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ドイツで製作された映画です。SF映画の原点にして頂点と呼ばれています。


『メトロポリス』 (1927年・独)
メトロポリス
スタッフ
監督:フリッツ・ラング
脚本:テア・フォン・ハルボウ
製作:テア・フォン・ハルボウ
撮影:カール・フロイント
編集:レイ・ラヴジョイ
配給:UFA
キャスト
マリア/アンドロイド・マリア:ブリギッテ・ヘルム
フレーダー:グスタフ・フレーリッヒ
メトロポリス支配者フレーダーセン:アルフレッド・アベル
中枢の工場長:ハインリヒ・ジョージ
秘書ヨサファト:テオドール・ロース
科学者ロトワング:ルドルフ・クライン=ロッゲ


 フリッツ・ラング監督作品「メトロポリス」。原題タイトルは「Metropolis

 この映画はSF映画の原点、と前述しましたが当時の映画は思想的な部分が描かれた映画も多いためこの映画もその思想、主義を描いた映画であるとも言われています。私もこの映画には主義的なものを描いたと感じましたね。

 未来都市はもちろんですが、なんといってもこの映画に出てくる人造人間、アンドロイドが凄い。そのアンドロイドってのが2ちゃんねる(?)かどっかでVIP先生、って呼ばれているそうなんですよ。私そういう系はよく分からんので詳しいことはよくわかりませんが・・

 監督のフリッツ・ラングと脚本家のテア・フォン・ハルボウは夫婦の関係です。しかしナチス党が台頭しユダヤ人のフリッツ・ラングはフランスへ亡命しアメリカへ渡りました。亡命の2年ほど前にナチス支持者のハルボウとは離婚しています。ナチス宣伝相のヨーゼフ・ゲッベルスはラング監督を気に入っており、亡命を阻止させナチスのプロパガンダ映画を作らせようとしていた、とラング監督は話していますが最近ではラング自身がゲッベルスに映画作家としての延命をはかっていた、とも言われています。

 対して奥さんのハルボウは元夫の亡命後もナチスの好みの小説を出版していたそうです。戦後、1954年に事故死。フリッツ・ラングが西ドイツに戻ってきたのは50年代末でした。

 今観れるのはフィルムが回ってきたアメリカなどにより徹底的に共産主義的な部分はカットされた編集版でしょう。完全オリジナルは210分ほどあったそうで、ドイツのウーファー社が公開しましたが利益的な面で結局、編集版を追従。それでも利益が回収できずにウーファー社は倒産してしまったそうです。今はもうオリジナルのフィルムが第二次世界大戦の混乱で散らばっちゃって全てのフィルムが見つからなければフルオリジナルで観ることは不可能になってしまいました。

 登場するアンドロイドが「スター・ウォーズ」のC3POのデザインに影響をもたらしました。また、ラング監督はこの映画のあるシーンで6000人のエキストラを雇おうとして失敗し、1500人になりましたが、代わりに全員の頭を剃らせてカメラの前を何回も行進させてさも6000人以上いるように見せかけることに成功しています。これはシュフタン・システムと呼ばれるそうです。

 クイーンのヒット曲「ラジオ・ガ・ガ」のPVにこの映画の一部が利用されてるそうですよ。

 あと皮肉なことにヒトラーがこの映画をお気に入りとしたんです。しかし彼はユダヤ系の共産主義を徹底的に廃絶したいがために国内から共産的ユダヤ人を徹底的に弾圧しました。恐らくヒトラーはラストシーンの貧困者と資本者の握手シーンには嫌悪感を示したのではないでしょうか・・だからラング監督が仮にドイツに留まりつづけても彼がプロパガンダ映画を作らなければ生命の保障がされていたかは疑問なところですね。まああくまで今の部分は私の勝手な推測なので証拠はありませんが。

 しかしヒトラーの演説そっくりな熱心で過激的な演説をするアンドロイド・マリアのシーンがあるんですよ。恐らくヒトラーはこれを自身の演説で参考にしたのではないでしょうか。


【あらすじ】

 2026年。未来都市メトロポリス。ここでは摩天楼の上層階で頭脳的支配者がメトロポリスで優雅な生活を送り地下で労働者が過酷な環境で仕事と貧しい生活を強いられていた。支配者の息子フレーダーはその実情を知り、なぜメトロポリスを支える労働者が貧しい生活を送るのか疑問に思う。一方、マリアという労働者に説法を説く女性が現れ支配者フレーダーセンは彼女を誘拐し彼女そっくりの人造人間を作り、労働者と彼女の関係をぶち壊そうとするが・・















【以下全文ネタバレ注意】











↓四行後にネタバレ文あり




 2026年、架空の未来都市メトロポリス。

 摩天楼の上層階では知識的な支配者が権力を振るいつつ優雅な生活を送っていた。一方でメトロポリス運営を支える労働者たちは地下の階層で貧困な生活を強いられながらも規律的な動作、厳しい労働環境のなか暮らしていた。

 知識支配者がよく遊んでいる遊園地でメトロポリス支配的権力者のフレーダーセン(アルフレッド・アベル)の息子フレーダー(グスタフ・フレーリッヒ)も遊び呆けていた。そこへマリア(ブリギッテ・ヘルム)という女性が貧しい格好の子供たちと共にエレベーターに乗ってやってきてフレーダーに「この子たちはあなたと同じ人間です」と説明する。その後、マリアは元の階層に追い払われるが気になったフレーダーは彼女の後を追い、地下の階層に降りる。

 その地下の階層でのありさまをみて驚く。労働者の一人があまりの環境に耐え切れず死亡。一人が欠けたことで一部の工場が爆発し多くの労働者が死ぬ。フレーダーはその様を人間を生贄にする破壊神モロクの姿を重ねる。

 フレーダーはすぐに父フレーダーソンになぜメトロポリスを支える労働者があそこまで貧困を強いられているのか疑問をぶつける。フレーダーソンは息子が地下の階層を見てしまったことを嘆きつつ、その時にメトロポリスの中枢工場(ハインリヒ・ジョージ)から届けられた見取り図を渡され、本来見取り図を渡すのは秘書ヨサファト(テオドール・ロース)の仕事だ、としてヘマをしたヨサファトを労働者階層に格下げする。

 悲嘆したヨサファトは拳銃で自殺を図ろうとするがフレーダーによって止められる。

 やがてフレーダーは地下で倒れた労働者の代わりに労働をしてみる。あまりの過酷さに自身も倒れこみそうになるが労働を終え、ある女性が集会を開くと聞きその集会に行ってみる。

 その集会ではあのマリアという女性が説法を説いていた。バベルの塔〈史実より少し左翼的に脚色している〉の話、そして労働者たちに資本者との仲介者が出現するまで耐えるのだ、と説く。

 そしてマリアは自分の話をきくフレーダーを見つける。マリアは話を終えてからフレーダーに「あなたこそ仲介者かもしれない」として彼と交流をする。

 一方、それを密かにフレーダーセンが友人の科学者ロトワング(ルドルフ・クライン=ロッゲ)と共に見ていた。元々、フレーダーセンはロトワングから仕事の効率で人間に勝る機械人間を発明した、と知らされ来ていたがロトワングに機械人間とは別に見てほしいものがある、として見せられたのがマリアの説法だった。

 いずれ労働者の反乱が起きるのではないか、と危惧したフレーダーセンはロトワングに彼女の拉致と彼女そっくりのアンドロイドを作ってマリアと労働者の関係を断ち切らせよ、と命じる。ロトワングはマリアを誘拐し彼女そっくりのアンドロイドを作ることに成功する。

 やがて次の集会に現れたマリアは豹変し平和ではなく武力によって機械を破壊せよ!と労働者を扇動していたのだ。ヨサファトによってそれを知ったフレーダーは彼女が偽物である、と気づくが狂いだした労働者たちによって追われる羽目になりフレーダーは逃走する。

 フレーダーセンの命令であるマリアと労働者の関係を断ち切らせよ、ということを完全に無視したロトワング。実はロトワングはフレーダーセンとは恋敵で好きだった女性をフレーダーセンにとられてしまったのだ。やがてそのフレーダーセンの妻がフレーダーを産んで死んでからロトワングは狂いだしメトロポリスの構造そのものの破壊を目論みアンドロイド・マリアにフレーダーセンの命令を無視して労働者を暴徒化するよう煽らせたのだった。

 やがて暴徒と化した労働者たちはメトロポリスの中枢の工場を襲撃。工場長が止めるのを聞かず暴徒化し工場の破壊を開始する。やがてアンドロイド・マリアはメトロポリスの心臓部分を壊してしまう。

 労働者が暴徒化し中枢工場を襲った、と聞いたフレーダーセンは中枢工場が壊されれば労働者層の住居区が水没するだけだ、と冷静に対応し水門を開けさせる。水門が開いたことで水が居住区に及び始める。

 解放された本物のマリアは住居区でフレーダーと再会。フレーダーやヨサファトと共に地下階層から子供たちを避難させる。

 一方、工場破壊後、工場長により中枢工場が壊されると自分たちの居住区が水没する、とやっと聞かされ認識した労働者たち。自分たちの行為が誤っていたことに気付きその矛先をアンドロイド・マリアに向け支配者層の階層へ突撃する。

 一方、アンドロイド・マリアがメトロポリスの心臓部分を破壊したことで支配者の階層でも停電や混乱が発生。フレーダーソンは事の重大さを認識しそれから自分の息子を案じて探し始める。

 アンドロイド・マリアは頭脳的支配者たちに「労働階級の汚い貧困層どもは水没した!」と言いふらして頭脳的支配者層の人々からもてはやされていた。

 そこに暴徒と化した労働者たちが突撃。労働者たちは自分たちを騙したアンドロイド・マリアを火あぶりにする。たまたまそこへやってきたフレーダーは途中で別れた本物のマリアが火あぶりにされている、と勘違いをして止めようとしていた。

 しかし火あぶりにされたアンドロイド・マリアがマリアの塗色がはがれ、機械そのものに姿が戻ったことで人々は魔女だ!と恐れおののく。一方、本物のマリアじゃないと知ったフレーダーは一安心する。

 本物のマリアはアンドロイド・マリアが捕まれば自分も危ないので処理しようとしていたロトワング博士と遭遇する。ロトワング博士は本物のマリアをアンドロイド・マリアと勘違いし追いはじめる。

 本物のマリアを見つけたフレーダーはマリアの危険を察知し、ロトワング博士と対決。マリアを殺そうとするロトワング博士と揉め合いの末に投げ落としたのだった。

 やがて必死にフレーダーを探していたフレーダーセンと再会。親子で抱擁を交わす。

 その後、労働者たちはフレーダーソンと和解の握手をしにくる。労働者を代表して工場長がフレーダーソンと握手しようとするが二人ともためらっているようだった。そこでフレーダーが二人の手をとりそしてキチンと握手させるのだった。

 労働者(手足)、支配者(頭脳)、そして仲介者(心)のどの一つも欠けては実現しえなかったことだった・・









 この後、メトロポリスが共産に倒れこむかは不明です。しかし私としては完全な共産主義に染まらないでほしい、とは思いますね。まあ日本人の考え方なのでしょうが・・


↓2008年に見つかったばかりのフィルムをつなぎ合わせ編集した最新の現存するフィルムで恐らくオリジナルに一番近づいたバージョン。私の観たものはもう少し短縮されていたと思われます。
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ブリギッテ・ヘルム、アルフレート・アーベル 他

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Category: 洋画マ行

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