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今日は反戦映画の傑作、「禁じられた遊び」を観ました。


『禁じられた遊び』 (1952年・仏)
禁じられた遊び
スタッフ
監督:ルネ・クレマン
脚本:ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト、ルネ・クレマン
製作:ポール・ジョリ
音楽:ナルシソ・イエペス
撮影:ロベール・ジュイヤール
編集:ロジャー・ドワイア
キャスト
ポレット:ブリジット・フォッセー
ミシェル・ドレ:ジョルジュ・プージュリー
ミシェルの父:リュシアン・ユベール
ミシェルの母:ジュザンヌ・クールタル
ジョルジュ・ドレ:ジャック・マラン
ベルテ・ドレ:ロランス・バディー
フランシス・グアーレ:アメデー


 ルネ・クレマン監督作品「禁じられた遊び」。原題タイトルは「Jeux interdits

 ルネ・クレマン監督作品は「太陽がいっぱい」とこれしか観てないですが、おそらく私が他にどのクレマン作品を観たとしてもこれを超える作品は無いと思います。心温まるヒューマニズムと戦争への怒り・・・ポスター通りですよ。

 それにしてもこの映画は子役の演技がとても素晴らしい。少女ポレットを演じたこの映画の主演女優ブリジット・フォッセーですがまあ子役としての地位を不動のものにしました。私的には実はこの人、「ニュー・シネマ・パラダイス」のディレクターズ・カット版に出たことが凄い驚きです。

 この映画、撮影に金を使いすぎてサウンドトラックというか音楽に金をかけられなくなってしまったんです。そんな時、ギター一本で主題歌を演奏しました。それが今なお名曲として語られる「愛のロマンス」の誕生です。マイナスがものすごいプラスに働いたんですよね。


【あらすじ】

 爆撃を受けたパリを避難する市民たち。その中に少女ポレットとその家族が居た。しかしポレットの両親は戦闘機の機銃掃射を受け命を落とす。ポレットは川に流された飼い犬の死体を追う内に森へ迷い込む。その森で出会った少年ミシェルと仲良くなり、ポレットはミシェルの家に一時的に引き取られることとなる・・・



♪愛のロマンス    ナルシソ・イエペス













【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 1940年。フランス郊外にて。

 パリはドイツ軍の爆撃を受け市民は郊外に避難していた。ポレット(ブリジット・フォッセー)は両親と共に車で避難していたが道中で車が故障してあげく、車を捨てることになる。

逃げ惑うパリ市民

ポレット

 やがてドイツ軍の戦闘機が空から機銃掃射。その音に愛犬ジョッグが逃げ出してポレットはその後を必死に橋まで追った。それを両親はまた追い、やがて再び戦闘機が機銃掃射。両親とポレットは伏せるが機銃を受けてポレットの両親は死んでしまう。

 一人悲しみに暮れるポレットはジョッグの死体を抱え逃げ惑う人々に立ちすくむ。ある老人がポレットを心配し自分の引く荷車に乗せるが、その車に乗っていた老婦人が「犬の死体なんて捨てなさい」と言ってジョッグの死体を川に放り投げた。ポレットは流される愛犬を見て追いかかる。

 やがて岸辺に引っかかった死体を持って、ポレットは近くを通りかかった無人の馬車についていった。

 一方、近くの貧しい農園でドレ一家は暮らしていた。少年ミシェル・ドレ(ジョルジュ・プージュリー)は父(リュシアン・ユベール)と母(ジュザンヌ・クールタル)、兄ジョルジュ(ジャック・マラン)の手伝いをしていた。さらにもう一人の兄と二人の姉がミシェルには居た。

 そこにあの無人馬車が。ジョルジュは様子を見るために馬車に近づくと、馬に蹴られて重傷を負う。ミシェルはその拍子に逃げ出した牛を追いかけて森へ入り込む。

 森ではポレットが一人で泣いていた。ミシェルはそれを見つけ、「どこから来たの」とか「名前は?」なんてことをポレットから聞く。ミシェルは逃げ出した牛を捕まえるためにミシェルを誘って牛を捕まえようとするのだった。

 やがて帰宅したミシェルに一緒に家に来たポレットのことを父は問いただす。ミシェルは父にポレットを家に置いてほしい、と頼み込む。最初は断る父だったが「だったら隣のグアーレ家に置いてもらう」と言う。ドレ家とグアーレ家は隣人同士で仲が物凄く悪く、それを聞いた父は話だけでも聞くと家に入れてあげるのだった。

 家ではドレ家の面々が温かくポレットを迎えてあげた。ポレットはまだ緊張しており、とりあえず質問攻めを交わして二階の部屋に寝かせてあげることにするのだった。ポレットはミシェルによく懐いていた。

ミシェルとポレット

 ポレットは橋で死んだ人はみんな棺が足りなくて土に埋められるんだ、という話を聞く。また棺に入れても最後は土に埋める。死者はみんな土に埋められる。その話を聞いたポレットはミシェルに「祈り」の仕方について教えられる。

 ポレットは愛犬ジョッグを土に埋めてあげるべく水車小屋に墓を立てる。ミシェルの「墓地にぴったりな場所だ」というセリフにポレットは「墓地ってなあに?」「お墓が集まっているところだよ」「なんで集まってるの?」「ひとりで寂しくないようにさ」「じゃあジョッグは一人でさびしいのね」ポレットは寂しそうに言う。

 そこでミシェルは上の階にいたフクロウがとってきたモグラの死体を持ってきて近くに埋めてあげよう、ということになる。モグラの死体を埋めて、ポレットはねだるのだった「もっといろんな動物を一緒に埋めてジョッグが悲しくないようにしよう。トラとかライオンとか人間も。だからたくさん十字架が欲しい」

 隣のグアーレ家に息子のフランシス(アメデー)が軍役から逃げ帰ってきた。実はミシェルの姉ベルテ(ロランス・バディー)とフランシスは両家の親に内緒で好き合っていたのだ。しかし両人とも家間の仲の悪さを知っていてそのことを切り出せないでいた。

 やがて、兄ジョルジュの容体が急変し死亡してしまう。

兄ジョルジュの死

 ミシェルは十字架を手に入れるために父が作ったジョルジュの霊柩車から十字架を盗む。そしてジョルジュの葬儀で父に十字架がなくなっている事を問い質されると、ミシェルは隣のグアーレ家が盗んだのでは?と嘘をつく。父は血相をかえてグアーレ家への怒りをますます募らせるのだった。

 葬儀中、教会に合った十字架の美しさに魅せられたポレット。ミシェルはそれを聞いて教会に懺悔をしにきたフリをして十字架を盗もうとするが、それは失敗し神父に追い出されてしまう。

 やがてポレットは十字架をもっとほしいとねだり、ついに墓地の十字架を持って来よう、とミシェルとたくらむ。夜、姉ベルテとフランシスが逢引している納屋から手押し車を引っ張りだし戦闘機による爆撃で夜空が光るなか、墓地へと向かう。

 そして墓地で大量に十字架をあつめたミシェルとポレット。二人は無邪気に喜び合う。なんと15個もの十字架を持ってきてしまったのだった。

十字架を持っていくミシェルとポレット

 翌日、兄ジョルジュの墓参りが行われる。しかし墓地についてもジョルジュの墓は無かった。グアーレ家の仕業だ、と激昂した父はグアーレ家の妻の十字架を折る。その場面を見ていたグアーレ家の面々は激怒しグアーレ家の父とドレ家の父で殴り合いが始まるのだった。

 その音を聞きつけた神父がやってくる。神父は十字架を持っていたのはミシェルだ、と打ち明けてミシェルはすぐさま逃亡した。

 3日の間、ミシェルは家に帰ってこなかった。父はミシェルが帰ってきたら何としてでも十字架のありかを聞き出そうとしていた。

 ベルテはポレットを説得して十字架のある場所を聞き出そうとする。そこへ密かにミシェルが帰ってきて「やめないと納屋でフランシスと会ってたことを言っちゃうよ」と脅しひとまず事なきを得る。そしてミシェルは二階でポレットに「明日、墓地を見に来て。うんと豪華にしたから」とポレットを誘うのだった。

 翌朝、ミシェルとポレットは密かに納屋から出ようとした。その時、警察官二名がドレ家にやってくる。父はグアーレに訴えられたのでは、と焦って納屋に入って来てミシェルを見つける。そしてミシェルに乱暴に墓のありかを聞こうとするが、警察官は十字架盗みの件で来たわけではなかった。

 警察官はみなしごのポレットを引き取って施設に預けよう、とやってきたのだ。ミシェルと一緒にいたい、と泣くポレット。父はポレットを警察官に引き渡そうとするが、ミシェルがウチで引き取って、と父を説得しようとする。そして父に十字架の場所を教える代わりにポレットを引き取って、と交渉し父はそれに応じる。

 ミシェルは風車小屋に十字架がある、と教えるが父は約束を破って引き渡し書に署名をしてしまった。ミシェルは父に怒るが父は聞く耳を持たず。怒ったミシェルは風車小屋に行き、十字架を川へ流してしまった。やがて風車小屋に聞こえてくる車のエンジン音。ポレットを引き取った車だった。

引き取られるミシェル

 ポレットは駅で名札をつけられて、ベンチに座らされ少し待っているように言われる。施設の人が引き取りにくるからだった。

 やがて雑沓する駅にこだます「ミシェル!」の声。ポレットは泣きながら声の方向に向かうが人違いのようだった。ポレットは「ミシェル!ママ!ママ!」と泣きながら呼び続け雑沓を走り抜けていくのだった・・・








 禁じられた遊びは墓遊び。でもそれは確かに禁ずるべきですが、決して人を死にはさせません。もっと重大で禁じられるべきなのに禁じられていない遊び・・それは戦争です。この作品から戦争は何を奪ったと思いますか?ポレットにとって最も大事なものです。

 墓遊びをすれば怒られるのは子供、怒るのは大人です。でも戦争といういけない遊びをする大人を怒ってくれる大人がどこにいるのでしょうか・・・
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Category: 洋画カ行

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