壊れた、と言いながら。

 集会場で友人のバイオッコ(ジノ・サルタマレンダ)に相談するアントニオ。バイオッコは盗まれた自転車はだいたい市場で売られている、と聞かされ明朝、自転車を探すことを手伝ってもらうことになった。そこへ妻マリアがやってきて自転車がない、というのは本当なのかと問いただされる。バイオッコがうまくとりなしてなんとか事なきを得るアントニオだった。

 明朝、市場にやってきたアントニオ、ブルーノ、バイオッコとその友人ら。広場の市場で自転車を探すが結局は見つからなかった。

 ブルーノと別の広場に来たアントニオはそこで犯人らしき男と老人が会話しているのを目撃する。アントニオは急いで犯人らしき男は自転車で逃げてしまう。アントニオは老人のほうを追い教会で問い詰めるが隙をついて老人は逃げ出してしまった。

 教会を出たアントニオはあきらかに不機嫌になっていた。ブルーノはアントニオを責めアントニオは思わずブルーノの頬をぶってしまう。アントニオは後悔しつつも今度は河原を探し始める。

 そこに「子供が溺れた」という声が聞こえる。驚いたアントニオは急いで現場に向かうがその子供はブルーノではなかった。アントニオはブルーノの無事を確認したあと、ブルーノを慰めるために高級レストランに入る。

 アントニオはブルーノに生きていれば何とかなると自分に言い聞かせるように語ってからポスター貼りの仕事を続けられれば生活が楽になる、と話す。

 アントニオはあのペテン師呼ばわりした占い師まで訪ねるが占い師は「すぐに見つかるか、見つからなければ永遠に見つからない」と具体的な発言はされなかった。

 アントニオは占い師の家を出て通りに出るが、そこで犯人と思わしき男と遭遇する。アントニオはその男を力ずくで問い詰めるが男は何も知らない、と話すだけ。やがて男は頭痛を訴えて倒れはじめる。

 貧民街の男たちから一斉に非難されるアントニオ。アントニオはブルーノが呼んできた警官に男が自転車を盗んだんだ、と訴える。警官と共にその家に押し入るが結局、自転車は見つからなかった。

 貧民街の仲間が相手の証人となっており、警官はアントニオは証人も証拠となる自転車もないから不利だ、と言いアントニオは結局、男を訴えるのをやめてしまう。貧民街の男たちに罵られながら通りを後にするのだった。

 無口になってしまったアントニオはブルーノと共にサッカーの試合会場の駐輪場と通りに一台、停められた自転車を見つける。欲望にかられるアントニオだったがやがてサッカーの試合が終わり、ぞくぞくと人がやってきてしまう。

 アントニオはブルーノに交通費を渡し「この金で電車に乗って帰れ」と電車で家に帰るよう怒鳴ってから、通りに停められていた一台の自転車を盗んで乗ってしまう。しかし持ち主がすぐに気付いてアントニオは持ち主と男たちに追われる。

 ブルーノは電車を一台、見逃してしまっていた。そこへ「自転車泥棒!」の声が聞こえた。声のする方向を観ると父アントニオが男たちに捕まっていた。

 急いで駆け寄るブルーノ。アントニオは男たちと持ち主に問い詰められ警察に連行されていた。そこへブルーノが駆け寄って必死に父にしがみついたのを見て持ち主は警察に連行する気が失せ解放する。

 アントニオは解放されてからブルーノと手をつないで弱々しく歩きはじめる。やがてアントニオは悲痛で泣き出しブルーノは強くアントニオの手を握りしめる。親子は雑踏の中を歩いて行った・・・





 さて二人はこのあとどうなるのか、それは知りません。ただ一言、言えるとしたら息子のブルーノは本当に強い子ですね。

 自転車泥棒をされたアントニオがラストで自転車泥棒になりさがる。これがどれだけ悲しい時勢を物語っているか。実は私の通う高校でも行きは雨だったので歩きか自転車で来て帰りは雨があがって自転車に乗って帰ってしまう、という愚かな人がいるようです。私はこの映画を観た後、それがどれだけくだらないことかなお一層、思いました。

 それともう一回、自転車を買えばいいじゃん、なんて思ったらダメですよ。この家族はシーツを質に入れてやっと自転車が買えるくらい、お金がなかったんですから。

 まあどんな理由があろうとも泥棒は最低ですよ。アントニオは最低な行為をされて最低な人間になりさがってしまいました。この後はどうなるんでしょうかねえ・・

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ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ 他

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Category: 洋画サ行
チャップリンの短編映画って面白いのばかりですね。


『のらくら』 (1921年・米)
スタッフ
監督:チャーリー・チャップリン
脚本:チャーリー・チャップリン
製作:チャーリー・チャップリン
撮影:ローランド・トザロー
編集:チャーリー・チャップリン
配給:ファースト・ナショナル社
キャスト
放浪者、金持ちの夫:チャーリー・チャップリン
金持ちの妻:エドナ・パーヴァイアンス
妻の父:マック・スウェイン


 チャーリー・チャップリン監督作品「のらくら」。別邦題に「ゴルフ狂時代」があります。原題タイトルは「The Idle Class」

 チャップリンが放浪者とお金持ちの二役を演じています。その二役が共演するシーンでは一人は鎧甲冑を着こんで中身は別の人だったようですね。

Category: 洋画ナ行
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