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哀愁

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今日は映画「哀愁」を観ました。


『哀愁』 (1940年・米)
哀愁
スタッフ
監督:マーヴィン・ルロイ
脚本:ロバート・E・シャーウッド(原作)、S・N・バーマン、ハンス・ラモー、ジョージ・フローシェル
製作:シドニー・フランクリン
音楽:ハーバート・ストサート
編集:ジョージ・ベームラー
キャスト
ロイ・クローニン:ロバート・テイラー
マイラ・レスター:ヴィヴィアン・リー
キティ:ヴァージニア・フィールド
マーガレット婦人:ルシル・ワトソン
クローニンの叔父:C・オーブリー・スミス
オルガ・キローワ女史:マリア・オースペンスカヤ


 マーヴィン・ルロイ監督作品「哀愁」。原題タイトルは「WATERLOO BRIDGE」

 原題を直訳するとウォータールー橋ですね。確かにイギリスのロンドンにウォータールー橋があるんですよ。つまりこの映画の舞台もロンドンにあります。

 「風と共に去りぬ」の主演女優ヴィヴィアン・リーが見事にスカーレット・オハラとは対照的のお淑やかで未来に怯えるか弱い女性を演じています。まったく対照的な二人のキャラクターなのに二人とも素晴らしいリーの演技です。感服しますよ。

 一方のロバート・テイラーですが彼は当時の大女優にモテモテの美男子でした。MGMドル箱スターで「グランド・ホテル」で共演しながら共演シーンが一秒もないグレタ・カルボとジョン・クロフォードの二人からは映画の相手役になってほしいと希望されたほどです。後に同じく相手役を希望した女優のバーバラ・スタンウィックと結婚しますが1951年に離婚してます。

 そしてこの映画で強いて悪役をつけるなら、マリア・オースペンスカヤ演じるマダム・キローワでしょうね。しかしアメリカのサイトで「邂逅(めぐりあい)」(1939)の写真を見てたらマリア・オースペンスカヤが凄い笑顔っていうか、この映画の冷徹な女性のイメージを崩すような写真がありましたよ。この映画だとこのお婆さん、江角マキ子の演じる冷徹キャラっぽいキャラクターなんですよ。

 さてさて、この映画一応ラブストーリーなんですが皆さん、タイトルから察してくださいね。


【あらすじ】

 第一次世界大戦中。明日に出兵を控えていたロイ・クローニン大尉はマイラ・レスターという踊り子と出会う。二人は惹かれあっていき、やがて婚約をする。しかしクローニンは戦争へ行き、レスターは踊り子を友人のキティと辞める。それ以来、レスターとキティは金に困った生活を送らざるを得なくなる。















【以下全文ネタバレ注意】












↓四行後にネタバレ文あり




 ロンドンのウォータールー橋。ロイ・クローニン(ロバート・テイラー)大佐は橋で一つのお守りを眺めながら懐かしき女性を思い出していた。

─ ─ ─ ─ ─

 橋でクローニン大尉は避難中のマイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)と出会う。彼女は踊り子でロイはマイラと避難所で空襲から避難しつつも会話できた楽しい一時を過ごした。やがてマイラが夕方、踊りを披露すると言うがロイは大佐と食事だからいけない、と残念がる。

ロイとマイラ

 しかし夕方、なんとマイラらオルガ・キローワ女史(マリア・オースペンスカヤ)の指揮するダンス団のダンスをロイは見に来てしまったのだ。ロイは大佐との食事を断ってしまったらしい。夕食を共にしよう、という誘いの手紙をロイは渡そうとするがそれをキローワ女史に見つかってしまい、断りの手紙を書かされてしまう。

手紙を没収するキローワ女史とマイラ、キティ

 断りの手紙を受け取り、ロイは残念に思いながら帰ろうとするがそれをマイラの親友キティ(ヴァージニア・フィールド)が引き止め、無理やり断りの手紙を書かされたことと、どこで待ち合わせるかを問い質す。キティはロイからそれらを聞くとマイラは純粋な子だから、と一応の釘を刺しておいたのだった。

 夕食のダンスクラブ。ロイはマイラと楽しい一時のことを話したり、十分に盛り上がる。しかしロイはマイラがどこか未来に期待していない影を持つ女性だ、ということに気付き未来を考えるだけで楽しい、と説く。そしてクラブで演奏される最後の蛍の光をバックにダンスを踊る二人。ロウソクが消えていき、暗闇のなかロイとマイラは情熱的なキスをするのだった。 

ダンスクラブにて

♪Auld Lung Syne(蛍の光)


 ロイは明日、出兵により戦地に赴かなければならない。マイラはロイはもう帰ってこない、と予感し彼女がずっと持ち続けていた猫型の幸運のお守りをロイに渡す。そして、さよならの別れの言葉を話すのだ。

 翌朝、キローワ女史に会うことを禁じたのにロイと会ったマイラを叱り「次、同じことがあれば即刻クビだ」と警告する。しかしふと窓を観るとなんと、戦地へ行ったはずのロイが立っていた。マイラは急いでロイの下に駆け寄り二人は再会を喜び合う。

マイラに会いに来たロイ

 ロイは出兵を2日間、延期されたのだ。ロイはマイラになんと求婚してしまう。最初は戸惑うマイラだったがロイは時間がないんだ、とお互いの思いを手早く確かめ合い、やがてマイラも結婚を受け入れる。

マイラとロイ

 ロイはタクシーを拾って結婚を大佐に許可してもらおうとする。しかし大佐はロイの叔父(C・オーブリー・スミス)である人物が結婚の許可をとれば自分も許可しよう、と話す。ロイはすぐに叔父に会いに生き叔父から結婚する相手が踊り子、なんて気にするなと激励されつつ結婚を許可してもらう。

 若い二人はすぐさま結婚式をあげに教会へ行くが神父からは午後3時以降の結婚式は法律で禁止であるということを話され明日の朝11時まで延期されることとなった。

 マイラは寮に帰宅し嬉しそうにキティや他のメンバーに結婚を報告する。しかしロイから電話がかかってきて明日に出兵することとなってしまった、ということを話してマイラは明日、公演があるにも関わらずウォータールー駅で見送りをすることを決意した。

 朝、急いでマイラは駅へ向かおうとするがタクシーがなかなか捕まらなかった。やっと駅についた頃にはロイの乗った電車は出発し、お互い一目しか会えなかった。

 マイラは公演会場にすぐさま行くが楽屋に入ったころにはダンスは終わってしまっていた。マイラはキローワ女史に「よく顔を出せたな」と言われクビを宣告される。あまりにも一方的な物言いにキティもキローワ女史を罵倒。キティとマイラはクビにされたのだった。

 やがて時は流れ、キティとマイラは貧乏な生活を余儀なく送らされた。キティはロイに自分たちの状況を伝えたらどうだ、とマイラに提案するがマイラは自尊心とロイを心配させたくない、という理由でそれを拒む。やがてロイの母マーガレット婦人(ルシル・ワトソン)がマイラに会いに来る、ということを伝えられる。

 マイラは喫茶店でマーガレット婦人と待ち合わせする。なかなか来ないマーガレット婦人にマイラはふと夕刊が気になり読みはじめる。自然と戦死者一覧名簿に興味を持ち、そこにロイ・クローニンの名前を発見。マイラは気絶してしまう。

 目が覚めたころ、マーガレット婦人が到着した。しかしマイラはロイの死に動揺からおかしな言動を発してしまう。マーガレット婦人はマイラに失望し店を後にするのだった。

マーガレット婦人

 また少し時は流れて少し病弱になりはじめたマイラ。近頃、キティが舞台に復活して生活が少し楽になりはじめていた。しかしマイラはキティが舞台などしていないことに気付き、彼女を問い詰める。そして知ってしまう。キティが自分の薬と二人の生活費のために、娼婦となってしまったのだ。

 「娼婦は簡単に稼げるなんて言ったのは女じゃないわね。結婚はできないし、自分が会う男は数時間の付き合いだけ」と辛さを打ち明けるキティ。マイラはキティを抱きしめかなりの躊躇いを感じながらもキティの辛さを分かち合うために、自分もキティと同じ道を辿ることに決めたのだった。

 また時は流れ、駅で帰還兵を誘惑するマイラがそこには居た。しかしマイラはそこで奇跡的に見つけてしまった。死亡したはずのロイ・クローニンが帰還してきた姿を。二人は奇跡の再会に心から喜び合うのだった。

 ロイはマイラとすぐに結婚しよう、とウキウキしている。しかしマイラは複雑な気持ちだった。そしてロイに結婚を断ろうとするが、ロイは必死にマイラを説得しなんとか結婚に進むことになる。しかしロイはまだ、マイラが娼婦として駅にいたことを知らなかった。

 マイラはキティにロイが帰って来たことと結婚することを伝える。マイラは自分だけ幸せを掴んでしまうことを許してほしい、と言いキティはマイラの幸福を激励するのだった。

 汽車に乗り、クローニン邸にて。ロイは自宅の庭を案内し、マイラと二人での未来の幸せを喜び合う。やがて屋敷に到着しマイラとロイは久しぶりにマーガレット婦人と再会する。マーガレット婦人は二人の到着を喜ぶのだった。

 夕方、屋敷でダンスが行われる。しかし参加者たちの中には今回の結婚に家柄的な問題で密かに反対している者もいた。マイラはロイに不安を感じる、と正直な気持ちを伝えるがロイはこれからあるのは幸せだけだ、と強く説く。やがてロイの叔父が到着する。叔父はマイラをダンスに誘い、二人は踊りあうのだった。

 やがて二人は別の部屋に入る。マイラは叔父が何のために自分と踊ったのかを察していた。叔父はとぼけているが、マイラのことを悪く言う意見を伯爵である叔父自らがマイラと踊ることで払拭させようとしたのだ。そして叔父はマイラの人柄を認め、「汚れなき我が家の妻にふさわしい人物だ」と話すのだ。その言葉にマイラはハッとなる。

 夜、マイラは部屋を訪ねたマーガレット婦人と話す。喫茶店のあと、マーガレット婦人は死亡記事を読んで喫茶店のときにマイラが取り乱していたのは死亡記事を読んだためか、と気付き急いで彼女を探したが結局、見つからなかったのだという。そのことをマーガレット婦人は謝罪し自分の部屋へ戻る。

 マイラはすぐにマーガレット婦人の部屋に駆け込み、自分が貧乏な生活を強いられ娼婦に身を落としたから結婚できないことと明日の朝に密かに発つことを明かす。婦人は大きなショックを受け、明日まで待ってほしいと頼むがマイラはこのことはロイに内密にしてほしいと頼み込むだけで考えは変わらなかった。

 部屋に戻ろうとしたマイラに声をかけたのはロイだった。マイラはロイとの結婚を喜ぶ風を装い、最後にロイから幸運のお守りを返される。「これからはどっちが持っていても一緒だ」と。マイラは最後の挨拶に言うのだった。「さよなら」と。マイラはロイに「このさよならは寝る時間だけでも別れるのが長い別れのように感じるからだ」と説明するが本当の意味は別のところにあった。

 そして翌朝、密かにマイラは屋敷を発つ。別れの置手紙を見たロイはすぐさまロンドンまで追いかける。ロンドンでまずキティと会い、目星がつくところを二人でくまなく探す。そして駅にもいないマイラ。ロイはマイラに何があったのか問い詰め、キティはぼかした答えを返す。しかしそれでロイが察するには十分だった。

 ロイは気付く。自分たちはマイラを探し続けるが、マイラはもう自分たちの下へ帰ってくることは無い、と。

 マイラはウォータールー橋に居た。橋で水面を眺めていた。そしてマイラは歩き出し、やがて軍トラックの一団に出くわす。マイラは道路に飛び込みトラックに轢かれる。無事だったのは幸運のお守りだけだった。

─ ─ ─ ─ ─

 時は戻り回想が終わる。ロイは自分が持っている幸運のお守りを握りしめ迎えの車に乗り込んでいった・・・

終









 この映画を観てしまうと何が憎いかと言われれば戦争ですかねえ。ロイの戦死の誤報こそ、のちのちにマイラを殺したようなものですからねえ。近頃は戦争物で反戦映画ばっかり観ているからそういう気が起きるのかな?マイラが軍のトラックに轢かれたのだってなんて皮肉でしょうかねえ。

 そしてどうも考えを改めなきゃいけません。私は今まで娼婦の女性に対して偏見を持っていました。しかし貧乏ゆえに体を売るしか金を稼ぐことが出来ない、なんて事情がある人もいるのかもしれません。今後は、簡単に娼婦をバカにするなんて失礼なことはできないでしょう。

 さてさてマイラは心が弱い、と受け取られがちですが私はどうもそうは思えませんね。自殺を実行できる勇気のある女性が勇気がなくて心が弱い、なんて私にはどうも思うことはできないんですよ。

 そしてこの映画ではキティが本当にマイラの支えになった女性ですよね。普通ならマイラだけが幸せを掴むなんて、と罵詈雑言の一つは言いそうなものですがそれも言わずに友を祝福する。彼女にはぜひ幸せになってもらいたいものです。

 この映画の主題で最後の舞台、ウォータールー橋。ロンドンに行ったらぜひ行ってみたいものです。
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Category: 洋画ア行

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