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7月になったら日曜日以外は本格的に休止する予定なんですが・・・私っていうのはどうも甘い人間なようです。


『ロープ』(1948年・米)
ロープ
スタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:アーサー・ローレンツ、ヒューム・クローニン
原作:パトリック・ハミルトン
製作:アルフレッド・ヒッチコック、シドニー・L・バーンスタイン
音楽:レオ・F・フォーブスタイン
撮影:ジョセフ・ヴァレンタイン、ウィリアム・V・スコール
編集:ウィリアム・H・ジグラー
キャスト
ルパート・カデル:ジェームズ・スチュアート
ブランドン・ショー:ジョン・ドール
フィリップ・モーガン:ファーリー・グレンジャー
ジャネット・ウォーカー:ジョアン・チャンドラー
ケネス・ローレンス:ダグラス・ディック
アニータ・アトウォーター:コンスタンス・コリアー
ミセス・ウィルソン:イディス・エヴァンソン
デービッド・ケントレイ:ディック・ホーガン
ヘンリー・ケントレイ:セドリック・ハードウィック


 アルフレッド・ヒッチコック監督作品。原題は「Rope

 もともとはパトリック・ハミルトンっていう人が1929年に舞台劇『Rope's End (ロープの端)』というのを作ってそれがヒッチコックが映画化しましたね。で、その舞台劇っていうのは24年に起きた「レオポルドとロープ事件」っていう実際の事件を基にしたものですね。

 面白いのは映画の全編をワンシーンでつなげてるところですね。ヒッチコック初カラー作品ってところも貴重ですがこの映画は舞台がマンションの一室だけ。しかも一日だけで、昼→夕→夜と実際に映画の中の時間と実際の時間が同じ間隔で進んでいくっていうのも面白いですね。ただスタッフもキャストもきっと大変だっただろうなあ、と思いますよ。

 主演はジェームズ・スチュアートですね。ジミーはヒッチコック作品は初出演でのちに「裏窓」(1954年)、「知りすぎていた男」(1956年)、「めまい」(1958年)にも主演張ってますがめまいの評判が良くなくてジミーはそのあとの「北北西に進路をとれ」(1958年)で主演やりたかったのにおろされちゃって、ケーリー・グラントになっちゃいましたね。当時サスペンスは低俗なものだと思われた風潮があり、ゲイリー・クーパーとかもヒッチコックには出なかったんですが、ジミーはよくサスペンスに出てましたねえ。


【あらすじ】

 自分は優秀である、と疑わないブランドンは元舎監ルパートが優秀な人間は劣等な人間を殺すこともできる、というブラックジョークを真に受けてフィリップという友人と共に友人ケネスをロープで絞め殺し、収納箱の中にしまい、その収納箱を燭台に見立てパーティを開いた。ルパートは二人に疑念を持つ。



ロープのシーン














【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ分あり






 ニューヨーク。マンハッタンの摩天楼にあるアパートの一室。
 完璧主義者を気取るブランドン・ショー(ジョン・ドール)とそれに乗せられたピアニストのフィリップ・モーガン(ファーリー・グレンジャー)は二人の友人であるデービッド・ケントレイ(ダグラス・ディック)をリビングでロープを使って絞殺する。

 動機は単純。ブランドンが自分に完璧殺人ができる特権を持つ優秀な男で殺される側のデービッドはそれより劣る者なのだ、と証明するためだった。ブランドンは本気で自分のような優秀な人間には殺人をできるという特権を持っていると信じていた。

 ブランドンが信じている理由。それは彼が尊敬する舎監だったルパート・カデル(ジェームズ・スチュアート)が放った優秀な人間は劣等な人間を殺す特権を得ている、というブラックジョークを真に受けたからだった。そしてそれを実践できるのは自分とフィリップしかいないと思っていた。

 対してフィリップは殺したことを後悔し動揺していた。ブランドンは真昼間なのに閉まっていたカーテンを開けてからデービッドの死体を収納箱の中に隠し夜が来るまで待つ。

 ブランドンはすぐに死体を運ぶのではなく、このすぐ後に部屋で開かれる田舎に帰るフィリップの送別会パーティを無事に進行させて夜になってからブランドンの遺体を車へ運ぼうとしていたのだ。しかしそのパーティにルパートも呼ばれている、と知りフィリップはあの男は勘がいいから危険だ、と動揺する。

 ブランドンは死体を隠した収納箱の上にテーブルクロスを敷いてキャンドルを置き料理を置いて食卓にしてしまおうとした。フィリップは気が気じゃない。

 そこへ家政婦のミセス・ウィルソン(イディス・エヴァンソン)が買い物から帰ってくる。ウィルソンはなぜダイニングに食事を用意したのにわざわざ料理をリビングのチェストの上に置くのか理解できなかった。

 フィリップはウィルソンに犯行に使ったロープを見られた、と慌てふためくがブランドンは余裕をかまし、キッチンの引き出しにロープを隠す。

 その後、ブランドンとフィリップの友人ケネス・ローレンス(ダグラス・ディック)が訪れてくる。ブランドンはケネスにケネスの婚約者も招待したんだ、というがどうやらケネスは婚約者ジャネット・ウォーカー(ジョアン・チャンドラー)と婚約破棄してデービッドと付き合ってしまったらしい。ブランドンとフィリップはケネスを励ます。

 それからジャネットもやってくる。ジャネットとケネスの間には気まずい空気が。ジャネットはブランドンを責めたてるがブランドンは
「まったく。僕の次はケネス。ケネスの次はデービッドかい?金のある男に流れるんだね君は」
 と言いジャネットは愕然とする。

 そのあと、デービッドの父親であるヘンリー・ケントレイ(セドリック・ハードウィック)と本当は来るはずだった妻が寝込んでしまったために急きょ代理できたヘンリーの妹アニータ・ケントレイ(コンスタンス・コリアー)がパーティにやってくる。

 アニータは占いが趣味で、フィリップの手を見て将来、名声を掴む手だ、と言われフィリップは動揺する。参加者たちは時間に正確なデービッドが来ないことに心配していた。

 やがて最後に現在は出版関係の仕事についているルパートがやってくる。ルパートやヘンリーはブランドンが執筆した本の初版本が見たくて来ているという面もあったのだ。

 参加者たちでソファーに座り座談が始まる。フィリップはチキンが嫌いだ、ということが話題になり昔、フィリップがニワトリの首を絞め殺しそこねて食卓で生き返ったのがトラウマになったのだ、ということが話される。するとフィリップはムキになって否定する。

 そのあと、ルパートが語りだす
「しかし殺人というのは正当化されてしまうんですよ。高級レストランで待つのが嫌になれば前の客や店員を銃で殺してしまえばいい」
 と言いはじめ「殺人というのは芸術である」という冗談を言う。

 ヘンリーが理解できない、と真に受ける。「その理論ならば死んでいい人間など誰が決めるんだ」と言い、そのあとで、ブランドンがルパートの冗談を助長し「優等なものが劣等を殺せる特権を得ている」ということを力説しだしヘンリーと口論になりヘンリーを呆れさせる。

 しらけた雰囲気になり、各々が解散してからルパートはブランドンの力説とフィリップの嘘について疑念を抱いていた。

 一方、ジャネットはケネスと気まずくなりながらお互いのことを話す。実はケネスがジャネットを振ってしまい、傷心にくれたジャネットをデービッドが励まし付き合いだしたのがきっかけだった。

 しかしその会話のなかでケネスは自分がジャネットと別れたことに対して「大丈夫だよ。チャンスはあるさ」とブランドンが言っていたことを話し、ジャネットとケネスはブランドンを問い詰める。ブランドンはその問いに飄々と軽く受け流したのでさらに腹を立てた。

 ブランドンがなにかおかしいと感じたルパートはミセス・ウィルソンとの会話でブランドンとフィリップが朝からおかしかったことを知る。ウィルソンをさっさと買い物にいかせたと思えば買い物にかける時間はゆっくりめにしろ、だの言われたらしい。

 ほかにもウィルソンが本来なら食卓などの準備をするのに買い物にいかせた内に二人で準備を終わらせたこと、ダイニングの食卓に置かれた料理をリビングのチェストの上にテーブルクロスを敷き燭台と料理を乗せたことなど不審な点だらけ。

 それを見ていたフィリップはウィルソンに給仕に集中するよう命じる。明らかにウィルソンを引き離したフィリップにルパートは
「このパーティはおかしなことばかりだな。愉しんでるのはブランドンくらいしかいない」
 フィリップがニワトリを殺してない、とウソを座談のときについたことなどを問い詰めフィリップは明らかに混乱していた。

 ルパートはフィリップに
「ブランドンはデービッドの場所を知っているが話さない。君に聞くがデービッドはどこにいるんだい?」
 と問い詰めるがフィリップは答えなかった。

 やがて初版本数冊をブランドンがロープに縛ってヘンリーに渡していた。フィリップは呆然とし、それを問い詰めるルパートに
「い、いえ・・ただ、ロープの縛り方がおかしいなあと思っただけです」
 と答える。そのロープはデービッドを殺したロープで、ブランドンは凶器を被害者の父親に手渡ししている状況なのだ。

 ルパートはフィリップとブランドンに探りを入れ、何かを考え始める。やがてウィルソンがパーティの片づけをしはじめて、ヘンリーに渡さず見せるだけの本をチェストにしまおうと開けようとする。

 しかしそれをブランドンが止め、チェストにしまうのは明日きてしてくれ、と命じる。ルパートはブランドンの慌てぶりに何かを感じていた。

 やがて電話がかかってきた。応対したアニータによればどうやらデービッドの母がデービッドの行方が分からなくなったことで混乱しているようだった。ヘンリーは妻が心配になり本を持ってアニータと共に帰る。

 ジャネットもヘンリーに付き添い、ジャネットの頼みでケネスもそれに同行することになる。ブランドンは不謹慎にも
「チャンスは来たじゃないか」
 とケネスに言いジャネットとケネスは腹を立てて出て行った。

 ルパートも帰ろうとするが、ウィルソンが帽子を間違えて渡してしまう。そこにはイニシャル“DK”の文字が彫られておりルパートは動揺しながらも本物の帽子をかぶってひとまず退散する。

 ブランドンはフィリップと共に作戦成功を喜ぶがフィリップはルパートは絶対に真相を掴んだはずだ、とおびえており酒をガブガブと飲み始める。ブランドンは一緒に旅行に出よう、となだめても効果はない。ずっと片づけをしていたミセス・ウィルソンは明日片づけの続きをするために家の鍵を預かって、帰って行った。

 やがて駐車場係に電話して車を用意してもらったあと、電話がかかってくる。ルパートからで煙草入れを部屋に忘れたので取りに行きたい、とのことだった。ウソに決まってる、と断らせようとするフィリップにブランドンは5分間は耐えるんだ、と説得し拳銃をポケットに入れてからブランドンを招き入れる。

 ルパートは煙草入れを探すフリをしてから、時間稼ぎのためにブランドンから酒をもらう。ルパートは少しおびえながらジャネットが話していた、という名目で推理を語り始めた。

 ブランドンとフィリップが早くに部屋にデービッドを招き入れ、彼を気絶させてからロープで絞殺。そのあと、遺体をチェストの中に隠したのだ、と。

 それからルパートはブランドンの上着の右ポケットに拳銃が隠されていることを指摘。ブランドンはすぐに強盗用だ、とウソをついてピアノの上に拳銃を置く。

 やがてルパートは先ほどヘンリーに渡す本を縛るのに使ったロープ、ケネスを絞殺したロープを二人に見せる。犯行を悟られた、とフィリップは動揺し「全員殺して僕も死んでやる」と言いながら拳銃を振りかざしはじめる。

 ルパートは危険なフィリップから手を怪我しながらも拳銃を奪い取る。フィリップは酔いすぎただけ、というブランドンにルパートはチェストの中身を見せるよう言い、ルパートはチェストの中身を確認して驚いてしまう。

 ブランドンは殺人に崇高な考えを持つアナタなら理解してくれるはずだ、と乞いはじめる。
「あなただって言ったじゃないか。勝る者が劣る者を殺してもいい特権を持っているのだ、って。僕たちはそれを実行しただけだ」

 ルパートは自分の言葉が二人を犯罪に駆り立てたのか、と愕然としつつ
「私と君たちを一緒にするな。私には実行しないだけの理性がある。それに君たちは優者と劣者の概念を歪めただけで一人の男の将来と愛を奪う口実に過ぎない」
 とブランドンの犯罪を否定する。そして
「君たちは捕まるだろう。そして待っているのは死だろうな」
 と宣言してから窓を開けて外に拳銃を三発撃つ。

 外で銃声を聞いた人々はすぐさま警察に通報。パトカーのサイレンが近づいてくる。

 呆然とするルパート、未だに動揺するフィリップ、ブランドンは平静さを装い、酒を一杯飲み干す。マンハッタンはすでに夜になっていた。







 これはヒッチコックの考え方そのものかもしれませんねえ。しかしヒッチコックはあえて自分の考えを映画の中で最終的に否定した。天才の考えることはよくわかりません。

 この映画の登場人物はみんな縛られてばかりですね。それをロープで例えたのでしょう。

 舎監ルパートは理論づける生き方に縛られ、ブランドンはルパートの優者と劣者の考えに縛られ、フィリップはブランドンに縛られて。フィリップが本を縛るのに使ったロープを見て動揺したときに発した「縛り方がおかしい」っていうのはルパートからの教えをおかしく捉えたブランドンのことを指してたんでしょう。

 最後に二人が死ぬ、ってのは二人の未来の絞首刑のことを示してるんでしょうか?あとはこの映画がワンシーンで繋がれ切れていないのもロープそのものなんでしょう。うまいタイトル。

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(2004/12/29)
ジェームズ・スチュアート、ファーリー・グレンジャー 他

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Category: 洋画ラ行

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