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岡本喜八のほうですね。


『殺人狂時代』(1967年・日)
殺人狂時代(1967)
スタッフ
監督:岡本喜八
脚本:小川英、山崎忠昭、岡本喜八
原作:都筑道夫『飢えた遺産』
製作:田中友幸、角田健一郎
音楽:佐藤勝
撮影:西垣六郎
編集:黒岩義民
製作会社:東宝
配給:東宝
キャスト
桔梗信治:仲代達也
鶴巻啓子:団令子
大友ビル:砂塚秀夫
義眼の殺し屋:富永美沙子
安:大木正司
秀:樋浦勉
間淵憲三:小川安三
松葉杖の詩人殺し屋:久野征四郎
仕込み傘の老人殺し屋:沢村いき雄
オバQ:大前亘
アトム:伊吹新
青地光:江原達怡
小松弓江:川口敦子
ブルッケンマイヤー:ブルーノ・ルスケ
部下・池野:滝恵一
溝呂木省吾:天本英世


 岡本喜八監督作品「殺人狂時代」

 まあキチガイ映画ですね。キチガイという発言がいっぱい出てきます。テレビじゃそうそう放映できませんね。しかしこの映画は岡本喜八らしさが爆発しててとっても素晴らしい映画。私、岡本喜八は邦画の監督で黒澤明と同じくらいかそれ以上に好きな監督さんです。

 この映画ではチャップリンの「殺人狂時代」(1947年)のように監督独特の殺人観が込められてますね。人はみな殺人をしたがる、英雄というのはみんな殺人を犯しつくしたキチガイなのだ、とのことです。例示にヒトラーが持ち出されました。やっぱ殺人狂といえば、ヒトラーなのですねえ。

 この映画では天本英世が本当に輝いていた。彼の名言の一つですねえ。「気違い結構!」自分がキチガイであることを誇らしく思ってます。私は似たようなキャラの死神博士より、こっちの溝呂木の方が好きですね。

 最初、日活に持ってったんですが拒否されました。そのあと、東映に持ってったんですが東宝も岡本監督作品なのに対して宣伝せず、東宝で過去最悪の興行収入となってしまいました。岡本監督も落ち込んだそうですよ。

 映画を全体でみるとアクション多めでパッと見すると大衆向けですね。分かりやすいキチガイの悪役博士が語る殺人哲学なども別にこの映画自体が反戦ものでは無いので大した意味はなさないんですよねえ。ですがこの映画はある意味、キチガイを肯定しているのではないでしょうか。


【あらすじ】

 犯罪心理学教授・桔梗信治は殺し屋に命を狙われるが返り討ちに遭わせてしまう。すぐに警察に出頭するが家に殺し屋の遺体は無くなっており、知り合ったオカルト雑誌の女性記者・鶴巻啓子や車泥棒の大友ビルと共に、殺し屋の組織に接触しようとする。















【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ分あり




 ナチス残党のブルッケンマイヤー(ブルーノ・ルスケ)は多くの精神病患者を収容した精神病院の院長・溝呂木省吾(天本英世)に会いに来る。ブルッケンマイヤーは「大日本人口調節審議会」のトップである溝呂木に仕事を依頼しに来たのだ。

 大日本人口調節審議会は増えすぎた人口を抑えようとしている。そのためならば手段は選ばない。ブルッケンマイヤーは無作為に選んだ3人を始末して、実力を見せてほしいという。

 サラリーマンの男は義眼の女(富永美沙子)に殺され、おばさんは松葉杖の殺し屋(久野征四郎)に殺され、あと一人の標的・犯罪心理学の教授である桔梗信治(仲代達也)を間淵憲三(小川安三)が殺そうとする。

 間淵はボサボサの髪と髭、大きい黒縁眼鏡、ボーッとした態度、そして水虫に悩まされ、死んだ母をマザコンのように崇拝する桔梗の家を訪れ、自己紹介をしてから切れ味のよいカードの間に刃を仕込んで、彼を殺そうとするが驚いた桔梗は腰を抜かして回避。桔梗は倒れて糸に引っかかりその糸に引っ張られて石像が落下して間淵の頭上に落下。間淵は死んでしまう。

 桔梗は派出所に出頭し、警官とたまたまそこにいたオカルト雑誌の記者・鶴巻啓子(団令子)を連れて家に帰宅する。しかし家には間淵の死体が消失していた。

 桔梗は鶴巻に飯をおごって、話を聞いてもらう。しかし鶴巻は信じてないようだった。そんなとき、桔梗は自分のポンコツ車(最高で20キロくらいしかでない)を盗まれそうになる。

 桔梗は車を追いかけ、車泥棒の大友ビル(砂塚秀夫)と出会う。鶴巻が警察に伝えない代わりに、協力しろと大友を脅し汚い世界に顔の広い大友は桔梗たちに「大日本人口調節審議会」について知ってそうな人間を会わせる。

 大友は安(大木正司)と秀(樋浦勉)を紹介する。しかし二人とも全く知らないようで桔梗は見当違いでしたね、と言って帰ろうとする。しかし安と秀はそんなことを言われて激怒し、殴りかかろうとするが桔梗はそれをたまたま水虫を掻きはじめて回避し、起き上がった桔梗と勢いありすぎて吹っ飛ばされた安と秀。桔梗は大友に兄貴、と慕われるようになる。

 その夜、大友は車で寝て、桔梗はラブホテルに一人で泊まることになる。しかしその部屋に帰ったはずの鶴巻が裸でベッドに居た。鶴巻は
「こんな面白そうな案件は他の会社に取られたらもったいないわ。契約させてもらうわ」
「待ってて。今、万年筆を」
「あはは。いらないわよ。もっと別の契約方法もあるのよ」
 桔梗は誘われるまま彼女と一夜を過ごす。桔梗の肩には手術痕が残っていた。

 一方、溝呂木はブルッケンマイヤーが執拗に桔梗にこだわる理由が気になり、彼に自白剤を打って証言を引き出す。どうやら桔梗には「クレオパトラの涙」というダイヤモンドが体内に埋め込まれているらしい。

 翌日、桔梗は姿を隠すためにも変装としてボサボサの髪と髭を剃り、度の強い大きな黒縁眼鏡を外しスーツを着込む。まるで別人のように変わってしまった。しかし彼は母のお守りと称してカーネーションを胸ポケットに大事にしまうのは変えなかった。

 そこへ大友が駆け込んでくる。どうやら秀が大日本人口調節審議会のメンバーと接触したらしく地下鉄の駅で会ってもいい、とのことだった。桔梗と大友、鶴巻の三人は警戒しながら地下鉄の駅のホームに降りていく。

 その駅で飛び込み事故があったようだ。桔梗と大友は嫌な予感がして、遺体を確認しに行く。それは秀だった。どうやら大日本人口調節審議会に殺害されたようだった。

 桔梗はすぐさま鶴巻のもとに行く。そして犯人がまだここに居て次は自分を狙ってるのではと警戒。やがて仕込み傘の殺し屋(沢村いき雄)が桔梗を殺そうとするが、桔梗はその男に驚いて思わず男を地下鉄の線路に突き落とし返り討ちに遭わせる。

 そのあと、桔梗、鶴巻、大友の三人はレストランで食事をしていた。その三人に突如、話しかけてくる怪しい青地光(江原達怡)。青地はどうやら霊能力研究者で、桔梗に霊媒師の小松弓江(川口敦子)を紹介する、という。

 桔梗は青地を怪しみ、帰ったフリをして車のトランクに隠れる。代わりに鶴巻と大友が青地に霊媒を依頼したいと小松のオフィスまで連れてってもらう。

 だが小松も青地もやはり大日本人口調節審議会からの差し金だった。鶴巻と大友の二人は小松の催眠術で操られる。桔梗の場所を吐かされそうになり、鶴巻は催眠術をかけられながらも
「私・・桔梗さんのことが好きなの」
 と答える。仕方なく小松は大友から車のトランクに居ることを聞き、青地を派遣する。

 トラックに隠れていた桔梗はトランクから出て車の座席に隠れていた。青地はトランクにベルトで鞭打つが、桔梗は車を運転して青地を轢いてしまう。

 轢かれた青地は息絶え、桔梗は小松のいる部屋を目指す。

 小松の部屋では鶴巻がさらわれ、大友は自分は鳥だ、と洗脳され窓から飛び降りさせられそうになる。大友は窓から降りようとした瞬間に自我を取り戻し窓にしがみつく。

 小松に落とされそうになるが、桔梗が部屋に入ってきて
「覗け!」
 と言う。大友はその通りに小松のスカートの中身を覗く。小松は油断し、転落してしまう。

 その後、桔梗は次々とおもちゃにも見える実は秘密兵器というものを用意し、大友と一緒に鶴巻を助け出そうとする。

 まず早速、鶴巻の勤めていた雑誌社の編集長(草川直也)の下を訪問するが彼は何も知らない。そこに溝呂木と名乗る男が自分は知っているからついて来い、と言う。

 溝呂木に案内された場所はただの酒場。そこで溝呂木は人々が「部長は死ぬべきだ!」とか「近所の旦那さん、殺されたんじゃないかしら」などの話題が周りで流れているのを聞かせて
「聞いてごらんなさい桔梗君。みな殺人の話ばかりだ。
みな戦争のニュースを見るとテレビに飛びつく。それは面白いからだ。
人々はみな殺意を持っている。それは人間の、動物の本能だ。
人間も動物なのだから生存競争をするのは当たり前だろう。
だがそんな周りの人間と私が違うのはただ一つだけ。
それは周りは隠しているが私がはその殺意を持っていることを露わにしていることだ。
気違い結構
しかし英雄と呼ばれるヒトラーやナポレオンはみな殺人を繰り返した気違いだよ」

 溝呂木は煙草を貸そうとするが桔梗はそれを拒絶し女性からマッチで火を借りて自分の煙草で吸う。溝呂木は彼女を無事に返してほしければおとなしくすることだ、と言い去って行った。

 桔梗は、溝呂木を典型的な愉快犯でありながら、ちゃんと計画を立てうまく遂行させる知能犯だ、ともプロファイリングした。

 溝呂木が去った後、彼が意図的に残したフィルムテープを拾い8mmの映写機で見る二人。そこには拷問を受ける鶴巻啓子の姿が映されており今夜10時に迎えが来るとあった。

 二人はなんとか打開策を考えるが、そこに鶴巻が落としたと思われるメモを届けてきた眼帯の女がやってくる。二人はヒントになるのでは、と眼帯の女に拾った地点まで運転してもらう。

 眼帯の女は暴走運転をして、桔梗を殺そうとする。桔梗はその前に毒針を仕込んだクラッカーで先手を打つ。桔梗は
「富士の麓に彼女はいる」
 と遺して死んでしまった。

 桔梗と大友の二人は富士の麓を当てもなく車でさまよう。もし敵がわれわれを発見したら必ずアクションを起こすだろう。一か八かの賭けだった。

 やがて敵と思わしきヘリが旋回しているのを見つける。もうすぐ二人に接触を試みるだろう。そんな時、若い女二人がヒッチハイクをしていた。大友は無視して通過しようとするが桔梗はあえてその女二人をホテル「マウント富士」まで乗せることにした。

 マウント富士で降りた女二人。しかし大友は二人の持っていた書類を偶然、盗み見て彼女たちが持っていた書類はどうやら「大日本人口調節審議会」のものだったと言う。やっぱり二人はスパイだった。

 二人はプールで水着撮影を終えたヒッチハイクの女二人に部屋で暖めてほしい、と誘われる。桔梗たちは部屋をとろうとするが、自分の部屋を貸してくれる、と松葉杖の男がキーを渡してくれた。

 二人は松葉杖の男から譲られた部屋で女二人から聞き出そうとする。しかし彼女たちは名前は似ているが別の組織の書類を持っていた。誤解が解けたところで女二人は大友と桔梗を誘惑する。

 ソファーに倒れこんだ桔梗。その部屋に松葉杖の男が入ってくる。松葉杖の男は松葉杖に仕込んだ拳銃で桔梗を殺そうとするが桔梗が小さな爆発物を松葉杖の男の方へ打ち込み松葉杖の男は退却する。

 松葉杖の男は車に乗り込もうとするが、すでに桔梗と大友が待ち構えており、車に乗せて出発。鶴巻啓子の居場所を聞き出す。どうやら自衛隊の演習場のトーチカにいるらしい。しかも自衛隊はそこで演習をしており、もうすぐトーチカが爆破されるのだという。

 あわてて演習場へ向かう桔梗と大友。しかし迂闊に近づけない二人は自衛隊員の呼称オバQ(大前亘)、アトム(伊吹新)に話しかけられる。

 二人はなんとか自衛隊員を気絶させようとするが、その必要もなく自衛隊員は上司に呼ばれて別の配置場所へ去っていき、桔梗と大友はトーチカへ走っていく。

 なんとか爆破前にトーチカにたどり着いた二人だったが、そこには鶴巻啓子ではなくマネキンが置かれており溝呂木が置いた無線から溝呂木の声が聞こえた。

 全て溝呂木がここへ誘い込むための罠だったのだ。桔梗と大友はしてやられた。自衛隊の演習というのもそもそも嘘で、自衛隊員の格好をした溝呂木の部下たちだったのだ。

 やがてトーチカに砲撃を食らう。二人はトーチカへの一発目の砲撃で、トーチカの外へ飛び出し、そのあと砲撃された場所をたどっていく。一度砲撃された地点に、連続でもう一度正確な砲撃は不可能だろうと信じて。

 二人は砲撃をうまく避けながら撤退を開始。溝呂木はまず先ほどホテルで殺人に失敗した松葉杖の殺し屋を処刑。なんとしても二人を始末するようオバQたちに言い、オバQら偽自衛隊は出向いていく。

 桔梗は偽自衛隊員を一人抹殺しその銃でもう一人を射殺。それから近くに落っこちていた不発弾を回収し、それを地面に埋めて、オバQたちが乗ったジープをおびき寄せる。

 ジープは埋まった不発弾の上を通過し爆発。二人はなんとか生き延びたのだった。

 その後、バスの中で桔梗は溝呂木と再会。溝呂木は桔梗との一対一の殺し合いの対決を望み二人はバスを降りて溝呂木の精神病院へと向かう。

 その車の中で、溝呂木は桔梗が数年前、ドイツに少年団の一人として使節にいった時にダイヤモンド「クレオパトラの涙」を埋め込まれただろう、と問い詰めるが桔梗は覚えていないと話す。

 その病院には狂った精神病患者が檻に収容されており、笑う狂人(中山豊)、咆える狂人(山本廉)、羽織袴の狂人(土屋詩朗)、ウインクする狂人(浦山珠実)、団扇太鼓を叩く狂人(出雲八恵子)らが居た。鶴巻もその檻に囚われていた。溝呂木は自分を殺してからだ、と桔梗を防音室へ案内する。

 防音室に入った途端、桔梗はこれまでの無感情のようなキャラから一変しダイヤモンドのことを覚えている、と話す。
「ナチスの残党ブルッケンマイヤーは看護師から聞き出し、
仲間を殺してその情報を独り占めした。
そして今度は私がブルッケンマイヤーを殺して情報を手にした。
さて君はダイヤモンドのことを覚えているかね」
「ああ、俺は覚えてるさ。
リヒャルト・ヒンケル博士がナチスから盗み出したダイヤのクレオパトラの涙。
ヒンケル博士はナチスに捕まりそうになったとき、事故で運ばれた僕に
ダイヤモンドを埋め込んだのさ。
まあ博士はナチスの拷問中に心臓麻痺で死んで回収は不可能になってしまったがね」
「今まで忘れていた、と言ってたじゃないか」
「他の誰かに言うと、もっと早く命を狙われそうだったからね」
 溝呂木は隠し拳銃を突きつけようとするがその前に桔梗が動き、溝呂木の動きを封じ拳銃を奪って溝呂木につきつける。

「君はいったい・・何者なんだ」
「そうだなあ。例えばクレオパトラの涙を埋め込んだことで
自分を狙おうとする組織をおびき出そうと壊滅しようと準備していたとしたら?」
「なるほど。殺し屋を返り討ちにさせたのはすべて偶然ではなかったのか」
「ああ、そうだ。あとヒンケル博士は俺にダイヤモンドを埋め込んでなかった。
何年か前に手術をしたら肩からガラス玉が出てきたよ。
ヒンケル博士の用意したダミーだったらしい」
「なに!?そうか・・
だが私はダイヤモンドなぞにあまり興味はない!
例えば君を砲撃なんてしたものにはダイヤモンドも一緒に吹っ飛んでいただろう。
私はそんな事よりエキセントリックな殺人を君に捧げようと思ってたのさ
砲撃で死ぬなんてそうそうない事態だ。素晴らしいだろう」
 溝呂木はナチスのヒトラーの演説を聞き彼に心酔しているらしい。

 桔梗は溝呂木に拳銃を突きつけ、鶴巻の解放をさせようとする。

 桔梗と溝呂木は廊下に出て、歩いていく。その桔梗を溝呂木の助手・池野(滝恵一)が壁に隠れて襲撃する。だが桔梗は檻に囚われた狂人が壁の方に手を振っているのを見て襲撃者の存在を確認。ゴリラほどの怪力を持つ池野と取っ組み合いになるが、池野を倒すことに成功する。

 溝呂木は池野を倒した桔梗を称賛。溝呂木はスペイン式決闘、お互いの左手をタオルで縛り、右手のナイフで戦うというもので決着をつけよう、と誘い桔梗もそれに応じる。

 ナイフでお互いを切りつけようとする二人。しかしやはり溝呂木は追い詰められた。
「皮肉なもんだな。殺人狂でも誰でもみんな死ぬのは怖いのさ」
 しかし溝呂木は左手を取り外して左腕に装着されたサブマシンガンを桔梗に向ける。どうやら溝呂木の発明した左手の義手だったらしい。

 万事休すの桔梗。しかし溝呂木はすぐ背後の檻に捕らわれた狂人に首を絞められ、やがて骨を折られて死んでしまう。

 桔梗は鶴巻啓子を解放し二人は車で脱出する。啓子は抱いてほしい、と言い桔梗はそれに応じる。しかし啓子は最後に毒針を仕込んで桔梗を殺害しようとして、桔梗は胸のカーネーションから催眠ガスを噴出する。

 桔梗はずっと啓子のことを疑っていたのだ。
「君が怪しいと思ったのは地下鉄の駅だ。
僕は変装をしたのにすぐに殺し屋にバレた。それは目印に君がいたからだろう
確信を持ったのはさっきだ。池野が隠れていたとき、君は位置的に池野が見えていたのに
何も言わなかったからね」
 啓子は自分で毒薬を飲んでしまう。
「あなたに殺されるんじゃないわ。自分で死ぬのよ」

 どうやら啓子は溝呂木の娘だったらしい。啓子は最期に桔梗に抱いてほしい、と誘い桔梗は応じる。

 啓子はバッグに爆弾を仕掛けていたのだ。しかし桔梗はそのバッグを外に放り投げる。バッグは爆発し花火と変わった。

 もっと威力の強い爆弾を仕掛けた啓子は驚いていたが桔梗が爆弾を改造して花火にしてしまったのだ。
「君の葬式にもっとふさわしいものにしておいたんだ」
 啓子は毒づき、やがて息絶える。桔梗は車を降りて去っていくのだった。

 その後、桔梗は大友の下に現れる。
「ウチの双子の弟が迷惑をかけたようですね。今その弟は外国へ行ってしまいました」
 桔梗はそういって車に乗り込み帰って行ったのだった・・・









 やっぱり岡本監督は私の中で和製ヒッチコックだと思ってます。ヒッチコックよりも風刺が利いてますが。逆転のまた逆転、命を狙われつつも返り討ち。この死ぬかと思いきや、の展開が面白い。「北北西に進路を取れ」に近い映画ともいえますね。

 序盤の展開は山田悠介「リアル鬼ごっこ」っぽいですよね。増えすぎた人口を減らすため。まあ確かに人口増大の末に食糧危機が起こり人間の中で生存競争が発生するかもしれない事態は十分あり得ますね。

 この映画で天本英世が演じる溝呂木博士は恐らく後の特撮「仮面ライダー」に出てくる死神博士のモデルではないでしょうか。演じる俳優も同じですし。

 溝呂木博士の殺人観にはなかなか肯定できるところもあります。誰しも一度は人に死んでほしい、だの殺したいだのそこまで深くなくても殺意を抱くことがないでしょうか。それは動物の本能、人間の本能。溝呂木博士は言ってました。しかしそれを理性で抑えられるのも人間なんですよねえ。

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