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北野監督は撮り方がうまいですねえ。感心しました


『キッズ・リターン』 (1996年・日)
キッズ・リターン
スタッフ
監督:北野武
脚本:北野武
製作:森昌行、柘植靖司、吉田多喜男
音楽:久石譲
撮影:柳島克己
編集:北野武、太田義則
配給:オフィス北野、ユーロスペース
キャスト
ミヤワキ・マサル:金子賢
タカギ・シンジ:安藤政信
ヒロシ:柏谷享助
南極五十五号:北京ゲンジ
ハナヤマ:やべきょうすけ
ハナヤマの仲間の短髪男:大塚義隆
ハナヤマの仲間の金髪男:翁和輝
担任教師:森本レオ
ジムの会長:山谷初男
カズオ:津田寛治
サチコ:大家由祐子
サチコの母:丘みつ子
ハヤシ:モロ師岡
若頭:寺島進
ヤクザの会長:下條正巳
ヤクザの組長:石橋凌


 北野武監督作品「キッズ・リターン」

 北野武には独特な撮り方がありますね。私ははっきり言って、撮影技法だとかそういう製作上での技術、というものはあまり気にしないし、そういうものをメッタに評価はしないのですが武の撮り方は本当に独特だ、ということは分かりました。

 武がバイクで事故って死にかけた後に復帰してはじめて撮った作品です。やはり死ぬ寸前まで人は陥ると考え方も変わるようです。

 私自身はこの映画を淀川先生が評価している、ということを知って興味を持ちました。あの洋画を愛し邦画のことは洋画ほどは語らない淀川先生が、という思いで観賞しました。まさしく青春ですね。

 しかし北野監督はこのキッズ・リターン以前の映画が何故か国内のウケが悪い。彼を褒めたたえる評論家(淀川さんや黒澤明など)もいるにはいますが、多くはないし興行収入もさほど良くない。私は北野映画を「芸術」として観ていますので、近年芸術映画離れし娯楽映画ばかりが撮られる日本では評価されにくいのも仕方ないでしょうか。まあ映画人の評価が悪いのは、彼がタレントであるのに映画監督なんて生意気である、というところにもあるのでしょうが。もちろん、それが悪いとも私は言いませんよ。

 でも私は北野監督は「俺は映画を知らない」と、本当に北野武がそこまで映画を知らなかった時代の映画の方が好きですねえ。周囲から映画として非常識だ、と言われるくらいの映画を作ってほしいものです。私は絶対観ますから!、なんて言いたいですがね。

 全体的にまとめるとこの映画は男の青春と友情の映画です。独特の青春ですよねえ。そして独特の世界観。


【あらすじ】

 不良のマサルとシンジ。二人は授業を平然とサボり教師からは「学校に来なくていいから、迷惑だけはかけるな」と見捨てられていたが二人は不良なら不良らしく楽しんでいた。ある日、ボクサーに返り討ちにされたマサルはシンジを連れてボクシングジムに通う。だがボクサーの卵としてはマサルの方が上だった・・・














【以下全文ネタバレ注意】













↓四行後にネタバレ文あり




 高校に通うミヤワキ・マサル(金子賢)とタカギ・シンジ(安藤政信)の二人。二人は担任(森本レオ)らから見放され、授業にも出ず窓から人形を吊るしたり、自転車で二人乗りで校庭を走りまわったりと遊び回っていた。シンジがマサルのことをマーちゃんと呼び慕い、引っ張られるような形になっている。

 たまに授業に出ても教師に「お前らは迷惑さえかけなければ教室に来なくていいんだ」と言われる始末。それなら出てやる必要はない。

 いつも寄る喫茶店ではおどおどしたヒロシ(柏谷享助)が喫茶店のサチコ(大家由祐子)にアプローチをかけている。サチコの母(丘みつ子)はヒロシ君、いいんじゃない?というがサチコは気にかけてもいないようだった。

 夜になれば、ラーメン屋に行きオヤジ(田村元治)から酒とタバコを貰う始末。そして常連のヤクザの組長(石橋凌)をマサルは心酔している。

 ある日、カツアゲした生徒(宮藤官九郎、菊川浩二)が助っ人(石井光)を呼んでいた。構わずマサルは殴りかかるが助っ人はボクサーだった。コテンパンに返り討ちに遭わされる。

 その日以来、マサルと会えないシンジ。学校にひとまず通いつまらない通学生活を送っていた。しかし久しぶりにマサルと再会したシンジはマサルに連れられてボクシングジムへ通うことになる。

 シンジはボクサーとしての芽を開花させていた。ジムの会長(山谷初男)もシンジに目をかけるようになっていた。

 そしてある日、マサルはシンジと打ちあった時にシンジに大敗してしまう。その次の日からマサルはジムに通わなくなってしまう。

 一方のヒロシはサチコにはかりの会社に就職することを打ち明ける。サチコの母はいい物件じゃないかあ、とサチコに提案していた。

 マサルがいなくなってもシンジはジムに通い続けていた。そんななかでシンジは先輩のボクサー・ハヤシ(モロ師岡)から色々なことを教わる。シンジは期待のボクサーとして輝きだす。

 そんな時に久しぶりにマサルと再会する。マサルはラーメン屋でよく出会うヤクザの組長に従っていたのだ。シンジとマサルはお互いに何も話さないままマサルはタバコを買いに行った。

 かつての同級生の進路はさまざま。お笑いの練習をしていた二人(北京ゲンジ)は大阪へ行った。不良三人組(やべきょうすけ、大塚義隆、翁和輝)はシンジの通うボクシングジムに通っていた。

 ヒロシはサチコと結婚していた。だがはかりの会社の上司(平泉成)に不満を持った友達に押され、共に会社を辞めてタクシーの運転手になってしまった。客(大杉漣)にいびられ、上司(日野陽仁)に業績の悪さで嫌味を言われる毎日を送る。

 しばらく経ったころ、久しぶりにマサルがシンジの通うジムにやってきた。マサルは全身に入墨をいれている。マサルは組長が殺した敵対ヤクザに対し殺した罪を若い部下のカズオ(津田寛治)に拳銃を持って警察に行くように言い、若頭(寺島進)を九州へしばらく隠れさせ、現在若頭のシマをマサルが管理しているのだ。

 しかしマサルはすぐに会長によって出入り禁止にされてしまう。マサルはシンジに「じゃあな」と言い車に乗って去って行った。

 シンジはパフォーマンスの前座で試合で敵ボクサーに勝利する。その試合でジムのチャンピオン・イーグル飛鳥(吉田晃太郎)が試合で敗北する姿を見る。

 その頃からシンジはハヤシに再びべったり付いており、ハヤシはシンジに酒を飲ませてたらふく食べさせる。シンジは最初は戸惑っていたが今では普通に酒が飲めてしまう。ハヤシは吐けば減量できる、と言うがシンジはなかなか減量できずに会長に怒られていた。

 ハヤシはシンジに怪しい薬を飲ませるがシンジはそれでもうまくいかなかった。

 一方、マサルは組長が撃ち殺され、仇討にいかない、という結論を出した会長(下條正巳)を罵倒して退室する。会長は若頭にシンジを〝仕置き〟するよう命令する。

 万全な体調でないままシンジはボクシングの試合にのぞむ。結果は大敗だった。

 ヒロシはタクシーで事故を起こしてしまう。

 マサルはかつての部下たちに若頭の命令でボコボコにされ若頭によって日本刀で腕を切られてしまう。かくして輝かしい時代は一旦、終わりを迎える。

 さらに数年後、新聞の配布をするシンジは職探しをしているマサルと再会し久しぶりに自転車で二人乗りをする。

 ヒロシは事故を起こしたが何とか生きており、サチコに映画を観に行こうと誘うが断られる。

 大阪へ来た二人組は南極五十五号を名乗り、今はネタがなんとかウケている。

 マサルとシンジは学校の校庭を自転車で遊び回る。校庭を見つめる生徒を教師が「またあのバカどもだ」と冷たく言い放つ。

 シンジはペダルを漕ぎながら「マーちゃん。俺たち、もう終わっちゃったのかなあ」としみじみと言う。マサルは「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」と二人で笑い飛ばすのだった・・・










 久石譲が音楽を担当しているだけあってこの主題歌、良い曲ですよねえ。

 自転車っていうのが本当に青春の象徴ですよね。青春という人生の一部に、北野は人生そのものを映画として描きました。

 この映画は主人公たちがどんな道でも輝かしい人生を駆け上がる、という希望を見せかけて挫折させて落とす。しかし最後にはそんな落ちぶれた人間たちも楽しく生きられる、という温かさや優しさ、希望で包み込んでしまう。北野監督なりの優しさをこの映画に吹きこんでるんでしょう。

 しかしやはり挫折という冷酷な人生の一部を見せつけられるとしみじみと感じます。やっぱり生きるのって死ぬより難しいですよねえ・・
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Category: 邦画カ行

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