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三國連太郎追悼二回目の映画。


『北辰斜にさすところ』(2007年・日)
北辰斜にさすところ
スタッフ
監督:神山征二郎
製作:廣田稔、神山征二郎
脚本:室積光、神山征二郎
原作:室積光「記念試合」
撮影:伊藤嘉宏
音楽:和田薫
編集:蛭田智子
キャスト
上田勝弥:三國連太郎(青春時代):和田光司
草野正吾:緒形直人
上田勝弘:林隆三
上田勝男:林征生
上田勝雄:笹森浩介
橋本富子:佐々木愛
下村永吉監督:三遊亭歌之介
西崎浩一:織本順吉(青春時代):田中優樹
西崎公子:佐々木すみ江
上田陽子:斉藤とも子
赤木吾郎:土屋嘉男
西村順造:樋浦勉
海路政夫:北村和夫
天本英人:犬塚弘
北島憲吉:高橋長英
真田喜信:坂上二郎
宇土虎雄:永島敏行
本田一:神山繁
伊東教授:河原崎健三

ナレーター:山本圭


 神山征二郎監督作品「北辰斜にさすところ」

 この監督さんは初めて聞きましたね。この人には決定的なヒット作とよばれるものは多くないらしいですね。ただ彼の「ハチ公物語」(1987年)はヒットしてアメリカでリチャード・ギアによるリメイク作品は作られたほどらしいです。

 主演は三國連太郎。まあ私が三國さんの追悼として借りてきた作品だから当然といえば当然なのですが。実は私がまだ映画をそこまで好きでない頃に釣りバカ日誌ファイナルの作品を観もせずに三國さんは老いて演技もマトモに出来ないのだろう、と勝手に思っていました。しかし今はそんな自分を恥じます。2007年でこれだけの演技ができる方だと当時は知らなかったものですから。

 この作品の主要キャストのうち、公開された年にお亡くなられた名優が一人います。北村和夫さんです。彼は北村有起哉の父親で間違いなく昭和日本の映画界を支えた名優中の名優です。私はこの人だと「黒い雨」(1989年)が思い浮かびます。声優としての活動もありましたね。

 この映画は情熱的な高校野球の物語でもあります。あえて青春とはいわず情熱と呼ばせてもらいます。しかしとってもいい映画なんですね。ただ若い人には少し退屈してしまうかもしれません。かくいう私もまだ若者の範囲なんですが。まあ私は退屈しませんでしたよ。

 タイトルは第七髙等學校の寮歌「北辰斜めに」そのままです。ただしこの寮歌はとっても力強く歌う必要があります。昔の九州男児の魂がこの歌に込められています。私にも実際に会ったことは無いのですが、知り合いに九州男児が二人います。

 ちなみに、天本英人という役名がありますが、これは第七高校卒業生の一人である俳優・天本英世をモデルにしたらしいです。彼は仮面ライダー初代の死神博士役でお馴染みの名優です。


【あらすじ】

 旧制第七高等学校造士館と旧制第五高等学校野球対抗戦100周年を迎えるにあたって鹿児島大野球部と熊本大学野球部の昔のユニフォームを着ての親善試合が行われることとなった。両校OBたちはそれぞれの思いを胸に、その試合を観戦しようと決めていたが七高OBの伝説のエースと呼ばれた打者・上田勝弥はその試合の応援参加を渋っていた・・



♪北辰斜めに (~4:10まで)











【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 鹿児島・旧制第七高等学校造士館。熊本・旧制第五高等学校。野球の対抗戦試合から100周年を迎えた。そのため鹿児島大野球部と熊本大野球部が記念の親善試合を行うことになった。

 七高OBの東京七高会の幹事長・本田一(神山繁)、同窓会委員・海路政夫(北村和夫)、鹿児島七高会事務局長・真田喜信(坂上二郎)は第五高OBの西村順造(樋浦勉)をうまく諭して人吉の川上哲治記念球場で親善試合が行われることになる。人吉は七高OBの伝説の打者兄弟・上田勝弥(三國連太郎)と上田勝雄(笹森浩介)兄弟の出身地だった。

 本田一は同窓会の会報の取材のために上田勝弥の下を訪れ当時の話を聞くことにする。勝弥は一代で病院を建て現在は息子・勝弘(林隆三)に譲った。ちなみに孫・勝男(林征生)は野球部に入っているが、足をやってしまい野球推薦による大学入学は不可能となり別の大学を探しているときだった。

 上田勝弥(和田光司)が七高に入学したとき、彼ら新入生を迎えたのは尊敬すべき先輩・草野正吾(緒形直人)。草野は勝弥ら新入生に「お前たちは天才的なバカになれ!」と歓迎式のときに話す。勉強・スポーツなんでも情熱をもって打ち込め、とのことだった。

 勝弥のあの時代は危険なこともしたがとっても楽しかった。勝弥が一番影響を受けた教師は伊東教授(河原崎健三)。彼は「数式を乱雑に書き並べてはよい推理は出来ない。整然としたあっさりとした数式の中から良い推理は生まれる」と生徒に教え込み、生徒と一緒にすき焼きをつついたりして親交を図っていた。残念ながら長崎で原爆に遭い亡くなられた。また、勝弥は自分の投球をキャッチする捕手・西崎浩一(田中優樹)と親友になり彼の妹・京子(清水美那)に惚れ込み、彼女と後に結婚した。

 また、草野先輩はエレベーターガールをしていた学生たちのマドンナ・露崎真知子(大西麻恵)に積極的にアプローチをかけ後に結婚する。

 また草野先輩は後輩たちが酔ってポストを壊してしまった罪を自ら被って勝弥の卒業する後で遅れて卒業したのだった。

 懐かしい昔話をしている内に勝弥は涙が出てくる。弟・勝雄は海の向こうに出兵しそのまま戦死してしまったのだ。彼は兄・勝弥より球が速かった。そんな弟の名前を孫につけたのが勝弥だった。

 インタビューを終えた本田は勝弥に川上哲治記念球場で行われる親善試合のことを話し出席するように言う。勝弥は「まあ私が生きていたら」と答えを濁す。そのあと、勝弥は海路に草野のことを聞く。

 海路によれば草野もフィリピンで戦死したそうだった。本田はなぜ勝弥がそのことを話さなかったのか疑問に思う。

 本田はかつての七高OBたちに親善試合の招待状を送る。村田聡(滝田裕介)、現在は議員の赤木吾郎(土屋嘉男)、スペイン・アンダルシアで暮らす天本英人(犬塚弘)らは出席に丸をする。

 一方、勝弥は久しぶりに西崎浩一(織田順吉)に浩一によく懐いていた長女・橋本富子(佐々木愛)と共に会いに行く。浩一は勝弥とかつての野球仲間は戦場でほとんど戦死してしまったことを懐かしみ、自分は参加できないから参加しておくれ、と弱気な発言をする。勝弥は励ますが浩一の妻・公子(佐々木すみ江)によれば長く生きられないらしい。

 海路は勝弥に参加を求める電話をするが、勝弥はそれを断る。諦めきれない海路は本田や真田と共にわざわざ家まで出向き出席するよう説得するが頑として勝弥はそれに応じなかった。そんな姿を富子は批難した。

 一方、野球推薦により六大学に入ることが不可能となった勝男は鹿児島に憧れるようになり鹿児島大学へ進むことを決める。母・陽子(斉藤とも子)は反対するが父・勝弘はそれもいいのでは、と賛成する。

 その後、無事に鹿児島大学に受かった勝男は鹿児島に引っ越した。一同は歓迎するが、ほぼ同時期に西崎浩一が逝去した。

 西崎の葬儀に出席した勝弥は公子から夫は死ぬ前まで親善試合に参加したかったと思っていた、ことを話し西崎の遺影を持って人吉に行くので勝弥も人吉に行ってほしい、と頼む。勝弥は承諾する。

 鹿児島に来た勝弥は勝男を連れて開聞岳・望比公園の慰霊碑を訪れる。そこで勝弥はフィリピンでのことを思い出した。

 フィリピンで軍医として従軍した勝弥は負傷して運ばれてきた草野と再会した。草野は上田と再会できてよかった、と喜んだのもつかの間、撤退をせざるを得ない状況に陥っていた。上田は「見捨てるわけにいかない」と撤退を拒否するが草野は「上田、おまんさは生き延びろ。おいに構わず…。北辰斜にさすところ…」と強く言い、やがて唄いだす。上田はついに撤退指令を出す。上田はボロボロに涙しながら草野を置いて撤退した。

 そのことを思い出した勝弥は勝男に「まだ海に沈んでいたり海の向こうの国から帰って来れない日本兵がいるんだ」としみじみと話す。

 夜。親善試合を控えて七高OBで親睦会を開いた。そこで北島憲吉(高橋長英)含む他のOBと再会した勝弥。鹿児島大学の選手たちを励ましながら飲んで酔って踊って騒がしくした。

 翌日。ついに川上哲治記念球場で親善試合が行われる。海路は旧制第五高の財前一郎(鈴木瑞穂)と再会。二人はよき好敵手であり友だった。二人は野球の話で盛り上がるが、やがて二人して戦争から生き延びたことを涙する。

 やがて、ついに試合が開始される。大学の生徒たちは怪我をしない程度にやろう、と老人OBたちほどあまり気乗りはしれいなかった。

 3回裏、五高が1点先取してしまう。しかし4回表で七高が1点とり1対1となった。

 やがて勝男が登板する。勝男は若かりし頃の勝弥の生き写しのようにボールを投げ、両校のOBが驚く。勝男はうまく防衛する。やがて両大学ともこの試合に本気で臨むようになる。

 その後、両大学とも1点もとらず1対1のまま9回裏。選手交代により勝男の代わりに新しい投手が登板する。

 その投手は死んだ勝弥の弟・勝雄に歩き方も投げ方もソックリそのままだった。それだけではない。他のファースト、セカンド、サードもまるで勝弥の同学年の戦死した野球仲間たちにソックリだった。

 やがて五高からもかつて勝雄のボールを売った打者・イワモトにソックリな男が立つ。その男は勝雄ソックリの投手の投球を打つが、そのボールはなんとかキャッチされついにゲームは終了する。退場する選手たちは勝弥の目には次々と消滅していくように見えた。

 1対1の引き分けで終わった試合。勝弥は誰もいなくなった球場をひっそり眺めていると、草野の幻が。草野は勝弥を大声で呼び、「北辰斜め」を唄い始める。

 そんな草野の幻影も消滅し、勝弥はベンチに座るのだった・・・









 この映画は現実のシーンと過去のシーンの対比がいいですよね。そして終盤でその二つが重なるような野球試合。感動しました。しかし私の文だと過去の部分を結構、省略しているようなので少し面白味には欠けた文にはなったと思います。ホントに青春でなくて情熱の映画ですよね。

 実は原作は現在のシステム化教育に納得がいかない室積光という人が書いた本なのですね。確かに私もこういった旧制高校の教育理念は現代の教育で参考にできるものだと思います。

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