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世の受験生よ!頑張れ!私も今年は受験終えたばかりです。だから、あなたたちの気持ちわかりますよ!


『クロスロード』 (2014年・日)
スタッフ
監督:新海誠
脚本:新海誠
キャラクターデザイン・作画監督:田中将賀
主題歌:やなぎなぎ「クロスロード」
キャスト
海帆:佐倉綾音
翔太:小野賢章
Z会の先生:田中正彦

 新海誠作品「クロスロード」。これは映画ではなく、2分のCMアニメーションですね。

 新海誠さんの作品って建物内が色々ゴチャゴチャしているというか・・家具とか置物が一杯あるんですよ。雑然としている、というか。この件に関しましては、私個人の感想はまだ不明という感じです。ただ単にアニメーションの演出として登場人物に集中させるためにあえて動かないものをたくさん置いているのか(床に空きの部分があるよりかは床に家具が一杯ある方が登場人物の動きに視聴者が集中されるのではないか、と個人的に思っているからです)、あるいは何か意味があるのか。それは新海さんの他の作品を見てみないことにはまだ何とも言えません。

 でも彼が村上春樹作品をよく読んでると聞きあーなるほど、とは思いました。新海さんの作品は現代都市を描いても幻想的な世界になりやすいです。


【あらすじ】

 受験生の海帆と翔太は東京大学への入学を目指していた。













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 海帆(佐倉綾音)は東京行きの船を見つめながら思う。 ─ 別に幸せになりたいワケじゃないし

 翔太(小野賢章)は御茶ノ水行きの総武線を見つめながら思う。 ― 約束が欲しいわけでもない

 ― それよりも、もっと

 ― 遠くにあるはずの、どこか

「私は「俺は、そこにいきたいんだ」」


 海帆は遠く東京から離れたところにある港町に暮らしていた。海帆が目指すのは東京大学。町には塾もない。Z会の通信教育制度を受けている。

 翔太は東京で暮らし、コンビニでバイトをしながら塾に通っていた。バイト・塾の合間を縫って家で通信の問題を解いていく。

 Z会の先生(田中正彦)は二人の問題集の解答を見て、二人とも似たようなところでミスをし、似たような解き方をしていて気になっていた。

冬。近づく受験。

春。開く安田講堂の正門。受験生は一斉に問題用紙をめくり、問題を解き始める。

 桜が咲く。合格発表の日。

 東大の合格通知の前で、二人は出会う・・・






 明確なラストを示さないのも新海監督の作品の特徴らしいですね。

 さて、二人が目指す場所は冒頭で二人が述べたように遠くの場所。それはどこでしょう。私は未来、だと思ったんですが。約束が欲しいわけではない、つまり現在決まるものが欲しいわけではなく、春に自分で手にする合格が欲しい、そんな感じだと思ったんですが。ただ海帆ちゃんの幸せになりたいワケではない、はどうなんでしょうねえ。幸せな未来、が確定してなくても合格という一時的な楽しい未来が欲しい、そんな意味でしょうか。

 クロスロード。交差道。出会いの交差道といったところでしょうか。でも同じゴールを目指す二人ならば本来、平行なハズですね。多分、別の道から来たけど、途中で二つの道が交差して、T字路が出来上がり、二人の出会い、一緒に同じ方向へと進んでいく。ってかんじかな?分かりにくかったらゴメンなさい。
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大スターになりたてのクラーク・ゲーブルが出てる作品ですね。実際の歴史の事件を映画化しました。


『戦艦バウンティ号の叛乱』 Mutiny on the Bounty (1935年・米)
戦艦バウンティ号の叛乱
スタッフ
監督:フランク・ロイド
脚本:タルボット・ジェニングス、ジュールス・ファースマン、ケイリー・ウィルソン
製作:アーヴィング・サルバーグ、アルバート・リューイン、フランク・ロイド
原作:チャールズ・ノードホフ、ジェームズ・ノーマン・ホール「バウンティ号の叛乱」
撮影:アーサー・エディソン
音楽:ハーバート・スサート
キャスト
ウィリアム・ブライ:チャールズ・ロートン
フレッチャー・クリスチャン:クラーク・ゲーブル
ロジャー・バイアム(モデルはピーター・ヘイウッド):フランチョット・トーン
ジョン・スミス:ハーバート・マンディン
トミー・エリソン:エディ・クィラン
バッカス:ダッドリー・ディグス
トーマス・バーキット:ドナルド・クリスプ
ジョゼフ・バンクス卿:ヘンリー・スティーブンソン
ネルソン:フランシス・リスター
バイアム卿夫人:スプリング・バイントン
マグス:イアン・ウォルフ
役名不明:デヴィッド・ニーヴン


 フランク・ロイド監督作品「戦艦バウンティ号の叛乱」。原題は「Mutiny on the Bounty」。直訳すると「バウンティでの叛乱」

 原作はチャールズ・ノードホフ、ジェームズ・ノーマン・ホールの小説「バウンティ号の叛乱」。チャールズ・ノードホフという人は自然を利用した作品が多い作家さんのようです。例えば「ハリケーン」とか。で、チャールズとジェームズ・ノーマン・ホールは小説で共同執筆することが多く、二人は第一次世界大戦で知り合ったようですよ。二人とも“記録者”としての功績も大きいですね。

 そしてこれは実際に起きた事件なんですね。18世紀末に起きた海洋事件。で、この時を描いたロバート・トッドっていう画家さんの絵があるんです。その絵に描かれているのは追放の場面。その絵を見ると、船の後尾というのが映画でうまく再現されているのが分かりますね。

 フランク・ロイドという監督さんも知ってる人は少ないかもしれませんが、この作品はおそらく彼のベスト作品ではないでしょうか。他にもこの監督の作品には「レ・ミゼラブル」(1918年)、これはレ・ミゼラブルの1909年に作られた映画の次の映画化作品だと思われます。あとは「大帝国行進曲 カヴァルケード」(1933年)などもありますね。

 アーヴィン・サルバーグ。この人はいい映画にばっかありつける人だと思ってます。というのもこの人にかかった映画はほとんど成功してるんです。こういう人は映画プロデューサーの天才と呼ばれるのかもしれません。例えば「ベン・ハー」(1925年)だとか「グランド・ホテル」(1932年)、クレジットにはありませんでしたが「マルクス兄弟 オペラは踊る」(1935年)などなど挙げればキリがないでしょうか。

 クラーク・ゲーブル。1934年に「或る夜の出来事」に出演してアカデミー主演男優賞を獲得して一躍スターになりましたね。これはその翌年、つまりスターになりたての頃の映画とでもいいましょうか。この作品でもゲーブルは成功しましたね。

 チャールズ・ロートン。この映画では終始、仏頂面でしたねえ。それが見てる人の憎しみを煽ってます。実はこの人の出てる映画、初めて見たので今後、この人が出てたら注目したいですね。

 さてこの映画、古い規律と新しい時代の切り替えを示してますね。その切り替えには一定の勇気が必要なのだ、その勇気の行為の象徴がこの映画では、叛乱とされています。英国海軍の軍律を重んじるコテコテのブライ船長。今までの古き軍律を脱し解放されようと試みた叛乱する者たち。その戦いです。古きを破り新しき秩序をもたらせるか、それはなにも英国海軍の、海の上のことだけでは無いですよね。


【あらすじ】

 イギリスの船バウンティ号はイギリス・ポーツマスを経ち、タヒチ島へ向かい、そこでパンの木を受け取ってからそのパンの木を西インド諸島へ運ぶ任務を受ける。バウンティ号は勇ましく出航するが、船長のブライは冷酷非道な男で船員たちの不満は募っていく。













【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 1787年12月。イギリス船バウンティ号はポーツマスより出港し南海タヒチを目指す。その目的は、奴隷の食料としてタヒチで受け取ったパンの木を西インド諸島まで運び、諸島で苗を植えて育てまくる、ということだった。
 だが、それらは届けられることはなかった。厳格な海洋法が引き起こしたバウンティ号の叛乱が原因である。この叛乱は後に上官と船員の関係を改善させイギリス海軍の力は揺るぎないものとなり、新たな秩序をもたらしたのだった。


1787年~イギリス・ポーツマス

 バウンティ号の副長フレッチャー・クリスチャン(クラーク・ゲーブル)は海軍の強制徴兵隊を率いてポーツマスの酒場を訪問する。クリスチャンは抵抗する彼らを連行。妻マリー(マリオン・クレイトン・アンダーソン)、母(ナーディン・ベレスフォード)と赤ん坊がいるトミー・エリソン(エディ・クィラン)も連行する。

 バイアム卿夫人(スプリング・バイントン)は息子ロジャー・バイアム(フランチョット・トーン)が徴兵されることにジョゼフ・バンクス卿(ヘンリー・スティーブンソン)相手に嘆いていた。しかし息子ロジャーは意気揚々と自分が海の男になることを誇らしく思っていた。

 さあ出港の日。バウンティ号はロジャーが思っていたより小さい。しかし船渡しのオッチャンは「船は大きさじゃなくて、船乗りの力次第ですよ」とちょっといいことを言う。

 バウンティ号では船に乗るのを拒んでいたトミー・エリソンが船を沈めようとしてチャールズ・チャーチル(パット・フラハーティ)と甲板長に捕まっていた。クリスチャンはエリソンを励まし、帰れれば名誉なことである、と伝える。

 士官見習いのロジャー・バイアムはフレッチャー・クリスチャンと挨拶を交わす。ロジャーの教官としてフレッチャーは指導を担当するのだ。

 次に船に乗り込んできたのは船医のバッカス(ダッドリー・ディグス)だ。片足は義足の酔っ払い船医だ。この人は気さくな人のようだ。

 ロジャーとルームメイトで同じ士官見習いが二人いた。一人はジョージ・スチュワート(ダグラス・ウォルトン)、もうひとりは堅物そうな男ヘイワード(ヴァーノン・ダウニング)。船長料理係のジョン・スミス(ハーバート・マンディン)はイライラしてる船長書記マグズ(イアン・ウォルフ)に船長が優しい人か?と聞いていた。まあ答えは得られなかったのだが。

 そして、ウィリアム・ブライ船長(チャールズ・ロートン)が乗船してきた。ブライはすぐさま船員以外の人間を追い払い、出港前に船で船長を殴った罪で軍法会議にかけられ鞭打ちが決まった罪人を鞭打ち24回の刑に処することとなる。

 さて我が船に運ばれてきた罪人。だがその罪人はすでに死んでいた。しかしブライ船長は懲罰は絶対に行う決まりになっている、と言い死んだ罪人に鞭打ちを実行するよう甲板長モリソン(ウォリース・クラーク)に命令する。その酷い有様を見てロジャーは卒倒してしまう。

 ロジャーは目を覚まし、ブライ船長は出港の号令をかける。航海長ジョン・フライヤー(デウィット・ジェニングス)はテキパキと指示を出していざ出港する。

※一時、用語解説
●右舷・・・船首に向かって右側の船の側面のこと。⇔左舷(舷は船の側面という意味)
●帆を張る・・・帆を展開すること。展開された帆って意味ありげに仰け反りみたいになってますよね。
●デッキ・・・甲板とも。帆船でみんなが歩いてるところ。
●ヤード・・・マスト(下記解説)のてっぺんのちょっと下くらいにある横の柱。帆を展開していないときは帆はヤードにガスケットと呼ばれる綱によって閉じられている。
●マスト・・・帆柱(ほばしら)とも。帆船のデッキ(甲板)の中央にあるでっかい柱。何本もある船もある。船員がマストのヤードまでロープの網で登って行き、ガスケットを解いて帆を下ろす。
●ガスケット・・・帆を展開していないとき、ヤードに帆をぐるぐる巻きにしている。そのぐるぐる巻きに使う網。ロープ。
●綱を引く・・・帆をしっかり張るために船員たちがデッキで、帆と繋いだロープを引っ張ること。
●ようそろ・・・転舵のあと、進路方向そのままにー!進めー!という意味。
●転舵・・・舵輪を回して進行方向を変える、ということ。
●舵輪・・・車のハンドルみたいなもの。進行方向を操る。

 出港したあと、船長室ではブライとクリスチャンが航海のことで話し合っていた。予定航路はチリ最南端のホーン岬を経由して、西に進んでタヒチへと向かうルートだ。しかし西風が吹かなければ一旦、アフリカに戻ってから、東へ向かってタヒチを目指す、というルートになるらしい。それにしてもブライとクリスチャンの折り合いが悪い。船員がいなければ船は動かない、と論じるクリスチャンに対し、ブライは船員など奴隷も同然だ、という意見の衝突が生じる。ブライは船長、という立場を利用しクリスチャンの意見をはねのける。

 士官見習いの共同寝室では、スチュワートが必死に航海術の勉強をしているところを、堅物のヘイワード相手にロジャーが挑発を繰り返していた。それを見かねたクリスチャンは見習いの三人に部屋の中で揺れる天井に吊るされたランタンを見つめ続けろ、という試練を与え、全員が失敗し途中でデッキに出て海にもどしにいったのでクリスチャンは大笑いする。

 三人でもどし終えたあと、見習いの寝室に降りようとしたロジャーをヘイワードが蹴落とす。ロジャーは頭にきてヘイワードを殴るが、その場面をブライが目撃。海が荒れてきたにもかかわらず、ブライはロジャーにヤードに登り頭を冷やせ、と命令する。クリスチャンがそれを見て厳しすぎる、と諌めてもブライは聞く耳持たずであった。

 さて、嵐に巻き込まれたバウンティ号。ロジャーはヤードで気絶していた。クリスチャンはすぐにロジャーを助けに行き、医務室まで運んだ。だがブライ船長は自分が降ろせ、と許可を出していない、と怒鳴り散らしロジャーに再びマストの上まで登るよう命令。クリスチャンは説得するが、ブライ船長はまたしても聞く耳を持たない。

 クリスチャンはロジャーがやっと歩けるようになったのでマストの上に再び登るよう命じる。拒否するロジャーだったが、クリスチャンが自分を下ろしてくれた人物だとバッカスから聞かされて、再びマストに登っていく。

 嵐が過ぎ去り、船がスペイン・テネリフェに差し掛かった頃、ブライ船長は神様に嵐を過ぎ去ってくれたお礼を述べてから、船員の労働がなってない、と叱責しトーマス・バーキット(ドナルド・クリスプ)、トミー・エリソン、ウィリアム・マスプラット(スタンリー・フィールズ)の三人を船員の中から適当に選んで、10日間の食事半減を命じる。そして船員全員に対しその運命を握っているのは、私だと宣言する。

 解散後、ウィリアム・マスプラットはブライへの愚痴をこぼし、それを聞き漏らさなかったブライはまずトミーを疑い、鞭打ち24回をモリソンにさせようとしたが、マスプラットが自白したのでモリソンにマスプラットへの鞭打ち24回、更にトミーがマスプラットを庇って誰が言ったのか、話さなかったのでトミーに対しても鞭打ちを命じる。

 さあ南アメリカの南端に差し掛かったが、進路を変更し南アフリカを経由していくこととなる。道中もずっとブライ船長の恐怖と暴力による支配は続いていた。ある日には、デッキ掃除をしていた船員がヒザが擦り切れて痛いので水で洗いたい、という意見を聞いたブライ船長は紐で吊るして海に放り込んだ。その船員は船底に思い切り体をぶつけ引き上げられた船員は死体となっていた。

 インド洋に差し掛かると、バウンティ号は連日の無風状態に悩まされていた。無風状態で船を進めるには、帆船を小さなボートで漕ぎ手たちが引っ張るしかないのだ。漕ぎ手の交代のとき、ロジャーはバッカスから二人の船員が体の状態で漕ぐことが不可能だと診断され、二人を休ませようとする。しかしブライ船長は今から交代する食事中の漕ぎ手たちの食事を中断させボートに向かわせるばかりか、動けない二人すら無理矢理に働かせる。

 バウンティ号では配給されたチーズがいくつか無いことで食事にチーズを出さないことをブライが決める。しかしブライの家にチーズの樽を運んだ、と証言する船員のマッコイ(アレック・クレイグ)が出てきた。ブライはマッコイを嘘つきだと罵り、ロープに縛って無理矢理に日光の下に晒す罰を与える。

 その時、風が吹いてきた。この風を逃すまいとブライとクリスチャンが漕ぎ手たちにもっと漕ぎ続けて風を逃すな!と叫ぶ。漕ぎ手たちの奮闘の甲斐あってか、帆船は無事に風に乗ることができた。船員たちは興奮したがブライはマッコイをさっさと縛れ、とモリソンに命じる。マッコイは水も与えられず日差しの下に縛り付けられた。

 食事のとき。ブライはクリスチャン、ロジャー、バッカス、フライヤーと共に食事をしていた。そこにジョン・スミスが船員に食べることを禁じたチーズを持ってくる。ブライは全員にチーズはいるか?と聞くが全員が拒否する。ブライはその態度はなんだ、とクリスチャンに問う。クリスチャンはブライにチーズをクスねるのは不正だ、と非難しブライは不正者呼ばわりされて頭にきてクリスチャン、そしてそれに同調するロジャーを追い出す。

 次の食事のシーンは船員たち。しかしマスプラット、バーキット、トミー、トンプソン(チャールズ・アーウィン)らを含めた船員6人に対して与えられた食事はたかだか2ポンド程度の馬肉だった(現在1ポンドが170円程度なので、340円程度。現在の為替計算なので当時と同じ価値かどうかは不明)。

 さあ6人はたまたま海に鮫を見つけ、その馬肉をエサとして釣りを始める。見事、鮫を釣ったがそこへ士官水兵が鮫をひと切れよこせば船長らに黙っててやる、と言って歩み寄ってきた。バーキットはそのサメのひと切れで士官水平の顔を殴りつけたが、それをブライ船長に見られ、鞭打ちの刑を食らう。酔っ払いのバッカス船医がマスプラットを治療して励ます。

 夜、クリスチャンはロジャーと共にへこたれない船員たちを褒めたたえ、彼らに懲罰を与えるブライ船長を下種だと罵る。クリスチャンは募り募るブライ船長への不満を抑えられるか自身が無い、と言うがロジャーは「アナタなら出来るでしょう」と言う。二人には男の友情があった。

 バウンティ号は南太平洋に入りいよいよタヒチに着きそうなところまで来ていた。

 ブライ船長はクリスチャンを呼び出し、配給物資が正しく行き届いているか、書類にサインを命じる。しかしクリスチャンはいつもならば見逃すちょっと船長がクスねた食べ物も、今回は船員が飢えに困っていることから、クスねたことを重視しサインに応じない。ブライはクリスチャンを憎み、船長の権力を思い知らせてやる、と憤慨し全員をデッキに集めさせる。

 船員全員がデッキに集まって、ブライは全員にもし船長に背く船員あらば階級に関係なく死に値する懲罰が科せられる、という掟を作ってしまった。クリスチャンはサインするものの、帰国後に裁判を申請すると伝える。ブライはお前は生意気な飼い主の手を噛む飼い犬だ!と馬鹿にしてクリスチャンは撤回を求める。しかしブライはそれでも挑発し、クリスチャンは掴みかかろうとしたとき、タヒチの島を船員が発見する。

 タヒチの人々はバウンティ号の船員たちを歓迎する。船にタヒチ島の首領ヒティヒティ(ビル・バンブリッジ)が乗り込んでくる。ブライとは知人の間柄のようだが、どうにもヒティヒティに頭が上がらず、前に来たとき一緒にいたクック船長が死んで居ないのをヒティヒティに知らせる。更にヒティヒティはクックが今度来るとき英国王を連れてくる、と約束しもし来なければ船長の帽子を自分が貰う約束になっていると言い、ブライは船長の帽子をヒティヒティに渡す。

 ブライはヒティヒティからパンの木の苗を1000株頂く、という取引に成功する。更にヒティヒティは子供たちにプレゼントを与えるロジャーを気に入り、彼がタヒチ語辞典の製作を任されていることも聞き、船が停泊している間だけ家族と一緒に暮らして欲しい、と頼む。それは無理だ、というブライに対しヒティヒティはその決定権は自分にある、と強気に言い、ブライは特別に許可する。

 ブライは船員の島への上陸は許可するが、クリスチャンだけは上陸を許さない、と命令を出した。

 船員たちは“地獄”から解放されタヒチ島で現地の生活を楽しむ。ロジャーだけは夜も帰らずに済むが、船員は基本、夜は船で寝ることを命じている。しかしそれでも船員たちにとっては飢えに困ることのない最高の日々だった。

 さてロジャーはタヒチ語辞典の製作中。現地のイタズラ娘テハニ(モビタ)に恋したり、タヒチには“お金”がないことも知る。その時、上陸できないクリスチャンの自分を呼ぶ声が聞こえる。そんなはずはないと思ったロジャーだったがどうやらヒティヒティがブライに頼んだらしい。クリスチャンは上陸を許されたのだ。

 そんなクリスチャンはヒティヒティの孫娘マイミティ(マモ・クラーク)に恋する。ロジャー、テハニ、クリスチャン、マイミティの四人はタヒチの綺麗な海を泳ぐことになる。クリスチャンは“地獄”とは大違いだ、と感慨に耽っていた。

 やがてクリスチャンに船に戻れ、という伝令が届く。クリスチャンはもう地獄はうんざりだ、と拒否しマイミティが気を利かせてクリスチャンは見つからない、と嘘の伝言を伝えさせる。

 船に戻ろうとするクリスチャンにマイミティは追いつき、二人はその日の日没まで愛のひとときを過ごす。船まで泳いで戻ったとき、マイミティも一緒についてきて再びキスした。

 船に戻ると早速、ブライ船長からお小言をいただいた。
「遅かったねえ。もうすぐ武装隊でお迎えするところだったよ」
「嘘の伝令を寄越すなんて、士官として恥ずかしくないのかね?」
 クリスチャンは分かっていた。ブライは自分をポーツマスで鞭打ちによって死なせた罪人と同じ目に遭わせたいのだと。

 さてパンの木の苗1000株を積んだバウンティ号。しかし植物学者によれば、枯らさないように多くの水が必要らしい。ブライは船員の飲み水を減らせばいい、と考える。

 船員たちが楽しいひと時を終えて船に乗り込んでくる。しかし個人でお土産を持つのは許されず、お土産はヘイワードとマグスによって無理やり取り上げられ、全て英国の“陛下”とバウンティ号の“陛下”に与えられるという。

 ロジャーもオルゴールをテハニにプレゼントする。ヒティヒティはロジャーに自分の息子にならないか、と聞くがロジャーは自分はイギリスに帰らなければ、と断る。そしてクリスチャンもマイミティから真珠をプレゼントされる。そしてロジャーの通訳で「絶対にまた帰ってくる」とマイミティに伝えるのだった。それが不可能なことと知りながら。

 バーキットが脱走者として捕まった。バーキットは自分たちは苗木を落としてしまい、しばらく船に乗ることを厳禁されていたので散歩していただけだ、と主張するがブライ船長は足枷をはめさせ監禁する。更に、ココナッツ10個がチャーチルの監視下に盗まれた、と言いクスチャンにその疑いをかける。そしてマグスが目撃し密告したチャーチルがマイミティから受け取ったという真珠をクリスチャンから取り上げる。

 西インド諸島へ向かう道中、バーキットらの鞭打ちの際に船医バッカスが病気で集合できないのを飲み過ぎなだけだ、と決めつけ無理矢理にでも連れてくるようブライ船長はロジャーに命じる。ロジャーはバッカスの様子を見て動けない、とブライを説得するがブライは本当に聞く耳持たず。

 そこへバッカスがやって来る。だがバッカスは無理してデッキに上がってきたので、やはり倒れてしまう。そしてそのまま息絶えた。クリスチャンはブライを睨みつけ「貴様が殺したのだ」と放つ。ブライはクリスチャンに黙るよう命じ解散させる。マッコイらはブライを殺そうと武器に手をかけるが、ブライはそれを察知しあえて自分から近づき、牽制したのだった。

 バッカスは冗談が多く気さくで船員を和ませる男だった。そんな彼が死に、船員はますます怒りを募らせるのではないか。そんな不安があった。

 ある夜。もうクリスチャンは我慢の限界に達しており、ロジャーにもし自分の身に何かあったら私の両親に会ってほしい、と遺言めいたことを話す。クリスチャンは故郷を懐かしく思い、どうしても家に連れて私の親友だ、と言って家族に紹介したいらしい。そこへブライ船長が邪魔しに来てお開きとなった。

 翌朝、マッコイは船に鮫がついてくるので拳銃が欲しい、とクリスチャンに言う。マッコイが要求するのは二丁。鮫と船で威張り散らす鮫様も殺したいのだそうな。クリスチャンはそのときはマッコイを叱咤した。

 その後、銃を一丁取りにクリスチャンは脱走者が捕らわれたところへ行く。そこでは前に鮫の肉で殴られた士官が自分を殴ってきたバーキットに仕返しをしていた。どうやらバーキットがもう一人、監禁された脱走者トンプソンへの水を分けるのを頼んだのが発端のようだ。クリスチャンはその士官を追い払う。

 クリスチャンはバーキットを気遣うがバーキットはトンプソンが皮膚が擦り切れ、水を欲しがってるので与えて欲しいと頼む。バーキットもトンプソンも衰弱しきっていた。その姿を見て、ついにクリスチャンは叛乱を決意する。

 さあ虐げられた者たちの叛乱が始まった。叛乱は成功し、ブライ船長は縛り上げられた。トミーらはブライに鞭打ちをしようとするが、それをクリスチャンが止める。「俺は鞭打ちや無用な殺しをなくすために乗っ取ったんだ!」と。

 クリスチャンらは船でいばりくさったブライを始めとする上官たちを小舟でわずかな食糧と水を与えて追放する。なかには一緒に小舟に乗りたかったが、定員オーバーで乗れなかった船員もいた。ブライはこの復讐は必ずする!と大声を張り上げるのだった。

 ロジャーは叛乱に反発。船長を戻すように言う。クリスチャンはそれを拒否し、しかもロジャーは定員オーバーで結局、小舟に乗れなかった。クリスチャンは抵抗するロジャーを殴りつけた。その後でクリスチャンはロジャーを呼び出し、率直な意見を聞いた。やはり反対の立場は変わらないようだ。ロジャーは「あなたとの友情が終わってしまったのが残念だ」と言い残し去っていった。

 ブライら追放された者たちは近くの島では食人人種が多いので、安全な港ティモールを目指すという。その航路は決して楽なものではない。嵐にあい、飢えと枯渇に喘ぎ多くの船員を失ったものの、ブライらはなんとティモールにたどり着いてしまった。

 それから、世はクリスマス。イギリスではバイアム卿夫人が息子ロジャーの身を案じ、クリスチャンら叛乱した船員たちはタヒチに戻っていた。ずっとクリスチャンを拒んでいたロジャーだったが、クリスマスの日にクリスチャンに会いに行き二人は和解する。クリスチャンはマイミティと結婚し子供も産まれた。しかしその赤ん坊の子供を見てトミーはポーツマスに残した妻子を思い出し、悲しみに暮れた。

 クリスチャンはマイミティと、ロジャーはテハニとイチャイチャしながら楽園生活を過ごしていた。しかしその生活も終わりを迎えた。英国の船がやってきたのだ。幸い、風の影響で明日まで上陸できない。その隙にクリスチャンらは島をバウンティ号で脱し家族を連れて新たな地図に載っていない島を目指そうとする。

 いざバウンティ号への乗り込み。そこでトミーがイギリスに帰りたい、と言い、投降することをクリスチャンに伝える。クリスチャンは最初は止めようとするが、本人の家族に会いたい、という意思を尊重し置いていくことにする。ロジャーは叛乱に反対する立場をとっていたので島に残る必要があった。クリスチャンはロジャーに別れの言葉を伝える。ロジャーはクリスチャンの両親に会ったら真実を伝える、と約束。クリスチャンたちはバウンティ号で新たな島を目指した。

 ロジャーは同じく叛乱する気が無いのにタヒチに連れてこられたヘイワードや投降する叛乱者と共に英国の船に乗った。船長はなんとブライだったのだ。ブライはクリスチャンの絞首刑を望んでおり執念深く追跡しようとしているのだ。ロジャーたちを叛乱に加わった者だと決めつけ、拘禁。クリスチャンが向かった目的地を話すまで、出さないという。

 しかしブライの船はほぼブライのゴリ押しで岩礁地帯を無理に通ろうとしたため、結局、激突し沈没する羽目になってしまった。ロジャーたちの牢屋では穴が開き水が入ってきた。見捨てられるのかと思いきや、裁判のために必要だ、とブライは捕まっていた全員を解放し脱出する舟に載せた。

 一方、クリスチャンはついにバウンティ号で新たな地図に載っていない島にたどり着く。ピトケアン諸島だった。クリスチャンはバウンティ号を島にのりつけ、最後にその船を燃やした(のりつけるシーンで、映像の逆戻しが使われており、多分船が波に揺れているシーンを演出したかったのであろうが、バレバレである)。これでもうイギリスに戻ることはできないだろう。

 ロジャーたちはイギリスに帰国。ポーツマスで裁判を受けることになった。裁判ではフライヤーとブライが証言に立ち、叛乱をされる心当たりなど全くなく、クリスチャンとロジャーが叛乱の前日に何か話し合っていたから、ロジャーも首謀者に違いない、と証言する。

 被告の控え室ではトミーが絞首刑になるのは分かっているが、その前にどうしても家族に会いたいのに会わせてくれないことを嘆いていた。それでわめき散らすのをロジャーが抑える。

 さて判決が出た。ロジャーは裁判室に向かう前にジョゼフ卿から裁判長の前に短剣が置かれ裁判長の方に刃が向けられていたら無罪、こちらに向けられていたら有罪だということを聞かされる。

 結果はロジャーの有罪だった。ロジャーは最後に、叛乱した者とはいえ、クリスチャンは偉大な男であった、と話しブライ船長が船員を追い詰め、叛乱を引き起こさせたのだ、とブライの暴虐さを非難しもし船員と船長が互いを気遣える関係が英国艦隊に生まれたのであれば、更に強力な艦隊となるのであろう、と説いた。

 裁判の終わったあと、ブライ船長に対する貴族の目は冷ややかなものとなった。

 被告の控え室に戻ってきたロジャーはトミーがやはり絞首刑の判決を食らったことを聞かされる。しかしトミーはどうやら家族に会えたようで死ぬ前に会えてよかった、とトミーは喜んでおり、バウンティ号で叛乱を起こし、地獄から解放された日々を懐かしく思った。

 叛乱者が処刑されたあと、ジョゼフ卿が国王に計らったことでロジャーは後に恩赦となり、英国海軍に復帰した。あの叛乱以来、英国海軍は船長と船員の関係を改善していき、ロジャーも海軍として復帰する。ロジャーは海軍の英雄として扱われ、英国艦隊はその力を強大なものとしていった・・・






 この船には改革の歴史がありましたね。奴隷扱いされた人々が地位の向上を求め、叛乱を起こし改革に成功。古きを打破し新しいものを手に入れる。まさしく歴史において繰り返し行われる改革。そしてその改革の果てにクリスチャンたちの目指した楽園というのは真の平等と平和がもたらされる世界ですね。

 さてクリスチャンとロジャーの違いを述べましょう。クリスチャンは新しき世界を見つけ、新しき秩序をもたらそうとしました。ロジャーは今までの世界に新しき秩序をもたらしました。この違いですね。クリスチャンたちは船を燃やしました。これは海との決別です。ロジャーはまた船に乗ることができました。この二人の決着のつけ方というのもうまい対比構造になってると思いますよ。


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(2007/05/01)
チャールズ・ロートン

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※原作小説は絶版らしい
Category: 洋画サ行
猫好きの人のための映画!私も猫好きですね!が、猫アレルギーなんですよねえ。


『こねこ』 Котёнок (1996年・露)
こねこ
スタッフ
監督:イワン・ポポフ
脚本:イワン・ポポフ、アレクサンドル・マリヤモフ
製作:エレナ・チシナ
撮影:ウラジミール・ファステンコ
編集:ワレリーヤ・ベロワ
音楽:マルク・ミンコフ
キャスト
フェージン:アンドレイ・クズネツォフ
マーニャ:マーシャ・ポポワ
サーニャ:サーシャ・ポポフ
マーニャたちのパパ:アレクセイ・ヴォイチューク
マーニャたちのママ:タチヤナ・グラウス
マーニャたちの婆ちゃん:リュドミーラ・アリニナ
指揮者:アレクサンドル・フルギン
地上げ屋の手下:アレキサンダー・ペスコフ、オレグ・ベルシーニン



 イワン・ポポフ監督作品「こねこ」。原題は「Котёнок」。ちなみに英題は「The Kitten」。

 この映画はタイトルにあるとおり、子猫が可愛くて、それに癒されるヾ(*´∀`*)ノというのもありますね。子猫の可愛さ。これがバーンっと!子猫の動きの仕草の可愛さもあってああ、可愛いなあとか思わせられます。

 監督のイワン・ポポフさんは5人の子持ちです。この映画の音楽はクラシックなどは全然使われておらず、ウキウキする音楽ばかり使われていました。それは子供にもちゃんと観てもらえるように、との事だそうです。この作品はイワン・ポポフ監督の長編映画第1作だそうですよ。ちなみにこの映画のチグラーシャ、計5匹の虎猫が使われるのですが、そのうちの3匹は監督さんが飼っている虎猫だったそうです。

 アンドレイ・クズネツォフ。この人は実際に動物相手にサーカスをやっていた人です。この映画でも無類の動物好きで、動物をうまく操り懐かれている役をやってます。監督さんはこの人がいたから映画がうまく撮影できた、とこの人との出会いを幸運に思っていたようですね。

 舞台はモスクワ。ソ連が崩壊したばかりでまだまだ新生ロシアも混乱を極めていた時代に違いありません。そんな時代に子猫の視点からロシアの現在の姿を描いていますね。特に大きな出来事は起こりません。本当に当時のロシアを猫がたくましく歩く、といったような映画です。しかしその映画に当時のロシアの“景色”といったものが鮮明に描かれています。

 さて景色に繋げて私の感想を一言。この映画はとにかくロシア芸術だなあ、と思いました。ロシアの芸術家というのはとにかく風景を大切にします。その流れがこの映画でくっきりと見て取れました。ネコを主人公としてAとします。ネコが歩く背景に移る景色をBとします。とにかくAを観客に魅せるにはまず背景のBも大切にしなきゃなんねえ。それがロシア芸術にはあるのだと思います。だからこの映画は背景の景色でも妥協はしてません。背景を美しく撮ることで主体すらも輝かせていました。私はそう感じましたね。この映画の魅力はネコちゃんだけでなく、景色の美しさという所にもあると思います。
 それは田園の美しさ、ではありません。モスクワのソ連崩壊直後の都市の美しさ、というものがこの映画にはありましたねえ。




【あらすじ】

 マーニャの誕生日。マーニャへの誕生日プレゼントとしてお婆ちゃんが虎猫を買ってくる。虎猫はチグラーシャと名付けられ最初こそは家をひっちゃかめっちゃかにして、困らせていた。やがて家族全員に可愛がられるようになるが・・・













【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 市場でマーニャ(マーシャ・ポポワ)は誕生日プレゼントにお婆ちゃん(リュドミーラ・アリニナ)から虎猫を買ってもらった。マーニャは弟サーニャ(サーシャ・ポポフ)と共に猫を可愛がる。

 さあ誕生日パーティで家族と集められた親戚全員にお披露目された虎猫。パパ(アレクセイ・ヴォイチューク)とママ(タチヤナ・グラウス)らは虎猫の名前を何にしようか、と家族中で話し合いお婆ちゃんの命名した“チグラーシャ”に決まる。

 さてチグラーシャは家具諸々に興味を示す。そして色々引っ掻き回してはマグカップを割ってしまったりフルート奏者のパパの音符をバラバラにしてしまったり、ととにかく家族を困らせる。ママはもはや我慢の限界。

 パパも、チグラーシャに自分のフルート用ケースを“お便所”に使われたことで赤っ恥をかいてしまう。とっ捕まえて放り出そうとしたが、マーニャとサーニャに庇われ手出しができなかった。

 だが時が経てばチグラーシャもきちんとおトイレすることを覚え、なお一層、家族から愛情を受けることになる。

 ある日、窓の外の小鳥が気になってチグラーシャはつい窓から外へ飛び出してしまう。落ちた場所は輸送トラックのネットの上。やがてトラックは動き出し、チグラーシャは降りられないままになってしまう。

 ゲームに夢中で気付かなかったマーニャとサーニャはエサをあげようとしても来ないことで、チグラーシャがいなくなってしまった事に気付く。その日はパパもママも懸命に探すが、チグラーシャは見つからない。

 当のチグラーシャは夜になって、家から離れて何処か分からないところでやっとトラックが止まりチグラーシャは道路に降りた。

 文字通り路頭に迷ったチグラーシャ。マンホールの上で温まっていたが、大きな犬ッコロが二匹、チグラーシャを追い払ってマンホールの上で温まり始めた。

 翌朝、チグラーシャは町民の残り飯を食べていた。一方、パパは同僚の指揮者(アレクサンドル・フルギン)の提案で街中に貼り紙を貼る。しかし賞金目当ての悪ガキが違う虎猫を連れてきたり、連絡があってもそれは違った虎猫だった、という事ばかりで本物のチグラーシャは見つからない。

 チグラーシャはゴミ箱の中で食べ物を漁っていたところを心優しいオバサンに拾われ、レストランに連れて行かれ、そこで飯と暖かい場所を与えられた。だが閉店のとき、レストランの飼い猫がチグラーシャを追い出してしまう。外に出たチグラーシャは除雪車に恐怖し、木の上に登って夜を過ごす。

 夜が明けると木の上にはカラスがたくさんとまっていた。チグラーシャはカラスにいじめられ、木から落っことされてしまった。さあ今度はドーベルマンがチグラーシャを追っかける。逃げるチグラーシャはついに追いつかれそうになるが、同じ虎猫に助けられる。チグラーシャはもう一匹の虎猫についてき、その虎猫はあるアパートに入っていった。

 そこに暮らしていたのは沢山の猫と同居している男フェージン(アンドレイ・クズネツォフ)だった。先ほどの虎猫はワーシャというらしい。他にもシャム猫のイザウラ、2本足でジャンプをするのが得意なぶち猫のジンジン、同居猫の中で一番高価そうなベロ出しっぱなしのペルシャ猫のシャフ、白猫のペルシーク、他にブドゥライ、黒猫二匹が飼われていた。更にご近所さんに飼われているがよく遊びに来るデブっちょの白猫のプショークらがいた。

 フェージンはチグラーシャにエサを与えてやり、捨て猫かなにかだと思い“シピンガレット”(いたずらっ子)と名付ける。

 その日の夜中、パパとママはショックを受けているマーニャとサーニャに新しい猫を買ってやることを話し合っていた。サーニャはトイレのために起きてその話を聞いてしまう。

 翌朝、融雪剤を撒く仕事をするフェージン。キオスクのお姉さんにペルシークは懐いており、フェージンはキオスクのお姉さんに恋しているようだ。フェージンはペルシークとサーカスをする夢を思い描いたりもした。

 フェージンが帰宅するとアパートの玄関に勝手に看板を取り付けられており、家の中では地上げ屋とその手下(アレキサンダー・ペスコフ、オレグ・ベルシーニン)が待っていた。三人は脅すように早く家から退居するようにサインをしろ、と迫っていた。

 一方、もし新しい猫を買ったら、という話でマーニャとサーニャが話し合っていた。もし新しい猫を買ったらせっかくチグラーシャが帰ってきてもチグラーシャは他の猫が家にいることを匂いで判明し、引き返しちゃうかもしれない、と。

 地上げ屋はフェージンに仕事を与える人物にまで圧力をかけてフェージンをクビにさせてしまう。フェージンは新聞売をして稼ごうとするが、今度は手下に無理やり、車に詰め込まれ、彼らの用意した新居を見せられる。しかしフェージンは新居に移るつもりもなく隙をついて逃亡する。

 日はクリスマスへと近づいており、マーニャとサーニャはテレビを使って失踪したペットを探す番組を観て、チグラーシャをテレビを使って探して欲しい、と父に頼み込む。

 フェージンは新聞売の仕事も失い、次に始めたのは地下街での路上パフォーマンス。みんなはお金を入れてくれたが、そこへ地上げ屋の手下がやってきて、パフォーマンスを台無しにしてしまう。更にパフォーマンスで稼いだ金も心無い人間によって盗まれてしまった。

 さて、フェージンはこれ以上は逃げられない、と覚悟を決めたのかシャフを老夫婦に売りつける。しかし帰りに乗り込んだバスに売りつけたシャフが乗ってきてしまい、フェージンは詐欺師まがいのことをしてしまったなあ、と思いながら老夫婦から得た金でささやかな晩餐を猫たちと開く。

 その時、チグラーシャを探している、というコマーシャルが入りフェージンはそれが“シピンガレット”だと気付いた。そこへまたしても手下たちが無理やり押し入ってきた。

 手下は契約書に無理やりサインさせようとチグラーシャの首根っこを掴んでサインしないと猫の首をそぎ落とすぞ、と脅迫してくる。フェージンは書くフリをして、手下に掴みかかる。手下と揉め合いになり、フェージンは突き飛ばされて冷蔵庫に頭をぶつけ血を流して動かなくなってしまった。

 手下たちはその隙に家具を持ち出そうとしたが、怒ったネコたちが手下二人に襲いかかる。異変に気づいた近隣住民が警察に通報し、手下二人は逮捕。フェージンも搬送され、猫たちはついに帰るアテが無くなってしまった。

 翌朝、食料を確保するために!まずシャフがその高価さをプリップリに出して、ソーセージ売りのオヤジを惹きつける。その隙にイザウラは売り物のソーセージを盗み出してしまった!
その後、何故か一度もシャフが登場しないのですが、オヤジに捕らわれた、という事で良いのでしょうか?

 さあ夜。コンビニのファン(通風機)から中に潜入したワーシャ、イザウラ、ジンジン、チグラーシャ。しかし店のオヤジに見つかってしまい、ファンから緊急脱出するワーシャ、イザウラ、チグラーシャ。さてジンジンが一足遅れて逃げようとするがオヤジがファンを回してしまい通れなくしてしまった。

 ジンジンは大人しく投降する。オヤジはジンジンを可愛がり、ミルクとソーセージを与えるのだった。

 翌朝、クリスマスの日。再びフェージンの家に帰ってきたワーシャ、チグラーシャ、イザウラ。そこへジンジンが帰ってきた。しかしフェージンは帰ってこない。夜、プショークの飼い主の家の窓ぶちを歩くと温かい家で可愛がられていたプショークがいた。プショークは意味ありげな目でワーシャたちを見つめ、ワーシャは窓に吊るされたエサを取ろうとするが、飼い主がそれを追い払ってしまう。

 さあ、ある家に忍び込んだワーシャたち。そこにはエサや飲み物があり、それにありつける四匹。そこでチグラーシャは聴いたことのあるフルートの音を耳にする。すぐさまその音の場所へ走り、フルートを演奏するパパの下へと現れる。家族はチグラーシャと無事、再会した。そのシーンを見ていたワーシャたちは静かに去っていく。

 さてクリスマスの夜。フェージンは退院し家に帰ってくる。キオスクの近くで新しい子猫を見つけたフェージン。そして、いつものキオスクでシャンパンを購入するフェージン。キオスクの姉さんから牛乳をプレゼントされた。

 フェージンの家ではすでに行き過ぎた交渉により地上げ屋の手下たちが逮捕され、立ち退き計画自体は消滅したが、電気は止められていた。ロウソクの火を灯すフェージン。

 一方、帰宅したチグラーシャはすぐにお風呂で体を洗われ、クリスマスパーティーがまさに開かれようとした。そしてパパがシャンパンを開けようとしていた。明るい賑やかな幸福がこの家に取り戻された。

 フェージンはシャンパン一本を机に置き、新しい子猫にミルクを与えじゃれつく。そこへロウソクが灯っているのを見つけたワーシャ、ジンジン、ブドゥライ、イザウラが次々と家に帰ってくる。フェージンは新しい虎縞の猫をルイジックと名付けたのだった。静かでささやかな幸せがこの家に戻ってきたのだった・・・









 最後の幸せの二つの家の対比もなかなかに良かったですね。これは暗く捉えるとロシアの貧富格差を表しているのですが、その二つの家の中でも幸せが取り戻された、と思えばいいと思います。

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間諜

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スパイ物映画。こういう映画って多分、映画がよく作れてTVが無かった時代だったからこそ作れたと思います。


『間諜』 Dark Journey (1937・英)
間諜
スタッフ
監督:ヴィクター・サヴィル
脚本:ラヨス・ビロ
製作:ヴィクター・サヴィル
撮影:ジョルジュ・ペリナール、ハリー・ストラドリング
音楽:リチャード・アディンセル
編集:ヒュー・スチュアート
キャスト
マドレーヌ・ゴダール:ヴィヴィアン・リー
マルウィッツ男爵:コンラート・ファイト
ボブ・カーター:アンソニー・ブッシェル
ルピタ:ジョーン・ガードナー
フェイバー:フィリップ・レイ
使用人アナトール・ベルゲン:エリオット・メイクハム
ドイツ人店員ガートルード:アースラ・ジーンズ
シェファー少佐:サム・リヴシー



 ヴィクター・サヴィル監督作品「間諜」。原題は「Dark Journey

 原題直訳すると「秘された旅行」。Darkにはうす暗いとか闇の、という一般的な意味がありますが、ここでは恐らく秘密の、みたいな意味だと思います。ジャーニーは、センチメンタル・ジャーニーとあるように旅行ですね。

 そんな原題に対して邦題は「間諜」。つまりスパイ、という意味。これはちょっと短絡的じゃございませんかね。せっかく原題が秘密旅行、なにそれ気になる!?と興味をそそりたくなるような感じなのにこれじゃ最初から主人公がスパイだって明かしちゃってます。若干白けますね。恐らく『間諜X27』(1931)というマレーネ・ディートリッヒの大ヒット映画があったのでそれをパクっちゃおう、みたいな感じではないでしょうか。

 さて監督のヴィクター・サヴィル。あの時代的に言えばいわゆる大作とか問題提起作に長けた監督とは言い難いです。娯楽作品だとかストーリーを楽しませる作品が傾向として多いですね。他の作品には「銀の盃」(1955)、「大地は怒る」(1947)、「育ちゆく年」(1947)などがあります。これらの作品は結構、良作らしいのでぜひ観てみたいですね。

 キャストはまずヴィヴィアン・リー。彼女は言わずもがな「風と共に去りぬ」(1939)ですよ。これの次の年、1938年にリーはアメリカに渡り製作のデヴィッド・O・セルズニックに認められてスカーレット・オハラの役を得たわけですね。それまでは、イギリスのみでその美しさを活かしイギリスの映画界で活躍していたに過ぎない女性だったんですね。

 さてヴィヴィアン・リーのメロドラマの相手役の俳優はコンラート・ファイト。私はこの人がイケメンポジションをやると知ってまず最初にビックリしましたね!私の中では「ガリガリ博士」(1920)のイメージがありました。そしたらやっぱりこの人、この映画でも1回だけすっごい怖い顔します。さすがはアメコミの「バットマン」のキャラクターのジョーカーのモデルになっただけはあります。この人は私の中で永久に怖い俳優さんとして刻み込まれるでしょう。

 私は中盤まで気付かなかったんですが、これ冒頭で時系列的に中盤のシーンを挟み込んでから、時系列の最初から流すという構想になってたんですね。

 さて時代背景はというと、この映画が1937年ということでこの映画で描かれているのはおそらく第一次世界大戦のころだと思われます。第二次世界大戦はまだ開戦されてませんが、ドイツはすでに着々と戦争に突き進み始めていましたね。戦争において兵力も確かに大事ですが情報収集もとっても大事です。そんな背景がこの映画にはあるのでしょうね。



【あらすじ】

 衣服屋さんの経営者マドレーヌ・ゴダールはスウェーデン・ストックホルムに店を置いていた。衣服の仕入れにしばしばパリへ行き、帰ってきた時には“伯爵夫人”のお屋敷に行き、衣服の刺繍を見せる。マドレーヌが情報提供者から得た連合軍の情報が刺繍されているのだ。その伯爵夫人にはドイツ人がいて、マドレーヌはドイツのスパイなのだが実は・・・












【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 1918年・春

 ドイツ軍のUボート(Uボートは潜水艦のこと)はパリ行きのオランダ船を停めて乗客の確認をはじめる。パスポートのオランダ人と偽ったベルギー人(当時、ドイツとベルギーは敵国同士であった)の国籍偽造者が捕らわれた。彼はどうやらベルギーのスパイだったようだ。

 ストックホルムでブティック店「マデレーヌ」を営むマデレーヌ・ゴダール(ヴィヴィアン・リー)はUボートの将校(ロバート・ニュートン)による取り調べを受ける。

スウェーデン・ストックホルム

 時はさかのぼって、ストックホルムの店でマデレーヌはある服を顧客の“伯爵夫人”に召使のアナトール・ベルゲン(エリオット・メイクハム)と共に届けに向かう。奥の部屋に“伯爵夫人”がいるというのだが、そこにいたのはドイツ人のシェファー少佐(サム・リヴシー)。

 マデレーヌはパリから持ってきた仕入れてきたというドレスを箱から取り出し、その部屋にあった西部戦線の地図を模した照明に充てて、刺繍とてらしあわせる。つまり、このドレスには西部戦線におけるドイツの敵国の攻撃位置情報が刺繍によって書かれていたのだ。

 さて、その情報はサーチライトによる信号灯で海上のドイツ船に知らせられるのだった。つまりマデレーヌはパリに潜り込んで活動するドイツのスパイだったのだ。

 ベルリンにあるドイツ第8諜報部では将軍(エドモンド・ウィラード)がイギリス軍の軍曹から情報を聞き出していた。彼はスパイだったのだ。エージェントのK1とK2が行方不明でその情報が不明であること、そして中立国を中心に情報収集を活発的にしよう、という結論に至る。そしてストックホルムにも優秀なスパイが送り込まれることに。

 スウェーデン入国審査局ではドイツ人医師のドクター・ミュラー(オースティン・トレヴァー)とドイツから亡命してきたドイツ人男爵マルウィッツ(コンラート・ファイト)が入国してくる。彼は戦争で負傷し杖をついていた。その後、マルウィックはナイトクラブで数人の女とイチャついていた。

 マデレーヌはボーイフレンドの英国諜報部の諜報員ボブ・カーター(アンソニー・ブッシェル)に誘われナイトクラブへ行く。車に乗り込むマドレーヌを見て、第8諜報部から派遣されたミュラーはシェファー少佐から彼女の素性について聞いていた。シェファー少佐の方はよく働く諜報員だと信頼していたが、ミュラーは疑いを持っていた。

 ナイトクラブでは相変わらずマルウィッツがモテモテ。何でも、たくさんの国を渡り歩いて「自分とキスした後、女が何と言うか」について熟知していて賭けをしてもいい、という。さてそこへ勝気な女のルピタ(ジョーン・ガードナー)が現れ、キスをして「まだまだ練習不足ね」と言う。するとマルウィッツは胸ポケットから付箋らしきものを取り出す。そこには“練習不足ね”と書かれていた。まあ見事に当てた、というわけだ。ルピタはマルウィッツに感激する。

 さあ、そのナイトクラブへマデレーヌとカーターがやって来る。マルウィッツがすごい男だ、という話を聞き、マデレーヌはそのネタを明かす。きっと胸ポケットに女が言いそうな言葉を羅列した付箋でも詰めてるに違いない、と。それを聞いていたルピタはカンカンに怒り、マルウィッツを問い詰める。やはりマデレーヌの言ったとおりだった。マルウィッツはそのことを聞き、マデレーヌのことを気になると共にルピタをなだめるために一緒にダンスを踊る。

 やがてマデレーヌの店にルピタを引き連れてマルウィッツがやってくる。マルウィッツはルピタに一式の試着に向かわせて、マデレーヌに話しかける。二人は雑談で盛り上がる。

 一方、ルピタはそんな二人を見たりしてかなり不機嫌になってグランドホテルに帰ろうとする。マデレーヌに気があるのが丸分かりのマルウィッツの態度を見てルピタは超不機嫌なご様子。

 グランドホテルに着いて《アヴェ・マリア》のヴァイオリンコンサートをみんな聴いてる中でルピタがマルウィッツに自分の父親は将軍なんだ、などと大声でまくし立てる。結局、迷惑行為でコンサート会場から追い出された二人。ルピタは好きに女店主のところにでも行きなさいよ!などと言って勝手に帰ってしまう。

 さあマルウィッツは言われたとおりにマデレーヌにやって来る。そして今日のルピタの不機嫌な態度の非礼を詫びる。そして去ろうとしたが、マルウィッツは自分は寂しい男になってしまったなあ、などと同情心を誘って食事に誘う。マドリーヌはそれを丁重にお断りする。

 一方、ボブ・カーターはマデレーヌのことを少し疑っていた。彼女にはドイツ人のお友達が多いではないか、と。

 さて、マデレーヌはマルウィッツのことをアナトールを使って、ドイツから問合わせていた。どうやら死刑判決を受けドイツから逃亡した亡命者らしい。マデレーヌはもうすこしアナトールに探らせようとする。

 それからしばしばマデレーヌにマルウィッツがやってくる。食事を誘う、という理由だけで買い物をして、時には邪魔までしてしまうのだ。マデレーヌはマルウィッツを咎めるが、やがて折れて食事の誘いを受けてしまう。

 さあマデレーヌは伯爵夫人の邸に行き、ドレスの刺繍から情報をもたらす。シェファー少佐らは敵軍の攻撃の日程と場所をそのドレスの刺繍により知り、海上のドイツ兵に知らせる。だが、その情報は間違っておりドイツ軍は逆に痛手を食らってしまった。

 一方、出張していてロンドンから帰ってきたボブ・カーターはマデレーヌの店を訪れる。そこで見つけたのは殺されて遺体となったアナトールの姿だった。ボブはすぐに警察に電話をする。

 その頃、マデレーヌとマルウィッツは、レストランで良い雰囲気になってた。どうやら二人は愛を深め合っていたらしい。マルウィッツはマデレーヌに求婚するがマデレーヌは拒絶する。確かに愛し合っているハズなのに。そこへ警察官がやってきた。警官はマデレーヌにアナトールが殺されたことを伝え事情聴取をとることになる。

 警官はマデレーヌにアナトールがドイツから派遣されたスパイだと説明する。それもそのハズ。マデレーヌの協力者なのだから。警官はマデレーヌもドイツのスパイではないのか、と疑うがボブがそれを擁護する。

 帰ってくるとシェファー少佐とミュラー医師が待ち構えていた。どうやら犯人はアナトールが探っていた人間の仕業のようだ。そして二人がもう一つ、悲報をもたらす。それはマデレーヌの持ち込んだ情報が間違いであった、ということだ。二人はもう一度、パリに行くように命じる。何があったのか、そして消息不明のスパイK1とK2の消息を探るように、とのことだった。

 さあ経つ前にマデレーヌはマルウィッツの泊まっているグランドホテルに伝言を残しておく。自分はパリへと経つ、と。翌朝、マデレーヌは汽車に乗り込み、マルウィッツも伝言を読んで駅へと向かうがなぜかマデレーヌと顔を合わせていない。また、英国諜報部でボブの友フェイバー(フィリップ・レイ)も汽車に同乗していた。

 そしてフランス行きの船でマデレーヌはUボートの検査を受ける。(冒頭を参照

 フランスの港の入国審査局でマデレーヌは逮捕されてパリへ護送される。そしてパリで拘禁の刑を受ける。しかしその前にマデレーヌはコッティン商会のコッティン(ローレンス・ハンレイ)に会いに行くことを許可される。

 コッティンは実はフランス諜報部の高級将校だったのだ。そしてコッティンはマデレーヌの働きによって彼女にフランス軍最高勲章を与える、というのだ。そう実は彼女、フランス軍のスパイ。つまり二重スパイで、しかもフランスにとって都合のいいようにドイツに情報を流していたのだ。

 マデレーヌはコッティンからK1とK2の情報を聞く。やはり射殺されていたらしい。うちK1は女性スパイだった。マデレーヌはマルウィッツへの恋慕もあり、これ以上人を騙したり危険な目に遭うスパイ活動はしたくない、という。コッティンはもっと働いて欲しかったが妥協して次の仕事を最後にする、という。その仕事はドイツ軍第8諜報部長が誰かを探る、ということだった。マデレーヌはミュラー医師ではないのか?と言うが、どうやらもうひとりいるらしい。

 一方、フェイバーはボブと共にマデレーヌがドイツのスパイでは、と疑って拘留させようとしていたがフランス諜報部から事情を聞き誤解を解く。

 さてストックホルムに戻った夜。マデレーヌはマルウィッツと共にナイトクラブに来ていた。そこでマルウィッツはドイツ軍捕虜と再会。しかしドイツ軍捕虜が「お前は逃亡者じゃない!」と言ってぶっ叩き喧嘩になってしまう。その時、マデレーヌはマルウィッツが第8諜報部長なのではないかと疑い一人でそそくさと家に帰る。

 追いかけてきたマルウィッツに、マデレーヌはあなたが第8諜報部長さんなんでしょ、と聞きマルウィッツは驚く。しかしマルウィッツ自身もマデレーヌがフランス軍のスパイだと気づいていたようだ。マデレーヌは私を仕事やその他もろもろから奪い去って二人で静かな場所で暮らしましょう、と言うがマルウィッツは「その夢は叶わないだろう」と答える。悲しみに暮れるマデレーヌ、そしてマルウィッツはそのまま去っていった。

 さてマルウィッツは“伯爵夫人”の邸に戻り、ミュラーやシェファーに指示を出す。明日、マデレーヌを始末する任務を実行するようだ。

 一方、ボブとフェイバーに助けを求めたマデレーヌ。ボブはマルウィッツ達が中立国スウェーデンに潜伏しているドイツのスパイである身柄上、現地警察を避けているので、それを利用しよう、と考える。

 翌朝、マデレーヌの店で何者かが貼った大セールの貼り紙により店内は大勢の客で溢れかえっている。それによりドイツ人がマデレーヌを店外へ連行するのは訳ないことだった。しかしその瞬間、何らかの通報を受けたスウェーデン警察がマデレーヌを逮捕しに来た。どうやらマデレーヌがドイツからのスパイだと判明したらしい。

 マデレーヌはすぐさま裁判を受け裁判長(ヘンリー・オスカー)により国外処分の判決を受ける。

 一方、始末のタイミングを逃したマルウィッツらだったが、国外追放の船を襲い、マデレーヌを捕らえればいいと計画を移す。

 やがて、マデレーヌは船に乗り込む。客室の一室に拘禁され、ドイツ人が客室に押し入ろうとしたがドアの鍵が開かず船員に怪しまれたので去っていく。

 船がスウェーデンを経ってしばらくしてUボートの襲撃を受ける。マルウィッツが率いるUボートで、マルウィッツはマデレーヌを国籍偽造者として捕らえる。

 Uボート行きのボートに乗せられたマデレーヌ。しかしボートがUボートに到達する前に商船が近づいてくる。しかしその船は商船に扮したフェイバー率いるイギリス軍のQシップだったのだ。

 イギリス軍船はUボートを奇襲攻撃に近い形で砲撃し撃沈させる。マルウィッツは抵抗を諦めQシップに投降する。マデレーヌはなんとか助けられたのだった。

 マルウィッツはどうやら駆逐艦に移動させられるらしい。マデレーヌはマルウィッツが射殺されるのか?と不安になりフェイバーに聞くがどうやら捕虜は射殺してはいけない、という事になっているらしい。

 マルウィッツはギャングウェイを降りて駆逐艦行きのボートに乗り込む。マデレーヌもギャングウェイを降りて、ボートに乗ってこちらを見つめるマルウィッツを強く見つめ返すマデレーヌ。そして「あなたを待っています!」と叫び手を振る。マルウィッツも手を振り返した。

 Qボートと駆逐艦が別れて同じ方向へと進んでいく。警笛を鳴らしながら・・・








 お別れのシーンで、二人の乗る二つの船が同じ方向へと進んでいくラストシーンはなかなかにいい構図だと思いますね。メロドラマっぽい構図です。このシーンが二人が一緒に歩いていく、ということを暗示している、とは一概に言いにくいんですが。

 この映画はやっぱりヴィヴィアン・リーが美しいんですよねえ。ええ。あとコンラート・ファイトが怖いんですよねえ。ええ。

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ヴィヴィアン・リー、コンラート・ファイト 他

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アダムス一家にお兄さんが帰ってきた!?


『アダムス・ファミリー』 The Addams Family (1991年・米)
アダムス・ファミリー
スタッフ
監督:バリー・ソネンフェルド
脚本:キャロライン・トンプソン
ラリー・ウィルソン
原作:チャールズ・アダムズ
製作:スコット・ルーディン
製作総指揮:グラハム・プレース
音楽:マーク・シェイマン
主題歌:M.C.ハマー「Addams Groove」
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:デデ・アレン、ジム・ミラー
キャスト
モーティシア・アダムス:アンジェリカ・ヒューストン(沢田敏子)
ゴメス・アダムス:ラウル・ジュリア(池田勝)
ウェンズデー・アダムス:クリスティーナ・リッチ(小林優子)
パグズリー・アダムス:ジミー・ワークマン(亀井芳子)
ゴードン・クレイブン:クリストファー・ロイド(青野武)
グラニー・アダムス:ジュディス・マリナ(京田尚子)
執事ラーチ:カレル・ストルイケン
ランピー・アダムス:ライアン・ホウリハン
カズン・イット:ジョン・フランクリン
職安の職員:ケイト・マグレガー=スチュワート(達依久子)
スーザン・ファーキンス先生:レラ・アイヴィー(岡村明美)
ウォーマック判事:ポール・ベネディクト(大木民夫)
フローラ・アモール:モーリーン・スー・レヴィン(磯辺万沙子)
ファウナ・アモール:ダーリン・レヴィン(磯辺万沙子)
マーガレット・アルフォード:ダナ・アイヴィ(一城みゆ希)
タリー・アルフォード:ダン・ヘダヤ(辻親八)
アビゲイル・クレブン:エリザベス・ウィルソン(今井和子)


 バリー・ソネンフェルド監督作品「アダムス・ファミリー」。原題は「The Addams Family

 原作はチャールズ・アダムズの1コマ漫画です。その後にテレビドラマ化され「アダムズのお化け一家」が60年代後半に放送されたんですね。日本でも放映されてました。このチャールズ・アダムズの1コマ漫画がすごく面白くてたくさんのメディア展開がされたのでしょう。出演者のクリストファー・ロイドも大ファンだったそうです。

 バリー・ソネンフェルド監督はアダムス・ファミリー映画の監督を全て引き受けました。更に「メン・イン・ブラック」の3まで監督をしていました。ヒット作を作るのがうまい監督のようですね。

 主演はアンジェリカ・ヒューストン。「女と男の名誉」(1985)でアカデミー助演女優賞を獲得した女優さんです。この映画ではすっごいエロい役やってます。吹き替えの沢田敏子さんの声もエロかったですね。で、このヒューストンさんの演じる奥さんと旦那さんの両親がラッブラブなんですね。

 コメディ映画だけあって、なかなか面白い娯楽映画です。一番面白かったのはウェンズデーとパグズリーの演劇でしょうか。



【あらすじ】

 お化け一族として名高いアダムス家。顧問弁護士のタリー・アルフォードは莫大な借金があり、貸主のアビゲイル、ゴードン母子と協力してアダムス家の資産を狙おうとする。その資産を狙うためにタリーはゴードンがアダムス家の失踪した長男に似ていることに気づきそれを利用しゴードンをアダムス家に潜り込ませ金庫の在り処を探らせようとする。

予告編














【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 不気味で陰湿な邸宅アダムス家。家主のゴメス・アダムス(ラウル・ジュリア)は小間使いのハンドと共に喧嘩別れして追い出してしまった兄フェスターの部屋を見ながら憂鬱になる。

 ゴメスの娘ウェンズデー(クリスティーナ・リッチ)は弟パグズリー(ジミー・ワークマン)の咥えるリンゴに向けてボウガンを放って遊んでいた。

 ゴメスは寝室に戻り、妻モーティシア(アンジェリカ・ヒューストン)に朝の愛の会話を交わす。その内容はとってもアダルティな内容だが。

 さて子供ふたりは登校の時間。執事ラーチ(カレル・ストルイケン)から弁当の虫を頂きウェンズデーとパグズリーは登校する。ゴメスとモーティシアはバルコニーからゴルフの投げっぱなしを開始。ボールが向かいの家のウォーマック判事(ポール・ベネディクト)の家の窓を割ってもお構いなし。

 さてゴメスは25年前に追い出したきり行方知れずの兄フェスターのことを悔やんで悔やんで仕方なかった。そこへ顧問弁護士のタリー・アルフォード(ダン・ヘダヤ)とその妻マーガレット(ダナ・アイヴィ)の二人が金策のために家を訪問する。

 タリーはゴメスとフェンシングで戦う。ゴメスはフェンシングの名手だったがタリーは姑息な手が得意。さて打ち合いのお遊びが済んでから、ゴメスはタリーから“フェスター・アダムス海外留学基金”を作って欲しい、と依頼される。ゴメスは兄フェスターの名を残し思い出を作るためにもいい、と賛成しタリーは「私の名義で預入をさせてください」と言う。取引という名のタリーによる詐欺がうまく運ぶかと思いきや、ゴメスは新規の事業の企画開始は25年後に回すことになっていると聞かされ、タリーは今金を回収できないことに焦る。

 マーガレットの方はモーティシアとモーティシアの母グラニー(ジュディス・マリナ)にチャリティーのオークションに出すいらない物を欲しいと頼み込む。色々と高そうなものを、出品してくれるようでモーティシアは満足げ。もちろん、金はアルフォード氏の元に入るのだろうけども。出品してくれるモノの中で特に値打ちものに見えたのは皇帝時代の指錠だった。

 さて金庫に入っていたゴメス。どうやらでかい本棚の中のどれかの本を持ち出すと回転扉が回って金庫のある部屋につながっているようだ。回転扉の奥に入っていたゴメスを確認したタリーは覗いていたようで、自分も本棚の前まで歩くがどの本を取り出せばいいのやら。試しに「風と共に去りぬ」の本を開くと、本のページからゴーッと強い風が吹き荒れるだけ。更に執事ラーチが怪しそうにそれを見ていたのでそれ以上の迂闊な行動はタリーには取れなかった。

 さて事務所に戻ったタリーは莫大な借金を借りてる貸主アビゲイル・クレイブン(エリザベス・ウィルソン)とその息子ゴードン(クリストファー・ロイド)の待ち伏せを受ける。ゴードンの異様な怪力で持ち上げられ苦しむタリー。タリーはアダムス一家の資産を何とか狙えれば返済の目処は立つ、と話す。

 そしてタリーはゴードンが行方知れずのゴメスの兄フェスター・アダムスに瓜二つであることに気付き、ゴードンをフェスターが帰ってきたことにして、家に潜り込ませ金庫の在り処を探らせて資産を奪わせようという計画を提案する。アビゲイルはその金を金庫から持ち逃げし自分たちは一生暮らせるだろうと喜び合う。

 さてその日の夜、アダムス家で開かれる降霊祭に出席したタリーとマーガレットの夫婦。さてグラニーが水晶玉に呼びかける。行方知れずのフェスター・アダムス、家の前に立ってドアを三回叩きなさい。これは例年ならば、フェスターは現れないはずだったが・・

 ドアを三回叩く音が聞こえる。試しにもう一度、グラニーが呼びかけてまた家のドアを三回叩く音がする。ゴメスは急いでハンドにドアを開けにいかせる。そして立っていたのはフェスター・アダムスを装ったゴードン・クレイブンと精神科医Dr.ピンラーシュロスを名乗るアビゲイル・クレイブンだった。ゴメスらアダムス一家はフェスターだと信じ込み家に入れる。

 アビゲイルは口からでまかせを言いまくる。嵐の夜にマイアミの魚捕りの網に引っかかって見つかっただの、水産局のお偉いさんが身元をフェスター・アダムスと特定しただの。身柄を引き受けて届けに来たのがわたくしDr.ピンラーシュロスなんですの、だの。ゴメスは嬉しさのあまり泣き伏せる。

 さてあまりにも奇想天外な話しすぎて疑うマーガレット。ゴードンは1週間滞在したらバミューダ・トライアングルに残してきた仕事があるので去るという。しかしいたって冷静なウェンズデーは「バミューダ・トライアングルから出た人は、一人もいないのよ」と疑いをかける。

 さて部屋で金庫をぶっ壊すためのチェンソーだのダイナマイトだののチェックをするゴードン。そこへモーティシアが急に現われ、ゴードンの荷物をみて「牢屋破りでもするおつもりですの?」と言って退室していく。そのあとも疑っているウェンズデーがこちらの部屋をじっと見ているのが気になって仕方が無かった。

 さあ、ゴードンは眠りにつこうとして、ハンドらをはじめとするビックリトラップに大慌て。夜中ずっと悲鳴をあげる。ゴメスはその悲鳴を聞き、昔に何度も聞いた兄の悲鳴だ、と喜んでいた。

 さあ翌朝の朝食のとき。ゴメスは「よく眠れたか?」と聞くとゴードンは「まるで死人のようにな」と答える。しかしゴメスの知るフェスター・アダムスは全然眠らない人だったので、習慣が変わったのだろうか、と不思議がる。

 さあゴメスはフェスターとゴメスの二人の思い出の部屋へ連れて行くという。ゴメスとゴードンは本棚の前に行き、その中のある本を取り出すと回転扉がぐるっと回る。

 そしてたくさんのつり革がぶら下げられている部屋に来た。ゴメスはその中の一つのつり革を引くと二人は突如、落下。螺旋式の滑り台を降りて地下へたどり着く。地下には水が流れており、ボートに二人は乗り込みゴメスが漕いでドンブラコと流れていく。

 ウェンズデーとパグズリーの二人はフェスターおじさんが怪しい、と話し合っていた。さあそんな二人がいま遊んでいるのはパグズリーが電気椅子に座っての電気椅子ごっこだろうか。

 やがて金庫にたどり着きそれを開けるゴメス。金庫のドアを開けるとそこには!二人の思い出の部屋だった。ガッカリするゴードン。その部屋の中をウロウロしていたゴードンはふと化学薬品のビンを開けてみると、回転扉が作動する。ゴードンが回転扉の先についた部屋には溢れんばかりの金貨が置いてあった。これが金庫だった。

 さて元の部屋に戻ったゴードンはずっとフィルムを探していたゴメスに誘われて二人でホームビデオを観る。ゴードンとフェスターの二人の子供の頃、そして成長した頃の映像。ゴードンは調子を合わせようとして「初めてお前が葉巻を吸った日だ!」と言うがゴメスは5歳のころから吸っていてゴメスは不思議がる。

 さて映像に体がくっついた美しい双子が映る。ゴードンは自分に与えられたフェスターの部屋で二人の双子に見覚えがあったので名前を何とか言い当てる。ゴメスによるとどうやらフェスターとゴードンの喧嘩別れした理由はこの二人の双子を巡っての恋の争いから生じたものだったようだ。

 ゴードンはゴメスから争いで追い出してしまったことを謝られすべてを許す、と知ったかぶって言ってみる。ゴメスは喜びゴメスを抱擁し二人の合言葉を言ってくれ!と頼み込む。しかしゴードンは勿論、そんな言葉を知らないので合言葉を言えず気まずくなってしまった。

 夜、チャリティーオークションに出席したアダムス一家。モーティシアが出品した指錠が5千ドルから競りが始まるがゴメスが「なんとケチくさい!」と言って2万ドルの入札を呼びかける。ゴメスとモーティシアは二人だけで入札の呼びかけを初めてしまい、結局、持ち主のモーティシアが5万ドルで落札してしまった。二人は激情に駆られ、そこで愛の絡みをはじめる。

 帰りの車。ゴードンは指錠で指がハマってしまい、はずし方が分からなくなる。ゴメスは指錠を一番気に入っていたのはフェスターなのに!と帰ってから激怒しゴードンはフェスターじゃない!!偽物だ!と言い張り始める。合っているのだが。

 一方ゴードンは本棚の回転扉を開けてつり革の部屋にきたが、どのつり革を引き下げればいいのか分からない。結局、つり革を間違えて外に出されてしまった。そこにモーティシアが現れる。

 モーティシアとゴードンは二人で家の敷地内の墓地を散歩する。モーティシアは一族の次々と殺されていったご先祖様のお話をゴードンに聞かせ、最後に一族の重大な言葉「我らを征服せんとする者には受けて立つ」という言葉の意味が分かっているか、とゴードンを問いただす。ゴードンは少しおびえながらも分かっているとも、と答える。

 翌朝、ゴメスはゴードンがフェスターを騙った偽物だ、と憤慨しておりゴードンは母アビゲイルに助けを求める。アビゲイルは精神科医としてフェスターに問題があるのではなく喧嘩別れで追い出してしまった罪の意識が憎しみに変わってしまいフェスターだと認められないゴメスに問題があるのだ、と言う。ゴメスはそれを信じ込み、再びゴードンをフェスターだと信じたがモーティシアは信じていないようだ。

 一方、ゴードンはウェンズデーとパグズリーの二人がフェンシングで演劇の練習をしているのを見て、急いで駆け寄り二人のぬるいフェンシングに対し「きちんと頚動脈を狙うのだ」と忠告する。そして二人に怪しい本を読ませたりする。
更に二人にダイナマイトの威力を見せたりもした。その姿を見てアビゲイルは怪しむ。

 その日の夜、子供たちの劇を見に行くことになったゴードンだったがアビゲイルはゴードンを叱り自分が母親として愛しているのだ、ということを押し付けるように言い、劇で誰もいなくなる今夜こそ金庫の金を頂くチャンスなのだと言う。ゴードンは従ってしまう。

 その後、ゴードンはゴメスと仲直りをしてバルコニーでゴルフのショットを楽しむ。犠牲をくらうのはお向かいの家の判事の窓ガラス。

 さて劇が始まる夜。劇の手伝いをする約束をしていたゴードンだったが母の言いつけを守り呼びに来たウェンズデーとパグズリーを追い返してしまう。

 さあ劇が始まり、退屈そうにするアダムス一家。この一家は陰惨なものが好きなので平穏なお遊戯が大層つまらない。

 やがてウェンズデー、パグズリーのフェンシングのシーンが近づく楽屋に二人を励ましに来たのはゴードン。母の言いつけを破り、来てしまったようだ。その頃、母アビゲイルはアダムス家の植物に絡まれ、植物園に閉じ込められていた。

 さてウェンズデーとパグズリーのシーン。二人はフェンシングをして血をビシャビシャ観客席にまで噴出させながらシーンを終える。ブラボーと拍手するのはアダムス一家だけで他は血を浴びて呆然としていた・・

 就寝のとき。ゴードンはウェンズデーの劇が良かった、とウェンズデーを褒めていた。ゴメス・モーティシア夫妻は自分たちの死後のことを話しあっていた。なんでも自分たちの遺体が朽ち果てていくというのが二人にとって愉悦なことだそうな。

 翌朝、ゴードンはすっかり子供達と仲良くなってしまった。もう馴染めたゴードンに話しかけたのは植物園から解放された母アビゲイル。アビゲイルはゴードンにしっかり自分の役目を忘れないように、と釘を刺す。

 夜、フェスター・アダムスが帰ってきたということを親戚に知らせるため舞踏パーティを開くアダムス家。全身を髪の毛で覆われたカズン・イット(ジョン・フランクリン)、アルフォード夫妻、双子姉妹のフローラ・アモール(モーリーン・スー・レヴィン)とファウナ・アモール(ダーリン・レヴィン)の二人などが招待された。

 パーティに出席する準備をしていたゴードンとアビゲイル。計画のことを話し合っていたときに、ウェンズデーが聞き耳を立てており、ゴードンは彼女を追いかけるが見失ってしまう。彼女を見つけられないままゴードンはフェスターとしてパーティに出て行く。

 一方、フローラとファウナの二人と談笑していたタリーは、フェスターが帰ってきたことで邸宅は本来の相続人であるフェスターのものになるのでは、という姉妹の発言を聞いて計画を変更することに決める。すぐにタリーはお向かいの判事の家に駆け込み・・

 ゴードンはゴメスとアダムス家伝統の踊り、マムーシカを一緒に踊ることになる。その踊りがゴードンを興奮させ、彼から今夜にも金庫破りをする、という計画をさっぱり忘れさせる。そしてマーガレットはカズン・イットとダンスをしているうちにいい雰囲気になっていた。

 さてアダムス家ではパーティが終わったあともウェンズデーがいなくなったことですぐに探すことになる。一方、母アビゲイルに言われ計画を遂行させることにしたゴードン。ゴードンは家にウェンズデーが帰ってくるかも、と言って家に残りいざ金庫破りへ!ところが書斎でタリーがくつろいでいた。どうやら計画があるという。

 一方、墓場でウェンズデーを見つけたアダムス一家は家に戻ろうとするが門を締められている。タリーが正当な遺産の相続人であるフェスターに家が相続されたので、ゴメスら一家は入れないと言っている。まんまとハメられてしまった。

 ゴメスはすぐにウォーマック判事の元に駆け込むがウォーマック判事は日頃のゴルフの恨みがあったので私情を挟み込んだ判決によってゴメスたちの追い出しを決定する。ウェンズデーによって教えられたフェスターは偽物である、という訴えも聞かずに。

 わずかの家具と共に追い出されモーテル暮らしを強いられたアダムス一家。信じる者に裏切られたショックもあってかゴメスは落ち込んで自堕落的な生活を送る。ウェンズデーとパグズリーはモーテルの前で売り子。モーティシアは職業安定所の職員(ケイト・マグレガー=スチュワート)の紹介で幼稚園生への朗読のアルバイトをはじめる。読んでる本は幼稚園性を泣かせてしまうものだが。

 アダムス家がいなくなりアビゲイルとゴードンの二人きりのアダムス屋敷。ゴードンは寂しさをヒシヒシと感じ、タリーと三人で金庫に入る手段を考案するが、金庫に通ずるつり革がどれか分からずにいた。

 夫の堕落ぶりに耐え切れなくなったモーティシアはアダムス屋敷を訪問。しかしタリー、アビゲイルによって捕らわれ金庫の場所を吐け、と拷問を受ける。

 その一部始終を見ていたハンドは急いでモーテルに戻りゴメスにこのことを伝える。ゴメスはすぐに車で屋敷へ行き、妻を助けに向かう。

 モーティシアに危害を加えられないゴードン。アビゲイルは暖炉で燃やした鉄鉢を当てろ、と命じられたゴードンはできずにいた。

 そこへゴメスが駆け込んできた。タリーがフェンシングで応じるが、結局は負けてしまう。しかしアビゲイルが拳銃をゴメスに向けたことで形勢逆転。ゴメスは妻と愛の言葉を交わしてから本棚から本を取ろうとして、ゴードンに止められる。「ウソをつくな。その本じゃないはずだ!」と。

 そしてゴードンが取ったのは「ハリケーン」の本。ゴードンはタリーとアビゲイルにそれを向けて開けようとする。必死に説得し止めようとする二人。しかしアビゲイルの高圧的な命令口調や「あんたを拾うんじゃなかった!」という言葉についにゴードンはアビゲイルを見限り本をオープンする。

 部屋の中はハリケーンで大荒れ。やがて外に吹っ飛ばされたアビゲイルとタリーは落下地点で待ち構えていた棺の中に入れられウェンズデーとパグズリーによって埋められる。ゴードンの頭にハリケーンの小さな雷が直撃した。


七ヶ月後


 ゴードンは本当にマイアミで魚とりの網に引っかかりアビゲイルによって拾われたのだ。つまりゴードンは本物のフェスター・アダムスで「ハリケーン」の本の小さな雷の衝撃を受け、失われていたフェスターとしての記憶を思い出したのだ。

 今宵はハロウィン。いままで死んでいった先祖の墓を掘り起こし、先祖の蘇りを待つアダムス家。ちなみにタリーが死んだ(?)のちマーガレットはカズン・イットと結婚していた。その家族の姿を見ていたゴメスは「これ以上の幸せはないだろう」と言う。しかしそこでモーティシアが取り出したのは新しい赤ちゃん用の服。ゴメスは新たなアダムス家の誕生を知り大喜び。二人はその場でキスを交わす。








 娯楽映画としてはそこそこ面白い!といったところでしょうか。ただもうちょっと幽霊一家としてのアダムス一家の特色をうまく生かしていればよかったなあ、と思ったりもしました。生活の人間っぽさが抜けてない、というか・・まあそれがアダムス一家の良いところなのかもしれませんが。

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Category: 洋画ア行
竜巻に巻かれてまで、演奏するミッキーくんのオーケストラ団はなかなかにブラボーです。


『ミッキーの大演奏会』 The Band Concert (1935年)
ミッキーの大演奏会
スタッフ
監督:ウィルフレッド・ジャクソン
製作:ウォルト・ディズニー
音楽:リー・ハーライン
配給:ユナイテッド・アーティスツ
キャスト
ミッキーマウス:ウォルト・ディズニー(後藤真寿美)
ドナルド:クラレンス・ナッシュ(関時男)
ナレーション(土井美加)


 ウィルフレッド・ジャクソン監督作品「ミッキーの大演奏会」。原題は「The Band Concert」。

 さてこの映画、色使いがまるで絵の具のように綺麗ですが、ミッキー主人公シリーズの初カラー映画なんですね。当時ミッキーシリーズをカラー映画で観たかった人にはとっても綺麗に見えたでしょう。ちなみに同年に「ミッキーの自動車修理」が公開されてます。こっちは白黒ですね。

 この映画はミッキーの大演奏会ということでミッキー楽団の演奏に重点を置いてますね。その通りで音楽も軽やか、それに合わせるようにミッキーたちの動きも軽やか。

 この映画の名シーンは竜巻に巻かれながらもミッキーたちが演奏を続けるシーン。竜巻の軸を中心にミッキーら楽団たちも回る、という動きがうまく作られてますよ。そしてこの竜巻に巻き上げられるミッキー楽団のシーンは神々しくも見えますね。



【あらすじ】

 ミッキー楽団は、野外ライブをはじめる。そこへアイスクリーム、ポップコーン売りのドナルドが自分も目立ちたい!と言わんばかりに自慢のフルート演奏を吹き始める。ミッキーにとっては邪魔だ!追っ払い、邪魔し合いが始まる。













【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 今日はミッキー(ウォルト・ディズニー)のオーケストラの野外コンサートが開かれる日。観客の拍手に包まれて、ミッキー、豚のピーター・ピグ、バディー・ピグとヤギのギデオン・ゴート、馬のホーレンス・ホースカラー、牛のクララベル・カウらミッキー楽団は挨拶をする。

 さてさて曲は、ジョアキーノ・ロッシーニ作曲「ウィリアム・テル序曲」。第1部〈夜明け〉を演奏し始めるミッキーたち。ミッキーは真剣そのもの。

 そこへ不快な声でポップコーンとラムネ、アイスクリームの宣伝をしはじめ空気をぶっ壊してきたのはドナルド(クラレンス・ナッシュ)。ドナルドは楽団の演奏に感化され、図々しく舞台に上がり込み自慢のフルートで「オクラホマミキサー(藁の中の七面鳥ともいう)」を吹き始める。

 さあ楽団もこのフルートにつられ始める。キレたミッキーはフルートを取り上げ、バキッと折ってしまう。しかしドナルドは意に介さず、またしても袖からフルートを取り出し吹き始める。ミッキーはまた取り上げ折る。またドナルドはどっかからフルートを取り出し、吹き始める。ミッキーが取り上げようとするとドナルドは自分で折ってそれをミッキーに渡す。

 挑発されたミッキーはドナルドを追いかけるがあいつはすばっしこいので逃げられてしまう。ミッキーはつられてオクラホマミキサーを演奏する楽団の指揮を立て直そうとする。またしても邪魔するドナルドを追い出す。

 でもドナルドは諦めない。オクラホマミキサーを吹き続ける。そこへハチ君がドナルドの邪魔をしにきた。追い払われたハチ君はミッキーの頭の上に乗っかる。

 ハチ君への復讐に燃えるドナルドはアイスを投げつける。アイスはミッキーの頭に当たり、それを超えてパディー・ピグのチューバに入る。パディーはチューバを大きく吹いて、アイスを取り除きアイスは今度はミッキーの服の中に入る。

 ムズムズしちゃうミッキーは服の中のアイスを取り除いて、演奏を元に戻すがハチ君が邪魔をしにきた。ハチ君は舞台を飛び回り、演奏者たちの邪魔をする。さあ困った。演奏者たちはそれぞれの楽器でハチ君を退治しようとしてヒッチャカメッチャカになってしまう。

 さあ第2部《嵐》がはじまる。そこへタイミングを見計らったようにアメリカの田舎によくある竜巻が近づいてきた。竜巻はどんどん舞台に近づいてきて観客は一斉に逃げ出す。

 竜巻に巻き上げられる楽団。しかし演奏は止まらない。おのおの浮かび上がりながら一緒に浮かぶ楽譜を見ながら演奏を続ける。

 さあやっと竜巻は収まったようで。全く意に介さないままミッキーたちは演奏を終えた!これぞまさに職人芸!

 しかし観客は逃げてしまったので拍手をするのはドナルドだけ。ドナルドはまた調子づいてオクラホマミキサーをフルートで吹き始めたので楽団は一斉にドナルドに楽器を投げつける。ドナルドの“七面鳥”も受け入れられなかったようだ・・







 ドナルドの扱い、酷いですね(笑)邪魔者であり、ハブられる者であり。
もしかしたら居るかもしれない待ってくださっていた方、お待たせしました。

受験を終えたのでこの作品でブログの復帰を宣言致します。


『ミッキーの自動車修理』 Mickey's Service Station (1935年)
ミッキーの自動車修理
スタッフ
監督:ベン・シャープスティーン
製作:ジョン・サザーランド
製作総指揮:ウォルト・ディズニー
音楽:リー・ハーライン
キャスト
ミッキー:ウォルト・ディズニー(後藤真寿美)
ドナルド:クラレンス・ナッシュ(関時男)
グーフィー:ピント・コルヴィッグ(小山武宏)
ピート:ビリー・ブレッチャー(内田稔)
ナレーション(土井美加)


 ベン・シャープスティーン監督作品「ミッキーの自動車修理」。原題は「Mickey's Service Station

 モノクロミッキー時代の作品ですね。1928年に初めて「蒸気船ウィリー」というディズニーアニメ映画が公開され、それから約7年後の作品となっています。同年の他の実写映画には「戦艦バウンティ号の叛乱」「マルクス兄弟 オペラは踊る」などがありますね。

 ミッキー、ドナルド、グーフィーは自動車整備士のようですね。「Service Station」っていうのは給油所、つまりガソリンスタンドという意味もありますが、修理工場という意味もあります。私が鑑賞したバージョンは日本語吹き替えでナレーションはガソリンスタンドと言っていますが、正しくは修理工場という意味でしょう。

 やっぱりアニメーション映画ってのは実写じゃできないキャラクターの持ってる軽さというのがあるからいいですね。というのも人間にはできない動き、つまり超軽やかな飛び跳ねも出来るんです。そういうところはやっぱりいいですねー。実写のダンス映画の動きの限界をアニメーション映画ならいとも簡単に超えられるんですから。


【あらすじ】

 ミッキー、ドナルド、グーフィーの三人の勤める自動車修理工場に乱暴者のピートが車から出る異常な音を取り除いておけ、10分以内にな!と命じてくる。三人は忙しなく車を解体して原因を調べていく。













【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 ミッキー(ウォルト・ディズニー)、グーフィー(ピント・ゴルヴィッグ)、ドナルド(クラレンス・ナッシュ)の三人は「SERVICE WITH A SMILE」(笑顔でサービス:〈追記〉1934年にロイ・マック監督の同名映画。関係性は不明)という自動車工場で修理に従事していた。

 そこへ葉巻を加えた乱暴者のピート(ビリー・ブレッチャー)が高級車に乗ってやってくる。プップーとクラクションを鳴らし呼びつける。ミッキー、グーフィー、ドナルドはお迎えをする。「どんな修理も承ります!」

 ピートは荒々しくミッキーを右手で掴み上げ、左手で自分の車を持ち上げる。そして離すと車が地面に着く。すると車の中から「アルプス一万尺」のメロディーが聞こえる。ピートはこの異常な音を10分以内に直せとムチャクチャを言う。現在は11時50分。制限時間は12時だ!出来なきゃ、クビだ!

 ピートは大笑いをしながら去ろうとしてラッパを踏んづける。そのラッパがおならに似ていたので自分が屁をこいたのだと勘違いしたピートは三人を拳銃で威圧。「文句があるのか!」

 三人がおびえているのを確認し再び踵を返すとまた踏んづけてオナラみたいな音が鳴っちまった!堪忍袋の緒が勝手に切れたピートは二挺拳銃をぶっぱなし三人をさっさと車の修理に取り掛からせ、大笑いしながら去っていった。

 さてさて大慌てで異常な音を探すため解体に取り掛かる三人。ジャッキで車を持ち上げたり、クラクションを調べたり。

 ミッキーはタイヤのホイールを取り外したら自分のお尻にはめ込まれて取るのに一苦労。ドナルドは正面のグリルネットを取り外し、ネットの紐(なぜか金属ではなくヒモ)を全部引っ張って外してしまった。グーフィーもグーフィーでダメダメ。

 ミッキーはタイヤのゴムを調べ、やっと音の原因であるスズムシのような虫を発見。グーフィーはトンカチで潰そうとするがフロントガラスをぶっ叩いてパリーン!という結果になる。ドナルドもミッキーも虫を潰そうとして色々、部品をぶったたいてダメにしてしまう。

 さあ12時の鐘が鳴りだした。急いで車を元に戻さないと!焦って焦って、ドナルドがボンネットの中に閉じ込められ、ミッキーがタイヤのゴムに絡められて、ドナルドは更にネットの紐が無くなってるのに気づき、代わりに排水溝をはめ込む。

 グーフィーはせっせと車のマフラーから歯車をテキトーに入れ込む。更に車用ホイストを操るレバーを目いっぱい傾けてしまい、ホイストが車を乗せて空にすっ飛んでいく。グーフィーはホイストが何とか倒れないように付け根の部分を持つが、ドナルドが巻いてしまった石油で足が滑る滑る。そして何とか、大破はしないように着地させる。

 やがてピートが帰ってきた。見た目だけはなんだか完璧そうに見える。ピートが車に乗り込みエンジンをかけると進まないどころかなんだかガタンガタン揺れてる。ミッキーたちは嫌な予感がして先に避難する。

 そしてピートの高級車は破裂するかのごとくパーンと粉々に四散する。原型を保っていたエンジンくんが持ち主のピートに襲い掛かりピートはエンジンくんに追われながら逃げていったのだった。








 上司にこき使われている平社員の方がこういった映画を見るとちょっとスカッとするのではないでしょうか。ガミガミ小うるさい上司がピートに当てはまりますね。ピートはこういう役ばっかりです。
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