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間諜

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スパイ物映画。こういう映画って多分、映画がよく作れてTVが無かった時代だったからこそ作れたと思います。


『間諜』 Dark Journey (1937・英)
間諜
スタッフ
監督:ヴィクター・サヴィル
脚本:ラヨス・ビロ
製作:ヴィクター・サヴィル
撮影:ジョルジュ・ペリナール、ハリー・ストラドリング
音楽:リチャード・アディンセル
編集:ヒュー・スチュアート
キャスト
マドレーヌ・ゴダール:ヴィヴィアン・リー
マルウィッツ男爵:コンラート・ファイト
ボブ・カーター:アンソニー・ブッシェル
ルピタ:ジョーン・ガードナー
フェイバー:フィリップ・レイ
使用人アナトール・ベルゲン:エリオット・メイクハム
ドイツ人店員ガートルード:アースラ・ジーンズ
シェファー少佐:サム・リヴシー



 ヴィクター・サヴィル監督作品「間諜」。原題は「Dark Journey

 原題直訳すると「秘された旅行」。Darkにはうす暗いとか闇の、という一般的な意味がありますが、ここでは恐らく秘密の、みたいな意味だと思います。ジャーニーは、センチメンタル・ジャーニーとあるように旅行ですね。

 そんな原題に対して邦題は「間諜」。つまりスパイ、という意味。これはちょっと短絡的じゃございませんかね。せっかく原題が秘密旅行、なにそれ気になる!?と興味をそそりたくなるような感じなのにこれじゃ最初から主人公がスパイだって明かしちゃってます。若干白けますね。恐らく『間諜X27』(1931)というマレーネ・ディートリッヒの大ヒット映画があったのでそれをパクっちゃおう、みたいな感じではないでしょうか。

 さて監督のヴィクター・サヴィル。あの時代的に言えばいわゆる大作とか問題提起作に長けた監督とは言い難いです。娯楽作品だとかストーリーを楽しませる作品が傾向として多いですね。他の作品には「銀の盃」(1955)、「大地は怒る」(1947)、「育ちゆく年」(1947)などがあります。これらの作品は結構、良作らしいのでぜひ観てみたいですね。

 キャストはまずヴィヴィアン・リー。彼女は言わずもがな「風と共に去りぬ」(1939)ですよ。これの次の年、1938年にリーはアメリカに渡り製作のデヴィッド・O・セルズニックに認められてスカーレット・オハラの役を得たわけですね。それまでは、イギリスのみでその美しさを活かしイギリスの映画界で活躍していたに過ぎない女性だったんですね。

 さてヴィヴィアン・リーのメロドラマの相手役の俳優はコンラート・ファイト。私はこの人がイケメンポジションをやると知ってまず最初にビックリしましたね!私の中では「ガリガリ博士」(1920)のイメージがありました。そしたらやっぱりこの人、この映画でも1回だけすっごい怖い顔します。さすがはアメコミの「バットマン」のキャラクターのジョーカーのモデルになっただけはあります。この人は私の中で永久に怖い俳優さんとして刻み込まれるでしょう。

 私は中盤まで気付かなかったんですが、これ冒頭で時系列的に中盤のシーンを挟み込んでから、時系列の最初から流すという構想になってたんですね。

 さて時代背景はというと、この映画が1937年ということでこの映画で描かれているのはおそらく第一次世界大戦のころだと思われます。第二次世界大戦はまだ開戦されてませんが、ドイツはすでに着々と戦争に突き進み始めていましたね。戦争において兵力も確かに大事ですが情報収集もとっても大事です。そんな背景がこの映画にはあるのでしょうね。



【あらすじ】

 衣服屋さんの経営者マドレーヌ・ゴダールはスウェーデン・ストックホルムに店を置いていた。衣服の仕入れにしばしばパリへ行き、帰ってきた時には“伯爵夫人”のお屋敷に行き、衣服の刺繍を見せる。マドレーヌが情報提供者から得た連合軍の情報が刺繍されているのだ。その伯爵夫人にはドイツ人がいて、マドレーヌはドイツのスパイなのだが実は・・・












【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 1918年・春

 ドイツ軍のUボート(Uボートは潜水艦のこと)はパリ行きのオランダ船を停めて乗客の確認をはじめる。パスポートのオランダ人と偽ったベルギー人(当時、ドイツとベルギーは敵国同士であった)の国籍偽造者が捕らわれた。彼はどうやらベルギーのスパイだったようだ。

 ストックホルムでブティック店「マデレーヌ」を営むマデレーヌ・ゴダール(ヴィヴィアン・リー)はUボートの将校(ロバート・ニュートン)による取り調べを受ける。

スウェーデン・ストックホルム

 時はさかのぼって、ストックホルムの店でマデレーヌはある服を顧客の“伯爵夫人”に召使のアナトール・ベルゲン(エリオット・メイクハム)と共に届けに向かう。奥の部屋に“伯爵夫人”がいるというのだが、そこにいたのはドイツ人のシェファー少佐(サム・リヴシー)。

 マデレーヌはパリから持ってきた仕入れてきたというドレスを箱から取り出し、その部屋にあった西部戦線の地図を模した照明に充てて、刺繍とてらしあわせる。つまり、このドレスには西部戦線におけるドイツの敵国の攻撃位置情報が刺繍によって書かれていたのだ。

 さて、その情報はサーチライトによる信号灯で海上のドイツ船に知らせられるのだった。つまりマデレーヌはパリに潜り込んで活動するドイツのスパイだったのだ。

 ベルリンにあるドイツ第8諜報部では将軍(エドモンド・ウィラード)がイギリス軍の軍曹から情報を聞き出していた。彼はスパイだったのだ。エージェントのK1とK2が行方不明でその情報が不明であること、そして中立国を中心に情報収集を活発的にしよう、という結論に至る。そしてストックホルムにも優秀なスパイが送り込まれることに。

 スウェーデン入国審査局ではドイツ人医師のドクター・ミュラー(オースティン・トレヴァー)とドイツから亡命してきたドイツ人男爵マルウィッツ(コンラート・ファイト)が入国してくる。彼は戦争で負傷し杖をついていた。その後、マルウィックはナイトクラブで数人の女とイチャついていた。

 マデレーヌはボーイフレンドの英国諜報部の諜報員ボブ・カーター(アンソニー・ブッシェル)に誘われナイトクラブへ行く。車に乗り込むマドレーヌを見て、第8諜報部から派遣されたミュラーはシェファー少佐から彼女の素性について聞いていた。シェファー少佐の方はよく働く諜報員だと信頼していたが、ミュラーは疑いを持っていた。

 ナイトクラブでは相変わらずマルウィッツがモテモテ。何でも、たくさんの国を渡り歩いて「自分とキスした後、女が何と言うか」について熟知していて賭けをしてもいい、という。さてそこへ勝気な女のルピタ(ジョーン・ガードナー)が現れ、キスをして「まだまだ練習不足ね」と言う。するとマルウィッツは胸ポケットから付箋らしきものを取り出す。そこには“練習不足ね”と書かれていた。まあ見事に当てた、というわけだ。ルピタはマルウィッツに感激する。

 さあ、そのナイトクラブへマデレーヌとカーターがやって来る。マルウィッツがすごい男だ、という話を聞き、マデレーヌはそのネタを明かす。きっと胸ポケットに女が言いそうな言葉を羅列した付箋でも詰めてるに違いない、と。それを聞いていたルピタはカンカンに怒り、マルウィッツを問い詰める。やはりマデレーヌの言ったとおりだった。マルウィッツはそのことを聞き、マデレーヌのことを気になると共にルピタをなだめるために一緒にダンスを踊る。

 やがてマデレーヌの店にルピタを引き連れてマルウィッツがやってくる。マルウィッツはルピタに一式の試着に向かわせて、マデレーヌに話しかける。二人は雑談で盛り上がる。

 一方、ルピタはそんな二人を見たりしてかなり不機嫌になってグランドホテルに帰ろうとする。マデレーヌに気があるのが丸分かりのマルウィッツの態度を見てルピタは超不機嫌なご様子。

 グランドホテルに着いて《アヴェ・マリア》のヴァイオリンコンサートをみんな聴いてる中でルピタがマルウィッツに自分の父親は将軍なんだ、などと大声でまくし立てる。結局、迷惑行為でコンサート会場から追い出された二人。ルピタは好きに女店主のところにでも行きなさいよ!などと言って勝手に帰ってしまう。

 さあマルウィッツは言われたとおりにマデレーヌにやって来る。そして今日のルピタの不機嫌な態度の非礼を詫びる。そして去ろうとしたが、マルウィッツは自分は寂しい男になってしまったなあ、などと同情心を誘って食事に誘う。マドリーヌはそれを丁重にお断りする。

 一方、ボブ・カーターはマデレーヌのことを少し疑っていた。彼女にはドイツ人のお友達が多いではないか、と。

 さて、マデレーヌはマルウィッツのことをアナトールを使って、ドイツから問合わせていた。どうやら死刑判決を受けドイツから逃亡した亡命者らしい。マデレーヌはもうすこしアナトールに探らせようとする。

 それからしばしばマデレーヌにマルウィッツがやってくる。食事を誘う、という理由だけで買い物をして、時には邪魔までしてしまうのだ。マデレーヌはマルウィッツを咎めるが、やがて折れて食事の誘いを受けてしまう。

 さあマデレーヌは伯爵夫人の邸に行き、ドレスの刺繍から情報をもたらす。シェファー少佐らは敵軍の攻撃の日程と場所をそのドレスの刺繍により知り、海上のドイツ兵に知らせる。だが、その情報は間違っておりドイツ軍は逆に痛手を食らってしまった。

 一方、出張していてロンドンから帰ってきたボブ・カーターはマデレーヌの店を訪れる。そこで見つけたのは殺されて遺体となったアナトールの姿だった。ボブはすぐに警察に電話をする。

 その頃、マデレーヌとマルウィッツは、レストランで良い雰囲気になってた。どうやら二人は愛を深め合っていたらしい。マルウィッツはマデレーヌに求婚するがマデレーヌは拒絶する。確かに愛し合っているハズなのに。そこへ警察官がやってきた。警官はマデレーヌにアナトールが殺されたことを伝え事情聴取をとることになる。

 警官はマデレーヌにアナトールがドイツから派遣されたスパイだと説明する。それもそのハズ。マデレーヌの協力者なのだから。警官はマデレーヌもドイツのスパイではないのか、と疑うがボブがそれを擁護する。

 帰ってくるとシェファー少佐とミュラー医師が待ち構えていた。どうやら犯人はアナトールが探っていた人間の仕業のようだ。そして二人がもう一つ、悲報をもたらす。それはマデレーヌの持ち込んだ情報が間違いであった、ということだ。二人はもう一度、パリに行くように命じる。何があったのか、そして消息不明のスパイK1とK2の消息を探るように、とのことだった。

 さあ経つ前にマデレーヌはマルウィッツの泊まっているグランドホテルに伝言を残しておく。自分はパリへと経つ、と。翌朝、マデレーヌは汽車に乗り込み、マルウィッツも伝言を読んで駅へと向かうがなぜかマデレーヌと顔を合わせていない。また、英国諜報部でボブの友フェイバー(フィリップ・レイ)も汽車に同乗していた。

 そしてフランス行きの船でマデレーヌはUボートの検査を受ける。(冒頭を参照

 フランスの港の入国審査局でマデレーヌは逮捕されてパリへ護送される。そしてパリで拘禁の刑を受ける。しかしその前にマデレーヌはコッティン商会のコッティン(ローレンス・ハンレイ)に会いに行くことを許可される。

 コッティンは実はフランス諜報部の高級将校だったのだ。そしてコッティンはマデレーヌの働きによって彼女にフランス軍最高勲章を与える、というのだ。そう実は彼女、フランス軍のスパイ。つまり二重スパイで、しかもフランスにとって都合のいいようにドイツに情報を流していたのだ。

 マデレーヌはコッティンからK1とK2の情報を聞く。やはり射殺されていたらしい。うちK1は女性スパイだった。マデレーヌはマルウィッツへの恋慕もあり、これ以上人を騙したり危険な目に遭うスパイ活動はしたくない、という。コッティンはもっと働いて欲しかったが妥協して次の仕事を最後にする、という。その仕事はドイツ軍第8諜報部長が誰かを探る、ということだった。マデレーヌはミュラー医師ではないのか?と言うが、どうやらもうひとりいるらしい。

 一方、フェイバーはボブと共にマデレーヌがドイツのスパイでは、と疑って拘留させようとしていたがフランス諜報部から事情を聞き誤解を解く。

 さてストックホルムに戻った夜。マデレーヌはマルウィッツと共にナイトクラブに来ていた。そこでマルウィッツはドイツ軍捕虜と再会。しかしドイツ軍捕虜が「お前は逃亡者じゃない!」と言ってぶっ叩き喧嘩になってしまう。その時、マデレーヌはマルウィッツが第8諜報部長なのではないかと疑い一人でそそくさと家に帰る。

 追いかけてきたマルウィッツに、マデレーヌはあなたが第8諜報部長さんなんでしょ、と聞きマルウィッツは驚く。しかしマルウィッツ自身もマデレーヌがフランス軍のスパイだと気づいていたようだ。マデレーヌは私を仕事やその他もろもろから奪い去って二人で静かな場所で暮らしましょう、と言うがマルウィッツは「その夢は叶わないだろう」と答える。悲しみに暮れるマデレーヌ、そしてマルウィッツはそのまま去っていった。

 さてマルウィッツは“伯爵夫人”の邸に戻り、ミュラーやシェファーに指示を出す。明日、マデレーヌを始末する任務を実行するようだ。

 一方、ボブとフェイバーに助けを求めたマデレーヌ。ボブはマルウィッツ達が中立国スウェーデンに潜伏しているドイツのスパイである身柄上、現地警察を避けているので、それを利用しよう、と考える。

 翌朝、マデレーヌの店で何者かが貼った大セールの貼り紙により店内は大勢の客で溢れかえっている。それによりドイツ人がマデレーヌを店外へ連行するのは訳ないことだった。しかしその瞬間、何らかの通報を受けたスウェーデン警察がマデレーヌを逮捕しに来た。どうやらマデレーヌがドイツからのスパイだと判明したらしい。

 マデレーヌはすぐさま裁判を受け裁判長(ヘンリー・オスカー)により国外処分の判決を受ける。

 一方、始末のタイミングを逃したマルウィッツらだったが、国外追放の船を襲い、マデレーヌを捕らえればいいと計画を移す。

 やがて、マデレーヌは船に乗り込む。客室の一室に拘禁され、ドイツ人が客室に押し入ろうとしたがドアの鍵が開かず船員に怪しまれたので去っていく。

 船がスウェーデンを経ってしばらくしてUボートの襲撃を受ける。マルウィッツが率いるUボートで、マルウィッツはマデレーヌを国籍偽造者として捕らえる。

 Uボート行きのボートに乗せられたマデレーヌ。しかしボートがUボートに到達する前に商船が近づいてくる。しかしその船は商船に扮したフェイバー率いるイギリス軍のQシップだったのだ。

 イギリス軍船はUボートを奇襲攻撃に近い形で砲撃し撃沈させる。マルウィッツは抵抗を諦めQシップに投降する。マデレーヌはなんとか助けられたのだった。

 マルウィッツはどうやら駆逐艦に移動させられるらしい。マデレーヌはマルウィッツが射殺されるのか?と不安になりフェイバーに聞くがどうやら捕虜は射殺してはいけない、という事になっているらしい。

 マルウィッツはギャングウェイを降りて駆逐艦行きのボートに乗り込む。マデレーヌもギャングウェイを降りて、ボートに乗ってこちらを見つめるマルウィッツを強く見つめ返すマデレーヌ。そして「あなたを待っています!」と叫び手を振る。マルウィッツも手を振り返した。

 Qボートと駆逐艦が別れて同じ方向へと進んでいく。警笛を鳴らしながら・・・








 お別れのシーンで、二人の乗る二つの船が同じ方向へと進んでいくラストシーンはなかなかにいい構図だと思いますね。メロドラマっぽい構図です。このシーンが二人が一緒に歩いていく、ということを暗示している、とは一概に言いにくいんですが。

 この映画はやっぱりヴィヴィアン・リーが美しいんですよねえ。ええ。あとコンラート・ファイトが怖いんですよねえ。ええ。

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(2011/02/22)
ヴィヴィアン・リー、コンラート・ファイト 他

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