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松本清張の書いた原作より松本清張作品っぽくなっていると思います。


『黒の奔流』(1972年・日)
黒の奔流
スタッフ
監督:渡辺祐介
脚本:国弘威雄、渡辺祐介
原作:松本清張「種族同盟」
製作:猪股尭
音楽:渡辺宙明
撮影:小杉正雄
編集:寺田昭光
配給:松竹
キャスト
矢野武:山崎努
岡橋由基子:谷口香
若宮朋子:松坂慶子
若宮正道:松村達雄
楠田誠次:中村俊一
三木弁護士:玉川伊佐男
北川大造:中村伸郎
太田美代子:岡本茉莉
杉山とくの娘:金子亜子
杉山とく:菅井きん
倉石検事:佐藤慶
松本裁判長:河村憲一郎
阿部達彦:穂積隆信
貝塚藤江:岡田茉莉子


 渡辺祐介監督作品「黒の奔流」

 松本清張作品ですね。清張の作品って男女関係の堕落とかちょっといやらしいところがある作品多いんですがこの原作の短編はそうでもなかったようです。それをもうちょっと男女関係をいやらしく描いた映画に改変されましたね。清張っぽい風味でいいと思います。

 ただこの映画を観た人には「映画じゃなくて2時間ドラマでやれよ」みたいな意見がちらほら見えますね。確かに内容的にいえば土曜ワイド劇場とか、火曜サスペンスにピッタリの内容でしょうね。

 さて渡辺祐介監督というのは映画「少女妻 恐るべき十六才」(1960年)で映画監督デビューしていますね。それまでは脚本とか助監督をしていました。後に必殺人シリーズのドラマ監督をいくつかやったり喜劇映画の監督をしたりしています。

 さすが松本清張作品だけあって設定とかが細かい。とにかく清張さんは綿密な調査の末に、その調査を生かした社会の実情を作品に反映させるのがなかなかにうまい人ですからねえ。

 さて今回、男女の淫らな関係が描かれる、ということで岡田茉莉子と谷口香の裸体と乳首が見れました。谷口香は化粧台で化粧をしているシーンの背中がとっても綺麗ですねえ。岡田茉莉子は大人の女のフェロモンムンムンに出てるので彼女の情事のシーンもなかなかにムンムンとしてました。


【あらすじ】

 弁護士・矢野武は小さな事務所を経営しながら恩師・若宮正道の娘・朋子と結婚し弁護士としての名誉を高めようとしていた。ある日、恩師・正造が誰にやらせるか困っていた絶対不利の殺人事件があると知り、その事件の弁護を引き受ける。被告人・貝塚藤江を矢野は救えるのだろうか・・・













【以下全文ネタバレ注意】


 青年弁護士・矢野武(山崎努)はガードレール下の電車が来るとガタゴト揺れる小さな事務所を構え、助手の岡橋由基子(谷口香)、辞めたがっているお茶くみの太田美代子(岡本茉莉)と経営していた。

 ある日、久しぶりに客が舞い込んだと思ったら金品をとられていない結婚詐欺の話。被害者(金子亜子)の母とく(菅井きん)によれば心を弄ばれたとのこと。矢野は
「騙された娘さんの異性を選ぶ目を養わせることですな」
 と言って早々に追い返してしまう。

 夜、矢野は岡橋と淫らな夜を過ごした。矢野は岡橋から国選弁護の依頼状を受け取り、どうせロクな事件はないと思いながらも小遣い稼ぎのために東都弁護士会に顔を出すことにする。

 翌朝、入り口で同僚弁護士と会ったときに仕事は忙しいかと聞かれ
「暇なんですよ。せめて国選でもやって稼がないとね」
 と笑いあう。

 先輩弁護士・楠田誠次(中村俊一)から恩師・恩田正道(松村達雄)がいると聞かされ正道に挨拶する。矢野は正造の娘・朋子(松坂慶子)を伴侶にしようと狙っており正造になんとか取り入られようとしていたのだ。

 正道は三木弁護士(玉川伊佐男)とどうやら被告人の絶対不利な国選弁護の仕事を誰にやらせようか相談していた。矢野はその事件の概要を朋子から見せてもらい引き受けることを決める。

 多摩川渓谷の崖から阿部コンツェルンの次期社長・阿部達彦(穂積隆信)が川に突き落とされ、死亡。その男と顔馴染みだった旅館の美人女中・貝塚藤江(岡本茉莉子)が逮捕されたのだ。

 事件の日、貝塚藤江は春秋荘という自分が働く旅館からすぐ手前の工事している道路を歩き駅前の交差点の雑貨屋にフィルムを買いに向かった。待ってる間、5時35分に駅に電車が到着し40分ごろ藤江が領収書をもらう。その後、顔馴染みの阿部と再会し5分間ほど立ち話。

 そのあと、阿部に観光名所の崖まで案内してほしい、と頼まれ25分ほど歩いて6時5分に吊り橋のところにたどり着き、その後は山の中の地図を阿部は手帳に書き、わたっていた。藤江は橋を渡らずに橋の下で30分ほどたたずんでから宿へ帰ったと証言する。それは6時55分だとされている。

 しかし倉石検事(佐藤慶)は被告人が橋を渡って崖にたどり着いたのが6時5分ごろ藤江がそのまま山に入り、10分ほど山の中を歩いて6時15分ほどに崖のところに着き13分の時間を要して阿部を誘惑し性交渉に至ってから彼が金を持っていると知り強奪し、阿部を崖から突き落とした。それが6時15分から28分の間。それから急いで宿に帰り、約20分~30分ほど走って55分ごろ到着したと考えていた。

 それに藤江は阿部の万年筆を持っていた。藤江は阿部に吊り橋の前で阿部が山の中の地図を書くときに落とした万年筆を拾った、といっていたが倉石検事はこれこそが阿部を殺した証拠物件だと主張する。

 ただでさえ不利な状況を、矢野は雨の日でしかも着物を着ていた藤江には時間的に犯行は不可能だ、という点から攻めていく。

 しかし倉石検事は新しい証人を呼んでいた。それは阿部と藤江が一緒に吊り橋を渡ったところを目撃した、という証言だった。

 さらに不利になってしまい、矢野は藤江を責める。藤江は疑われたくない一心でそのことを必死に隠していたらしい。絶体絶命のところで、岡橋が新しい証人を見つけてきた。

 その証人は犯行時間を証明してくれた。6時50分ごろに被害者と思われる悲鳴が轟いていた、とのことだった。藤江が旅館に戻ったのは55分。春秋荘から崖まで歩けばどう考えても最低では20分ほどかかるので藤江が犯行を行って帰ったとすれば等速にすれば崖から春秋荘までの距離2000メートルを100メートルにつき15秒の速さで帰らなければならない。しかも事件当時は草履で和服。完全に不可能な犯行だった。

 また、検察が藤江と事件当日性交渉に至ったとされる証拠の阿部のパンツに精液がついていたことだが、事件前夜に阿部は別の女を抱いていたようだった。

 その後、松本裁判長(河村憲一郎)は貝塚藤江に無罪判決を下す。藤江は涙する。

 藤江、矢野、由基子、太田美代子の四人は居酒屋で乾杯する。由基子をよく耐えたと褒め称えた矢野。由基子はさすがに春秋荘が嫌になり、矢野は辞める美代子の代わりに事務所で勤めてほしいと誘う。

 居酒屋からの帰り道、矢野は新しいアパートの世話もした。由基子は払う金がないので身体で払わせてほしい、と申し訳なさそうに言うが矢野はとりあえずそれを断るのだった。

 それから、矢野は逆転無罪を勝ち取った弁護士として有名になった。藤江は事務所で働きはじめ楠田は矢野に「これなら恩田先生の娘さんをモノにできるかもしれんぜ」と始める。

 矢野は恩田正道に呼ばれ家でごちそうになる。その家で正造の娘・朋子が脈ありな反応を矢野に示していた。また正道の旧友の日東銀行の北川大造(中村伸郎)が矢野を気に入ったとも言っていた。矢野はまさしく順調だった。

 その後、矢野は藤江のアパートに寄る。藤江は未だに矢野のことを感謝し尊敬しており、抱いてほしいという思いは変わらないことを矢野は聞くと、矢野は
「昨晩は弁護人と被告人の関係が拭いきれなかった。しかし、今は違う。一人の男と女だ」
 そういって矢野は藤江を抱いてしまうのだった。

 その後、矢野と藤江の周りにバレないようなみだらな関係が続いてしまう。藤江は
「関係が続くならば日陰の女でもかまわない」
 と言い由基子は大胆すぎないか、と矢野に注意を促す。

 そのあとで由基子は藤江に自分は前に矢野と関係を持っていたこと、そして矢野が恩田朋子と婚約寸前であることを打ち明ける。その頃、矢野は朋子とキスをしていた。

 矢野が帰宅したとき、家の前に藤江がいた。矢野は朋子を家に入れる。藤江は矢野を問い詰めるが矢野は
「お前が陰の女でもいい、というから抱いていたんだぞ。俺がどうしようと俺の自由じゃないか」
 と悪びれもしなかった。藤江は今までの矢野と全く違う冷たい矢野に悲しくなり家を出ていく。

 翌日、矢野は、朋子、正造、そして矢野を気に入った北川大造と会食をする。しかしなんと近くで変装した藤江が監視していたのだ。さらに恩田家の電話に藤江が電話してきたりもしたのだ。

 矢野は藤江のアパートに駆け込み問い詰める。藤江は陰の女でいい、ということを撤回し矢野と結婚したいと話す。冗談じゃない、という矢野に藤江は妊娠したことを打ち明ける。それでも
「貴様は気が狂ったのか!陰の女でもいいというから高学歴な俺が、無学なお前を抱いてやったんだぞ!それを今更なんだというのだ!俺は朋子と結婚するんだ。お前ごときが俺と釣り合うわけがないだろう!」
 そう突き放そうとする矢野には自分が阿部達彦を殺した犯人であるという真実を裁判所に訴える。と脅しはじめた。

 動揺するものの嘘だ、という矢野に事細かに説明する。藤江は山を下りてすぐに外国人の車を拾って春秋荘に送ってもらったのだ。外人だから工事中という立て看板が読めなかったらしい。藤江はそれを証拠とする阿部の手帳を所持しており、矢野に見せてついに矢野は呆然とする。

 それでも矢野は一時不再理があるから意味がない、というが藤江は矢野と共犯して事件を隠ぺいした、と証言すると脅す。間違いなく矢野の地位はどん底まで落ちるだろう。矢野は逃げるように去って行った。

 翌朝、矢野は藤江を尾行。藤江はなんと恩田正造に訴えにいこうとしていたのだ。たまたま正造がいなかったが矢野は藤江に恐怖を抱く。

 夜。事務所で由基子に相談する。すると由基子は大金を交換条件に案を出す。藤江と和解の旅行に出て、旅行先の湖でボートを事故で沈ませ泳げない彼女を溺死させればいい、と話す。

 矢野は藤江を和解しお前と結婚する、と騙して旅行に誘う。藤江は喜ぶのだった。

 旅行一日目の夜。矢野は考え事をしていた。藤江はその目を見つめ何かを感じる。

 二日目。釣りをしよう、とボートを借りて乗り込む矢野と藤江。ボートは湖の真ん中まで行き、やがて霧が発生する。

 藤江は
「昨日の夜、わかったわ。あなたは私を殺そうとしている」
 それに対し矢野は開き直ったようにボートの中に水を入り込ませてから
「だったらどうするんだ。お前は泳げなくて死んでしまうが俺は生き延びてお前を必死に助けようとしたと証言するぞ」
 という。

 藤江は近づき、矢野を果物ナイフで刺した。矢野は驚くとともに倒れていく。藤江は
「あなたは誰にも渡さないわ。一緒に死にましょう」
 とわんわん泣きながら腹から血が噴き出す矢野の体に抱きついていた。やがてボートは二人を湖の底へ沈めていった。

 藤江は旅館に置手紙をしていた。それは自分の罪の告白。正造、三木弁護士、楠田らがそれを読み楠田は
「ばかなやつだなあ。あんな女に人生を棒に振るなんて」
 由基子は三人に対し
「二人が私に言わずに旅行に行ってしまいました。こんなことになるなんて知ってたら止めましたわ!」
 と言って泣き始める。

 その近くである若い弁護士が先輩弁護士に仕事は忙しいか?と聞かれていた。若い弁護士は
「暇なんですよ。せめて国選でもやって細かく稼がないと。」
 そう答えるのだった・・・







 冒頭の結婚詐欺の話。これは山崎努に対しては女に気をつけろ、という警告と岡田茉莉子には男に気をつけろ、という警告の意味があったんですね。つまり視聴者の両性別の人にたいして、異性の相手に気をつけろよ、という警告を促しているんです。皆さんも相手は冷静に選びましょう。

 私は山崎努の役の下種さと、岡田茉莉子から女性の怖さを感じましたね。両性別の醜い部分を曝け出した映画だったと思いますよ。

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(2005/11/26)
岡田茉莉子、山崎努 他

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原作短編が収録されてます
松本清張小説セレクション 第36巻 短篇集5松本清張小説セレクション 第36巻 短篇集5
(1996/04/10)
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Category: 邦画カ行

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