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ヒッチコックサスペンスの極みですな。

ところでこの映画、昔私がアメーバ時代に記事にしてるんですが、その内容に納得がいかないのでもう一回、鑑賞して転載せずにブログに書かせていただきます。


『バルカン超特急』(1938年・英)
バルカン超特急
スタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:シドニー・ギリアット、フランク・ラウンダー
原作:エセル・リナ・ホワイト「The Wheel Spins」
製作:エドワード・ブラック
音楽:ルイス・レヴィ、チャールズ・ウィリアムズ
撮影:ジャック・コックス
編集:R・E・ダーリング
製作会社:ゲインズボロウ・ピクチャーズ
キャスト
アイリス・ヘンダーソン:マーガレット・ロックウッド
ギルバート・レドマン:マイケル・レッドグレイヴ
ミス・フロイ:メイ・ウィッティ
カルディコット:ノウントン・ウェイン
チャータース:ベイジル・ラッドフォード
エリック・トッドハンター:セシル・パーカー
マーガレット:リンデン・トラヴァース
ホテルマネージャーのボリス:エミール・ボレオ
ホテルメイドのアンナ:キャスリーン・トレメイン
ブランチェ:グーギー・ウィザース
ジュリー:サリー・スチュワート
尼さん:キャサリン・レイシー
ドッポ夫人:セルマ・ヴァズ・ディアス
奇術師ドッポ:フィリップ・リーバー
マダム・クーマー:ジョセフィン・ウィルソン
将校:チャールズ・オリバー
ハーツ医師:ポール・ルーカス
男爵夫人:メアリー・クレア

ヴィクトリア駅にいた男:アルフレッド・ヒッチコック


 アルフレッド・ヒッチコック監督作品「バルカン超特急」。原題は「The Lady Vanishes

 原題を直訳すると「貴婦人失踪」ですね。全然違うタイトルで、アメーバ時代はこの「バルカン超特急」っていう邦題が嫌いでした。でも最近はかなり気に入ってきましたね。貴婦人失踪だとこの映画がさもヒッチコックのありきたりミステリーって感じの印象を受けないのですが、「バルカン超特急」といわれるとサスペンスの中にアクションも混じっている、ってことをうまく表現できてると思います。工夫しすぎやしないか、と言ってた頃の自分を殴ってやりたい気分です。しかも邦題を考えたのは水野晴郎さんだとか。確かにあの人はシベリア超特急って映画を作りましたね。

 主演の女優はマーガレット・ロックウッド。ですがどうも彼女はこの映画以外の出演作がスポットに当たることは日本ではほとんどありませんでしたね。この映画の知名度自体はそこそこなのに主演女優の知名度はそんなにないです。歳をとると悪女とかの役をよくやるようになっていたそうです。

 一方、もう一人の主演で相方のマイケル・レッドグレイヴ。彼はバイセクシャルですね。マイケルもバルカン超特急以外に特筆すべき映画はそんなにないのですが、1951年に「The Browning Version」という映画で主演男優賞にノミネートされたようです。

 ちなみに舞台である国バンドリカっていうのは架空の国ですね。設定上ではどうやら英国と敵対してるのかな?でもこの国の位置がよく分かりませんね。バルカン超特急ってくらいだからバルカン半島にあるかと

 当時はナチス台頭の頃ですからねえ。第二次世界大戦まであと一歩のところだったもんですからね。ヒッチコックはこの映画で平和主義者つまり白旗をあげて降伏しようとした人間を殺しちゃってます。若者のドイツから国を守るための戦争への意欲向上のためのシーンだったのでしょうねえ。時代が時代だから仕方のないことかもしれませんが。

 この映画は全体的に演出が良い。映画に謎を持たせて観客の興味を引かせる演出がすっごいうまいんですよね。他にもギルバートが機関車の窓を伝って隣の部屋へ移る、っていうのは「ミッション:インポッシブル」(1996年)に引用されましたし、客がそんな人いなかった、と証言するようなのは「フライトプラン」(2005年)にも使われました。

 私が一番気に入ってるのは導入部分なんですよね。最初、ミニチュアで作ったのが丸分かりの町全体を映してからズームして最初に登場人物が出てくるホテルに近づいていくんです。で、ホテルにズームしていく途中で車が通るんですよ。ここが芸達者なヒッチコックだと思いましたよ。


【あらすじ】

 イギリスに帰り結婚を控えるアイリス・ヘンダーソンは駅で落下してきた鉢植えに直撃してしまい、老婆ミス・フロイに介抱される。帰りの電車でミス・フロイと仲良くなり一度眠ったあと、起きるとミス・フロイがどこにも居なくなっており同室の客たちが老婆などいなかったと証言する。アイリスはミス・フロイを顔馴染みのギルバートと共に探すことになるが・・・















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ分あり




 欧州のとある国・バンドリカ
 英国紳士の小男のカルディコット(ノウントン・ウェイン)と大男のチャータース(ベイジル・ラッドフォード)のコンビはホテルマネージャーのボリス(エミール・ボレオ)から汽車が雪崩の影響で止まってしまい復旧は翌日になることを聞かされる。

 なかなか応対してくれないボリスにイライラする二人。そんな中でお金持ちのお嬢様であるアイリス・ヘンダーソン(マーガレット・ロックウッド)が友人のブランチェ(グーギー・ウィザース)やジュリー(サリー・スチュワート)と共にホテルに戻ってくる。

 するとボリスは苦情殺到の他の客を無視してアイリスにペコペコと丁寧な応対をする。あからさまな態度にカルディコットやチャータースはさらにイライラする。

 カルディコットとチャータースは個室をとりたいとボリスに言うがもうメイド部屋しか空いてないらしくカルディコットとチャータースはメイドのアンナ(キャスリーン・トレメイン)の部屋に泊まらされることになる。

 しかし部屋に度々アンナが着替えにきたりして、カルディコットとチャータースは配慮してロビーに出たりする。そこにほかの客宛てのイギリスからの電話が。カルディコットとチャータースはイギリス本国で開かれているクリケットの試合がすごく気になっており、その電話を勝手に借りて相手に状況を聞く。

 しかし相手はクリケットの試合なんて興味ない人。チャータースは憤慨して電話を勝手に切ってしまう。

 アイリスは部屋で友達二人とおしゃべりをしていた。独身最後の旅を楽しんでいたらしい。イギリスにもどってしまえばもう結婚。どこか寂しそうな顔を浮かべていた。

 チャータースとカルディコットは食堂に着きテーブル席に座るが客が多すぎてもう出せる料理が無いらしい。そこで相席となった老婦ミス・フロイ(メイ・ウィッティ)から食事を恵まれる。しかしパンドリカを穏やかで良い国だと評するのに対しチャータースたちは自分たちへの対応と国の政治状況でしか国の善し悪しを判断できないので、会話が合わずミス・フロイは食堂を出ていく。

 部屋に戻ったミス・フロイは隣室のアイリスと軽い会釈をする。外で流れる音楽を聴くミス・フロイと寝ようとしたアイリスだったが上の階の住人がどんどこ床を蹴っていてうるさくて眠れない。アイリスは電話でフロントに上の階の住人を静かにさせるよう命じる。

 ボリスはすぐさま上の部屋に行く。そこでは泊まっている客ギルバート・レドマン(マイケル・レッドグレイヴ)が笛を鳴らして他の客とダンスを楽しんでいた。ボリスはギルバートにダンスや笛を止めるよう言うがギルバートは民族の伝統舞踊だとかなんとかで拒否する。

 ボリスはそのことをアイリスに報告。アイリスは母親の権力を使ってギルバートを部屋から追い出そうとする。

 メイド部屋ではチャータースとカルディコットが新聞を読みながらクリケットのことが書いてないのに憤慨。アメリカ人の好きな野球をガキの遊びだ、と馬鹿にしたりした。

 寝ていたアイリスの部屋に突如としてギルバートが押しかけてきた。部屋を追い出されたのでこの部屋で寝る、と言い張るギルバート。アイリスはやむなくボリスに言ってギルバートを部屋に戻すよう言い二度とくるな、と追い返した。

 しばらく外で歌手が歌う歌を聴いたミス・フロイ。やがてその歌を歌っていた歌手が何者かに殺され、歌は止まる。ミス・フロイはメロディを覚えながらコインを窓の外に放り投げる。

 翌朝、駅で友達と別れるアイリス。アイリスは大きな荷物を持とうとしたミス・フロイを手伝おうとする。その時、上から花壇が落下。アイリスの頭に直撃しミス・フロイに介抱されながら汽車に乗せられる。

 発車と同時にアイリスは気絶。目を覚ますとミス・フロイと1等席の同室でずっと介抱してくれていたのだ。同室には太っちょのイタリア人男(フィリップ・リーバー)とその妻(セルマ・ヴァズ・ディアス)に息子、それに冷たい視線を浮かべる婦人(メアリー・クレア)がいた。

 ミス・フロイに誘われてアイリスは食堂車へ行くが道中の部屋にミス・フロイが転がって入ってしまう。そこには不倫中の弁護士エリック・トッドハンター(セシル・パーカー)と亭主持ちの不倫相手マーガレット(リンデン・トラヴァース)がおり、エリックはあからさまに迷惑そうな顔をして扉をしめてブラインドを閉めてしまう。

 ミス・フロイとアイリスは食堂車に座り会話を始める。ミス・フロイは家庭教師だった、とか。その時、砂糖が欲しかったのに机にはなかったので隣の机に座っていたチャータースとカルディコットの二人に砂糖を借りている。

 また、ミス・フロイは頭痛が良くなる茶の葉ハーマンハーブ茶を給仕係に渡してそれをお茶にしてほしいと注文する。

 そのあと、自己紹介がまだだったと、アイリスは自己紹介をして、ミス・フロイも自分の名前を話すがまだ頭が痛いうえに汽車の音がうるさくてうまく聞き取れない。ミス・フロイは曇った窓に「FROY」と指で書く。

 客室に戻ったアイリスはミス・フロイに仮眠を勧められたので一眠りした。

 アイリスが起きるとそこにはミス・フロイの姿はなく婦人とイタリア人の男と妻と子供しかいなかった。アイリスはミス・フロイがどこに行ったか知らないか、とイタリア人の男に尋ねるが
「そんなご婦人は最初からいらっしゃいませんでしたよ」
 と答える。ほかの同室の客も同じように話していた。アイリスはそんなハズがない、と言い食堂車へ向かう。

 給仕係にミス・フロイのことを尋ねるが
「いいえ。食堂車には一人でいらっしゃいましたよ」
「ハーマンハーブ茶も渡したハズ」
「そんなものは受け取っておりません」
 と言う。アイリスは伝票を確認してもらうが、そこには一人で来た、としか書いてなかった。

 3等席まで捜しに来たアイリス。すぐ近くの男性に尋ねるがそれはなんと昨晩、一悶着あったギルバートだったのだ。バツの悪い顔を浮かべて去ろうとするアイリスだったが立ちくらみが。

 困った女性を助けろ、という教えを受けたギルバートはアイリスを手伝い、彼が探すミス・フロイを一緒に捜すことになる。

 1等席の部屋に戻るとアイリスの診断に来たハーツ医師(ポール・ルーカス)がやってきた。彼は国では脳外科医として名医として有名らしい。もうすぐ止まる駅で重症患者が列車に運ばれてくるらしい。

 ここで他の同室の住人が紹介される。イタリア人一家はともかくとして奥の窓際に座っていた冷たい視線の婦人はどうやらパンドリカ広報大臣の男爵の夫人だという。

 症状を聞いたハーツ医師はアイリスが頭を打ったことによって一時的にミス・フロイという架空の人物、もしくは昔の記憶から引っ張り出されてきた人物を幻覚で作り上げてしまったのだ、という。

 そうではない、と主張し
「列車を止めてでも捜しだす」
 と言って確認のために食堂車で会った英国紳士二人に会いに行こうとするアイリス。それに同行するギルバートとハーツ医師。道中、アベックの部屋に入った、と言いエリックに老婆が居ただろう、と聞くがエリックは
「そんな老婆はいなかったね」
 とウソの証言をしてしまう。下手に証言して証人台に立ったらスキャンダルになってしまうからだ。

 アイリスは逃げようとした英国紳士二人を捕まえて質問する。しかしさっさと帰ってクリケットの試合が見たかったチャータースとカルディコットは列車を止められてはたまらんと
「砂糖を渡したのは覚えているんだがね。それが君だったか老婆だったかは覚えとらん。クリケットの試合の話に夢中だったんでね」
 二人は曖昧な返答をする。イラついて思わず
「クリケット!?そんなくだらないことで」
 と言ってしまいチャータースとカルディコットは去ってしまう。幻覚だと言い張るハーツ医師にアイリスは
「でもミス・フロイという名は覚えているの」
「興味深い。ぜひ幻覚の原因を調べてみたいものだ」
 と言ってハーツ医師は帰ってしまった。

 まだ納得のいかないアイリスは次の停車駅ドラバカ駅でギルバートに手伝ってもらい両側から駅を見張ってミス・フロイがいないか確認する。

 しかし降りたのはわずかな客。また乗ってきた客には先ほどハーツ医師が言っていた担架で運ばれ顔にぐるぐる包帯を巻かれた重症の患者、そして尼僧が一人だった。

 落ち込むアイリスにマーガレットが近づいてきて老婆は確かにいた、と証言した。アイリスとギルバートは躍起になり始める。

 一方、証言したことをエリックに伝えたマーガレット。どうやらマーガレットはスキャンダルにして離婚させてしまおうと考えたらしい。エリックは
「だが私が離婚しても君とは結婚せんぞ」
 と言って戸惑ってしまう。

 アイリスに同室だったイタリア人男が婦人が戻ってきた、と言う。さっそく部屋に戻るアイリスとギルバートだったがその婦人は恰好が同じなだけのマダム・クーマー(ジョセフィン・ウィルソン)だった。クーマーはアイリスを介抱してそのあと、友達のところに行っていたと話す。

 しかしアイリスはこの女性は別人、と言い張るが。それに対しハーツ医師は混乱したんだ、と言った。

 アイリスはすぐに先ほどのマーガレットに老婆は違う人物だろう、とクーマーを見せて聞くがマーガレットは
「その女性で間違いないわ」
 とウソの証言をしてしまう。

 客室に戻ったアイリス。アイリスは他の乗客全員がミス・フロイに見えるようになってしまった。ミス・フロイのことは忘れることに決めたアイリスはギルバートに誘われ食堂車へ向かう。

 食堂車で世間話をする二人。ふと窓を眺めたアイリスはそこに「FROY」という文字が書かれていたのに気づく。すぐに汽車の煙で消されたがやはりミス・フロイは存在すると確信。アイリスは勢いで列車を止めてしまいやがて失神する。

 列車が止まって10分も遅れたことをチャータースとカルディコットは毒づいていた。しかしカルディコットは人がいなくなるなんて、おかしいと疑問を抱いてもいた。

 アイリスはハーツ医師から入院を勧められていた。ギルバートはどうしたものか、と思ってたときにコックが窓の外に放り捨てたゴミの中の一つの紙袋がギルバートの目の前の窓に張り付く。ハーマンハーブ茶の袋だった。

 アイリスの言っていることを信じたギルバートはアイリスを連れてミス・フロイを捜しに列車の中を移動する。貨物室に着いたとき、ここならばミス・フロイが居るのではとくまなく捜しはじめる。

 アイリスとギルバートはある立て看板を見つける。それはイタリア人の男だった。彼はイタリア人マジシャンのドッポという男だったのだ。しかも得意技は女性を消失させること、と銘打ってある。

 やがて二人は推理を開始する。そんな段階でメガネを発見する。それはミス・フロイのものだった。

 しかしそれを取り返そうとした男が現れる。ドッポだった。自分のだ、とウソをつくドッポとギルバートは揉み合いになり、あまり役に立たなかったアイリスがフライパンかなにかで気絶させる。ギルバートはすぐにドッポを近くの箱に閉じ込めるが、その箱はドッポの手品用の箱ですでに彼はメガネを持って逃げてしまっていた。

 アイリスとギルバートはドラバカ駅で運び込まれた患者が怪しい、と思い患者の寝込む部屋をのぞき見する。しかしすぐに患者が運ばれたのはミス・フロイが行方不明になったあとだ、と気付く。しかし患者を看ている尼が尼僧なのにハイヒールを履いている、と怪しむ。

 ここでギルバートとアイリスが推理をはじめる。もしかしたらドラバカ駅で運び込まれた担架には顔をぐるぐる巻きにされたマダム・クーマーが居て、今包帯でぐるぐる巻きにされ次の停車駅モルスケン駅で運ばれるのではないだろうか。

 アイリスとギルバートは尼僧を抑えて、ぐるぐる巻きの包帯の顔を確認しようとするが帰ってきたハーツ医師に止められる。二人はハーツ医師を説得するがひとまず食堂車で話そう、と言って二人を退室させる。

 尼僧はハーツに計画がバレた、と焦るとともにこの女性は英国人なのか?と聞く。どうやら尼僧は英国人は殺したくないらしい。ハーツ医師は尼僧をなだめてから食堂車へと向かう。

 食堂車でハーツは給仕係を買収して二人に睡眠薬を盛ったワインを与えた。まんまと飲んでしまった二人はその後、ハーツが包帯の中身を確認する、という言葉を信じて患者の隣の部屋で待たされる。

 やがてハーツは部屋にやってきて
「確かに包帯の中身はフロイだ。だが次のモルスケン駅で降ろし彼女は病院へ運ぶ。だが間に合わんだろう。何せ執刀するのは私だし主謀者の一人だからなあ」
 アイリスとギルバートはすぐに部屋を出ようとするがハーツは拳銃で脅し座らせる。ハーツは二人に睡眠薬を盛ったことを話し、ぐっすり眠るのだと言って退室。アイリス、そしてギルバートが眠りについてしまう。

 しかしギルバートは寝たフリをしていたのだ。ギルバートはすぐにアイリスを起こして薬の効く前に隣の部屋でフロイを解放しよう、と提案。しかしドアが開かず部屋から出られない。

 ギルバートは窓づたいに隣の部屋に移ろうとする。途中、向かいの汽車とすれ違い間一髪になるがなんとかそれを乗り越え、隣の部屋に潜入。しかし尼僧は抵抗もせず包帯が巻かれた人物を見ていい、という。

 包帯をほどくとやはりミス・フロイだった。ギルバートはその部屋にたまたまやってきたマダム・クーマーを取り押さえ、代わりに彼女の顔に包帯を巻く。

 そこへハーツ医師が帰ってくる。ギルバートとアイリスは彼の前で寝たフリをしてごまかした。やがて列車はモルスケン駅に到着。担架が運ばれハーツ医師は降りる。

 しかしハーツ医師は乗った救急車の中で中身がすり替えられていることに気付く。すぐにハーツ医師は近くの警官に事情を説明。更に1号車のみ切り離してしまい出発させる。

 1号車のみ切り離され国境とは別の方向に向かう支線を走っている、と気付いたギルバートとアイリスは食堂車へ行き、そこに残っていたチャータース、カルディコット、エリック、マーガレットの四人にギルバートは国境を離れている、と知らせる。

 やがて1号車は森の辺りで停車する。列車の近くに軍用車が止まっており、兵士が何人も構えていた。チャータースたちは信じていない。

 しかし縛られた尼僧が現れたことで状況がただ事でないことを飲み込む。

 やがて軍用車から将校(チャールズ・オリバー)がみなさんを送迎する、とか言ってやってくる。ギルバートは将校をイスで殴って気絶させてしまう。

 チャータースは話し合えば分かり合える、と言って汽車から降りようとするが兵士は問答無用で撃ってくる。増援の兵士たちが近づくのを見てギルバートは気絶した将校の拳銃で応戦する。

 やがて銃撃戦が展開された。しかしこちらは圧倒的に不利。エリックが護身用に持っていた拳銃をマーガレットが奪いそれをカルディコットが使って応戦していた。

 ミス・フロイは自分が英国外務省から派遣されたスパイだということを教え、自分一人で敵の気を引きつつ脱走する、と話す。

 危険だ、と止めるギルバートとアイリスだったがミス・フロイは
「もし私が死んであなたたちが帰れたら外務省のカレンダー氏に会ってこのメロディの暗号を歌ってほしいの」
 ギルバートはミス・フロイが歌うメロディを覚え、やがてミス・フロイは単身脱出した。

 ギルバートはカルディコットと共に列車を走らせようとする。
「自分は平和主義者なんだ。殺されるくらいなら投降して裁判を受ける」
 と言い張りエリックはひとり白いハンカチを使って投降しようとした。だがエリックは問答無用で撃ち殺され、マーガレットが嘆く。

 運転席まで行き、運転手を脅して何とか走らせることに成功した。

 走り出す列車。やがて車内で将校が起き上がり拳銃を奪ってチャータース達を脅す。尼僧が将校の目を盗んで、列車を降りて列車の分岐点を変える。それからすぐに尼僧は足を撃たれながらも列車に乗り込む。

 取り逃がしたハーツ医師と伯爵夫人はあきらめ、後は列車が国境を超えられるよう祈ってやるかと毒づくのだった。

 その後、国境を超えてなんとかフランスにたどり着いた一行は船に乗り電車を乗り継いでついにロンドン・ヴィクトリア駅にたどり着く。

 ヴィクトリア駅で、クリケットの試合を気にしていたチャータースとカルディコットだったが最終試合は洪水によって中止になっていた。二人は呆然とする。

 婚約者が迎えに来ていて憂鬱になっていたアイリス。暗号のメロディーを覚えながら最後まで見送ろうとしたギルバート。やがてアイリスは駅を降りて婚約者を発見しすぐさまギルバートを引っ張ってタクシーに逃げ込む。

 どういうことだい?とニヤニヤするギルバートに対しアイリスは
「わかってるくせに」
 と言って二人は熱いキスをする。

 やがて二人は外務省に到着するがギルバートはウキウキしていて、ついメロディーを忘れてしまった。そんなとき、部屋の中からメロディーがピアノで流れている。

 ピアノで弾いているのはミス・フロイだった。ギルバートとアイリスはフロイとの再会を喜び合うのだった・・・








 この映画で最初の方で歌手が首を絞めて殺されるシーンに伏線はない、というのをどっかで見ましたがまあ確かにそれほど伏線ではないですがストーリー上でのこれからの謎と疑念を視聴者に深めさせるのにはいい演出ですよね。この映画はふといらないんじゃね?っていうシーンも意外と謎を手助けしたり疑念の手助けになってるんですよ。

 ところでこの映画、本当にフィルム全部回収されてるのでしょうか。だって列車で起き上がった将校がどうなったのか分からないまま終わっちゃいましたけど。本当はカットされててそこの部分で将校をたとえば食堂席に戻ってきたギルバートが倒す、とかそういうシーンがあったんじゃないでしょうか?これは不思議ですね。ヒッチコックがそこを無駄なシーンと判断して撮影しなかったとは思えないんですが。

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