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この映画はすっごい面白いけどチャップリン研究家・大野裕之氏に言わせればこの映画は権力の構図だそうです。


『ヴェニスの子供自動車競走』(1914年・米)
子供自動車競走
スタッフ
監督:ヘンリー・レアマン
脚本:ヘンリー・レアマン
製作:マック・セネット
撮影:フランク・D・ウィリアムズ、エンリケ・J・ヴァレヨ
配給:キーストン・フィルム・カンパニー
キャスト
野次馬:チャールズ・チャップリン
映画監督:ヘンリー・レアマン
カメラマン:フランク・D・ウィリアムズ


 ヘンリー・レアマン監督作品「ヴェニスの子供自動車競走」。原題は「Kid Auto Races at Venice

 この映画で初めてチャップリンがあの帽子、髭、杖のチャーリーの姿を披露しますね。チャップリンはサーカスの方だったんですけど、「成功争ひ」(1914年)で映画デビューしましたね。これは映画出演二作品目でして、このころからチャップリンは強烈なキャラクター性と演技力を持っていたんです。

 ヘンリー・レアマン監督はチャップリンの初期作品の監督ですね。キーストン社という当時は大きな映画会社の創立者としても有名ですね。実は彼には恋人の女優ヴァージニア・ラッペがいたんですが変死したんです。その事件では映画俳優のロスコー・アバックルっていうサイレント映画の大スターでバスター・キートンとコンビを組んだりもしたデブ君として有名な俳優がレイプ殺人で裁判にかけられました。デブ君は無罪になったものの映画界から追放。レアマン監督はデブ君が女子更衣室に入ったりした前科が何度もあるから、彼がレイプして殺したのだと信じて疑わなかったんですね。結局、レアマン監督はその後の結婚人生に失敗してます。

 この映画っていうのはストーリーというものはそんなにありません。自動車競走大会の記録映画を撮ろうとした監督とカメラマンが死のカーブ地点にカメラをセッティングして撮影を開始します。しかしチャップリン演じる男がカメラの前をフラフラと歩いています。監督は邪魔だから最初は和やかに追い払おうとしますが、何度も何度もしつこくカメラの前を通るもんだから突き飛ばしたりして追い払ってます。でも結局追い払えないんですよねえ。

 大野氏に言わせれば、この映画ではチャップリンがお上に興味を持つ弱者、監督がそれに対する権力だ、という構図らしいです。権力者やカメラマンにとって自分にチョロチョロ近づく弱者が鬱陶しくて追い払おうとする。そういう構図だということらしいですよ。

 私はそれを聞いて確かにそうだ、と思いましたね。そしてさらに付け足すならば「こいつ鬱陶しいなあ」と笑って観ている我々もその権力者という構図の一部になりうる、という可能性を秘めているということをチャップリンは訴えたかったのではないでしょうか。大野氏がそういう発言をしたかはわかりませんしチャップリンがそういう意図があって作ったのかはわかりませんが私はそう思った、と付け足しておきます。

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Category: 洋画ア行

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