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ロバート・ウォーカーっていう俳優さんね。すっごい怖い俳優さんでしたよ。


『見知らぬ乗客』(1951年・米)
見知らぬ乗客
スタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:レイモンド・チャンドラー、チェンツイ・オルモンド
原作:パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」
音楽:ディミトリ・ティオムキン
撮影:ロバート・バークス
編集:ウィリアム・H・ジーグラー
キャスト
ガイ・ヘインズ:ファーリー・グレンジャー(愛川欽也)
ブルーノ・アントニー:ロバート・ウォーカー(山田康雄)
アン・モートン:ルース・ローマン(寺島信子)
バーバラ・モートン:パトリシア・ヒッチコック(高橋和枝)
ヘネシー刑事:ロバート・ギスト(寺島幹夫)
ハモンド刑事:ジョン・ドーセット(村越伊知郎)
ミリアム・ジョイス・ヘインズ:ローラ・エリオットまたはケイシー・ロジャース(小原乃梨子)
コリンズ教授:ジョン・ブラウン(千葉耕市)
フレッド・レイノルズ:ジャック・トゥシンハム
テニスの審判:アル・ブリッジ
テニスの解説:ブルックス・ベネディクト
カニンガム夫人:ノーマ・ヴァルデン
アントニー父:ジョナサン・ヘイル
ミセス・アントニー:マリオン・ローン(関弘子)
キャンベル警部補:エドワード・ハーン(村松康雄)
ターリー署長:ハワード・セント・ジョン(北村弘一)
モートン上院議員:レオ・G・キャロル

ガイと入れ違いで乗車する乗客:アルフレッド・ヒッチコック


 アルフレッド・ヒッチコック監督作品「見知らぬ乗客」。原題は「Strangers on a Train

 物語は唐突に電車から始まりますね。主演のファーリー・グレンジャーが見知らぬ乗客とお話しするシーンがあります。その見知らぬ乗客ってのがロバート・ウォーカー。この人がまた怖いっ。例えば渥美清は寅さんの為に生まれた、と私は思ってますがロバート・ウォーカーはこの見知らぬ乗客の役のために生まれたとも思えます。それぐらい怖くハマリ役です。ただ彼は33歳で亡くなりました。ロバート・ウォーカーの最初の奥さんはジェニファー・ジョーンズ。彼女もまた有名な女優さんですね。

 私はこの映画を調べてまず一番最初に驚いたのは脚本ですね。なんとレイモンド・チャンドラーが脚本に携わっているようです。チャンドラーはフィリップ・マーロウシリーズ(「三つ数えろ」(1946年)を含む)のハードボイルド小説作家なんですがどうやら何作品か映画の脚本もしていたようです。まあ彼は途中で降板したようですが。

 この映画のヒッチコックのうまいシーンはファーリー・グレンジャーの妻が殺されるシーンです。そのシーンで奥さんがしていたメガネが反射して絞殺されるシーンが映ってるんですよ。これがなかなかにうまい。ロバート・ウォーカーの恐怖をうまく演出できているとおもいます。私は個人的に「サイコ」(1960年)よりこっちの方が好きです。

 一番好きなシーンですが、最初の遊園地のシーンで尾行しているときにブルーノ・アントニーが子供にからまれた時、子供の風船をタバコで割るシーンです。ここが本当にたまらなく、面白かったです。映画のストーリー的にもブルーノが人づきあいが上手くないのを補完するいいシーンだと思います。

 さて実はワーナー販売による正規版DVDを購入したんです。普通ならレンタルなんですが、これに限ってなぜ購入したかというとテレビ放映の吹き替えが収録されているからです。薄気味悪いロバート・ウォーカーをなんと初代ルパンの山田康雄氏、そして巻き込まれるファーリー・グレンジャーはキンキンこと愛川欽也氏。音源はなんと1960年代ごろだそうです。残念ながら近くのTSUTAYAになかったので購入しました。


【あらすじ】

 名テニスプレイヤーとして名を馳せるガイ・ヘインズは妻と離婚の話を進めるために故郷メトカルフへ帰る電車に乗っていた。その電車でファンだと名乗るブルーノという男と遭遇。ブルーノはガイが妻と離婚したがっているのを知り、自分がガイの妻を殺す代わりにガイが自分の父を殺す交換殺人をしないか、と持ちかける。ガイは取り合わなかったがブルーノはガイの妻を勝手に殺してしまい・・・















【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ分あり






 二人の男が別々のタクシーから降り同じ駅から同じ列車に乗った。

 鉄道ラウンジにて。本を読んでいたアマチュアテニスの名プレイヤーであるガイ・ヘインズ(ファーリー・グレンジャー)に、ファンだと名乗るブルーノ・アントニー(ロバート・ウォーカー)が話しかけてくる。

 ブルーノはガイのゴシップ関係のことに詳しい。ガイが現在の妻ミリシア・ジョイス・ヘインズ(ローラ・エリオット|ケイシー・ロジャース)と離婚したがっていること、離婚後はモートン上院議員(レオ・G・キャロル)の娘アン・モートン(ルース・ローマン)と結婚する予定であり「A to G」と彫られたライターもガイがアンから貰っていることなど。

 対してそれを話されたガイはみるみる不機嫌になっていく。早く話を切り上げたくて食堂車へ逃げようとするが生憎、満席のようだった。仕方なくブルーノとの話をブルーノの個室で続ける。

 ブルーノは自分の父(ジョナサン・ヘイル)を憎んで殺したくて仕方がないことを聞かされ完全犯罪に興味はないか、と聞かれる。仮定の話としてガイはまず動機が無い人間を殺す方が完全犯罪を成立させやすい、ということを話す。

 ブルーノはガイの妻を自分が殺す代わりにガイが自分の父を殺す、というお互いのアリバイを成立させての交換殺人こそ完全犯罪になりうる、と語る。ガイは馬鹿げている、と取り合わずに適当に切り上げ、目的地であった故郷メトカルフの駅に到着する。しかしガイはライターを部屋に忘れて行ってしまった。ブルーノは呼び戻そうとしたが考えを改め、そのライターを所持していることにした。

 離婚の話し合いをするために妻ミリアムの勤め先のレコード店に来たガイ。ガイはミリアムに弁護士を呼んだか、と聞くとなんとミリアムはガイが有名になったから離婚しないと言い出した。ガイは困惑する。

 またミリアムは不倫相手に宿された子供をガイの子だと主張しはじめ、裁判にしてもいいが母親が有利になるに決まっている、と脅しだす。その場は店長(エドワード・クラーク)が迷惑がったために退出したガイ。

 ガイはすぐにメトカフ駅前の公衆電話でアンにそのことを伝え、激情のあまり「この手で彼女を絞殺してやりたい」と伝えてしまった。

 一方、屋敷に戻ったブルーノは少し前から頭の具合が良くない母(マリオン・ローン)と雑談をしていた。
「昔っからいたずらっ子なんだから。悪いことしちゃダメよ」
「もちろんだよママ。だがあのおやじは殺したくなるけどね」
 やがてその父が帰宅。父はブルーノは精神病院にでも入れた方がいい、と母に言っているが母は聞かない。ブルーノ本人はその頃、ガイに電話していたが相手にされなかった。

 ブルーノはメトカフに来て、遊園地に男二人(レオナルド・モリス、トミー・ファレル)と遊びに行くミリアムを尾行した。途中で絡んできたがきんちょの風船をタバコで割ったりもする。

※0:05~0:13以外は関係ないシーンと音声が含まれています。


 ハンマー叩きの力比べのアトラクションで。ボーイフレンド二人はそこまで力が無かったがブルーノはそのアトラクションで力強さを発揮する。そのアトラクションによりミリアムはブルーノのことが気になる。

 ミリアムはボートを借りて「愛のトンネル」を通り、カップルがイチャイチャする離れ小島にミリアムは男二人と共に着く。ブルーノはその後ろをボートで追う。

 その小島でブルーノはボーイフレンド二人と離れたミリアムの首を絞め殺す。その恐ろしい凶行はミリアムの顔から落ちたメガネに反射されていた。



 遊園地で人殺しが起きた、と騒ぎになってからブルーノは遊園地を立ち去る。その姿を不審だ、とボート小屋のおやじ(マーレイ・アルパー)が気になっていた。

 殺人の同時刻。
 ワシントンD.C.行の特急に乗っていたガイは同室となったコリンズ教授(ジョン・ブラウン)と会話する。どうやらコリンズ教授は酒が入ってご機嫌のようだ。微積分の話を語ったりした。

 ワシントンD.C.の自宅に戻ったガイを呼び出す声がする。そこにはブルーノがいた。ブルーノはミリアムの割れたメガネを渡してガイにミリアムを殺したから父親を殺す計画を一緒に立てよう、と恐ろしいことを言い出す。

 本気だと分かったガイは動揺。そこにパトカーがやってきて二人は影に隠れる。

 ガイはすぐに警察に伝える、と言うがブルーノは
「警察に伝えたところで動機がある君が真っ先に疑われるよ?それに仮に僕が捕まっても君に頼まれた、と共犯にしてやる。警察はきっと動機がある君が関わったと僕の証言を信じるだろうねえ」
 と脅迫する。ガイはブルーノをクレイジーだ、と罵倒しパトカーが去った後ブルーノを振り切って自宅に戻り電話に出る。

 相手はアンからで父親の上院議員が自宅へ呼んでいるので、来るようにとのことだった。

 モートン邸に着いたガイはアンと熱烈なキスをする。それから議員、そして議員のもう一人の娘バーバラ(パトリシア・ヒッチコック)に迎えられる。

 議員はミリシアが死んだことを伝えガイはさも今知ったような反応を取る。ガイは事件当時、列車に乗っていたというアリバイがありコリンズ教授という人物がそれを証明できる、と説明。モートン家の人々はそれを聞き安堵する。バーバラは死んで当然の女だ、と非難しモートン氏がそれを咎める。

 アンとガイ二人きりになり、アンは電話口で絞殺してやる、といっていたガイの言動が気になっていた、と正直に話したのだった。

 翌日、メトカフ署のターリー署長(ハワード・セント・ジョン)とキャンベル警部補(エドワード・ハーン)と会う。ガイはコリンズ教授と再会し証言を期待したがコリンズ教授は飲んだくれだったためにガイのことを覚えておらず、話も噛み合わない。結局、無実を証明することはできず警察に尾行される羽目になる。

 護衛という建前で監視を担当するのは気の良さそうなヘネシー刑事(ロバート・ギスト)と、彼と交代するガイを疑いっぱなしのハモンド刑事(ジョン・ドーセット)だった。

 また、ブルーノも父親殺しの計画実行を促すためにアメリカ合衆国議会議事堂のあたりを散歩していると遠くから姿を見せたりする。ガイは恐怖を覚える。

 またある時はアンと美術館で過ごしていた時に姿を現したりもした。アンはブルーノの特徴的なネクタイピンが印象に残り、ガイはブルーノを追い払ってからアンを連れて去っていく。

 ついには手紙が届いた。家の見取り図、そこには殺すべき父親の寝室の場所が矢印付きで記されている。また、寝室の鍵まで添付されていた。

 ガイはひとまずそれを無視してテニスコートで練習をはじめる。しかし観客の中にまでブルーノがいた。練習を終えてからガイはアンがブルーノと談笑している場面に遭遇する。

 どうやらブルーノはダービル夫妻(妻:オデット・ミルティル、夫:ジョルジェ・レナヴェント)の知り合いとしてアンと仲良くなったらしい。ガイはブルーノと初めて会ったフリの挨拶をしてから早々に去る。その姿に疑問を持ったアンはブルーノを凝視して美術館で会った男と同じ男だということに気付く。

 そこにバーバラがやってくる。実はバーバラは顔つきやメガネがミリアムに瓜二つなのだ。ブルーノはアンを凝視し、ミリアムを殺した時にタバコの火を点けてやるのにつかったライターの幻影がブルーノの中で浮かぶ。

 やがてガイの下にブルーノからハンドガンのルガーP-08が届けられる。ガイはそれを無視しタンスの中に隠す。

 その日、モートン邸ではパーティが開催されていた。そのパーティになんとブルーノがダービル夫妻の招待で来てしまったのだ。ブルーノはモートン議員に生命エネルギーの話など訳のわからない話をしたりして警戒させる。

 ブルーノはパーティの客であるカニンガム夫人(ノーマ・ヴァルデン)やアンダーソン夫人(ローラ・トリードウェル)と人殺し談義となる。一番被害者を騒がせないで効率的かつすぐに出来る方法の教授として冗談でカニンガム夫人の首を絞めてみる。

 しかしブルーノの視界にバーバラが移り無我夢中で思わず本気で首を絞めてしまう。苦しがるカニンガム夫人に気付けずブルーノはやがて気絶。ガイはブルーノを書斎へ運び、議員からゴシップのネタになりかねないのでさっさと追い出すよう言われる。

 目を覚ましたブルーノ。だがブルーノは悪びれもせず
「君が好きなんだよ!」
 とか訳の分からないことをまた言い出したのでガイは思わず殴ってしまう。

 ガイはそれからブルーノにやりすぎたことを謝り、乱れたネクタイを直してあげて屋敷から追い出したのだった。

 アンはバーバラからブルーノが首を強く絞めたのはバーバラを見つめたから、だということを聞かされガイにバーバラの容姿を聞く。ブルーノがミリアムを殺した犯人で、ガイがそれに何らかの形で関わっていると気付きガイに本当のことを話してほしいと問い詰める。

 アンはガイから全てを聞き出すが状況は何も打破できないことで困ってしまう二人。ガイはアンを巻き込んだことを後悔し、翌日ブルーノに電話。ブルーノの父親を殺すことを伝えるのだった。

 その日の夜、ガイは尾行の刑事を撒き、アントニー邸に潜入。強そうな番犬を何とか回避し寝室に潜入する。

 しかしガイに殺す意思は無く、ブルーノの父親に警告を促すために起こす。しかし寝室のベッドに居たのはブルーノ本人だった。どうやら父親は出張に行ったらしく、ガイが突然心変わりしたのが気になって寝室に居たらしい。

 ガイは殺す意思がなかったことを認め銃を返す。
「君は病気だ。君だけでなく周囲の人間のためにも君は精神科にかかったほうがいい」
 と説得するがブルーノは銃を拾って銃口をガイに向けガイは緊張しながら邸を出ていく。
「安心しな。ここで銃殺するとおふくろが目覚めてしまう。もっといい方法で対処するさ」

 アントニー邸を今度はアンが訪れた。アンはブルーノの母親に息子さんが女性を殺した、と話すが母親は頭の状態が良くなく息子は認めてないんでしょ、などと言ってまともに話ができなかった。

 そこにブルーノがやってくる。ブルーノはガイがミリシアを殺した犯人であり、彼が現場に落としたライターを拾いに行けと命じられた、などと主張する。

 アンは邸を出てガイにそのことを話す。ガイはブルーノがミリアム殺しの現場に彼が持っている「A to G」と彫られたガイのライターを今日の夜にでも置きに行き罪をなすりつけるのだろう、と推測。ブルーノがライターを現場に置くまでに自分たちで回収する必要があった。

 しかしその日はフレッド・レイノルズ(ジャック・トゥシンハム)との試合があった。アンは棄権を進めるがそれでは逆に刑事に怪しまれる、と返す。アンが行くとも言ったが、ブルーノはそれを制止。フレッドとの試合を3セットで終わらせてから、遊園地に向えばいい、と話す。

 しかし審判(アル・ブリッジ)がゲーム開始を宣言し試合がはじまる。普段ガイはじっくりと相手が疲れるのを待って追い上げていくタイプだと解説(ブルックス・ベネディクト)が説明するが今回はそうもいかない。フレッドとの試合はなかなか終わらない。

 ブルーノは家を出て、列車に乗りメトカルフ駅を目指す。メトカルフ駅を降りたとき、排水溝にライターを落としてしまった。ブルーノは手間取るがなんとかライターを拾い上げる。

 1セット取られたがなんとか勝利したブルーノ。ブルーノはバーバラが用意したタクシーにバーバラがヘネシー刑事らの気を引いているうちに乗り込む。しかしハモンド刑事がその前に気付き、二人はブルーノを追いかける。

 ペンシルベニア駅からメトカルフ駅を列車で目指す。ペンシルベニア駅でメトカルフ駅を目指したことを知ったハモンド刑事とヘネシー刑事はあえて泳がしターリー署長に連絡する。

 メトカルフに着いてからすぐに遊園地に向かったガイ。一方のブルーノは日没を確認しボート小屋の行列に並びだす。

 遊園地の入り口でガイは警察の追尾から逃れつつ、ブルーノを探す。

 ブルーノが並んでいるところを事件の日に自分を不審がったボート小屋のおやじが発見した。おやじは近くの警官にそのことを話す。ブルーノはそれに気づき行列を離れる。

 そこでガイがやってきて名前を呼ばれる。ブルーノは回転木馬に逃げ込みガイがそれを追いかける。

 警官がガイが逃げたと勘違いして発砲。その銃弾は回転木馬を操作する係員に直撃し係員はレバーを倒して倒れこむ。回転木馬の速さが最速になった。

 ぐるんぐるん回る回転木馬。取っ組み合うガイとブルーノ。途中、振り落とされそうになった子供をガイが助ける。

 このままじゃ埒が明かない。そこで回転木馬の外側から係員が最速の回転木馬の下に潜り込み、レバーを元に戻す(合成でもなく、本当におじさんが潜り込んだそうです。)。急ブレーキのかかった回転木馬は大破したのだった。



 ガイはターリー署長に自分は犯人ではないと説明。ボート小屋のおやじもブルーノの方が犯人だと証言。ガイはブルーノが自分に罪を着せようとして現場に自分のライターを置こうとしていたことを話す。

 ブルーノは回転木馬の下敷きになり重傷を負っていた。ガイはブルーノに本当のことを話すよう言うがブルーノはこの期に及んで白を切る。
「すまんなあ。君を助けてやりたいが、どうしていいのか分からない」
 だがそんなブルーノもやがて息を引き取り、左手に握られていたライターが露わになる。

 ターリー署長はガイの無実を明らかにするためにも明朝、事情聴取をすることを決める。

 その後、釈放されたガイは電話でアンに迎えに来てくれるように頼む。アンはバーバラや議員と共に安堵するのだった・・・

~イギリス公開版「見知らぬ乗客」はここで終わる。アメリカ公開版はもうちっと続くんじゃ~

 迎えに来たアンと列車に乗ったガイ。そんなガイに
「あなたガイ・ヘインズさんじゃないですか?」
 と話しかけてくる牧師がいた。ガイは最初、答えようとしたがブルーノのトラウマが残っているのか答えずにその場を立ち去っていく。

 ガイの〝見知らぬ乗客〟へのトラウマはまだ癒えなさそうだった・・・











 パーティのシーンでガイがブルーノの乱れたネクタイを直すシーンがあったじゃないですか。あのシーンはこの映画のブルーノに対するガイへの思いがホモセクシャルであるという意見もありそのシーンが批判されていることがあるようですね。しかし確かに私はブルーノがガイを想うものにホモセクシャルな想いがあったのではないか、と思ってます。

 ガイに対する執拗なまでのストーカー行為、そして何よりラストシーン。ブルーノ・アントニーという男は頭がおかしい。常識は通じません。もしかしたら本当に最期は自分が犯人ではなくガイが犯人で彼をかばいたい、という思い込みがあったのではないでしょうか。勿論事実は全く違いますが。そしてその命を散らせてガイの無実をライターという形で証明させた。左手に大事に握りしめて。こればっかりは美的センスの違いで多くの人は私の意見に難色を示すと思います。しかし私はブルーノの最期は美しい、と思っていますよ。


 この映画に登場する遊園地はヒッチコックの演出の見せ所ですよね。ハンマー叩きのアトラクションだって意味のないものじゃありません。あれはロバート・ウォーカーの力強さ、まさしく首を絞める力が強いんだってことを後々、暗示させるものですね。

 そして極め付けは劇中で最後の大破のシーンまで一度も止まるシーンがなかった回転木馬。あれは二つの意味を持っているのだと思います。
 一つは、止まることを知らないブルーノ・アントニーそのもの。ひたすらしつこくガイに付きまとい交換殺人を実行させようとする。まさしくその命が終わるまで止まらずに回り続けました。回転木馬の運命と共にその命は散りました。まさしく回転木馬とブルーノ・アントニーは運命共同体でした。
 もう一つはブルーノに翻弄されるガイ・ヘインズですね。彼は回転木馬が止まるシーン、つまり大破されるまでブルーノに翻弄され続けました。まさしく回転木馬はガイに繋がれた鎖ですね。ガイがその鎖から解かれた瞬間、回転木馬は大破しました。

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